車の売却

EVの査定で見られるポイント|バッテリー劣化・交換歴・事故歴は価格に影響する?

「最近、うちのEV、フル充電してもなんだか走れる距離が短くなってない……? スマホみたいにバッテリーが劣化してたら、査定でめちゃくちゃ買い叩かれるんじゃないの?」

ある週末、ドライブに出かけようとした矢先、直感派のママがポツリとこぼしたこの一言から、我が家(サルヂエファミリー)の「EV売却に向けたドタバタ検証」は始まりました。

実は私たち、以前に少し車をぶつけて修理したことがあり、理屈派のパパも「床下のバッテリーに傷がついてたら一発アウトってネットで見たぞ。ディーラーの下取りに出したら、足元を見られてタダ同然の値段をつけられそうで怖いんだよな……」と頭を抱えていました。かといって、近所の買取店に持っていって、そもそもEVの本当の価値なんてわかってもらえるのか? 安く手放すのは絶対に嫌だけど、どう動けばいいか全然わからない。

そんな不安と焦りに駆られた私たちは、実際に複数の買取業者に査定を依頼し、プロの査定士さんが「EVのどこを、どう見ているのか」を徹底的にヒアリングしてきました。

はじめに結論をお伝えすると、EV査定ではバッテリー劣化や修復歴、交換歴なども確かにチェックされますが、それだけで「売れない」「必ず大幅に買い叩かれる」ということはありません。 年式や走行距離、内外装といったガソリン車共通の項目も含めて総合的に評価されます。ただし、EVはガソリン車以上に「業者によって提示される査定額の差が非常に大きい」という特徴があります。

この記事では、かつての私たちのように「バッテリー劣化や事故歴を理由に安く買い叩かれるのではないか」と不安を抱えている方に向けて、我が家のリアルな体当たり検証と失敗談を交えつつ、EV査定の「本当のところ」を分かりやすく解説します。読めばきっと、「なんだ、しっかり準備して比較すれば大丈夫なんだ!」と安心していただけるはずです。


EVの査定で見られるポイントはガソリン車と違う?

「そもそもEVの査定って、ガソリン車とは全く違う特別な検査をされるんじゃないの?」

初めて買取店に車を持ち込んだとき、私たちは内心ビクビクしていました。「特殊な機械に繋がれて、バッテリーの寿命を1%単位で暴かれるに違いない……!」と勝手に想像していたからです。しかし、実際に査定の様子に密着してみると、意外な事実が判明しました。

年式・走行距離・修復歴・内外装はガソリン車と同じ

査定士さんが最初に見始めたのは、なんと車の外装や内装、職人技のような手つきでチェックする骨格部分、そして走行距離のメーターでした。「あれ? バッテリーは見ないんですか?」とパパが思わず聞くと、査定士さんは笑ってこう答えました。

「もちろんEV特有の部分も見ますが、大前提として『年式・走行距離・修復歴の有無・内外装の綺麗さ・ボディカラー・装備品』といった基本項目は、ガソリン車と全く同じ基準で評価するんですよ」

これには夫婦で拍子抜けしました。我が家のEVは走行距離こそ少し伸びていましたが、ママがこまめに車内を掃除していたおかげで内装の評価は上々。「EVだからといって、車の基本的な価値が変わるわけではない」という事実は、私たちにとって大きな安心材料になりました。

EVではバッテリー状態や航続距離も見られやすい

とはいえ、やはりEVならではのチェックポイントが存在するのも事実でした。基本項目のチェックが終わると、査定士さんの目はダッシュボードのモニターへと向かいました。

「ガソリン車と一番違うのは、やはりここですね。バッテリーの状態(SOH)や、満充電時の航続可能距離、過去に充電トラブルが起きていないか、バッテリー交換歴はあるかといった『電気まわり』は、EV査定の重要なポイントになります」

これを聞いて、ママの顔がサッと青ざめました。「やっぱり……! うちの車、買った時より航続距離が減ってるんです。これって大幅減点ですか!?」と食い気味に質問。後述しますが、ここがEV査定において「私たちが最も恐れていた落とし穴」であり、同時に「正しく理解しておけば怖くないポイント」でもありました。

ただしEV査定はまだ業者によって評価差が出やすい

数社に査定を依頼して私たちが一番痛感したのは、「EVの査定基準は、業者によって驚くほどバラバラだ」という残酷な現実です。

ある一般的な買取店では「うーん、EVは中古で売れにくいし、バッテリーの劣化具合も完璧には保証しきれないので、リスクを考慮してこの価格が限界です……」と、かなり渋い見積もりを出されました。一方で、EVの取り扱いに慣れている別の業者では、「内装がきれいですし、航続距離も年式相応なので全く問題ありませんよ!」と、最初の店より数十万円も高い価格を提示してくれたのです。

「危ない、危ない。最初の店だけで決めてたら大損するところだった……」とパパは冷や汗を拭っていました。ガソリン車以上に、EVは「その価値を正しく評価できる業者と、そうでない業者の差が激しい」のが現状です。

EVは査定でバッテリー劣化を見られる?

さて、ママが最も恐れていた「バッテリーの劣化」についてです。スマホを何年も使っていると、朝100%だったのに昼には半分になっている……あの絶望感が車でも起こり得るわけですから、不安になるのは当然ですよね。

バッテリー劣化は査定に影響する可能性がある

結論から言うと、私たちの嫌な予感は半分的中しました。やはりバッテリーの劣化具合は、査定額に影響する「可能性」があります。

「次に買うお客さんも、一番気にするのは『あとどれくらい走れるのか』ですからね」と査定士さん。バッテリーが著しく劣化していて、カタログ値の半分しか走れないような状態であれば、当然ながらマイナス評価の対象になります。しかし、ここで私たちが勘違いしていたのは「少しでも劣化していたら、ガクンと価格が落ちる」と思い込んでいたことです。

SOHや航続距離は参考にされることがある

EVのバッテリー状態を表す指標として「SOH(State of Health=新品時を100%としたときのバッテリーの健全性)」という言葉があります。専門用語っぽくて難しく聞こえますが、要するに「バッテリーの体力測定結果(%)」です。

パパはネットでこの言葉を仕入れてから、「うちのSOHが80%を切ってたらどうしよう……」と夜も眠れないほど気にしていました。しかし、プロの意見は意外なものでした。

「SOHや航続距離は確かに参考にしますが、それ『だけ』で査定額が決まるわけではありませんよ。年式や走行距離から見て、一般的な劣化の範囲内であれば、大きく減額することはありません。あくまで総合的な評価の一つです」

つまり、新車から5年乗っていれば、バッテリーが多少劣化するのは「当たり前」として評価されるのです。これには「なんだ、スマホみたいに極端に価値が下がるわけじゃないんだね」と、ママも胸をなでおろしていました。

急速充電が多いだけで必ず査定が下がるとは限らない

もう一つ、私たちが恐れていたのが「急速充電のやりすぎ問題」です。週末の遠出のたびに高速道路のSAで急速充電を繰り返していた私たちは、「急速充電はバッテリーに負荷がかかるから、履歴を見られて減額される!」と本気で信じていました。

しかし、これも思い過ごしでした。査定士さんに恐る恐る「急速充電、けっこう使っちゃってたんですけど……」と打ち明けると、「急速充電の回数が多いからといって、一律で査定を下げるようなことはしませんよ。大切なのは、今現在のバッテリーが正常に機能しているか、エラーが出ていないかという事実ベースの診断結果です」とキッパリ。

もちろん、過度な負荷をかけ続けた結果として著しくバッテリーが劣化していれば話は別ですが、「急速充電を使っていた=即減額」という単純な話ではないのです。

【確認日の情報】

※EVの急速充電とバッテリー劣化の相関性および査定基準について、大手自動車オークション運営企業の査定マニュアル(2026年6月確認)に基づき記述しています。

バッテリー保証が残っていると安心材料になる

さらに、査定の現場で私たちが「これ、ちゃんと保管しておいてよかった!」と歓喜したのが「保証書」の存在です。

多くのEVには、メーカーによる「バッテリー容量保証(例:8年または16万km以内にSOHが一定以下になったら無償修理・交換)」がついています。我が家の車もまだこの保証期間内でした。

「このメーカー保証が残っているのは、私たち買取業者にとっても、次に買うお客さんにとっても凄く大きな安心材料になります。プラス査定のポイントですよ!」

保証書をファイルにまとめていたパパ、グッジョブ。バッテリーの劣化を過度に恐れる前に、まずは自分たちの車の「保証期間」がどうなっているかを確認することが、精神衛生上も査定額の面でも非常に重要だと学んだ瞬間でした。

EVは事故歴・修復歴でどれくらい査定が下がる?

次に、パパが一番ヒヤヒヤしていた「事故歴・修復歴」についてです。実は数年前、狭い路地で底をガリッと擦ってしまい、板金修理をした経験があった我が家。「EVの事故車はゴミ同然に扱われる」なんていう過激なネットの噂を真に受けて、パパは査定前、完全に絶望モードでした。

事故歴よりも「修復歴あり」かどうかが重要

査定士さんは、まずパパに「事故歴と修復歴の違い」を丁寧に教えてくれました。

「みなさん混同されがちですが、査定において重要なのは単なる『事故の経験(事故歴)』ではなく、車の骨格部分を損傷して修理したかどうかの『修復歴』なんです。たとえば、ドアやバンパーを綺麗に交換・修理しただけなら、事故の経験があっても『修復歴なし』の扱いになります」

我が家のガリ傷は、ボディの表面的な部分の修理だったため、「修復歴には該当しませんよ」と言ってもらえました。これを聞いた瞬間、パパの背筋がピンと伸び、一気に元気を取り戻したのを覚えています(笑)。事故を起こしたからといって、必ずしも査定が絶望的になるわけではないのです。

EVはバッテリー周辺の損傷が特に見られやすい

ただし、EVならではの「厳しいチェックが入る場所」があることも教えてもらいました。それが「床下(フロアアンダーパネル)」です。

「EVはガソリン車と違って、車体の底面に巨大で高価なリチウムイオンバッテリーが敷き詰められています。そのため、床下に大きな衝撃を受けた形跡や、バッテリーケースの凹み、亀裂などがないかは、ガソリン車よりも念入りにチェックします。ここに致命的な損傷があると、高電圧系統への影響を疑われ、大きな減額対象になってしまうことがありますね」

なるほど、EVの心臓部は足元にあるわけです。もし過去に縁石に激しく乗り上げたり、大きな障害物を床下に巻き込んだりした経験がある場合は、高電圧系統やインバーター、充電口付近の損傷も含めて、慎重に確認されることになります。

事故歴があっても売却できないわけではない

「じゃあ、もし床下に傷があったり、本当に修復歴があったりするEVは、もうどこにも売れないの?」とママが不安そうに呟きました。査定士さんの答えは「いいえ、全くそんなことはありません」でした。

「修復歴がある車や、事故で動かなくなってしまったEVであっても、売却できないわけではありません。EVにはモーターやレアメタル、まだ使えるバッテリーセルなど、資源としての価値がたくさん詰まっています。事故車専門の買取ルートを持っている業者であれば、驚くような値段で買い取ってくれるケースもあるんですよ」

「絶対に売れない」と諦めて廃車費用を払う前に、まずはプロに見てもらうべきだと痛感しました。

修復歴ありのEVは業者によって評価差が大きい

事故歴や修復歴のあるEVこそ、1社の査定だけで諦めてはいけません。なぜなら、「自社で完璧に修理して再販できるルートを持つ業者」と、「リスクを恐れてオークションに横流しするだけの業者」では、提示する金額に雲泥の差が出るからです。

我が家がお話を伺った査定士さんも、「修復歴ありのEVは、ガソリン車以上に業者の『目利き力』と『再販ネットワーク』で価格が変わります。A店で5万円と言われた車が、B店では30万円になることも珍しくありません」と教えてくれました。

EVはバッテリー交換歴で査定が変わる?

「そういえば、うちのリーフ、前にメーカーの保証でバッテリーを新品に交換してもらったんだよね。これって新品同様なんだから、査定がものすごく上がるんじゃない?」

ある日、同じEV仲間である友人のリーフオーナーからそんな相談を受けました。バッテリーが新しくなっているのだからプラス査定になりそうなものですが、実際のところはどうなのでしょうか。

正規交換・保証交換ならプラス材料になる場合がある

査定士さんにこの疑問をぶつけてみると、「それは大きなアピールポイントになります!」と太鼓判を押してくれました。

「ディーラーなどで正規に行われた交換や、メーカーの容量保証による新品(または良品)への交換歴であれば、査定において間違いなくプラス材料、あるいは安心材料として評価されます。中古車を買う側からすれば、『一番高価で劣化が心配なバッテリーが新しくなっているEV』ですから、これほど魅力的なものはありません」

経年劣化によるバッテリーの不安が一気に解消されている状態なので、これは堂々とアピールして良いポイントのようです。

ただし交換理由が不明だと不安材料になることもある

しかし、どんな交換歴でも手放しで喜べるわけではない、という注意点もありました。

「もし、そのバッテリー交換が『大事故を起こして大破したから交換した』とか『水没してシステムが故障したから非正規のショップで中古バッテリーに変えた』という理由だった場合、話は変わってきます。交換理由が不明確だったり、事故やトラブルに起因するものだったりすると、かえって『車体に目に見えない歪みや、高電圧ケーブルの劣化が残っているのでは?』と、買い手側に不安を与えてしまうんです」

何が理由で、どこで交換したのか。その背景によって、プラスにもマイナスにも転じうるのがバッテリー交換歴の奥深いところです。

交換歴は「記録」とセットで伝えることが重要

では、正規の交換であることを証明するにはどうすればいいのでしょうか。答えはシンプルで、「整備記録簿(サービスヒストリー)」を残しておくことです。

「査定のときに『交換しました』と口頭で言われるだけでは、私たちはどうしても安全をみて慎重な値付けをせざるを得ません。ディーラーの発行した『作業指示書』や『整備記録簿』に、いつ、どこの店舗で、何の理由で交換したかがハッキリ記載されていれば、それをエビデンスとして本部に掛け合い、限界まで高い査定額を引き出すことができます」

友人にすぐ「記録簿、絶対にダッシュボードから失くさないでね!」とメッセージを送ったのは言うまでもありません。

EV査定でマイナスになりやすいポイント

ここからは、査定士さんからこっそり教えてもらった「EVの査定でマイナス(減額)になりやすいポイント」を、私たちの目線で分かりやすくまとめておきます。事前に知っておけば、心の準備もできますし、対策が立てられるものもあります。

バッテリー警告や充電トラブルがある

まず、一発でマイナス評価になってしまうのが、メーターパネルに「バッテリーシステム異常」などの警告灯が点灯しているケースや、実際に充電口にケーブルを挿しても上手く充電できないといった「目に見えるトラブル」がある状態です。

「これを隠して売ろうとしても、査定時の動作確認で必ずバレてしまいます。故障を抱えた状態での売却は、修理費用分がそのまま査定額から差し引かれる原因になります」

修復歴・水没歴がある

先ほども触れたように、車の骨格に関わる「修復歴」や、ゲリラ豪雨などで床下まで水に浸かってしまった「水没歴(冠水歴)」は、EVにおいて極めて大きなマイナスポイントになります。

「EVの床下には高電圧のラインが走っているため、水没のダメージは致命的です。最悪の場合、バッテリーが完全に使えなくなっているリスクがあるため、解体・部品取り車としての評価になってしまうこともあります」

過度な怖がる必要はありませんが、こうした歴史がある場合は、それを前提とした「事故車・訳あり車に強い買取店」を選ぶ必要が出てきます。

走行距離が多い・車検が近い

これはガソリン車とも共通しますが、やはり走行距離が10万kmを超えているような過走行車や、車検の満了日が1ヶ月後に迫っているようなタイミングでの査定は、基本的な車両価値の面でマイナスになりやすいです。

「ただし、『車検が近いから』といって、わざわざ高いお金を払って車検を通してから査定に出すのは絶対にやめてください! 車検費用(10万〜15万円など)の元が取れるほど査定額が上がることは、まずありません。車検が切れる前の、そのままの状態で査定に出すのが一番損をしない方法です」

パパも危うく「売る前に車検通したほうが、高く売れるんじゃない?」と自爆するところだったので、このアドバイスには本当に救われました。

補助金の処分制限が残っている

EVを購入する際、国(CEV補助金)や自治体から高額な補助金をもらった方も多いのではないでしょうか。ここに、EV特有の最大の罠が潜んでいます。

「補助金を受け取って購入したEVには、原則として『3年〜4年』といった一定の保有義務期間(処分制限期間)が定められています。この期間内に車を売却してしまうと、国や自治体に補助金の一部(または全額)を返納しなければならないルールがあるんです」

査定額そのものが下がるわけではありませんが、手元に残るお金が激減してしまう可能性があります。我が家の車は幸いにも制限期間を過ぎていましたが、売却を急ぐ前に必ず確認すべきポイントです。

EV補助金を受けた車を売るときの注意点はこちらで解説しています。

EV査定でプラスになりやすいポイント

マイナスポイントばかり見ていると気が滅入ってしまいますが、安心してください。もちろん「これを満たしていれば、ガソリン車より高く評価してもらえる!」というプラスポイントもたくさんあります。

バッテリー状態が良い

やはり、何と言っても「バッテリーが元気なこと」は最大の正義です。

年数に対して走行距離が少なめだったり、自宅での普通充電をメインに優しく使われてきたりした車は、SOHの数値も高く維持されています。満充電にしたときの航続距離が新車時に近ければ近いほど、査定士さんも「これなら中古車として自信を持って次のオーナーに勧められます!」と、強気の高額査定を出してくれます。

修復歴がなく内外装がきれい

「僕、車のメカニズムばかり気にしてましたけど、やっぱり見た目って大事なんですね……」と、パパがしみじみ漏らしたポイントがこれです。

どれだけEVとしての機能が優れていても、ボディが凹みだらけだったり、シートがタバコやペットの臭いで汚れていたりしたら台無しです。逆に、我が家のようにママが「内装だけはピカピカに保つ!」と決めて綺麗に使っていれば、それだけで査定士さんの第一印象はガラリと良くなり、プラス評価へと繋がります。

人気車種・人気グレードである

中古車市場での「需要」も、価格を大きく左右します。

日産のサクラやアリア、テスラのモデル3やモデルY、BYDのドルフィンといった、巷で話題の人気車種や、プレミアムオーディオ、プロパイロットなどの先進運転支援システムが充実した上位グレードは、中古車市場でも探している人が多いため、業者側も「多少高くても買い取りたい!」と競い合ってくれます。

テスラの売却タイミングについてはこちらで解説しています。
BYDのリセールについてはこちらで解説しています。

充電ケーブル・付属品・整備記録がそろっている

地味ですが、私たちが「あ、危ない! 納戸の奥にしまい込んでた!」と焦って引っ張り出してきたのが、車載の「200V充電ケーブル」です。

「EVの充電ケーブルは、新品で買うと数万円から10万円近くする非常に高価なものです。これが欠品していると、その分ガッツリ査定がマイナスされてしまいます。また、家庭用の100V変換アダプターや、整備記録簿、スマートキーのスペアなどがしっかり揃っていることは、大きなプラス評価になります」

査定の日には、これらの付属品をすべてトランクに見えやすく並べておくだけで、「このオーナーは車を大切に扱ってきたんだな」という無言のアピールになります。

EVを査定に出す前に準備しておくこと

複数の買取業者をハシゴして揉まれた結果、私たちは「査定で損をしないための事前準備ルーティン」を確立しました。これから査定を受ける方は、ぜひこれを真似してみてください。

整備記録・保証書を用意する

まず、ダッシュボードの中を確認して、これまでの車検や1年点検の「整備記録簿」と、メーカーの「新車保証書・バッテリー容量保証書」が揃っているかをチェックしましょう。

これらがあるだけで、車の「履歴」がすべて証明されます。特にバッテリー交換歴がある場合は、前述の通りその証明書が何よりの武器になります。

バッテリーや充電に関する情報を整理する

査定士さんに「普段、どんな風に充電されていましたか?」と聞かれたとき、モゴモゴしてしまうと印象が良くありません。

「平日は自宅の普通充電で、週末の長距離ドライブのときだけ高速道路の急速充電を使っていました」「現在の満充電での航続距離は、エアコンを切った状態でだいたい◯◯kmくらいです」と、自分の言葉でサラッと説明できるように、直近のメーターの数値をメモしておくとスムーズです。

事故・修理歴は隠さず伝える

パパが一番心配していた「過去のガリ傷修理」ですが、私たちは最初の自己申告の段階で、査定士さんにすべて正直に伝えました。隠したくなる気持ちは分かりますが、これは絶対にNGです。

「プロの査定士は、塗装のわずかな厚みの違いやボルトの回し跡で、修理の跡を確実に見抜きます。後から見つかると『他にも何か隠しているのでは?』と不信感を持たれ、全体の査定が厳しくなってしまいます。最初に正直に言ってもらえれば、こちらも『この程度なら修復歴にはなりませんから安心してください』と、前向きに査定を進められます」

信頼関係を築くことが、結果的に良い条件を引き出す近道になります。

売却前に大きな修理をするかは慎重に判断する

「査定でマイナスされたくないから、あちこち残っている小傷を全部直してから出そうか……」

そう言ったパパを、査定士さんが全力で止めました。

「それは一番もったいないです! 買取業者は自社の提携工場で格安で修理ができるため、一般の方が高いお金を払って板金修理をしても、その修理代金以上に査定額が上がることはありません。傷や凹み、あるいはバッテリーのエラーであっても、まずは『そのままの状態』でいくらになるかを確認するのが鉄則です」

EVは1社査定だけで決めない方がいい理由

ドタバタの売却劇を終えて、我が家がたどり着いた最大の教訓。それは「EVを売るときは、絶対に1社だけの査定で決めてはいけない」ということです。ガソリン車以上に、このルールを破ると大損するリスクが跳ね上がります。

EVに強い業者と弱い業者で評価が分かれやすい

冒頭でもお話ししましたが、日本のリセール市場において、EVはまだ「発展途上」のジャンルです。そのため、業者によって驚くほど知識や取扱経験に差があります。

EVの売買ルートを豊富に持っている「EVに強い店」は、バッテリーの状態を正しく診断し、将来の価値を見越してギリギリの高い値段をつけてくれます。しかし、ガソリン車メインでEVをほとんど扱ったことがない「EVに弱い店」は、バッテリー劣化や高電圧システムのトラブルといったリスクを過剰に恐れ、どうしても「買い叩いた安全な安値」しか提示してくれません。

この2グループの差は、私たちの実体験でも数十万円規模にのぼりました。

バッテリー劣化や事故歴の評価は業者差が出やすい

「バッテリーが80%まで劣化している」「過去に床下を少し擦っている」という同じ状態の車を見ても、業者によってその解釈は180度異なります。

  • A社: 「バッテリー劣化が進んでいるので、次の買い手が見つかりにくい。大幅減額です」
  • B社: 「この年式なら標準的な劣化区分ですし、まだメーカー保証が残っていますから、全く問題ありません。高く買います!」

このように、マイナス要素をどう評価するかの匙加減は業者次第です。1社目で「これは価値がありません」と言われてショックを受けても、2社目、3社目に行けば「お宝」のように扱われる可能性があるのが、現在のEV査定のリアルなのです。

一括査定ならEVの評価差を比較しやすい

外回りの営業マンでもない一般の私たちが、街の車屋さんを1軒ずつ回って「お宅はEVに強いですか?」と聞いて回るのは、時間も体力も持ちませんよね。パパも「毎週末、車屋巡りで潰れるのは勘弁してくれ……」と参っていました。

そこで我が家が活用して大正解だったのが、ネットから無料で申し込める「車一括査定サービス」です。

スマホから愛車の情報を一度入力するだけで、EVの買取に意欲のある複数の業者が一斉に手を挙げてくれます。我が家の駐車場に各社の査定士さんが集まり、その場でリアルタイムに価格を競い合ってくれた結果、私たちは一番EVの価値を理解し、一番高い金額を提示してくれた業者に、お互い笑顔で車を送り出すことができました。

テスラの下取りと買取の違いはこちらで解説しています。

まとめ|EV査定はバッテリー・事故歴・交換歴を整理して複数社で比較しよう

我が家のEV売却レースを振り返り、重要なポイントを最後にもう一度おさらいします。

  • EV査定の基本: 年式、走行距離、修復歴などはガソリン車と共通。そこに「バッテリー状態」や「充電まわり」の評価が加わります。
  • バッテリー劣化: SOHや航続距離は参考にされますが、それだけで価格が決まるわけではありません。メーカーの「バッテリー保証」が残っていれば大きな強みになります。
  • 事故歴と修復歴: 重要なのは骨格を直したかどうかの「修復歴」。EVは床下のバッテリーケース周辺の損傷を厳しく見られますが、事故車であっても売却ルートは必ず存在します。
  • バッテリー交換歴:** ディーラーによる正規・保証交換であれば安心材料としてプラス評価になります。ただし、それを証明する「整備記録簿」が必須です。
  • 最大の対策: EVは業者によって評価の差がガソリン車以上に激しく出ます。「1社だけで決めず、一括査定などを利用して複数社で競わせる」ことが、損をしないための唯一絶対のプレイルールです。

「バッテリーがヘタってきたから……」「前に少しぶつけちゃったから……」と、売る前から諦めて足元を見られる必要は一切ありません!

まずは書類や付属品をトランクに綺麗に揃えて、愛車の「今の本当の価値」を複数のプロの目で確かめてもらうことから始めてみませんか? きっと、「我が家のEV、思ったより高く評価してもらえたじゃん!」という嬉しいサプライズが待っているはずですよ。

EVはバッテリー状態や事故歴、交換歴など、ガソリン車とは違う見られ方をする部分があります。そのため、1社だけの査定額で「このEVは安い」と決めてしまうのはもったいない場合があります。特にテスラ、日産リーフ、日産サクラ、BYDなどのEVは、業者によって評価が分かれやすいため、複数社で査定額を比較してから売却判断するのがおすすめです。売るかどうかは、実際の査定額を見てから決めても遅くはありません。

 

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