車の選び方

アルファードは運転しにくい?狭い道・駐車・死角で困る場面と対策

「アルファードは広くて子どもたちも喜ぶし、休日の家族旅行には最高なんだけど……あの巨体、私に運転できるわけないよ。スーパーの狭い駐車場で隣の車にガリッとやっちゃったらどうしよう。カメラが付いてるって言われても、やっぱり怖いもんは怖い!」

「試乗の時はディーラー周りの広い道だったから良かったけどさ。平日の住宅街でのすれ違いでヒヤヒヤするのは勘弁だな。家の近所のあの狭いクランク、一発で曲がり切れるのかな?」

これ、アルファードの購入を検討し始めた頃の、私たち夫婦のリアルな会話です。
憧れのミニバンを前にテンションが上がる一方で、「本当に自分たちに運転できるのか?」というプレッシャーに押しつぶされそうになっていました。
これまでコンパクトカーやミドルサイズSUVに乗っていた私たちにとって、アルファードの大きさはまさに「未知の領域」。欲しい気持ちは山々なのに、「運転が怖い」という理由だけで諦めてしまうのは悔しいですよね。

この記事では、かつての私たちと同じように「アルファードの大きさにビビり散らかしている」あなたに向けて、実際に私たちが体当たりで検証し、冷や汗をかきながら学んだ「アルファードの運転のリアル」をお伝えします。

結論から言うと、アルファードの運転で難しさを感じやすい場面は、実はハッキリと決まっています。漠然と「全部怖い」と感じる状態から、「どこに注意すればいいのか」というポイントさえ押さえてしまえば、過度な不安はスーッと消えていくはずです。
我が家の失敗談も交えつつ、車幅感覚のつかみ方や死角のリアル、そして具体的な対処法を整理しました。これを読めば、実車で確認すべきポイントが明確になるはずです。

アルファードが「運転しにくい」と感じやすい理由

憧れのアルファードを前にして、どうしても「運転しにくそう」というイメージが先行してしまうのには、ちゃんとした理由があります。
私たち夫婦も、初めて運転席に座った瞬間は「うわっ、バスみたい……」と顔を見合わせてしまいました。では、具体的に何がそんなに不安を煽るのか、実体験をもとに整理してみます。

全長・全幅が大きく車両感覚をつかみにくい

アルファードのサイズは、全長約5メートル、全幅約1.85メートルと、国内を走る乗用車の中では最大クラスです。
今までコンパクトカーに乗っていたママが最初に悲鳴を上げたのが、「ボンネットの先がどこにあるか分からない!」ということでした。運転席からの見晴らしは抜群に良いのですが、車体の先端が見えづらく、さらに後ろも果てしなく遠く感じます。
「自分の体がどこまであるのか分からない」という状態での運転は、まさに目隠しで歩いているような感覚に近く、これが最初の大きなハードルになりました。

狭い道では左右の余裕を判断しにくい

車幅が1.85メートルもあると、センターラインのない生活道路や、対向車とすれ違う場面で「左側にどれくらい寄せられるか」の判断がものすごくシビアになります。
理屈派のパパでさえ、「助手席側のドアミラーが電柱にぶつかりそうで、これ以上左に寄せられない!」と弱音を吐いたほどです。左側の感覚がつかめていないと、無意識に道の真ん中寄りを走ってしまい、結果的に対向車とのすれ違いをさらに困難にしてしまうという悪循環に陥りました。

前後左右に死角がある

車高が高く、見晴らしが良いのがアルファードのメリットですが、それは同時に「車のすぐ近く(足元周り)」に広大な死角を生み出すことでもあります。
特に気をつけたいのが、小さな子どもや自転車の存在です。「高い位置から見下ろしているから全部見えている」と錯覚しがちですが、実際には車の直前や左前輪の周辺は、運転席からだとスッポリと見えなくなります。我が家でも、スーパーの駐車場でカートを押すお年寄りが死角に入り込み、ヒヤッとした経験がありました。

「運転そのもの」より駐車やすれ違いが難しい

実は、アルファードは「広い幹線道路をまっすぐ走るだけ」なら、信じられないくらい快適で運転しやすい車です。どっしりとした安定感があり、視線が高いので疲れにくいんです。
私たちが「運転が難しい、怖い」とパニックになったのは、決まって「駐車」と「狭い道でのすれ違い」の時でした。つまり、アルファードの運転の難しさは「走る・曲がる・止まる」という基本操作ではなく、「巨大なハコを狭いスペースにどう収めるか」という空間認識の難しさに集約されるのです。

アルファードで特に困りやすい場面

「難しい場面は決まっている」と先述しましたが、では具体的にどんなシチュエーションで私たちは冷や汗をかいたのでしょうか。ここからは、アルファード初心者が必ずと言っていいほど直面する「5つの関門」をご紹介します。

狭い住宅街でのすれ違い

休日のドライブから帰り、自宅まであと少しという裏道での出来事。前から軽自動車がやってきました。
以前の車ならスッとすれ違えたはずの道幅ですが、アルファードに乗っていると「絶対に無理!」と感じてしまいます。パパが慌てて左の生垣ギリギリまで寄せようとしましたが、左前がどうなっているか分からず、「ちょっと待って、擦る!擦る!」と夫婦で大騒ぎに。結局、対向車の方がバックして譲ってくれるという申し訳ない結末になりました。
自転車が横をすり抜けていく時も、思わず息を止めてしまうくらい、横幅のプレッシャーを感じる場面です。

スーパーや商業施設の駐車場

ママにとって最大の鬼門が、休日の混雑したスーパーの駐車場でした。
空いている枠を見つけても、両隣にはすでに車が停まっています。そこにこの巨体をねじ込むプレッシャーたるや……。全長が長いため、通路の幅によっては一回の切り返しでは枠に対して車をまっすぐにできず、斜めの状態からバックを始めることになります。
「隣の車に当たらないか」「後ろの壁まであと何センチか」、モニターとミラーを交互に見ながら滝のような汗を流したのを鮮明に覚えています。

バック駐車

商業施設の駐車場に限らず、バック駐車そのものが最初は恐怖でした。
アルファードはリアガラスまでの距離が遠く、しかもミニバン特有の「真四角な形」をしているため、サイドミラーに映る景色だけだと、車体がまっすぐ停まっているのかどうか錯覚を起こしやすいんです。
カメラの映像を見ながら停めたつもりでも、車から降りてみたら枠の中で斜めになっていて、恥ずかしくなってコソコソと停め直した……なんて失敗は数え切れません。

直角に近い狭い曲がり角

古い住宅街によくある、直角に曲がるクランクのような細い道。ここもアルファードにとっては試練の場です。
ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が長いため、「内輪差」が大きくなります。コンパクトカーの感覚でハンドルを切ると、見事に左の後輪が縁石に乗り上げるか、左側面を壁にガリッとやってしまいます。
「もっと前に出てからハンドルを切らなきゃダメだ!」と頭では分かっていても、今度は車の先端が外側の壁にぶつかりそうになり、進むことも戻ることもできなくなる恐怖を味わいました。

左折時の巻き込み・左側の障害物

交差点での左折時も、油断は禁物でした。
大きな車体で左折する際、左後方から直進してくる自転車やバイクへの警戒はもちろんなのですが、それ以上に怖かったのが「左側のガードレールや標識」です。
内輪差を気にしすぎて少し右に膨らみながら左折しようとすると、対向車線にはみ出しそうになりますし、かといって左に寄りすぎると、今度は左のお尻(リアバンパー付近)やスライドドアの辺りを障害物に引っ掛けそうになります。車体が長いぶん、お尻が完全に障害物をかわすまで安心できないという神経の使い方は、アルファードならではの苦労でした。

狭い道でアルファードを運転するときのコツ

「アルファードで細い道に入ってしまったら最後、二度と出られないんじゃないか……」
納車直後、近所のスーパーの裏道に迷い込んでしまった時のママの悲痛な叫びです。確かに、一度「怖い!」と思ってしまうと、パニックになって判断力が鈍りますよね。
でも、何度か冷や汗をかきながら夫婦で試行錯誤するうちに、「狭い道を乗り切るための鉄則」みたいなものが見えてきました。私たちの失敗から学んだ、具体的なコツをお伝えします。

できるだけ先を見て対向車を確認する

コンパクトカーに乗っていた頃は、目の前の道路だけを見ていればなんとかなりましたが、アルファードでそれをやると本当に痛い目を見ます。
我が家のパパがよくやらかしていたのが、「曲がった先にすれ違えない対向車がいて、どうしようもなくなる」というパターン。アルファードの場合、一度鉢合わせてしまうと、バックで下がるのも一苦労なんです。
だからこそ、「できるだけ遠くを見る」ことを意識するようになりました。交差点のカーブミラーはもちろん、前の車のウィンドウ越しにその先の状況を見たり、対向車が来そうな気配があれば、早めに広い場所で待つ。この「先読み」ができるようになるだけで、ヒヤッとする場面は劇的に減ります。

左側に寄せすぎない

これは、多くの初心者が陥る罠だと思います。対向車が怖いあまり、無意識に左の壁や電柱にギリギリまで寄せてしまうんですよね。
ママも「右から車が来るのが怖くて、左しか見れない!」とパニックになり、左のドアミラーを電柱にこすりそうになりました。
実は、アルファードは視線が高いので、左側の足元(タイヤ周辺)がどれくらい空いているのか、運転席からは非常に分かりにくいんです。左に寄せすぎると、障害物に気づかずサイドステップをガリッとやったり、左折時に内輪差で乗り上げたりする原因になります。「左には見えない死角がある」と割り切って、無理に寄せすぎず、どうしてもすれ違えない時はお互いに譲り合う方がずっと安全だと学びました。

無理にすれ違わず広い場所で待つ

「いけるかも!」という謎の自信は、アルファードの運転では一番危険です。
かつてパパは、狭い住宅街で対向車の軽自動車とすれ違おうとして、「あと数センチ……!」というところで完全に身動きが取れなくなりました。あの時の、お互いに窓を開けて「すみません、これ以上無理です」と謝り合った気まずさは忘れられません。
それ以来、我が家では「ちょっとでも迷ったら止まる」を徹底しています。少し手前の電柱と電柱の間や、お店の駐車場の入り口など、少しでも道幅が広くなっている場所を見つけたら、対向車が通り過ぎるまで待つ。この「待つ勇気」が、アルファードを擦らない最大の防御策です。

ナビだけでなく道路幅も意識する

初めて行く場所ではナビが頼りですが、これも曲者でした。
「到着まであと3分!」と喜んだのも束の間、ナビが案内したのが「軽自動車でもすれ違うのがやっと」というような激狭ルートだったことが何度もあります。ナビは最短距離を優先するため、アルファードの車幅なんて考慮してくれません。
今では、目的地に近づいたらナビの案内を鵜呑みにせず、広い幹線道路からアクセスできるルートを自力で探すようにしています。ストリートビューで事前のルート確認をするだけで、「あの道は絶対通らない」という自衛ができるようになりました。

駐車が苦手な人が押さえたいポイント

「アルファードの駐車? 無理無理、あんなデカいお弁当箱みたいな車、枠に入る気がしない!」
これが、試乗前のママの口癖でした。確かに、スーパーやショッピングモールの駐車場は、アルファードにとっては鬼門です。でも、何度か「枠外に斜めに停まる」という恥ずかしい失敗を繰り返すうちに、駐車を劇的に楽にするいくつかのポイントに気づきました。

最初から一発で入れようとしない

駐車が苦手な人ほど、「スマートに一発で停めなきゃ!」と焦ってしまいませんか?
私たちも最初は、隣の車のドライバーからの視線を勝手に感じて、「早く停めなきゃ」と焦ってハンドルを切りすぎていました。でも、アルファードの長さでそれをやると、必ずと言っていいほど枠の中で斜めになります。
そこで我が家がたどり着いた結論は「堂々と切り返す!」です。一発で入れようとせず、まずは斜めになってもいいから枠の近くまでお尻を持っていき、そこから前に出て車体をまっすぐにする。切り返しを前提にするだけで、精神的なプレッシャーが半分以下になりました。

サイドミラーで後輪位置を意識する

バック駐車の時、モニターばかり見ていませんか?
パパが「パノラミックビューモニターがあるから余裕!」と豪語してモニターだけを見てバックした結果、車体が完全に斜めになった状態で「よし!」とドヤ顔をした事件がありました(笑)。
カメラの映像は確かに便利ですが、広角レンズ特有の歪みがあるため、車体がまっすぐかどうかを判断するのには向いていません。まっすぐ停めるための最強の武器は、実は昔ながらの「サイドミラー」です。サイドミラーを少し下向きにして、左右の白線と自分の車の後輪(または車体の側面)が平行になるように意識する。これだけで、嘘のようにビシッと枠の真ん中に停められるようになりました。

360度カメラやパノラミックビューを過信しない

最新のアルファードには、まるで空から見下ろしているような映像を映し出すパノラミックビューモニターなどの素晴らしい機能がついています。
「これがあれば誰でもぶつけないじゃん!」と感動したのですが、これも過信は禁物でした。雨の日や夜間はカメラの映像が見にくくなりますし、何より「カメラの死角」が存在します。特に、車の四隅のギリギリの距離感は、映像だけでは正確に把握できません。
ある日、モニター上では「まだ余裕がある」と思っていたのに、車を降りてみたら後ろの壁まで数センチしかなくて、夫婦で顔面蒼白になったことがありました。カメラはあくまで「全体の位置関係を把握する補助ツール」であり、最後の数センチの確認は、必ず目視やミラーで行うようにしています。

混雑していない駐車場で練習する

身も蓋もないことを言いますが、結局は「慣れ」が一番の解決策です。
でも、休日の激混みスーパーの駐車場で練習するのは、プレッシャーが大きすぎて逆効果です。後ろで空くのを待っている車がいると、焦ってパニックになってしまいますからね。
我が家では、納車された最初の週末に、あえて平日の夜や早朝の「ガラガラのスーパーの屋上駐車場」に行き、夫婦で交代しながらバック駐車の練習をしました。周りに車がいない環境で、「ここまでハンドルを切ったら、車はどう動くのか」をじっくり体感できたことが、その後の大きな自信につながりました。「怖い」と思ったら、まずは安全な場所で車と仲良くなる時間を作るのが一番の近道だと思います。

死角で特に注意したい場所

「アルファードは運転席が高いから、遠くまで見渡せて安全でしょ?」
購入前、パパはそう言って得意げでした。確かに見晴らしは最高なのですが、いざ自分の生活圏を走り始めてみると、夫婦揃って「近くが全然見えない!」という恐ろしい事実に気づかされたのです。
大きな車体だからこそ生まれる「見えない空間」。私たちが実際にヒヤリとして、今でも特に気をつけている4つの死角をお伝えします。

車体直前

運転席に座って前を見ると、大きなボンネットが広がっていますが、実はそのすぐ先は「断崖絶壁」のようにストンと見えなくなっています。
ある日、自宅の駐車場で車を出そうとした時のこと。たまたま忘れ物をして車を降りたパパが、「うわっ!」と声を上げました。なんと、車の鼻先ギリギリの死角に、近所の子どもの三輪車が放置されていたんです。運転席からは完全に隠れていて、そのまま発進していれば確実に踏み潰していました。
「高い位置から見下ろしている=全部見えている」という錯覚が一番怖いのが、この車体直前です。背の低い子どもが車の前に立っていても気づかない可能性があるため、出発前は必ず車の前をぐるっと確認する癖がつきました。

左前方・左側面

アルファードの運転席(右側)から一番遠いのが、左の前の角です。ここも本当に厄介な死角になります。
スーパーの駐車場などで左折しながら枠に入れようとする時、左前のバンパーが隣の車にどれくらい近づいているのか、目視では全く分かりません。ママも「ぶつかる!もう無理!」とよくパニックになっていました。
また、細い道ですれ違う際に左側のブロック塀に寄せようとしても、ドアミラーより下(サイドステップ周辺)は見えません。最近のアルファードには左前を映す補助ミラー(耳たぶのようなミラー)やカメラが付いていますが、最初はそれを見る余裕すらなく、左側面の距離感をつかむまでは本当に冷や汗ものでした。

車体後方

バック駐車の項目でも触れましたが、アルファードは後ろも果てしなく遠いです。
リアガラスの位置が高く、しかもほぼ垂直に切り立っているため、車の真後ろの足元はルームミラーでは全く見えません。後ろの壁に付いている低い出窓や、ポール、自転車などがスッポリと隠れてしまいます。
バックカメラがあるとはいえ、カメラのレンズに雨粒や汚れがついていると途端に見えなくなります。以前、カメラ映像を過信してバックしていたら、映像の死角(バンパーの端っこ)にあった低いポールにギリギリまで近づいていて、センサーの警告音に命を救われたことがありました。

ピラー周辺

視界の良さを妨げるもう一つの原因が、フロントガラスの両脇にある太い柱(Aピラー)です。
車体が大きく重いアルファードは、安全性を確保するためにこの柱がかなり太く、しっかり作られています。その分、交差点で右左折する時に、横断歩道を渡ろうとしている歩行者や自転車が、この柱の陰に見事に隠れてしまうんです。
「よし、誰もいないな」と思って右折しようとした瞬間、ピラーの死角からスッと自転車が現れて、パパが急ブレーキを踏んだことがありました。それ以来、右左折の時は「首を前後左右に振って、ピラーの向こう側を覗き込む」という動作を夫婦で徹底しています。

運転支援機能があれば大きさの不安はなくなる?

「まあでも、最新のアルファードならカメラもセンサーもてんこ盛りだし、最悪それらに頼れば誰でも運転できるでしょ?」
検討中、私たちはそうタカをくくっていました。「パノラミックビューモニター(360度カメラ)」や「パーキングサポートブレーキ」など、呪文のような最新機能の数々。これさえあれば、ぶつける要素なんて無いのでは?と。
しかし、実際に毎日乗ってみて分かったのは、「機械は魔法ではない」という超現実的な事実でした。

カメラ・センサーは大きな助けになる

もちろん、これらの機能が役立たずだと言いたいわけではありません。むしろ、これらが無ければ、私たち夫婦は未だにアルファードに乗るのをためらっていたと思います。
特に、障害物に近づくと「ピピピピ!」と音で知らせてくれるクリアランスソナーは、死角だらけの大きな車を動かす上で最強のお守りです。ママも「音が鳴るまでは下がっても大丈夫」という絶対的な安心感があるおかげで、苦手だったバック駐車のハードルがグッと下がりました。
上空から見下ろしたような映像を映してくれるパノラミックビューも、駐車の枠内にまっすぐ停め直す時の最終確認として、今では手放せない機能になっています。

ただし車幅感覚そのものは必要

では、なぜ「不安がなくなるわけではない」のか。それは、カメラやセンサーが助けてくれるのは「時速数キロの低速時(主に駐車時)」だけだからです。
時速30〜40キロで生活道路を走っている最中や、対向車とすれ違う時に、いちいちモニターを凝視するわけにはいきませんよね。走行中は、結局のところ「自分の目と感覚」で、あの巨体をコントロールしなければならないのです。
「カメラがあるから大丈夫」と機能にばかり頼っていると、肝心の「この道幅なら通れる」「左のタイヤは今この辺りにある」というアナログな車幅感覚がいつまで経っても育ちません。私たちも最初はモニターばかり見てしまい、結果的にいつまでもすれ違いが怖いまま……という負のループに陥りかけました。

グレード・年式によって装備が違うので確認する

もう一つ、私たちが中古車や新古車を探していた時に陥りかけた罠があります。それは「アルファードなら全部に最新カメラが付いているわけではない」ということです。
憧れのアルファードを少しでも安く買おうと、年式の古いものや下のグレードを検討していた時。いざ内装を確認すると「あれ? 360度カメラのボタンがない……普通のバックカメラだけだ」と気づいて慌てたことがありました。
パノラミックビューモニターなどの高度な支援機能は、グレードによってはオプション設定だったり、年式によってはそもそも搭載されていなかったりします。運転に不安がある人ほど、「この機能は絶対に欲しい!」という条件を明確にしてから車選びをしないと、納車後に「やっぱり怖くて乗れない」と後悔することになります。

アルファードの運転に慣れるための練習方法

「怖い怖いと言っていても、結局慣れるしかないんでしょ?」
その通りです。でも、「気合で毎日乗って慣れろ!」というのはあまりにも乱暴ですよね。私たちも最初は気合で乗り切ろうとして、夫婦喧嘩が絶えませんでした(笑)。
「ぶつけるかもしれない」という恐怖を最小限に抑えつつ、アルファードの巨体に効率よく慣れるために、我が家で実際にやって効果的だった練習方法をご紹介します。

まず広い駐車場で車幅を確認する

納車直後、私たちが真っ先に向かったのは、休日の早朝のガラガラな大型公園の駐車場でした。
まずは、車を広い場所に停めて、運転席に座ります。そして、もう一人が車の外に出て、車の前後左右のギリギリの位置に立ってみるんです。
「えっ、ボンネットの先端ってそこなの? 運転席から見るともっと手前にあるように感じる!」と、ママは驚いていました。この「自分の感覚」と「実際の車の大きさ」のズレを、安全な場所で視覚的にすり合わせる作業が、一番最初のステップです。

白線とミラーの見え方を覚える

次にやったのが、駐車場に引かれている「白線」を使った特訓です。
枠の中に車をまっすぐ停めた状態で、運転席からサイドミラーを覗き込みます。「車体がまっすぐな時、ミラーには白線がどう映っているか」を徹底的に目に焼き付けるのです。
アルファードは車体が真四角なので、ミラーの中で車体の側面と白線が「綺麗な平行(二等辺三角形のようにならない)」になっていれば、まっすぐ停まっている証拠です。これを覚えてから、ママのバック駐車の成功率は劇的に上がりました。

前輪・後輪がどこを通るか確認する

直角カーブや左折時の「内輪差」への恐怖をなくすための練習です。
これも安全な駐車場で行いました。空のペットボトルなどを障害物に見立てて角に置き、実際にハンドルを切って曲がってみます。
「このタイミングでハンドルを全開に切ると、左の後輪はペットボトルからこれくらい離れた場所を通るんだな」というのを、窓から顔を出したり、助手席の人が外から見たりして確認しました。これを数回繰り返すだけで、「どのくらい前に出てからハンドルを切ればお尻を擦らないか」という感覚が、頭ではなく体で理解できるようになります。

自宅周辺を実際に走る

駐車場の白線やペットボトルで感覚をつかんだら、いよいよ公道デビューです。
でも、いきなり平日の夕方(歩行者や対向車が多い時間帯)に走るのは危険です。私たちは、日曜日の早朝という「ほとんど車が走っていない時間帯」を狙って、自宅周辺の細い道や、よく行くスーパーまでのルートを走る練習をしました。
「あの電柱の横は、ゆっくりならすれ違える」「この交差点は少し大回りで左折しないと危ない」といった、自分の生活圏ならではの注意ポイントを、プレッシャーのない状態で確認できたのは非常に大きかったです。

アルファードが向いている人・運転を慎重に考えたい人

ここまで、アルファードの運転の難しさと、我が家なりの克服方法をお伝えしてきました。
これらを踏まえて、「結局、自分たちにはアルファードが合っているのか?」を判断するための基準を整理してみます。

アルファードが向いている人

・家族で長距離ドライブや旅行によく行く(快適さは本当に最高です!)
・最初は運転が怖くても、安全な場所で練習して慣れる努力ができる
・「狭い道では絶対に無理をせず待つ」という心の余裕を持てる
・生活圏の道路やよく使う駐車場が比較的広い
・車の大きさを理解し、過信せずに目視確認を怠らない人

とにかく「空間の広さと乗り心地の良さ」は圧倒的です。最初の恐怖心さえ乗り越え、慎重な運転を心がけられるなら、これほど家族を笑顔にしてくれる車はありません。

運転を慎重に考えたい人

・自宅周辺や通勤・買い物ルートが、すれ違い困難な極細の道ばかり
・大きな車の運転にどうしても強いストレスや恐怖を感じる
・「カメラやセンサーがあるから大丈夫でしょ」と機械を100%過信している
・狭い道で対向車が来ても、譲ったりバックしたりするのが嫌い
・駐車場では絶対に一発でスマートに停めたい(切り返しが面倒)

毎日のように冷や汗をかくような激狭ルートを通らざるを得ない環境なら、思い切ってミドルサイズミニバン(ノアやヴォクシーなど)に留めておくのも、賢明な判断だと思います。車は毎日の生活の道具ですから、ストレスで乗らなくなってしまっては本末転倒です。

購入前は「いつもの道」で試乗して判断しよう

「よし、注意するポイントも分かったし、アルファード買っちゃおう!」
……と決断する前に、最後に一つだけ、私たちから強くお伝えしたいことがあります。それは、試乗のやり方です。

ディーラーに行って試乗をお願いすると、たいていは「お店の周りの、広くて綺麗に舗装された幹線道路」をぐるっと数分走って終わりになります。
でも、この記事をここまで読んでくださったあなたなら、もうお分かりですよね。アルファードが広くまっすぐな道で運転しやすいのは当たり前なんです。私たちが本当に試すべきなのは、「狭い道でのすれ違い」であり、「いつものスーパーの駐車場」なんです。

もし可能であれば、担当の営業さんに「自宅の駐車場に入れてみたい」「普段よく通る狭い道(またはスーパー)まで走らせてほしい」とお願いしてみてください。良心的なディーラーなら、ある程度柔軟に対応してくれるはずです。
もしそれが難しければ、カーシェアリングやレンタカーでアルファード(またはヴェルファイア)を数時間だけ借りてみるのも強くおすすめします。数千円の出費にはなりますが、数百万円の買い物で後悔しないための「最強の保険」です。

アルファードは確かに大きいですが、「大きすぎて絶対に初心者には運転できない」なんてことはありません。
今回ご紹介した「難しい場面」と「具体的な対処法」を頭に入れた上で、ぜひあなたの生活環境に近いリアルな道路で実車を運転してみてください。きっと、「なんだ、ポイントさえ押さえれば私にも扱えそうじゃないか」と、冷静に判断できるはずです。
憧れの車を「なんとなく怖いから」で諦めず、納得のいく車選びができることを応援しています!

-車の選び方