2025年最新版|車検の完全ガイド&維持費を劇的に節約する方法

「もうすぐ愛車の車検だけど、一体いくらかかるんだろう…」

「手続きが複雑で、何から手をつければいいか分からない」

「できるだけ安く済ませたいけど、業者選びで失敗したくない」

2年に一度(新車初回は3年)やってくる車検。ドライバーにとって必要不可欠な手続きである一方、その費用や複雑さから、漠然とした不安や悩みを抱えている方は少なくありません。特に初めて車検を迎える方にとっては、分からないことだらけで当然です。

しかし、ご安心ください。この記事は、そんなあなたのための「車検の完全ガイド」です。

車検の基本的な仕組みから、費用の内訳と相場、誰でも実践できる具体的な節約術、信頼できる業者の選び方まで、徹底解説します。

この記事を最後まで読めば、あなたはもう車検で悩むことはありません。無駄な出費をなくし、賢く、そして安心して次の2年間をスタートさせることができますよ。

車検って何をするの?基礎用語と法定ルール

「車検」と一言で言っても、具体的に何を確認しているのか、よく似た「点検」とは何が違うのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。まずは、すべての基本となる車検の目的と、守るべきルールについて正しく理解しましょう。

車検の目的は「公道を安全に走るための許可」

車検の正式名称は「自動車継続検査」です。これは、お持ちの車が国が定めた「保安基準」に適合しているかどうかをチェックするための検査であり、公道を走行するために最低限必要な許可を得る手続きです。車の安全性確保や、排気ガスなどによる公害を防止する目的があります。

あくまでその時点での安全性を確認する「検査」であるため、合格したからといって「次の車検まで故障しない」という保証ではない点を覚えておきましょう。

「車検」と「法定点検」は全くの別物

車検と混同されやすいのが「法定点検(定期点検整備)」です。この2つは目的が明確に異なります。

  • 車検:その時点での安全基準を満たしているかを確認する「検査」
  • 法定点検:故障を未然に防ぎ、車の性能を維持するための「健康診断(整備)」

法定点検は、車のトラブルを防ぐために重要な「整備」が目的です。車検の際に法定点検も同時に行うことが多いですが、この違いを理解しておくと、見積もり内容を把握しやすくなります。
(※準備中 参考:法定点検と車検の違いについて詳しくはこちら

自分で検査する「ユーザー車検」という選択肢

車検はディーラーや整備工場に依頼するのが一般的ですが、自分で運輸支局に車を持ち込んで検査を受ける「ユーザー車検」という方法もあります。業者への代行手数料がかからないため費用を大幅に抑えられるメリットがありますが、手続きはすべて自分で行う必要があり、専門的な知識も求められます。
(参考:ユーザー車検の流れと注意点

要注意!車検切れで公道を走ると重い罰則が

万が一、車検の有効期限が切れた状態で公道を走行すると、法律違反として重い罰則が科せられます。

  • 無車検運行:違反点数6点、30日間の免許停止、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

さらに、車検と同時に加入する自賠責保険も切れているケースがほとんどで、その場合は「無保険運行」としてさらに罰則が加わります。車検満了日は必ず確認し、期限内に手続きを済ませましょう。
※準備中 参考:車検切れの罰金と対処法

車検費用の内訳と平均相場を理解しよう

車検を受ける上で、最も気になるのが「一体いくらかかるのか?」という費用面でしょう。高額なイメージがありますが、その中身を分解してみると、大きく2つの要素で構成されていることが分かります。見積もりを正しく理解し、損をしないために、費用の内訳と相場をしっかり把握しておきましょう。

車検費用の内訳は「固定費」と「変動費」

車検の総額は、どこで受けても金額が変わらない「①法定費用」と、業者や車の状態によって変わる「②車検基本料・整備費用」の合計で決まります。

① 法定費用(国や保険会社に支払う固定の費用)

法律で定められた、必ず支払わなければならない費用です。どの業者に依頼しても金額は一律です。

  • 自動車重量税:車両の重量やエコカー減税の有無、登録からの経過年数に応じて課される税金です。(※準備中 参考:自動車重量税の詳しい税額表
  • 自賠責保険料:万が一の対人事故に備える、法律で加入が義務付けられている強制保険の保険料です。
  • 印紙代(検査手数料):車検証の発行や検査ラインの使用などにかかる手数料です。

参考:車検の法定費用|どの業者でも変わらない固定費

② 車検基本料・整備費用(業者に支払う変動の費用)

依頼する業者によって金額が大きく異なる部分です。ここが節約のポイントになります。

  • 車検基本料:法定点検(24ヶ月定期点検)の技術料や、検査手続きを代行する手数料など、業者が設定する基本料金です。
  • 整備費用・部品代:点検の結果、保安基準を満たすために修理や部品交換が必要になった場合に追加で発生する費用です。オイルやブレーキパッドなどが代表的です。(参考:車検の基本料金に含まれるもの、含まれないもの

参考:車検の整備・点検費用|業者によって価格差が出る比較ポイント

【2025年版】車種別の車検費用 相場一覧

では、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。車の種類別に、一般的な費用の相場をまとめました。

車種 法定費用(目安) 車検基本料+整備費(目安) 合計費用(相場)
軽自動車 約25,000円~ 30,000円~60,000円 55,000円~85,000円
小型乗用車(~1.0t) 約33,000円~ 40,000円~70,000円 73,000円~103,000円
中型乗用車(~1.5t) 約41,000円~ 45,000円~80,000円 86,000円~121,000円
大型乗用車(~2.0t) 約49,000円~ 50,000円~90,000円 99,000円~139,000円

※上記はあくまで目安です。エコカー減税の適用や車両の年式、整備内容によって金額は変動します。
※事業用トラックの車検費用は構造や用途で大きく異なります。(※準備中 参考:トラックの車検費用について

このように、車検費用は「法定費用」という土台の上に、業者ごとに異なる「車検基本料」や車の状態に応じた「整備費用」が上乗せされる仕組みです。この構造を理解することが、賢い業者選びと費用節約の第一歩となります。

とにかく安く!車検代を節約する10の方法

車検費用の構造がわかったところで、次はいよいよ実践編です。変動費である「車検基本料」や「整備費用」をいかに抑えるかが、節約の最大の鍵となります。ここでは、誰でも今日から実践できる、車検代を安くするための具体的なテクニックを10個ご紹介します。

1. 複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)

基本中の基本ですが、最も効果的な方法です。最低でも2~3社から見積もりを取り、料金や整備内容を比較しましょう。「基本料金はいくらか」「不要な整備項目が含まれていないか」などを冷静に見比べることで、数万円単位の差がつくことも珍しくありません。

2. 料金が安い傾向にある業者を選ぶ

一般的に、車検費用はディーラーよりも、ガソリンスタンドや車検専門フランチャイズ、民間の整備工場の方が安い傾向にあります。もちろんサービス内容や技術力も異なるため、何を重視するかで選び方は変わりますが、価格を最優先するならこれらの業者を軸に見積もりを取るのがおすすめです。

3. 早期予約割引・キャンペーンを活用する

多くの業者では「○ヶ月前の予約で〇〇円引き」といった早期予約割引や、「平日入庫割引」「Web予約限定割引」などのキャンペーンを実施しています。車検満了日が近づいてから慌てて探すのではなく、余裕を持って探し始めるだけで得られる割引は確実に活用しましょう。

4. 不要な整備・部品交換は賢く断る

見積もりの中には、次回の車検まで交換しなくても問題ないような「予防整備」項目が含まれていることがあります。もちろん安全のために推奨されるものもありますが、すべてを鵜呑みにする必要はありません。整備士に「これは今すぐ交換しないと保安基準に通りませんか?」と確認し、緊急性の低いものは次回の点検に回すなど、メリハリをつけることが重要です。

5. 日頃からこまめなメンテナンスを心がける

急な高額出費を防ぐ最善策は、日頃のメンテナンスです。定期的なオイル交換やタイヤの空気圧チェックなどを怠らないことで、車は良いコンディションを保てます。結果として車検時の整備箇所が減り、大きな節約に繋がります。
※準備中 参考:日頃からできるセルフメンテナンス術

6. 自分でできる消耗品の交換は済ませておく

例えば、ウォッシャー液の補充、ワイパーブレードの交換、発煙筒の期限確認などは、比較的簡単に自分で行うことができます。これらを事前に済ませておくだけで、数千円の工賃を節約できます。

7. クーポンサイトやアプリをチェックする

車検予約サイトや、カー用品店、ガソリンスタンドなどが提供するアプリでは、お得なクーポンが配布されていることがあります。見積もりを取る前に、利用できそうなクーポンがないか探してみると思わぬ割引が見つかるかもしれません。
※ 準備中参考:お得な車検クーポンの探し方

8. キャッシュレス決済でポイント還元を狙う

車検費用は高額なため、クレジットカードやQRコード決済で支払えば、まとまったポイント還元が期待できます。業者を選ぶ際に、キャッシュレス決済に対応しているかもチェック項目の一つに加えましょう。
※ 準備中参考:車検費用でポイントを貯める方法

9. 究極の節約術「ユーザー車検」に挑戦する

整備や手続きの手間を惜しまないのであれば、自分で運輸支局に車を持ち込む「ユーザー車検」が最も安上がりです。業者に支払う基本料や代行手数料が一切かからず、法定費用のみで済ませることができます。

※準備中 参考:ユーザー車検の仕組みとやり方とについて

10. 車検を機に「車の買い替え」を検討する

走行距離が多い車や年式が古い車は、車検のたびに交換部品が増え、整備費用がかさみがちです。また、登録から13年を超えると自動車重量税も高くなります。あまりに車検費用が高額になる場合は、長期的な視点で車の買い替えを検討するのも賢い選択です。

車検業者&オンライン予約サービス徹底比較

車検費用を安くするためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。しかし、「そもそもどこに見積もりを頼めばいいの?」と迷ってしまいますよね。車検を受けられる場所にはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。自分にぴったりの業者を見つけるために、それぞれの特徴を理解しましょう。

どこで受ける?4タイプの車検業者を比較

車検を依頼できる代表的な業者を4タイプに分け、それぞれの特徴を解説します。

① ディーラー

特徴:メーカーの正規販売店。そのメーカーの車に関する専門知識が豊富で、交換部品は基本的に高品質な純正品を使用します。

  • メリット:圧倒的な安心感と信頼性、質の高い整備、手厚い保証やサービス。
  • デメリット:費用が最も高額になる傾向がある。
  • こんな人におすすめ:費用よりも整備の質と安心感を最優先したい人、新車や保証期間中の人。

② 民間整備工場

特徴:地域に根ざした自動車整備工場。「指定工場」と「認証工場」の2種類があり、指定工場なら検査ラインを持つためその場で車検を完了できます。

  • メリット:ディーラーより費用が安く、技術力も高い場合が多い。様々な車種に対応でき、融通が利きやすい。
  • デメリット:工場によって技術やサービス、料金に差がある。土日祝が休みのことも。
  • こんな人におすすめ:費用と品質のバランスを取りたい人、信頼できるかかりつけ医のような工場を見つけたい人。(参考:指定工場と認証工場の違いとは?

③ 車検専門フランチャイズ

特徴:全国にチェーン展開する車検専門店。「速い・安い」を強みとし、効率化されたシステムで短時間での車検を実現します。

  • メリット:料金が非常に安く、スピーディー。メニューや料金体系が明確で分かりやすい。
  • デメリット:整備は保安基準を通すための必要最低限なことが多く、予防整備などの提案は少なめ。
  • こんな人におすすめ:とにかく早く、安く車検を済ませたい人。車の状態に特に問題がない人。

車検専門フランチャイズ店体験談

④ ガソリンスタンド・カー用品店

特徴:給油や買い物のついでに見積もりや予約ができる手軽さが魅力。独自の割引キャンペーンも豊富です。

  • メリット:アクセスしやすく手軽、費用も比較的安い。ポイントが付くなどお得感がある。
  • デメリット:重整備や複雑な修理には対応できない場合がある。店舗による技術力の差も。
  • こんな人におすすめ:費用と手軽さを重視する人、整備箇所が少ないと分かっている人。(※準備中 参考:ガソリンスタンド車検のメリット・デメリット

【新常識】オンライン車検予約サービスも賢く活用

最近では、インターネット上で複数の車検業者を簡単に比較し、そのまま予約できる「オンライン車検予約サービス」が主流になっています。

郵便番号や車種を入力するだけで、近所の業者の参考価格や口コミを一括で比較できるため、相見積もりの手間を大幅に削減できます。サイト独自の割引クーポンやポイント還元もあり、お得に車検業者を探すなら必須のツールと言えるでしょう。(※準備中 参考:おすすめのオンライン車検予約サイト比較

「安心感ならディーラー」「価格ならフランチャイズ」「バランスなら整備工場」といった大まかな特徴を掴みつつ、最後はオンライン予約サービスなども活用して、複数の選択肢から自分に合った業者を決定するのが後悔しないための最適な方法です。

必要書類・持ち物チェックリスト

車検の予約を済ませたら、次は当日に向けた準備です。「いざ車検当日になって、書類が足りずに受けられなかった!」なんて事態は絶対に避けたいもの。慌てないためにも、事前に必要なものをしっかり確認し、まとめておきましょう。

【必須】これだけは揃えたい!車検の持ち物リスト

車検を受ける際に、基本的に必要となる書類や持ち物は以下の通りです。チェックリストとしてご活用ください。

① 自動車検査証(車検証)

車が保安基準に適合していることを証明する、いわば「車の身分証明書」です。通常、ダッシュボードの中の車検証入れに保管されています。もし紛失してしまった場合は、運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)で再発行手続きが必要です。
※準備中参考:車検証を紛失した場合の再発行手続きガイド

② 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)

法律で加入が義務付けられている強制保険の証明書です。通常、車検証と一緒に保管されています。車検の有効期間をカバーする新しい保険に加入する必要がありますが、現在有効な証明書も必要ですので、必ず持参しましょう。

③ 自動車納税証明書

毎年5月頃に納める自動車税(軽自動車税)の納税を証明する書類です。
【重要】現在、普通自動車の場合は納税確認が電子化されたため、納税に滞納がなく、システムに反映されていれば原則として紙の証明書の提示は不要になりました。
ただし、軽自動車の場合や、納税直後でシステムに反映されていない場合などは、従来通り紙の証明書が必要です。手元にある場合は、念のため持参すると確実です。
※準備中 参考:車検に納税証明書は必要?不要になったケースと注意点

④ 印鑑

書類によっては認印が必要になる場合があります。シャチハタは不可なので、朱肉を使うタイプの認印を用意しましょう。最近は不要な業者も増えていますが、念のため持っていくと安心です。

⑤ 車検費用

事前に見積もりで確認した費用を持参します。クレジットカードやキャッシュレス決済を利用する場合は、その業者が対応しているか事前に確認しておきましょう。

⑥ ロックナットのアダプター(※装着している場合のみ)

盗難防止用のロックナットでホイールを装着している場合は、それを外すための専用アダプターが必須です。これを忘れるとタイヤを外せず、点検作業が進められません。車内の分かりやすい場所に保管しておきましょう。

事前準備でスムーズな車検を

これらの必要書類は、事前にクリアファイルなどにまとめておくと、当日スムーズに提出できます。特に車検証や自賠責保険証は車に積んだままになっていることが多いので、一度すべて取り出して揃っているか確認しておくことをおすすめします。準備を万全にして、安心して車検当日を迎えましょう。

車種・用途別に見る“落ちやすい”ポイント

車検でチェックされる保安基準は、基本的にどの車も同じです。しかし、車の構造や特性によって、特に故障しやすかったり、検査で指摘されやすかったりする「ウィークポイント」が存在します。ご自身の愛車の特徴を事前に知っておくことで、見積もり内容の理解が深まり、スムーズな車検に繋がります。

① ハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)

ハイブリッド車やEVの車検では、通常のエンジン車にはない専門的な点検が求められます。

  • 駆動用バッテリーの状態:専用の診断機(スキャンツール)を使い、バッテリーの劣化状態やシステムの異常がないかを確認します。
  • 回生ブレーキシステム:通常のブレーキとは異なる仕組みを持つため、専門的な知識と点検が必要です。

これらのシステムを的確に診断できる設備と知識を持った業者を選ぶことが非常に重要です。(※準備中 参考:ハイブリッド車の車検費用と注意点

② 輸入車(外車)

輸入車は、国産車とは異なる設計思想や部品規格で作られているため、特有の注意点があります。

  • 部品代と納期:部品の多くを海外から取り寄せるため、国産車に比べて高額になり、時間もかかる傾向があります。
  • 電子システムの診断:専用のテスターでないと診断できない電子制御システムが多く搭載されています。
  • ヘッドライトの光軸:日本の保安基準(左側通行用)に適合しているか、改めて確認が必要です。

輸入車の車検は、経験豊富な専門工場やディーラーに依頼するのが安心です。(※準備中 参考:輸入車・外車の車検を安く済ませるコツ

③ 軽自動車

日本の道路事情に合わせて作られた軽自動車は、特に足回りの部品に負担がかかりやすい傾向があります。

  • ドライブシャフトブーツの破れ:小回りが利く分、タイヤの切れ角が大きく、ゴム製のブーツが劣化しやすい定番の指摘箇所です。
  • タイヤの片減り:特に車高の高いハイト系ワゴンでは、重心の高さからタイヤの外側が摩耗しやすい傾向にあります。

※準備中 参考:軽自動車の車検を安くする方法

④ キャンピングカー・カスタムカー

ベース車両から改造が加えられているキャンピングカーやカスタムカーは、車検の際に特に厳しくチェックされるポイントがあります。

  • 車両重量・サイズ:車検証に記載された重量やサイズから逸脱していないか。特にキャンピングカーは装備品を含めた総重量が重要です。(※準備中 参考:キャンピングカーの車検のポイント
  • 最低地上高:ローダウンしている場合、地面と車の最も低い部分との間に9cm以上の隙間が確保されているか。
  • タイヤ・ホイールのはみ出し:タイヤやホイールが車体(フェンダー)から、はみ出していないか。

これらの車は、構造変更申請が必要なケースもあるため、カスタム車両の知識が豊富な業者に相談しましょう。(※準備中 参考:車検に通るカスタム・通らないカスタム

車検後にやること&リセールバリュー対策

無事に車検が完了し、愛車が手元に戻ってきたら一安心ですね。しかし、「車検に合格したから、それで終わり」ではありません。車検後に行うべきこと、そして次の車検まで、さらには将来車を売却するときの価値(リセールバリュー)まで見据えた、賢い維持管理のポイントをご紹介します。

車検が終わったら、まずこの2つを確認!

① 新しい車検証と検査標章(ステッカー)の確認・貼り付け

新しい車検証と、フロントガラスに貼る検査標章(ステッカー)を必ず受け取ります。このステッカーは公道を走行する際に表示する義務があり、指定された位置(フロントガラス上部の中央または運転席側の上部)に正しく貼り付ける必要があります。貼り間違えるときれいに剥がせないこともあるため、慎重に作業しましょう。
(参考:車検ステッカーの正しい貼り付け位置と方法【2025年最新】

② 点検整備記録簿に目を通す

どのような点検・整備が行われたかが詳細に記載されている「点検整備記録簿」は、必ず内容を確認してください。整備士から「今回は交換を見送ったが、早めの交換を推奨します」といった今後のメンテナンスに関する重要なアドバイスが書かれていることもあります。この記録簿は、愛車の健康状態を示すカルテであり、将来売却する際の査定でもプラスに働く大切な書類です。

愛車の価値を維持する!賢いリセールバリュー対策

  • 定期的なオイル交換を怠らない
    エンジンコンディションを左右するオイル交換は、最も基本的で重要なメンテナンスです。定期的に交換されている車はエンジン快調と判断され、査定額アップに直結します。
    (参考:オイル交換の重要性と適切な頻度
  • 内外装のコンディションを保つ
    定期的な洗車やワックスがけ、車内清掃は、塗装の保護や内装の劣化防止に繋がります。大切に乗られてきた印象は査定士の心証を良くし、プラス査定が期待できます。
    (参考:査定額がアップする洗車・車内清掃のコツ
  • タイヤの状態をチェックする
    タイヤの溝の深さやひび割れの有無も査定の重要項目です。適切な空気圧を保ち、定期的にローテーションを行うことで、タイヤの寿命を延ばし、良好な状態を維持できます。
    (参考:タイヤの寿命と見極め方
  • 車検や整備の記録はすべて保管する
    車検時の記録簿はもちろん、オイル交換や部品交換など、すべての整備記録(明細書)を保管しておきましょう。これらは、愛車が適切にメンテナンスされてきたことの客観的な証明となり、査定時に高く評価されます。

何回目が潮時?車検回数で考える「買い替え損得ライン」

車を長く乗り続けることは一つの選択ですが、ある年数を超えると維持費が売却して乗り換えた場合のコストを上回ることがあります。車検のタイミングは、その損得ラインを考える絶好の機会です。

  • 【3回目車検/7年目】最初の検討タイミング
    メーカーの特別保証(5年)が切れ、大きな故障が起きると修理費が高額になり始める時期。まだ比較的高値で売却できるため、乗り換えを検討する最初の良いタイミングです。
  • 【4回目車検/9年目】高額修理が増える時期
    走行距離が10万kmに近づき、タイミングベルトやバッテリー、エアコンといった高額な部品交換が必要になるケースが増えます。ここでの乗り換えも非常に合理的です。
  • 【6回目車検/13年目】税金が上がる要注意ライン
    最も重要なのがこのタイミングです。新車登録から13年を超えると、自動車重量税と自動車税(軽自動車税)が重課(増税)されます。これ以降は維持費が明確に上がるため、強力な買い替え検討のサインと言えます。

一概に「この年数が絶対」とは言えませんが、判断基準は「次の2年間でかかる維持費(車検代+予想修理費+税金)」と「現在の売却額を頭金にした場合の、新しい車の月々の支払い」を比較すること。この比較で、自分にとっての損得ラインが見えてきます。

急な売却…車検直後の場合、どう考える?

車検の残り期間が長いほど、査定額が高くなるのは事実です。では、急な事情で車検を通した直後に売却を検討する場合、支払った車検費用はどのくらい回収できるのでしょうか。

一般的に、査定額の上昇分が、支払った車検費用(10万円前後)を完全に上回ることは稀です。結果として、車検前に売却した方が手元に残るお金は多かった、というケースも少なくありません。

結論から言うと、もし乗り続ける予定がないのであれば、高額な費用をかけて車検を通す前に売却する方が、経済的な負担は少ない可能性が高いでしょう。迷った際は、買取業者に「このまま売る場合の査定額」と「車検を通した場合の査定額の目安」を相談してみるのも有効です。
(参考:車検と売却、ベストなタイミングはいつ?

よくある質問(Q&A)

最後に、これまで解説しきれなかった車検に関する細かい疑問や、多くの方が抱く質問についてQ&A形式でお答えします。これで、あなたの車検に関する不安はすべて解消されるはずです。

Q1. うっかり車検が切れてしまいました。どうすればいいですか?

A. まず、その状態では絶対に公道を運転してはいけません。無車検・無保険運行となり、重い罰則の対象となります。車検を受ける工場まで車を運ぶには、レッカーを手配するか、お住まいの市区町村役場で「臨時運行許可番号標(仮ナンバー)」を取得して、自分で運転する必要があります。まずは落ち着いて、依頼予定の業者や保険会社に連絡して指示を仰ぎましょう。
※準備中 参考:仮ナンバーの取得方法と注意点

Q2. 車検費用は分割払いやローンにできますか?

A. 費用のうち「法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)」は現金での前払いが基本です。しかし、業者に支払う「車検基本料」や「整備費用」については、クレジットカードの分割払いや、信販会社のローンに対応している業者が多くあります。利用したい場合は、必ず予約時に支払い方法を確認しておきましょう。
※準備中 参考:車検費用の分割払いやローンについて

Q3. 車検前にキズやへこみを修理した方が、売却時に有利になりますか?

A. いいえ、ほとんどの場合は修理しない方が経済的です。多くの場合、「修理にかかった費用」よりも「査定額の上昇分」の方が少ないため、結果的に損をしてしまう可能性が高いからです。買取業者は自社の提携工場などで安く板金修理ができるため、個人で直すよりコストを抑えられます。小さなキズやへこみは、無理に修理せずそのまま査定に出すことをおすすめします。

Q4. 引っ越したのですが、他県ナンバーのままでも車検は受けられますか?

A. はい、ナンバープレートの地域に関わらず、車検は全国どこでも受けることが可能です。ただし、納税証明書の提示を求められる場合があるため、手元に用意しておくとスムーズです。本来、住所変更から15日以内に車検証の記載事項変更とナンバーの変更手続きを行う義務がある点も覚えておきましょう。
※準備中 参考:他県ナンバーのまま車検を受ける際の完全ガイド

Q5. 代車は借りられますか?料金はかかりますか?

A. 多くの業者で代車の用意がありますが、料金は業者によって「無料」「有料」「条件付きで無料」など様々です。また、台数に限りがあり、すべて出払っていることも少なくありません。車検中に車が必要な場合は、予約の段階で必ず代車の有無と料金を確認し、予約しておくことが重要です。
※準備中 参考:車検の代車、料金相場と注意点

Q6. 車検にかかる時間はどれくらいですか?

A. 依頼する業者や整備内容によって大きく変わります。60分程度の短時間で完了する車検専門フランチャイズもあれば、しっかり点検・整備を行うディーラーや整備工場で、部品の取り寄せなどが発生した場合は2~3日かかることもあります。こちらも予約時に作業時間の目安を確認しておきましょう。
※準備中 参考:【業者別】車検の所要時間の目安

まとめ:車検を理解して、賢いカーライフを

ここまで、車検の基本から費用、節約術、業者選び、そしてアフターケアまで、車検に関するあらゆる情報を網羅的に解説してきました。

車検は、決して「ただ面倒で高いもの」ではありません。愛車のコンディションを専門家の目でチェックし、安全性を再確認するための重要な機会です。そして、その仕組みやポイントを正しく理解すれば、費用を賢く抑え、愛車の価値を未来にわたって維持することも可能です。

この記事が、あなたの次の車検をスムーズに、そして満足のいくものにするための一助となれば幸いです。安心・安全で、経済的なカーライフをお送りください。