「13年落ちの愛車、今回の車検見積もりが25万円だと……!?」
ディーラーから渡された見積書を見た瞬間、私たち夫婦は言葉を失いました。買い替えるためのまとまった貯金はないけれど、かといって「25万円もかけて直すのが正解なのか?」と激しく葛藤したのを今でも鮮明に覚えています。
古い車の車検のたびに、家計と天秤にかけて頭を抱えてしまうことはありませんか?「思い出がいっぱい詰まってる車だし、まだ走るから直して乗りたい」という気持ちと、「車検のあとにまた別の場所が壊れたら家計がもたない!」という不安。数年前の我が家はまさにこの状態でした。
そして実は私たち、過去に「とりあえず車検を通す」という選択をして、車検直後にオルタネーター(発電機)が故障し、結局手放すことになって車検代をまるまる大損するという大失敗をやらかしています。あの時、「もっと冷静に判断基準を持っていれば……」と悔やんでも遅かったのです。
本稿では、当時の私たちがその大失敗から抜け出すために徹底的に調べ上げ、体当たりで学んだ「古い車の車検と買い替えの判断基準」を整理します。愛着や目先の費用だけで決めるのではなく、今後の修理リスクや現在の価値をどう天秤にかけるべきか。我が家のような後悔をしないためのヒントをお伝えします。
古い車の車検費用が高くなる理由
「なんでこんなに高くなってるの!? 2年前は10万円台だったのに!」
見積書を前にパパが声を荒らげた日。実はこれ、古い車に乗っていれば誰もが直面する残酷な現実でした。私たちも最初は「車屋さんにぼったくられているんじゃないか?」と疑ってしまったのですが、内訳を一つひとつ確認し、自分たちで調べていくうちに、高額になる明確な理由があることを思い知らされたのです。
年数が経つほど交換部品が増えやすい
新車の頃は、オイル交換やワイパーゴムの交換くらいで済んでいた車検。しかし、10年、13年と乗り続けていくと、ゴム製の部品(ブッシュ類やブーツ類)が劣化してヒビ割れたり、ブレーキパッドが限界まで摩耗したりと、交換必須のパーツが一気に増えます。
当時の我が家の見積書には、「ロアアームブーツ交換」「タイロッドエンドブーツ交換」「ブレーキローター研磨・パッド交換」といった、普段聞き慣れない部品の名前がズラリと並んでいました。「これって今すぐ替えないとダメなの?」と食い下がったパパに、整備士さんは「ここが破れていると車検に通らないんですよ」と一言。見えない足回りの部品たちが寿命を迎えると、部品代と工賃で数万円単位の出費がポンポンと追加されてしまうのです。タイヤ交換前に車を売るべき?やバッテリー交換前に車を売るべき?と悩む前に、まずは必須の交換部品を見極める必要があります。
前回車検では問題なかった部品が一気に交換時期になることがある
さらに厄介だったのが、「前回は大丈夫だったのに……」という現象です。
車には「10万キロ」や「10年」といったタイミングで寿命を迎える大物部品が潜んでいます。たとえば、タイミングベルト(最近の車はチェーン式も多いですが)、ウォーターポンプ、ラジエーター、さらにはエアコンのコンプレッサーなど。
我が家が一番泣かされたのは、この「寿命ラッシュ」でした。「2年前の車検では何も言われなかったから、今回も大丈夫だろう」とタカをくくっていたら、様々な部品が同時に限界を迎え、見積もりが跳ね上がってしまったのです。「古い車は、まるで家電が一気に壊れるようにガタが来る」ということを、私たちは身をもって学びました。
13年超えの車は税金面でも負担が増える場合がある
部品代だけでも目を覆いたくなるのに、さらに追い打ちをかけてきたのが税金です。
見積書の「法定費用」の欄を見て、パパが「あれ? 重量税と自動車税、上がってない?」と気づきました。そうなんです。ガソリン車の場合、新規登録から13年を経過すると、自動車税も自動車重量税もドカンと割り増しになります。
「古い物を大切に長く使うのは良いことのはずなのに、なんで税金が高くなるの!?」とママは納得がいきませんでしたが、これが現実。ただでさえ修理代がかさむ時期に、固定費である税金まで上がってしまう。この「13年の壁」が、古い車の維持費を限界まで押し上げる最大の要因だと痛感しました。
古い車でも車検を通して乗った方がいいケース
「じゃあ、古い車は車検前にもう全部売っちゃうべきなの?」
そう焦ってしまいがちですが、ちょっと待ってください。かつての我が家のように「車検代が高すぎるから」と思考停止して手放すのも、実は危険です。「全部売るべき」なんてことは決してありません。
パパが過去の失敗を教訓に、冷静にジャッジして「これは車検を通して乗ろう」と決断したケースもありました。ここでは、私たちが実際に「乗り続ける」と判断した基準を整理します。
修理内容が消耗品中心で、今後も大きな故障リスクが低い
見積もりが高額でも、その内訳が「タイヤ4本交換」「バッテリー交換」「ブレーキパッド交換」など、あくまで「消耗品」によるものである場合は、車検を通す価値が十分にあります。
我が家でも、「今回の見積もりは高いけど、これはエンジンやミッションの深刻な故障じゃない。消耗品をリフレッシュすれば、あと2年は安心して乗れるはずだ」とパパが分析したことがありました。逆に、オイル漏れがひどかったり、エンジンの異音が直らなかったりといった「根本的な寿命」が疑われる場合は危険信号です。内訳を見て、「ただの消耗品の寿命」なのか「車自体の寿命」なのかを見極めることが重要です。
走行距離が少なく、車の状態が良い
年式は10年落ちでも、週末の買い物くらいにしか使っておらず、走行距離がまだ5万キロ程度。そんな状態の良い車であれば、無理に手放す必要はありません。
近所のパパ友がまさにこのパターンで、「12年乗ってるけど、車庫保管で走行距離も少ないから、ゴム部品の劣化以外はすこぶる調子がいい」と、車検を通して乗り続けていました。走行距離が少なければ、エンジンや駆動系へのダメージも少なく、まだまだ長く活躍してくれる可能性が高いからです。
買い替え費用の方が大きく、今の車に不満が少ない
「25万の車検代は痛いけど、今から200万円の中古車を買うローンを組む余裕なんて、うちにはないよ……」
これも切実な本音です。車検費用がいくら高くても、車を買い替えるとなれば、車両本体価格に加えて登録諸費用などもかかります。今の車に「サイズ感がちょうどいい」「乗り慣れている」といったメリットがあり、大きな不満がないのであれば、目の前の修理代を払って乗り続けた方が、トータルの家計からの持ち出しは少なく済むケースも多いのです。
愛着があり、用途にも合っている
そして最後に、絶対に無視できないのが「愛着」です。
ママが「子どもたちが小さい頃、この車でいろんなところにキャンプに行ったよね。シートのシミも思い出だし、やっぱりこの車が好き」と言ったとき、単なる損得勘定だけでは決められない何かがあることに気づかされました。
家族の思い出が詰まっていて、今の生活スタイル(保育園の送迎や買い物など)にもピッタリ合っている。もしそうなら、「あと一回だけ車検を通して、2年間の猶予期間の間にゆっくり次を考えよう」という選択も、決して間違っていません。
| 比較ポイント | 車検を通して乗った方がいいケース | 売却を考えた方がいい(危険信号)ケース |
|---|---|---|
| 修理の内訳 | タイヤやバッテリーなど「消耗品」がメイン | エンジン不調、オイル漏れなど「深刻な故障」 |
| 走行距離 | 年式のわりに少ない(5万〜8万キロ程度) | 10万キロ・15万キロを大きく超えている |
| 今後の出費 | 今回直せば、しばらく大きな出費はなさそう | 次から次へと別の場所が壊れる予感がする |
| 買い替え予算 | 今すぐまとまった資金を出すのは厳しい | ローンを組んだり貯金を使ったりする余力がある |
| 車への気持ち | 愛着があり、今の生活スタイルにも合っている | 実はもうサイズが合わず、不満を感じている |
直すより売った方がいいケース
「直せばまだ乗れるんだから、もったいないよ!」
あの時、そう言って25万円の車検を通したママ。そして数ヶ月後、旅行中に突然エアコンが効かなくなり、さらにエンジン警告灯まで点灯してレッカー移動される車内で青ざめたパパ。これが我が家の最大のトラウマ「車検直後の高額故障」です。
「古い車は直すか売るか」の判断において、「直せば乗れる」という事実だけで車検を通すのは本当に危険です。当時の私たちは、その場しのぎの出費しか見ておらず、未来のリスクを完全に甘く見ていました。ここでは、私たちが痛い目を見て学んだ「これは手放す(損切りする)決断をした方がいいケース」を赤裸々に解説します。
車検費用が車の査定額に近い、または上回っている
最も分かりやすい判断基準は、「その車の現在の価値(査定額)」と「車検費用」のバランスです。
当時の我が家の車は、後から調べたら査定額が「10万円」でした。そこに「25万円」の車検代を払ったわけです。つまり、10万円の価値しかないものに25万円をつぎ込むという、冷静に考えれば完全に赤字の投資をしていました。
パパが「あの時、先に査定だけでも受けて『この車は今10万円です』と知っていれば、絶対に25万円かけて直さなかった……」と激しく後悔したポイントです。車検見積もりが高額な時は、車検見積もりが20万円…修理して乗るべき?売却・買い替えの判断基準も参考に、価値と費用のバランスを一度立ち止まって考えてみてください。
車検以外にも高額修理が控えている
「車検を通した=次の車検まで絶対に壊れない」と勘違いしていませんか? かつての私たちは完全にこの罠にハマっていました。
車検というのは、あくまで「その時点で国が定める保安基準を満たしているか」を確認するだけのものです。ですから、エアコンのコンプレッサーやオルタネーター(発電機)、カーナビなどがいつ壊れるかまでは保証してくれません。車検直後に高額部品が壊れると、車検代と修理代のダブルパンチで家計は致命傷を負います。エアコン修理が高い車は売るべき?やエンジン警告灯がついた車でも売れる?といった事態に陥る前に、ディーラーや整備工場で「近々壊れそうな怪しい場所はないか?」を徹底的に聞き出すことが必須です。
10年落ち・13年落ち以上で故障が増えてきた
「最近、窓の開け閉めが遅い」「なんとなくエンジンの振動が大きくなった気がする」といった小さな不具合が頻発している場合、それは本格的な故障のサインかもしれません。
10年、13年と年数が経つと、一つ直してもまた別の場所が壊れる「もぐらたたき状態」に陥ります。パパも「窓のモーターを直した翌月に、今度はドアミラーが動かなくなった」と嘆いていました。このように故障が連鎖し始めたら、13年落ちの車は売るべき?や10年落ちの車はまだ売れる?といった記事も参考に、潔く買い替えのタイミングだと割り切る勇気が必要です。
走行距離が10万km・15万kmを超えている
走行距離も分かりやすい寿命のバロメーターです。10万キロを超えると、サスペンション(足回り)のヘタリが顕著になり、乗り心地がガクンと悪くなります。さらに15万キロを超えると、エンジン本体やトランスミッションといった、修理に何十万円もかかる心臓部の故障リスクが跳ね上がります。
「まだエンジンは元気だから」と思っても、10万キロ超えの車は売れる?という現実的なラインを超えたあたりから、突然の不具合リスクは格段に上がります。過走行の車で高額な車検費用を提示されたなら、売却を強く検討すべきタイミングです。
生活スタイルに車が合わなくなっている
車自体の寿命だけでなく、「家族の寿命(ライフステージ)」とのズレも重要な判断材料です。
たとえば、「子どもが大きくなって、休日に家族全員でミニバンに乗る機会がほとんどなくなった」という場合。それなのに、税金が高く、燃費も悪い古いミニバンに高い車検代を払って維持し続けるのは、家計のムダでしかありません。「とりあえず車検を通す」前に、「今の生活にこのサイズの車が本当に必要か?」を夫婦で話し合うことをおすすめします。
古い車でも売れる?廃車にする前に確認したいこと
「あんな道の真ん中で止まるようなポンコツ、どうせタダ同然どころか、廃車にするのにお金がとられるんでしょ……?」
レッカー移動された後、すっかり心が折れたママはこう嘆きました。古いし、過走行だし、しかも一部壊れている。そんな車、お金を払って処分してもらうしかないと思い込んでいたのです。しかし、パパが必死に調べた結果、これはとんでもない勘違いだったことが判明しました。
古い車でも値段がつくケースはある
「えっ、うちの車に値段がつくの!?」
パパが複数のお店に問い合わせた結果を聞いて、ママは目を丸くしました。実は、日本では「古くて価値がない」とされる車でも、海外では「メイド・イン・ジャパンの車は頑丈で壊れない」と大人気なのです。特にハイエースやランドクルーザーのような耐久性の高い車や、海外で需要のある特定のSUV、または「部品取り」としての価値がある車なら、20万キロの車でも売れる?と疑問に思うようなボロボロの状態でも、驚くような値段がつくことがあります。
通常買取で厳しくても廃車買取なら可能性がある
とはいえ、「近所の中古車買取店に持っていったら『査定0円です』と鼻で笑われた」という経験がある方もいるかもしれません。我が家も最初はそうでした。
しかし、パパが「餅は餅屋だ」と気づいて調べたのが「廃車買取業者」の存在です。通常の中古車買取店は「日本の市場で中古車として再販すること」を目的としていますが、廃車買取業者は「鉄などの資源としての価値」や「海外への輸出ルート」を持っています。廃車買取と車買取の違いを知らないまま、近所のお店で0円と言われて諦めてしまうのは絶対にもったいないです。
| 車の状態 | おすすめの売却先 | その理由 |
|---|---|---|
| 10年落ち前後で、まだ普通に走る | 通常の一括査定 | 国内や海外で「中古車」としての需要が十分にあるため |
| 15万km超えの過走行車 | 廃車買取または輸出に強い業者 | 国内需要は薄いが、海外輸出や部品としての価値が高いため |
| 車検切れ、または故障して動かない | 廃車買取(レッカー無料の業者) | 買取店だと引き取り費用を取られるが、廃車買取なら無料で引き取り&買取してくれるケースが多いため |
動く車は車検前でも査定対象になりやすい
「車検を通してからじゃないと、高く売れないんじゃない?」というのも、ママが抱いていた典型的な誤解です。
実は買取業者からすれば、自社で安く車検を通したり整備したりできるため、「車検の残り期間」は私たちが思っているほど査定額に大きく影響しません。むしろ、自走して店舗に持ち込めたり、査定士の目の前でエンジンをかけて動かせる状態(車検前ギリギリでも)の方が、車の状態を正確に把握できるため、値段がつきやすいのです。
廃車費用がかかる前に買取査定を確認する
ディーラーで「下取り0円ですが、廃車手続きの代行費用として2万円いただきます」と言われたら、絶対にその場でハンコを押してはいけません。
古い車を処分する際、こちらがお金を払うのは「情報弱者」だけだと、身をもって学びました。車検前 古い車 売る場合でも、どんなにボロボロの車でも、まずは無料で査定してくれる廃車買取サービスに連絡する。これが、無駄な出費を防ぐための鉄則です。
古い車の車検前に査定を取るべき理由
「せっかくなら、車検を通してから売った方が高く売れるんじゃない?」
パパから「買い替えも視野に入れよう」と提案されたとき、私は無邪気にそう答えてしまいました。だって、車検がまるまる2年残っている車の方が、買う側としては嬉しいはず。だから査定額にも車検代がそのまま上乗せされると信じ切っていたのです。
しかし、パパに「それは一番やっちゃダメな大損パターンだよ」と呆れ顔で指摘され、詳しく調べてみて愕然としました。
車検を通しても査定額が大きく上がるとは限らない
結論から言うと、車検に通したからといって、払った車検費用分がそのまま査定額にプラスされることは絶対にありません。
例えば、車検に15万円かかったとします。しかし、車買取店が「車検が2年付いているから」といって査定額にプラスしてくれるのは、せいぜい2〜3万円程度(重量税や自賠責保険の未経過分など)の評価額のみです。差し引き12万円以上の大赤字になってしまうのです。
買取業者は自社工場や提携工場で原価レベルで車検を通せるため、一般客が払うような利益の乗った車検費用を高く評価してくれるわけがありません。この事実を知ったとき、私は危うく15万円をドブに捨てるところだったと青ざめました。車検前に車を売るのはアリ?と迷っているなら、絶対に「通す前」に動くのが鉄則です。
査定額が分かると、修理して乗るか売るか判断しやすい
我が家が夫婦喧嘩になりかけた最大の原因は、「この古い車にいくらの価値があるのか」をお互いに知らないまま、感情論で「直す」「直さない」と言い争っていたことでした。
パパが「とりあえず今の査定額を出してみよう」と無料査定を申し込んだのが、事態を動かす突破口になりました。査定額が「10万円」と明確になったことで、「10万円の車に25万円の車検代をかけるのは割に合わないね」と、私もようやく冷静に判断できたのです。車検が高すぎると感じたら?通す前に査定額を確認すべき理由はまさにこれ。数字という客観的な基準があれば、モヤモヤした迷いは一気に晴れます。
高額修理前なら、売却の選択肢を残せる
「とりあえずここだけ直して、来年また考えよう」という先送りの判断も、古い車においては命取りになります。
過去の我が家は、車検を通すために足回りの修理で10万円を払い、その3ヶ月後にエアコンが壊れて「もう無理だ」と手放しました。修理に払った10万円は、当然ですが査定額にはほとんど反映されませんでした。
高額な修理をする前(お金を払う前)であれば、「そのままの状態で売る」という選択肢が残されています。壊れている車でも、前述の通り廃車買取などで値段がつく可能性は十分にあるからです。
車検切れ間近だと選択肢が減る
「車検が切れるまであと3日しかない!」
かつての私たちがそうだったのですが、決断を後回しにしすぎると、足元を見られて安く買い叩かれたり、妥協して高額な車検を通さざるを得なくなったりします。
車検が切れてしまうと公道を走れなくなるため、買取店に持ち込むこともできず、レッカー代を追加で請求されるリスクも出てきます(車検切れの車は売れる?という疑問には、売れるけれど手間と費用がかかる場合があると答えます)。だからこそ、車検満了日の1ヶ月〜2ヶ月前には、査定額の確認だけでも済ませておくべきだと痛感しています。
修理して乗る・売る・廃車買取を判断する手順
「じゃあ、結局何から手をつければいいの!?」
目の前に高額な車検見積もりがあり、刻一刻と車検満了日が迫る中、パパに詰め寄った私。そこでパパが、数々の失敗から編み出した「サルヂエ家流・車と家計の仕分けルール」を提案してくれました。今まさに迷っている方は、騙されたと思ってこの5つの手順を試してみてください。
手順1|車検見積もりを必須整備と任意整備に分ける
まずは、ディーラーや車屋さんから貰った見積もりを夫婦で広げ、蛍光ペンを2色用意します。
そして、整備士さんに電話して「この中で、車検に通すために『絶対に必要な整備』と、安心のための『おすすめ(任意)整備』を分けて教えてください」と確認しながら色分けしていくのです。
我が家の場合、25万円の見積もりのうち、約8万円分は「予防整備(まだ使えるけど、そろそろ替えた方がいい部品)」や「エアコンフィルター交換」などの任意整備でした。「なんだ、車検に通すだけなら17万円で済むのか」と分かるだけでも、判断のハードルがグッと下がります。
手順2|今後2年間に追加出費が出そうか確認する
次に確認すべきは、「車検を通した後」の未来です。
必須整備だけをして車検を安く上げたとしても、その数ヶ月後に高額部品が壊れたら、過去の我が家と同じ「車検直後の高額故障」の罠にハマってしまいます。
整備士さんに「正直なところ、この車、次の車検までにエンジンやエアコン周りで大きな修理が必要になりそうですか?」とストレートに聞いてみてください。プロの目線で「タイミングベルトがそろそろ怪しいですね」などと言われたら、そこが損切りのタイミングです。
手順3|今の車の査定額を確認する
修理のリスクが分かったら、次は今の車の「現在価値」を知るステップです。
我が家では、パパがMOTA一括査定の紹介ページなどを活用して、サクッと査定額を出しました。昔のように何社からも鬼のように電話がかかってくるのが嫌だったので、事前に買取相場が分かり、高額査定を出してくれた上位数社だけとやり取りできるサービスを選んだのは大正解でした。ここで「今の車がいくらで売れるのか(または売れないのか)」を確定させます。
手順4|通常買取と廃車買取を比較する
もし手順3で「10年以上前の車だし、過走行すぎて一括査定では値段がつかなかった…」となっても諦めないでください。
ここで登場するのが、我が家も助けられた廃車買取業者です。カーネクストの紹介ページなどを参考に、廃車買取にも査定を出してみます。ボロボロで0円だと思っていた我が家の車が、海外需要や部品取りの価値を評価されて数万円の値段がついた時は、パパとハイタッチして喜びました。
手順5|車検費用・査定額・買い替え費用を並べて判断する
ここまで来たら、あとは机の上にすべての数字を並べて比較するだけです。
- 最低限の車検費用(手順1で出した数字)
- 今後2年間の修理リスク(手順2の予測)
- 現在の車の査定額(手順3・4で出した一番高い数字)
- 買い替えに必要な自己資金(次の車を買う予算)
「査定額が最低限の車検費用を上回っている」なら売却のチャンス。「車検費用は10万円で済むし、今後の修理リスクも少なく、査定額はほぼ0円。買い替え資金もない」なら、今の車を直して乗り潰すのが大正解。
このように、感情を抜きにして「家計にとって一番マイナスが少ない選択」をパズル感覚で導き出せるようになります。
古い車を売る時の注意点
「いざ売るとなっても、どこにどうやって持っていけばいいの? 少しでも高く見せるコツとかあるのかな?」
手順に沿って「売却」という選択肢が現実味を帯びてきたとき、ママからこんな質問が出ました。実はこの時、当時の私たちがやってしまいそうになった大きな失敗が「焦り」と「下心」です。
古い車を手放す際、少しでも損をしたくないという気持ちから、間違った行動をとってしまう人は少なくありません。我が家のヒヤリハット体験をもとに、絶対にやってはいけない注意点をまとめます。
不具合や修理歴は正直に伝える
「ねえ、エアコンがたまに効かなくなることや、昔バンパーぶつけて直したこと、バレなきゃ言わなくてもいいよね?」
査定前夜、ママが悪魔のささやきをしてきました。「少しでも高く売りたい」という気持ちは痛いほど分かりますが、パパは「絶対にダメ!」と即答しました。
プロの査定士の目は誤魔化せません。もしその場をやり過ごせたとしても、後から不具合が発覚すれば「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」を問われ、後日になって減額請求されたり、最悪の場合は契約解除や損害賠償に発展するトラブルにもなり得ます。
「正直に言って減額されるより、後から揉める方が何倍も精神的・金銭的ダメージが大きいよ」というパパの言葉通り、エンジンの異音やオイル漏れ、過去の修理歴(修復歴)などは、聞かれたらすべて包み隠さず伝えるのが、一番安全で確実な売却の鉄則です。
車検前だからといって焦って安く手放さない
「車検が切れるまであと1週間しかない! もうどこでもいいから、近所のお店に引き取ってもらおうよ!」
ギリギリまで悩んでしまった結果、タイムリミットが迫ってパニックになった過去の私たちです。しかし、焦って足元を見られるのが一番もったいないパターンです。
「今日置いていってくれるなら〇万円で買いますよ」という営業トークに流されそうになりましたが、パパが深呼吸して「いや、一回持ち帰ります」と踏みとどまりました。その後、冷静になって複数社(特に廃車買取業者)に見積もりを出したところ、最初の提示額よりも数万円高い値段がついたのです。
「車検前で時間がない」という状況は、買い叩く絶好の口実になります。どんなに時間がなくても、焦って1社だけで即決しないようにしてください。
低年式・過走行車は買取先選びが重要
古い車を売るとき、新車を買う予定もないのに「とりあえず近所のディーラーに持ち込む」のはおすすめしません。
我が家も最初は近所の大手買取店やディーラーに行きましたが、「10年落ちで10万キロ超えですから、正直お値段はつけられませんね。処分費用をサービスで無料にしておきますよ」と恩着せがましく言われました。
でも、前述の通り、古い車や過走行車には「海外輸出」や「部品取り」という別の需要があります。その車に合った販路を持っている業者(廃車買取業者や、輸出に強い買取店)に査定を依頼しなければ、本当の価値は引き出せません。「どこに売るか」を間違えると、本来もらえるはずだった数万円を逃してしまうことになります。
車検が切れる前に動く
「面倒くさいから、車検が切れてからゆっくり考えればいっか……」
この考えも非常に危険です。車検が切れてしまうと公道を走れなくなるため、店舗に持ち込んで査定してもらうことができなくなります。出張査定に来てもらうことは可能ですが、いざ売却が決まったときに「レッカー移動」が必要になり、買取額からレッカー代を差し引かれてしまうケースもあります。
また、「動かして状態を確認できない」ことは、査定額のマイナス要因にもなります。「車検切れ前」は、ただでさえ選択肢が狭まるタイミング。我が家の失敗から言えるのは、どんなに遅くとも「車検満了日の1ヶ月前」には査定や見積もりの比較をスタートさせるべきだということです。
まとめ|古い車の車検が高いなら、直す前に査定額を確認しよう
「思い出が詰まった車だから、なんとか直して乗り続けたい」
「でも、これ以上修理費を注ぎ込んで家計が赤字になるのは怖い」
その葛藤、本当によく分かります。数年前の我が家も、ディーラーで渡された25万円の見積書を前に、数日間ずっと夫婦で悩み続けました。そして、焦りと無知から「とりあえず直す」という最悪の選択をしてしまい、車検直後に別の場所が壊れてすべてを失う大損を経験しました。
古い車の車検が高いと感じたとき、一番やってはいけないのは「思考停止」です。
「愛着があるから」「買い替えるお金がないから」という理由だけで、現在の車の価値と未来の修理リスクから目を背けてはいけません。
当時の私たちにいま声をかけるとしたら、間違いなくこう言います。
「車検を通すか迷っているなら、今すぐ『今の車の査定額』を出してみなさい」と。
査定額という客観的な数字が出れば、「10万円の価値しかない車に25万円の修理費をかけるのはやめよう」と冷静に損切りできるかもしれません。逆に、「査定がほぼ0円で、車検費用が10万円で済むなら、今回は直して乗り潰そう」と腹をくくれるかもしれません。
どちらの結論を出すにしても、まずは「今の車の価値を知ること」がすべてのスタート地点になります。
まだ普通に走る車なら、一括査定で複数社の値段を比較してみてください。もし10年落ち・過走行などで値段がつかないと言われたり、すでに故障があったりする場合は、廃車買取の無料査定を試してみてください。
「あの時、先に査定だけでも受けていれば……」
私たちサルヂエファミリーと同じような後悔をする前に、ぜひ手元にあるスマホで、愛車の「今の価値」を確かめる第一歩を踏み出してみてください。その小さな行動が、数万円〜数十万円の家計の無駄を防ぐ最大の防衛策になるはずです。