妊娠に関する新しい技術や治療法が次々と明らかにされていく中、
世論的に賛否両論を起こす研究も始まろうとしています。
それが着床前スクリーニング。
この方法をどう受け止めるかはその人それぞれですが、
妊活中のご夫婦であれば、いったいどんな研究なのか?っていう点は
やはり押さえておきたいところではないでしょうか。
着床前スクリーニングっていったいなんでしょうか?
賛否両論が起こっているのはなぜでしょう?
あなたは着床前スクリーニングについて知った後、どう感じられるでしょうか?
妊娠について、命について、少し考えてみませんか?
着床前スクリーニングっていったいなに?
着床前スクリーニングとは、体外授精させた卵子の中から
異常のないものだけを選んで、お母さんの体に着床させるという技術。
着床しにくく、流産に繋がりやすい染色体異常のある卵子を避けて
状態の良い卵子だけを着床させることで、妊娠の確率を上げようという方法です。
これから実際に赤ちゃんを望んでいるカップルを対象に研究が行われるとのことで、
方法が確立した際には、わたしたちも普通に産婦人科などで
実施してもらうことができるようになるかもしれません。
着床前スクリーニングってどういう方法で行うの?
着床前スクリーニングは、実際にどのような方法で行うのでしょうか。
まずはお父さんから精子、お母さんから卵子を取り出して体外受精させます。
その後、体外受精した卵子をすぐに母体に戻すのではなく、
受精卵の一部を調べて、染色体を検査します。
ここで染色体の異常が見られた受精卵は母体に戻しません。
異常のないものだけを戻し、着床させます。
そうすることで着床しやすい卵子を選ぶことができ、
流産の可能性を出来るだけ低くすることができるようです。
しかしこの着床前スクリーニングには、賛否両論が集まっているんです。
賛否両論があるのはなぜ?
いったいなぜ、着床前スクリーニングには賛否両論あるのでしょうか?
反対している方はどんな点が気になっているのでしょうか。
まずは出産の前に、着床させる卵子とそうでない卵子を選べるところ。
自然の仕方に任せず、人が命を永らえさせるかそこで終わらせるか判断し、
取捨選択が出来るという点です。
倫理的に見てそれが正しいのかどうか…議論が尽きないポイントです。
さらに染色体異常を起こしている卵子を捨てるということで、
障害を持っている方への差別が酷くなるのではないかという声も聞かれます。
染色体の多い、少ないの関係で障害を持って産まれたとしても、
喜びを持って生活し、社会で大きな活躍をしている方も少なくありません。
そのような可能性のある命を、事前に産まない判断をする…
それが正しいことかどうか?多くの意見が出されているのも頷ける、難しい問題です。
もちろん賛成の声も多く聞かれます。
基本的に着床前スクリーニングは、流産を繰り返してきた方を対象に行われている研究です。
繰り返す流産は、母体に大きな負担を与えてしまいますし、
もちろん精神的な負担も計り知れないものがあります。
科学の進歩によってそのリスクを最小限に出来るなら、それは良いことだという意見があります。
また少子化の問題が叫ばれつつも、高齢出産も増えている昨今なので、
出来るだけ出生率を上げる研究は歓迎するべきだという声もあるようです。
様々な意見がありつつも、少しずつ研究が進められている着床前スクリーニング。
すでに600組のカップルを対象にした臨床研究の計画も始まっているようです。
あなたがもし、着床前スクリーニングを行うよう勧められたらどうするでしょうか?
賛成ですか、反対ですか?
妊娠しやすい体を作るための妊活のなかに、
こんな命についての疑問を考える時間を持つのもいいかもしれませんね。
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