車の選び方

機械式駐車場のサイズオーバーは5mmでもダメ?車庫証明が取れるかも解説

サルヂエママ
「えっ、たった5ミリでしょ!?靴のサイズだって5ミリ違っても履けるじゃん!隙間見たら絶対余裕あるって!」

数年前、マンションの駐車場サイズと、喉から手が出るほど欲しかったSUVのカタログを睨みつけながら、妻が理不尽な怒りをぶつけてきたときのことは今でも忘れられません。
当時の我が家は、子どもたちの成長に合わせて少し大きめの車への買い替えを検討していました。しかし、立ちはだかったのがマンションの「機械式駐車場」のサイズ制限です。カタログ値を見ると、無情にも制限サイズを「5mm」だけオーバーしていました。

「『少しでも安く済ませたいけど、自分でやるのは面倒くさい』。家事や育児に追われる毎日の中で、車の買い替えや節約術をつい後回しにしてしまうことはありませんか?実は私たちも、かつては面倒くさがって損ばかりしていました。この記事では、そんな我が家の失敗談も交えつつ、無理なくできる節約&解決法をお伝えします。」……と言いたいところですが、今回ばかりは「たった5mm」を甘く見て、あと一歩でとんでもない大惨事(と数百万円の無駄遣い)を引き起こすところでした。

「ディーラーさんも『これくらいなら皆さん入れてますよ』って言ってたし、バレなきゃ平気だよね?」と強行突破しようとする妻と、「いや、そもそも車庫証明が取れないんじゃないか?」と冷や汗をかく私。

本稿では、当時の私たちが「5mmのサイズオーバー」という壁にぶち当たり、管理会社や警察署(車庫証明)のリアルな現実に直面して体当たりで学んだ知識と、サイズギリギリの車を買う前に絶対に知っておくべき現実的なリスクについて、包み隠さずお話しします。「うちの駐車場もギリギリかも……」と不安な方、必見です。

結論|機械式駐車場のサイズオーバーは5mmでもNGになる可能性が高い

「5ミリくらいなら、パレット(車を載せる鉄板)の枠内には絶対収まるはずだ」。当時の私は、夜な夜なメジャーを持って駐車場に降り立ち、こっそり実際の寸法を測っては「いける、物理的には絶対にいける!」と謎の確信を抱いていました。
しかし、結論から言うと、この「物理的に入る」という希望的観測は、マンションの駐車場管理においては全く通用しませんでした。

制限サイズは「目安」ではなく管理上の利用条件

私たちが一番勘違いしていたのが、「駐車場のサイズ表記は、あくまで『安全に停められる目安』だろう」という思い込みです。
服のフリーサイズや、遊園地の身長制限(少し背伸びすればいけるやつ)と同じ感覚だったんですね。しかし、管理会社に恐る恐る「あのー、5ミリだけ幅がはみ出る車なんですけど……」と相談の電話を入れたところ、担当者からは氷のように冷たい声で即答されました。

「サイズ制限は目安ではなく、契約上の絶対条件です。1ミリでも超えれば規格外ですので、ご利用はお断りしています」

機械式駐車場のメーカーが定めた仕様書に基づく制限であるため、管理会社の一存で「まあ5ミリならおまけしますよ」とは絶対に言えないのだと思い知らされました。

5mm・1cmでも断られるケースがある

「そんなの、管理会社が厳しすぎるだけじゃないの?」と妻は食い下がりましたが、ネットの口コミやマンションの理事会(私も後日参加しました)の話を聞くと、5mmや1cmのオーバーで入庫を断られるのは「あるある」中の「あるある」でした。
機械式駐車場は、何十トンもの鉄と車が入り組んで動く精密機械です。「少しのオーバー」を許容して万が一パレットが引っかかったり、センサーが誤作動して機械が停止したりすれば、マンション全住人の車が出せなくなる大トラブルに発展します。管理側としては、そんな爆弾を抱えるわけにはいかないのです。

実際に入るかどうかと、契約上OKかは別問題

ここが我が家にとって一番の痛恨の気づきでした。
「実際に入庫できるか(物理)」と「使っていいか(契約)」は、完全に別問題なのです。

たしかに、機械式駐車場のパレットには多少の「ゆとり(安全マージン)」が設けられていることが多く、5mmオーバーの車でも、こすらずに入庫できてしまうことは多々あります。ディーラーの営業さんが「皆さん入れてますよ」と言うのは、この「物理的には入る(から、バレずに使っている人がいる)」という事実を指しているに過ぎません。

しかし、それを信じて車を買ってしまい、後で管理会社にサイズオーバーがバレた場合、「契約違反」として即刻駐車場の解約を迫られるリスクがあります。我が家も危うく、納車直後に「車を停める場所がない!」と路頭に迷うところでした。

機械式駐車場でサイズオーバーが問題になる主な項目

「サイズオーバー」と一口に言っても、注意すべきポイントは1つではありません。当時の私たちは「車の横幅」ばかり気にしていましたが、カタログと駐車場の制限ラベルを照らし合わせていくうちに、次々と「見落としていた罠」に気づいて絶望することになりました。

高さオーバー

実は一番トラブルになりやすいのが「高さ」です。我が家の駐車場は「高さ1550mm」制限の段だったのですが、狙っていたSUVは1600mm超え。
「タイヤの空気を少し抜けばいけるんじゃない?」と妻が冗談半分(半分本気)で言っていましたが、機械式駐車場の高さ制限はシビアです。上段のパレットが降りてきたときにルーフ(屋根)が押しつぶされる、あるいはセンサーが異常を検知して機械が緊急停止する原因になります。

全幅オーバー

我が家が直面した「5mmの壁」がこれです。全幅(車の横幅)は、ドアの開け閉めやパレットの枠(タイヤが乗る溝)に直結します。
横幅がギリギリすぎると、真っ直ぐ駐車できたとしても、ドアが壁や隣の車にぶつかって運転手が降りられなくなるというコントのような事態が発生します。当時の私は「窓から脱出するから平気だ!」と血迷ったことを言って妻に呆れられました。

全長オーバー

全長(車の長さ)も落とし穴です。特にミニバンや大型SUVなど、鼻先が長かったりお尻が出っ張っていたりする車は要注意。
全長がオーバーしていると、パレットの前後に設置されている光電センサー(車がはみ出していないかチェックする光の線)を遮ってしまい、「車がはみ出しています!」とエラー音が高鳴ってゲートが閉まらなくなります。夜のマンションにエラー音を響き渡らせるプレッシャーは想像を絶します。

重量オーバー

盲点になりがちなのが「重量制限」です。最近はエコカーブームで、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)が増えていますが、これらは大容量のバッテリーを積んでいるため、同じサイズのガソリン車よりも数百キロ重いことがあります。
「サイズは収まってるのに、重さでアウトだった……」というケースは非常に多く、重量オーバーの車を載せ続けると、ワイヤーが切れたりモーターが焼き切れたりする大事故につながります。我が家が検討していた車も、ハイブリッドモデルだと重量制限ギリギリで、冷や汗をかきました。

最低地上高・タイヤ幅・ミラー・アンテナにも注意

さらにカタログ値だけでは安心できません。
車高を落としている車(最低地上高が低い)は、パレットの中央にある出っ張り(かまぼこ状の段差)にお腹を擦ります。
また、タイヤの幅が太いSUVなどは、全幅はクリアしていても「パレットの溝にタイヤがハマらない」という事態が起きます。ルーフアンテナや、折りたたんだドアミラーの出っ張りがセンサーに引っかかることも。

「車を買う」ということは、これらすべての寸法パズルをクリアしなければならない厳しいゲームなのだと、私たちは身をもって学んだのでした。

車庫証明はサイズオーバーでも取れる?取得できないケースを解説

「駐車場にはコッソリ停めるとして、車庫証明(自動車保管場所証明書)はどうするの?警察が測りに来たらバレるんじゃない?」
ある晩、夕食の片付けをしながら妻が核心を突いてきました。私は「警察官がわざわざメジャーを持ってうちのマンションの地下パレットまで来るわけないだろ。書類さえ通ればこっちのもんだ」と、今思えば穴があったら入りたいほど浅はかな考えを披露していました。

しかし、現実は警察のチェック以前の問題でした。サイズオーバーの車で車庫証明を取ろうとした私たちがぶち当たった、絶望的な「書類の壁」についてお話しします。

車庫証明では保管場所として使えるかが見られる

車庫証明は、文字通り「その車を停めるための正当な場所(車庫)が確保されているか」を警察署が証明するものです。
道路を車庫代わりにされる(青空駐車)のを防ぐための制度なので、警察が重視するのは「駐車場から自宅までの距離(直線で2km以内)」や「道路から支障なく出入りできるか」、そして「その車が駐車場にしっかり収まるか」です。
とはいえ、警察官がすべての駐車場をミリ単位で実測して回るわけではありません。では、どうやって「収まる」と判断しているのでしょうか?

管理会社の使用承諾書が出ないと厳しい

マンションの駐車場を借りている場合、車庫証明の申請には「保管場所使用承諾証明書(通称:承諾書)」という書類が必要です。これは「この場所を駐車場として使っていいですよ」と、土地の所有者(マンションの場合は管理組合や管理会社)がハンコを押して証明するものです。

私たちが躓いたのは、まさにここでした。
管理会社に「承諾書の発行をお願いします」と依頼したところ、「新しく購入される車の『車名』『型式』『寸法(全長・全幅・全高・重量)』を申請書に記入してください」と言われたのです。

マンション駐車場では管理規約・利用細則が判断材料になる

嫌な予感がしながらも、正直にカタログに載っていたサイズ(全幅が5mmオーバーしている状態)を記入して提出した結果……数日後、見事に書類が突き返されました。

「ご提出いただいたお車のサイズですが、当マンションの管理規約(利用細則)に定める駐車場の制限寸法を超過しております。申し訳ありませんが、契約違反となるため使用承諾書には捺印できません」

そう、警察を騙せるかどうか以前に、マンションの管理会社という「第一関門」でシャットアウトされてしまうのです。管理会社は、マンションのルール(管理規約)を守るのが仕事です。「たった5mmだからハンコ押してよ」という個人的な泣き落としが通用する相手ではありませんでした。

「実際には入る」だけでは車庫証明の安心材料にならない

「でも、お隣の〇〇さんの車、うちが買おうとしてる車より絶対デカいよ!なんであの人は停められてるの!?」と妻は怒り心頭でしたが、これにはカラクリがあります。
昔の緩い時代に申請が通ってしまったケースや、購入時はサイズ内の車で車庫証明を取り、後から勝手にサイズオーバーの車に買い替えて(車庫証明の変更手続きをせずに)停め続けているという、いわゆる「グレーゾーン(というより真っ黒)」なケースです。

しかし、これから新しく車を買う私たちは、真っ向から審査を受けなければなりません。「物理的には入るから」といくら力説しても、管理会社からハンコをもらえなければ警察に書類を出せず、車庫証明が取れない。車庫証明が取れなければ、ディーラーは車のナンバープレートを取得できず、納車すらしてもらえないのです。ここで初めて、私たちは「5mmの壁」の本当の恐ろしさを知りました。

5mmオーバーでも入庫できるなら使っていい?

「じゃあさ、実家の駐車場とか、近所の安い月極駐車場で車庫証明だけ取って、普段はマンションの駐車場に停めればいいんじゃない?」

妻の口から飛び出した、まるでスパイ映画のようなこの「裏ワザ(というより明らかな契約違反かつ車庫飛ばしの違法行為)」。絶対にやってはいけません。
仮に、何らかの抜け道を使って車庫証明の問題をクリアし、マンションの駐車場にサイズオーバーの車をねじ込めたとしましょう。しかし、機械式駐車場において「物理的に入る」ことと「安全に使える」ことは、全く次元が違う話なのです。

パレット・センサー・安全マージンの問題

私が夜な夜なメジャーで測ったとき、確かに駐車場のパレット(鉄板)には左右に数センチずつの隙間がありました。「ほら、5mmオーバーしても、片側2.5mmずつはみ出るだけ。全然余裕じゃん」とタカをくくっていましたが、機械式駐車場のメーカーに勤める知人にこの話をしたところ、激しく怒られました。

「その隙間は『余裕』じゃなくて、車を動かすための『安全マージン』だ!」と。

機械式駐車場は、パレットが上下左右に動きます。その際、機械の振動や風の影響で、車はパレットの上でわずかに揺れます。もしサイズオーバーの車がギリギリで乗っていて、この揺れによってセンサーの光線を遮ってしまったら?機械は異常を検知して緊急停止してしまいます。

車検証のサイズと実寸がズレることもある

さらに恐ろしいのは、車検証(カタログ)に載っているサイズは、あくまで「空っぽで、まっすぐ止まっている状態」の数字に過ぎないということです。

知人曰く、「ドアミラーを畳んでも、車種によっては一番出っ張っている部分がドアのプレスライン(ふくらみ)だったりする。しかも、サスペンションのヘタリや、個体差で数ミリのズレなんて普通にある」とのこと。
つまり、カタログ上は5mmオーバーでも、実車は1cmオーバーしている可能性すらあるのです。

タイヤの向き・荷物・乗員・空気圧で条件が変わる

私たちが盲点だったのは、「車は生き物のようにサイズが変わる」という事実です。
例えば、家族4人で乗って、トランクにキャンプ道具をパンパンに詰め込んだ状態。重みで車体がグッと沈み込みますよね。すると、タイヤは上からの重みで少しだけ「ハの字」に潰れ、横幅(タイヤ幅)がミリ単位で広がります。
また、駐車するときにハンドルの切り戻しが甘く、タイヤが少しだけ斜めになっていたとしたら?それだけでパレットの溝(タイヤガイド)に干渉したり、本来の全幅を超えてしまったりするのです。

「カタログ値で5mmオーバー」というのは、これらの悪条件が重なった瞬間に「決定的な致命傷(接触・破損)」に変わる時限爆弾のようなものだと気づかされました。

管理会社や管理組合に無断で使うのは危険

もし「バレなきゃいい」と無断で使い続け、ある日突然センサーが「サイズ異常」を検知して機械式駐車場がストップしてしまったら。
朝の通勤・通学ラッシュの時間帯に、マンション全住人の車が出せなくなります。そして、駆けつけたメンテナンス業者が「原因はこのサイズオーバーの車ですね」と特定した瞬間……あなたはマンション内で「みんなの時間を奪い、機械を壊した迷惑な住人」として吊るし上げられることになります。

「たった5mmで、ご近所付き合いも、平穏な生活も全部吹っ飛ぶんだよ」と私が説明すると、裏ワザを提案していた妻もさすがに青ざめて、「……やっぱり、その車は諦めようか」と呟きました。

サイズオーバーを強行した場合のリスク

もしあのまま、妻の言う通り「なんとか誤魔化して車庫証明を取り、強行突破で停め続ける」という道を選んでいたらどうなっていたか。機械式駐車場のメーカーに勤める知人にこってり絞られた後、私は「サイズオーバーを隠して停め続けた者の末路」を徹底的に調べました。

そして、マンションの理事会議事録やネットのトラブル事例を読み漁るうちに、私たちは自分たちがどれほど恐ろしい「時限爆弾」の上に座ろうとしていたのかを知り、背筋が凍る思いをしました。

車を擦る・挟まる・出庫できなくなる

まず直面するのは、自分たちの大切な新車が傷つくリスクです。
「5mmくらいなら……」と思っていても、雨の日や疲れて帰ってきた夜、いつもより少しだけ斜めに停めてしまったら。パレットが動いた瞬間に「ガガガッ!」と嫌な音が響き、ドアやバンパーが鉄柱やワイヤーにこすれて無残な姿になります。

さらに恐ろしいのは、機械の中で車が引っかかって「挟まる」ことです。そうなると自力ではどうにもならず、業者が来るまで車を出すことすらできません。ピカピカの新車が、自業自得のせいで出庫不能になる絶望感は計り知れません。

機械式駐車場の故障につながる

私たちの車が傷つくだけなら「自己責任」で済みますが、事はそう簡単ではありません。
特に重量オーバーの場合、パレットそのものが歪んだり、昇降用のモーターやチェーンに過度な負荷がかかったりします。目に見えないダメージが日々蓄積し、ある日突然、大きな異音とともに機械全体がストップしてしまうのです。

他の住人の車を出せなくなるトラブル

もし、自分のサイズオーバーの車が原因で機械が停止してしまったら……。想像してみてください。平日の朝8時。通勤や子どもの送迎で急いでいるマンションの住人たちが、駐車場の前でイライラしながら長蛇の列を作っている光景を。

「すみません、うちの車が原因で機械が壊れました……」なんて、ご近所さんの前で頭を下げられますか?私は絶対に無理です。このトラブルを起こした住人は、マンション内で完全に孤立し、針のむしろ状態になると言っても過言ではありません。

修理費・損害賠償を請求される可能性

さらに追い打ちをかけるのがお金の問題です。
機械式駐車場は、何千万、規模によっては億単位の費用がかかる巨大設備です。自分のサイズオーバーが原因で故障させた場合、修理費は当然、原因を作った住人に請求されます。モーターの交換やパレットの修理だけで数十万円、ひどい場合は数百万円が飛んでいきます。

それだけではありません。「車が出せなくて仕事の取引に遅れた」「タクシー代がかかった」と、他の住人から損害賠償を請求されるリスクまであるのです。新車を買うどころの騒ぎではありません。

保険が必ず使えるとは限らない

「でも、自動車保険や個人賠償責任保険に入ってるから大丈夫でしょ?」
当時の私はそう思っていましたが、これも甘い考えでした。保険会社に確認したところ、「制限サイズを超えていると知りながら意図的に駐車し、損害を与えた場合、『重大な過失』または『規約違反(故意)』とみなされ、保険金が下りない可能性がある」とのことでした。

つまり、数百万の賠償金をすべて「全額自己負担」で支払わなければならないかもしれないのです。たった5mmの妥協が、家計を完全に破綻させるトリガーになる。この事実を知ったとき、私たちはサイズオーバーの車を買うという選択肢を完全に捨てました。

販売店の「たぶん入ります」「皆さん入れてます」を信じすぎてはいけない理由

では、なぜ私たちは最初「5mmオーバーでもいけるんじゃないか?」と勘違いしてしまったのでしょうか。その最大の原因は、車を見に行ったディーラーでの営業担当者さんとのやり取りにありました。

販売店は駐車場の利用可否を保証してくれない

「あー、マンションの駐車場ですね。5mmくらいなら、正直、皆さん普通に入れてますよ!パレットには余裕がありますから、たぶん入りますよ」

欲しい車を前にしてサイズで悩んでいた私たちに、営業マンが笑顔でかけてくれたこの言葉。「なんだ、やっぱりみんなやってるんだ!」と、私たちはすっかり安心しきってしまったのです。

しかし、冷静になって考えてみれば、ディーラーの仕事は「車を売ること」です。彼らは車のプロであって、私たちのマンションの駐車場のプロではありません。「たぶん入ります」という言葉の裏には、「(物理的には)たぶん入ります。(でも契約上どうなるか、壊れた時にどうなるかは知りませんし責任も取れません)」というカッコ書きが隠されているのです。

最終判断は管理会社・管理組合・駐車場管理者

営業マンがどれだけ「大丈夫です」とお墨付きを与えようが、マンションの駐車場を管理しているのは管理会社であり、管理組合です。
前述の通り、書類の審査をするのも、ルール違反を取り締まるのも彼らです。「ディーラーの人が入るって言ったんです!」と管理会社に泣きついても、「はぁ、そうですか。でもうちの規約ではアウトなんで」と一蹴されるだけです。誰も助けてはくれません。

購入後に入らないと買い替え・駐車場変更が必要になる

もし、営業マンの言葉を信じて契約・決済まで済ませてしまい、いざ納車の日になって「やっぱり物理的に入らなかった」あるいは「管理会社にバレて停めさせてもらえなかった」となったらどうなるでしょうか。

「入らないので返品します」は、当然ながら通用しません。
泣く泣くマンションから遠く離れた高い月極駐車場を借りる羽目になるか、最悪の場合、買ったばかりの新車を大赤字で即売却し、サイズに収まる別の車に買い替えなければならなくなります。

「あのとき、営業さんの言葉を鵜呑みにしてハンコを押さなくて本当に良かった……」と、私たちは今でも胸を撫で下ろしています。車を買うとき、最後に自分の身と家計を守れるのは、自分たちの厳しいチェックだけなのです。

サイズギリギリの車を買う前に確認すべきチェックリスト

ディーラーの言葉に踊らされ、あわや大惨事になりかけた私たち。あの冷や汗をかくような経験を経て、我が家では「車を買う前のルール」が劇的に変わりました。
「欲しい!買おう!」とテンションが上がっているときこそ、冷静に現実と向き合う必要があります。私たちのように、後から「車庫証明のハンコがもらえない!」とパニックにならないために、購入前に必ず潰しておくべきチェックリストをまとめました。

車検証上の全長・全幅・全高・重量

まずは、検討している車の「正確なサイズと重量」を把握します。ここで注意すべきは、カタログの表紙裏にあるざっくりした数字ではなく、「自分が買うグレード・オプション」での正確な数値(車検証に記載される予定の数値)を確認することです。
私たちも後から知ったのですが、サンルーフをつけたら重量が数十キロ増えたり、特定のエアロパーツをつけると全長が伸びたりと、オプション次第でサイズや重さが変わることは珍しくありません。「私が買うこの仕様での正確な数値を教えてください」とディーラーに念押ししましょう。

駐車場の制限ラベル

次に、マンションの機械式駐車場の操作盤や柱に貼られている「制限ラベル(プレート)」を確認します。
「毎日見てるから1550mmって知ってるよ」と当時の私はタカをくくっていましたが、いざよく見ると「重量〇〇kg以下」「最低地上高〇〇mm以上」など、見落としていた細かな条件がびっしり書かれていました。記憶に頼らず、必ずスマホで写真を撮って、ディーラーでの商談時にプロ(営業マン)と一緒に見比べるのが一番安全です。

管理規約・使用細則

これが最も厄介にして、最も重要な書類です。マンションの契約時にもらった分厚いファイル(管理規約集)を引っ張り出してください。
我が家の場合、この細則の隅っこに「制限寸法を1ミリでも超過する車両の駐車は認めない」「違反した場合は契約を解除する」という、背筋が凍るような文言がしっかり明記されていました。これを読んでいなかったばかりに、危うく規約違反で追い出されるところだったのです。

管理会社への事前確認

規約を読んでも不安な場合、あるいは「ギリギリいけるのでは?」と淡い期待を抱いてしまった場合は、契約書にハンコを押す前に必ず管理会社に電話してください。
「今度、こういうサイズの車(全幅〇〇mm、重量〇〇kg)への買い替えを検討しているのですが、このサイズで車庫証明の承諾書は出していただけますか?」とストレートに聞くのが一番早いです。ここで「そのサイズでは出せません」と言われたら、潔く諦めるしかありません。

試し入れが可能か

管理会社からの「書類上のOK」が出そうな場合でも、物理的な確認は必要です。ディーラーにお願いして、試乗車をマンションまで乗ってきてもらい、実際にパレットに入れてみる「試し入れ」をさせてもらいましょう。
私たちも別の(サイズに収まる)車で試し入れをやりましたが、書類上はクリアしていても「実際に停めてみると、ドアが全然開かなくてパパのお腹がつっかえて出られない(笑)」という物理的トラブルを発見でき、別の車種に切り替えるきっかけになりました。

使用承諾書を出してもらえるか

最終ゴールはここです。どんなにディーラーが「入りますよ」と言おうが、試し入れで綺麗に収まろうが、管理会社・管理組合から「保管場所使用承諾書」にハンコをもらえなければ車は買えません。
この書類が手元に届いて初めて、「この車を買っても大丈夫だ」と安心できるのです。商談の際は、「承諾書が下りることを条件に契約させてください」とディーラーに伝えておくことで、万が一のキャンセル時のトラブルを防ぐことができます。

マンションの機械式駐車場サイズは交渉で変えられる?

「ねえ、管理会社に『あと5ミリだけ制限を緩めてください』って交渉できないの?だって実際には入るんでしょ?」
欲しい車を諦めきれない妻から、そんな無茶振りをされたことがあります。たしかに、パレットの鉄板を削るわけではなく、「ルールの数字」を少し変えてもらうだけなら……と、マンションの理事会(管理組合の集まり)で恐る恐る提案してみたことがありました。結果は、見事なまでの玉砕です。

個別交渉で認められる可能性は低い

「サルヂエさんのお宅だけ、特別に5mmオーバーを許可するわけにはいきません」
理事長からの返答はごくごく真っ当なものでした。マンションは共同生活の場です。一世帯の「この車が欲しいから」という個人的な理由で例外を認めれば、「じゃあうちは1cmオーバーで」「うちは重量オーバーで」と歯止めが効かなくなります。特別扱いは絶対にしてもらえないと痛感しました。

管理組合の承認が必要になることが多い

そもそも、駐車場の制限サイズは管理会社の一存で変えられるものではありません。多くの場合、マンションの「管理規約」や「使用細則」に定められているため、これを変更するには総会を開き、住人の過半数(あるいは4分の3以上)の賛成を得る必要があります。
「私が大きい車を買いたいので、規約を変えさせてください」という議案に、他の住人が賛成してくれるはずがありませんよね。現実的ではない選択肢でした。

機械更新・パレット変更時に緩和されるケースはある

唯一、サイズ制限が変わるチャンスがあるとすれば、それは機械式駐車場そのものの「寿命(リプレイス)」のタイミングです。
設置から20年〜30年が経過し、設備全体を新しいものに入れ替える際、昨今の車の大型化に合わせてパレットの幅や重量制限を緩和した最新機種が導入されることがあります。しかし、これには数千万〜億単位の修繕積立金が動き、計画から工事まで数年がかりのプロジェクトになります。「今すぐ車を買い替えたい」という私たちのニーズには、到底間に合うものではありませんでした。

平置き区画への変更や外部駐車場も検討する

「機械式駐車場のルールは絶対に変えられない」。その現実を受け入れた私たちが次に取った行動は、マンション内の「平置き区画」に空きが出ないか管理人に確認することでした。平置きなら高さや重量の制限が格段に緩くなります。
ただ、平置き区画はどこも大人気で、我が家のマンションでも「数年待ち」という状態でした。どうしてもその車を諦めきれない場合は、マンションの駐車場を解約し、歩いて数分の場所にある月極の平置き駐車場を借りる(外部駐車場)という選択も視野に入れる必要があります。
(我が家は「毎月の駐車場代が今より1万円も上がるのは家計的に絶対ムリ!」と妻が即却下したため、外部駐車場案は幻に終わりましたが……)

サイズオーバーしそうな車を買う前に考えたい現実的な選択肢

「やっぱり、あの車は諦めよう。万が一のトラブルで数百万飛ぶより、安心して毎日乗れる方がいいよね」

数日間の夫婦会議(という名の激しい葛藤)の末、私たちはついに「5mmオーバーのSUV」をきっぱり諦める決断をしました。
では、欲しい車がサイズオーバーだった場合、そこからどうやって車探しを立て直せばいいのでしょうか。私たちが実際に直面し、行動に移した「現実的な選択肢」をご紹介します。

サイズ内に収まる車種へ変更する

一番妥当で、最終的に私たちが選んだ道がこれです。全幅が5mmオーバーしていた大本命のSUVは涙を飲んで諦め、同じメーカーの「ワンサイズ下のSUV」や、他メーカーの「全幅が制限内に収まるステーションワゴン」などにターゲットを切り替えました。

最初は「第一希望じゃないしな……」と露骨にテンションが下がっていた妻ですが、いざサイズ内にきっちり収まる車を試乗してみると、「マンションの駐車場での出し入れが圧倒的にラク!」という最大のメリットに気づきました。背伸びしてパレットの枠ギリギリの車を毎回冷や汗をかきながら停めるより、心にも運転にも「ゆとり」がある車を選ぶのが、精神衛生上大正解だったのです。

平置き駐車場を探す

「どうしてもあのサイズの車がいい!」という場合の最終手段として、自宅マンションの機械式を解約し、近所の「月極の平置き駐車場」を探すという手もあります。

我が家も一応、周辺の駐車場を調べました。しかし、家から徒歩10分もかかるうえに、マンションの駐車場代よりも月額で1万5千円も高いことが判明したのです。
「雨の日に荷物と子どもを抱えて10分歩くの?」「年間18万円も余計に払うなら、毎年家族で旅行に行きたい!」という妻の猛烈な反対にあい、この案は秒で却下されました。家計への継続的なダメージと日々の利便性を天秤にかけて、本当に外部の駐車場を借りる価値があるのか、冷静な計算が必要です。

今の車を売却して条件に合う車へ乗り換える

駐車場のサイズに合わせて車を小さくしようとすると、「本当は3列シートが良かったけど、2列にするしかない」といった妥協がどうしても生まれます。
妥協しても後悔しない、満足できる車にするためには、少しグレードを上げたり、内装やオプションを豪華にしたりする必要がありました。そこで私たちは「車の予算そのものを引き上げて、サイズは小さくても上質な車を買おう」と考えたのです。

下取りだけでなく買取査定も比較する

予算アップのために私たちが目をつけたのが、「今乗っている車の賢い売り方」です。

当初、ディーラーで新車の見積もりを出してもらった際の下取り査定額は、「うーん、年式も古いし、こんなもんか」という渋い金額でした。しかし、「ここで資金の妥協をしたら、次も妥協の車に乗ることになる!」と奮起した私は、ネットの車一括査定サービスを使って、複数の中古車買取店に査定を依頼してみたのです。

結果は大正解でした。なんとディーラーの下取り額よりも数十万円も高い値段がついたのです。この手元に残った数十万円のおかげで、サイズ内に収まる別の車の「最上位グレード(しかも欲しかったサンルーフ付き)」を買うことができ、結果的に夫婦とも大満足の買い替えとなりました。
もし「サイズダウンする代わりに予算を増やして良い車にしたい」と考えているなら、面倒くさがらずに複数の買取査定を比較してみることを強くおすすめします。

まとめ|機械式駐車場のサイズオーバーは「少しなら大丈夫」で判断しない

サルヂエパパ
「たった5ミリ。されど5ミリ」

これが、今回の車選びで私たちが得た最大の教訓です。
最初は「隙間があるから絶対入る!」「ディーラーの営業さんも大丈夫って言ってるし!」と楽観視していましたが、一歩間違えれば、車庫証明が取れずに納車されないどころか、マンションの数千万円する設備を壊して多額の賠償金を背負う「超特大の地雷」を踏むところでした。

機械式駐車場の制限サイズは、単なる目安ではなく「契約と安全の絶対防衛線」です。
もし今、あなたが欲しい車のカタログを見ながら「数ミリくらいなら……」と悩んでいるなら、どうか私たちの冷や汗体験を思い出してください。

  • 車検証(予定)の正確な数字をディーラーに出させる
  • 駐車場の制限ラベルと管理規約を隅々まで読む
  • 管理会社に「このサイズで使用承諾書が出せるか」事前確認する

これらを怠らずに徹底することが、あなたの大切な家族と新車、そして家計を守る唯一の方法です。車選びは、駐車場という「パズルの枠」を正確に把握することから始まります。ぜひ、安全で後悔のない、最高の一台を見つけてくださいね!

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