「ちょっとパパ!また車のカタログ見てニヤニヤして!」
「(ギクッ)いや、これはだな、ママ。次のファミリーカー選びは失敗しないように、しっかり下調べを…」
「どうせまた『このエンジンのトルクが〜』とか『最新の安全装備が〜』とか、そういう話でしょ?私は運転しやすくて、見た目が可愛ければソコソコ満足なんだけど」
確かに、新しい車を選ぶ時って、ついつい「買う時の価格」や「最新機能」に目が行きがちだよな。俺もそうだ。
でも、忘ちゃいけないのが「売る時の価格」、いわゆるリセールバリューだ。
「え、売る時のことなんてもう考えるの?気が早すぎない?」
「早い?とんでもない!車は買った瞬間から価値が下がり始めるんだぞ。問題は“その下がり幅”だ。せっかく節約して買った車が、数年後に売ろうとしたら『え、こんな値段にしかならないの!?』ってなったら、それこそ“買って後悔”だろ?」
「う…それは確かにイヤかも。安物買いの銭失い的な?」
「その通り!特に、値落ちが激しい車っていうのは、市場に確かに存在するんだ。今回は、俺たちサルヂエファミリーが、『なぜそんなに値落ちするのか?』、そして『リセールバリューが低い車のヤバい特徴』はなんなのか、徹底的に調査・検証してみたぞ!」
「どうせまたパパのうんちくが長くなるんでしょ…」
「これは家計を守るための大事な“知恵”だ!まぁ、ママも分かりやすく解説するから、ちょっと聞いていけよ!」
なぜ車は値落ちするのか?その仕組みと背景
「よーし、ママ。まずは基本の『き』だ。なんで車の価値って、時間が経つと下がるんだと思う?」
「えー?そりゃあ、古くなるからでしょ。服とか家電と一緒で、新しい方がいいに決まっ
てるじゃない」
「ふふふ、甘いなママ。もちろん『経年劣化』も大きな理由の一つだ。走行距離が増えれば部品も消耗するし、内外装も汚れていく。だが、それだけじゃないんだよ」
車の価値、特に中古車としての価格は、俺たちが思っているよりもずっと複雑な「市場の原理」によって決まっているんだ。
中古市場の評価基準とは
「そもそも、中古車の“値段”って誰が決めてるの?買ったお店?」
「鋭い指摘だ、ママ。新車と違って、中古車には『定価』が存在しない。じゃあ何が基準かというと、基本的には『需要と供給のバランス』なんだ」
具体的には、全国の業者が参加する「オートオークション」での取引相場が、大きな基準になっている。
【中古車価格が決まる主な流れ】
- 俺たちが車を売る(下取り・買取)
- 買い取った業者が「オートオークション」に出品する
- 全国の中古車販売店が、そのオークションで「欲しい車(売れそうな車)」を競り落とす
- 競り落とした価格に、お店の利益や整備費用を乗せて「販売価格」が決まる
「つまり、オークションで『この車、欲しい!』って手を挙げる業者が多ければ価格は上がり、少なければ下がるってことね」
「その通り!俺たちが車を手放す時の“買取価格”も、結局はこのオークション相場から逆算されて決まる。だから、『中古市場で評価される車』かどうか、がめちゃくちゃ重要なんだ」
「人気」「耐久性」「需要」が価格を左右する
「じゃあ、その『中古市場での評価』って、具体的には何で決まるのよ?」
「それもいい質問だ。大きく分けて、俺は3つの要素があるとにらんでいる」
- ① 人気(ブランド・車種・色)
「これは分かりやすいな。『みんなが欲しがる車』は、いつの時代も高く売れる」
例えば、SUVやミニバンみたいに流行っているジャンル、あるいはトヨタのランドクルーザーやアルファードみたいに「指名買い」されるような車種は、中古市場でも引く手あまただ。
「あ、色も大事なんでしょ?パパが前に『派手なピンクの車は売る時大変だぞ』とか言ってた」
「そうだ。定番の『白(パールホワイト)』や『黒』は、いつの時代も安定して人気がある。逆に、奇抜な色や不人気色は、それだけで値落ちが激しい車になるリスクを抱えているんだ」
- ② 耐久性(信頼性)
「中古車を買う人の気持ちになってみろ。一番怖いのは何だ?」
「えーっと、『買ってすぐに壊れること』?」
「正解!だから、『壊れにくい』という信頼性・耐久性は、リセールバリューに直結する。日本車が海外でも高く評価されるのは、この耐久性がズバ抜けて高いからだと言われているな」
- ③ 需要(実用性・タイミング)
「その車が『今、求められているか』も重要だ。例えば、ガソリン価格が高騰すれば、燃費の良いハイブリッド車や軽自動車の需要が高まる。逆に、景気が良くなれば高級車やスポーツカーが売れたりする」
「なるほどねー。実用性っていうのは?」
「『荷物がたくさん積める』とか『大勢乗れる』とか、そういう分かりやすいメリットだな。ライフスタイルの変化(子供が生まれた、キャンプを始めた、など)で必要とされる車は、常に一定の需要があるんだ」
モデルチェンジや販売終了で一気に下がることも
「そして、ここが一番のキモだ。リセールバリューが低い車が生まれる最大の要因と言ってもいいかもしれない」
「なによ、改まって」
「『モデルチェンジ』と『販売終了』だ」
- モデルチェンジの影響
「買ったばかりの車が、半年後に『新型が出ました!』ってなったら、どう思う?」
「最悪!『ちょっと待てばよかったー!』ってなる!」
「だろ?新型が出ると、それまでの車は『旧型(型落ち)』になる。中古市場には、新型に乗り換えた人たちの旧型が一気に流れ込んでくる(供給過多)。一方で、中古で探す人も『どうせなら新型のデザインがいい』となる(需要減)。結果、旧型は一気に値崩れを起こすんだ」
特に、デザインや性能がガラッと変わる「フルモデルチェンジ」の直前・直後は、価格が乱高下しやすい。
- 販売終了(生産終了)の影響
「じゃあ、逆に『販売終了』になった車は?もう新車で買えないなら、希少価値が上がったりしないの?」
「それが、そう単純じゃないんだな。一部の特殊なスポーツカーや旧車はプレミアがつくこともあるが、大半の車は逆だ」
「え、なんで?」
「理由は2つ。『人気がなくて売れなかったから消えた車』というイメージがつくこと。そして、『修理部品の供給が将来的に不安』と買い手に思われることだ。買い手が減れば、当然、中古価格は下がる。これが、リセールバリュー ワースト級の車を生み出す典型的なパターンなんだよ」
「うわー…車の価値って、そんなに色々な要因で決まってたのね。奥が深い…」
「そうだろ?だからこそ、次のH2では、具体的にどんな車が『値落ちが激しい』と言われているのか、さらに深く掘り下げていくぞ!」
2025年版|値落ちが激しいと言われる車の傾向【国産車】
「パパー、さっきの『仕組み』は理屈としては分かったけど、正直ちょっと難しかったわ…」
「む、そうか?大事なことなんだが…」
「それより!『で、結局どの車が危ないの?』っていう、具体的な車種を教えてよ!『リセールバリュー ワースト』とか言われる車って、実際にあるんでしょ?」
「よし来た、ママ!待ってました、その質問。
確かに、市場には『値落ちしやすい』傾向が顕著に出る車種、いわゆる『損する車』のパターンが存在するんだ。
ただし、先に言っておくが、これは『この車が悪い車だ』と断罪しているわけじゃないぞ。あくまで『中古市場での需要が低く、中古価格 急落のリスクを抱えている』という傾向の話だ。
今回は、俺が独断と偏見…いや、市場のデータを元に分析した『値落ちしやすい国産車』の傾向を、いくつかピックアップして解説しよう」
傾向①:生産終了となった個性派コンパクト(例:日産 キューブ)
「まず、典型的なパターンが、H2-1でも触れた『生産終了』した車だ」
「あー、あの四角くて可愛い『キューブ』とか?最近、新車で見ないと思ったら、もう作ってなかったのね」
「そうだ。キューブはデザインが個性的で、一定のファンがいた名車だ。だが、2020年に生産終了してしまった」
「人気あったのに、なんで値落ちするの?希少価値は?」
「さっきも言ったろ?大半の車は『人気がなくなったから生産終了した』と市場に判断される。さらに『修理用の部品が将来なくなるかも』という不安が、中古車として買う層を遠ざけるんだ。
結果、新車で買えなくなった瞬間から、じわじわと、時には一気に価値が下がっていく。まさに『値落ち 激しい車』の典型パターンだ」
傾向②:モデルチェンジで名前とコンセプトが変わった(例:マツダ アクセラ)
「次に注意したいのが、モデルチェンジで『名前』や『立ち位置』が大きく変わった車だ。例えば、『マツダ アクセラ』」
「アクセラ?あ、今でいう『MAZDA3(マツда スリー)』のこと?」
「その通り!アクセラ自体は非常にデキの良い車だったんだが、『MAZDA3』という全く新しい名前と、より高級路線なコンセプトの新型が登場した。
こうなると、旧型となったアクセラは『一世代前の車』という印象が強くなる。さらに『アクセラ』という名前で探す人も減るため、中古市場での需要も急速に冷え込みやすいんだ」
傾向③:競合が強すぎるジャンル(例:スズキ ソリオ)
「これはちょっと意外かもしれないが、『競合が強すぎる』車も、リセールバリューが低くなる傾向がある」
「え?どういうこと?」
「例えば、スズキの『ソリオ』。室内も広くてスライドドアで、すごく実用的な良い車だ。…だが、この『コンパクト・スライドドア』というジャンルには、どんな車がある?」
「あ…トヨタの『ルーミー』とか?」
「そう!まさにトヨタの『ルーミー/タンク』兄弟(※タンクは販売終了)が、この市場を席巻している。中古車を探す人も、まずは圧倒的に知名度と販売台数が多いルーミーを検索する。
結果、ソリオは『ルーミーじゃなかったら、こっちも見てみるか』という第二候補になりがちで、中古市場での指名買いが減る。そうなると、価格を下げて注目を集めるしかなくなり、リセールが厳しくなるんだ」
傾向④:人気ジャンルだけど供給過多(例:トヨタ ルーミー/タンク)
「え!?ちょっと待ってよパパ。今『ルーミーが強い』って言ったばっかりじゃない!なのにルーミーも値落ちするの?訳わかんない!」
「ははは、ママ、落ち着け。ここが中古市場の面白いところであり、怖いところだ。
確かにルーミーは超人気車種だ。だが、『人気=リセールが高い』とは限らないんだ」
「どういうことよ!?」
「『人気がありすぎて、新車がたくさん売れすぎた』んだよ。
新車で売れまくった車は、3年後、5年後にどうなる?」
「えーっと…中古車市場に、その分たくさん出てくる?」
「大正解!ママ、冴えてるな!
中古車市場に同じ車が溢れかえる(供給過多)と、業者同士で『ウチは1万円でも安く売らないと!』という価格競争が始まる。
結果、あれだけ人気だったルーミーやタンク(特に初期型)も、中古価格が思ったより伸びず、リセールバリューが低い車の仲間入りをしてしまうケースがあるんだ」
傾向⑤:ブームが去ったニッチジャンル(例:ホンダ シャトル)
「最後は『ブームの終焉』だな。かつては人気だった『ステーションワゴン』タイプの車、例えば『ホンダ シャトル』だ」
「あ、シャトル。荷物たくさん積めそうで、ウチのキャンプにも良さそうだなって思ったことある」
「実用性はピカイチだ。だが、今の自動車市場のブームは、圧倒的に『SUV』と『ミニバン』だ。
中古車を探すファミリー層も、同じくらいの予算なら、流行りのSUVや、もっと便利なスライドドアのミニバンに目がいく。
結果、シャトルのような実用的なステーションワゴンは『ちょっと地味かも』と敬遠され、需要が減り、値落ちが激しくなりやすい」
「どうだ、ママ。具体的な車種を挙げると、一気に『なるほどな』って思わないか?」
「たしかに…『人気があるから大丈夫』とか『安いからお得』とか、単純な話じゃないのね…」
「そうだろ?ここで、今挙げたような車種が、新車価格に対してどれくらい値落ちするリスクがあるのか、ざっくりとしたイメージを表にしてみたぞ」
【参考】値落ちしやすい車の傾向と下落イメージ
車種(傾向) 新車価格帯(参考) 3年後の下落イメージ(パパ調べ) 値落ちしやすい理由 ① 生産終了車
(例:日産 キューブ)約160〜230万円 下落(大)
新車価格の30%〜45%程度になることも?・生産終了によるイメージ悪化
・部品供給の不安② 名前変更モデル
(例:マツダ アクセラ)約180〜300万円 下落(中〜大)
旧型になった途端、需要が急減しやすい・新型(MAZDA3)への移行
・「型落ち感」が強い③ 競合強すぎ車
(例:スズキ ソリオ)約170〜220万円 下落(中)
常に競合(ルーミー)と比較され、価格が上がりにくい・同ジャンルに強すぎる競合
・指名買いが少ない④ 供給過多車
(例:トヨタ ルーミー)約160〜210万円 下落(中)
人気だが中古車在庫も膨大。価格競争が起きやすい・新車販売台数が多すぎる
・市場に溢れて希少価値ゼロ⑤ ブーム終了車
(例:ホンダ シャトル)約180〜260万円 下落(大)
SUV/ミニバンブームの影で需要が低い・ステーションワゴンというジャンル自体の人気低迷 ※注意:上記の新車価格は当時のものであり、下落イメージはあくまでサルヂエファミリーの調査に基づく一般的な「傾向」です。実際の買取価格は、車両の状態、走行距離、時期、色、グレードによって大きく変動します。
「うわぁ…こう見ると、買って後悔するパターンって、色々あるのね」
「そうだろ。だから、次のH3では、これらの車に共通する『リセールバリューが低い車の“見抜き方”』、その特徴をさらに深掘りしていくぞ!」
リセールバリューが低い車の特徴とは?
「パパ、さっきH2-2で挙げた車(キューブとかシャトルとか)って、結局、何がダメだったの? デザインが古くなったから?」
「それもあるが、もっと根本的な『市場からの見放され方』があるんだ。さっきの例を『特徴』として整理すると、こうなる」
① 生産終了やモデル廃止の車
「これはH2-2のキューブの例でも出したが、やっぱり最強の“値落ちフラグ”の一つだ」
「でも、『限定モデル』みたいに、作ってないから価値が上がるってことも…」
「ママ、それは超一部の『趣味性の高いスポーツカー』や『伝説的な旧車』の話だ。俺たちファミリーが買うような実用車で、生産終了がプラスに働くことは、まず無いと思っていい」
「なんで断言できるのよ?」
「理由はさっきも言った『部品供給の不安』と『人気がなかった(=売れなかった)から消えた』というネガティブイメージだ。
中古車を買う人は、俺たち以上に“コスパ”や“故障リスク”にシビアだぞ。『5年後、修理したくても部品がありません』なんて事態を一番嫌う。
だから、販売店も『この車はもう生産終了してまして…』と聞くと、積極的に仕入れたがらなくなる。結果、オークションでも値が付かず、買取価格が下がる。まさにリセールバリュー ワーストへの最短ルートだ」
② 特殊なカラー・装備・グレードの車
「これはママも気をつけないといけないぞ。特に『色』だ」
「えー!私、今度買うなら、ちょっと明るい水色とか、オシャレなベージュとかがいいなって思ってたのに」
「ダメとは言わん!言わんが、それが『リセールを捨てる覚悟』に繋がることは理解しておけ、ということだ」
「そんな大袈裟な…」
「大袈裟じゃない!中古車市場の鉄則は『多数派が勝つ』だ。
日本で一番売れる色は何だ?」
「えーっと、白とか黒?」
「その通り!『白(パールホワイト)』と『黒(ブラックマイカ)』。この2色がダントツだ。次点で『シルバー』や『グレー』だな。
なぜなら、中古車を探している大多数の人が『無難で、汚れが目立たず、冠婚葬祭にも乗っていける色』を求めるからだ。
逆に、ママが言う『オシャレな水色』や『派手な赤』、『ビビッドな黄色』は、新車で買う時は良くても、中古で探す人にとっては『うーん、この色はちょっと…』と敬遠される筆頭なんだよ」
「えー、じゃあ、装備は?『サンルーフ』とか『本革シート』とか、高いオプション付けたら、売る時も高くなるんでしょ?」
「それが、そうとも限らないのがミソだ」
【要注意】オプションは“プラス査定”より“マイナス査定”回避が重要
- プラスになりにくいオプション例:
- 高額な社外ナビ/オーディオ: 今はスマホナビで十分という人が多く、型落ちナビは価値ゼロに近い。
- 本革シート: 「夏は暑く、冬は冷たい」「手入れが面倒」と敬遠する層も一定数いる。
- 特殊なエアロパーツ: 純正ならまだしも、派手すぎる社外品はむしろマイナス査定の対象。
- 無いとマイナスになる(=リセールに響く)オプション例:
- (今や必須)ETC、ドライブレコーダー
- (ミニバンなら)両側パワースライドドア
- (SUVなら)4WD ※雪国需要
- (高級車なら)サンルーフ ※車種による
「つまり、『みんなが欲しがる無難なオプション』以外は、ほとんど自己満足で終わる可能性が高いってことね…」
「そうだ。特に『リセールバリューが低い車』まっしぐらなのが、『最安値の“素うどん”グレード』に、中途半端な社外オプションをゴテゴテ付けた車だ。中古市場では『一番人気の中間グレード、色は白、メーカー純正ナビ付き』みたいな“優等生”が一番高く売れるんだ」
③ 需要の低いジャンル(セダン・スポーツ系など)
「最後は、シャトルの例でも触れた『ジャンル』そのものの問題だ」
「あー、SUVとかミニバンじゃないとダメって話ね」
「極論すれば、そうだ。今の中古市場は、その2大ジャンル(+軽自動車)が需要のほとんどを占めていると言ってもいい。
逆に、俺が若い頃は憧れた『セダン』や『クーペ(スポーツカー)』、あるいは『ステーションワゴン』は、需要がガクッと落ちている」
「パパも昔、変な形のスポーツカー乗りたがってたもんね」
「(ギクッ)…と、ともかくだ!
『需要が低い』ということは、『買い手が少ない』ということだ。例えば、同じ300万円の新車でも…」
- A:大人気のSUV(3年後、中古で欲しい人が100人待っている)
- B:不人気のセダン(3年後、中古で欲しい人が5人しかいない)
「このAとB、どっちが高く買い取ってもらえると思う?」
「そりゃあ、AのSUVでしょ」
「だろ?買い手(業者)も、仕入れてすぐに売れるAのSUVは高く買い取れる。でも、いつ売れるか分からないBのセダンは、在庫リスクを恐れて安くしか買い取れない。
これが、『値落ち 激しい車』と『そうでない車』を分ける、決定的な“ジャンルの壁”なんだよ」
「安い=得」とは限らない?買って後悔する理由
「ママの言う通り、新車価格が安い車は魅力的だ。ウチも家計を預かる身、初期費用は1円でも安い方がいいに決まってる」
「でしょ?『損する車』とか『買って後悔 車種』とか言うけど、安く買えればそれでチャラよ!」
「そう思うだろ?だが、車のコストは『買う時』だけで決まらない。『手放す時』までのトータルコストで考えないと、家計全体で見たら大損してる可能性があるんだ」
短期間で大幅に価値が落ちる可能性
「例えば、ここに2台の車があるとする」
【A車:人気の車】
- 新車価格:300万円
- 3年後の買取価格:200万円
- 3年間で失った価値:100万円
【B車:リセールが低い車】
- 新車価格:250万円(A車より50万円安い!)
- 3年後の買取価格:100万円
- 3年間で失った価値:150万円
「……あ」
「気づいたか、ママ。買う時、B車はA車より50万円も安くて『得した!』って思うだろ?
だが、3年後に手放した時、A車を買った人は100万円しか損しなかったのに、B車を買った人は150万円も損している。
トータルで見たら、B車の方が50万円も多くお金を失っているんだ」
「うわ…ほんとだ。『買う時安い』って、全然アドバンテージになってない…」
「これが『値落ち 激しい車』の正体だ。特に、俺たちみたいに子供の成長(怪獣化)に合わせて『3年~5年で乗り換えるかも』っていうファミリーにとっては、この『下落幅』こそが、月々のローン返済額よりも重くのしかかる“本当のコスト”なんだよ」
手放す時に買い手がつかないリスク
「さらに恐ろしいのは、さっきのB車が『100万円で売れた』場合だ。これはまだマシな方かもしれない」
「え?どういうこと?もっとひどいパターンがあるの?」
「ある。それが『買い手がつかない』リスクだ」
「そんな大袈裟な。日本車なら、どんなに古くても値段は付くんでしょ?」
「甘い!H2-3で解説した『生産終了』『不人気ジャンル』『奇抜な色』のトリプルコンボみたいな車を想像してみろ。
中古車業者の本音は『こんな車仕入れても、売れるまで半年かかるかも…』だ。在庫を置いとくだけでも駐車場代や管理費がかかる。だから…」
買取業者のセリフ(パパの妄想)
『いやー、お客さん。この車種、この色だと、ウチもちょっと値段付けられないっスね…。むしろ、引き取りに“手数料”かかっちゃいますけど、どうします?』
「手数料!?お金払って引き取ってもらうってこと!?」
「そういうことだ。新車で250万円も払ったのに、数年後には『資産価値 低い車』の烙印を押され、タダ同然か、最悪マイナスになる。これが『リセールバリューが低い車』を選ぶことの最大のリスクだ。
『まあ、売れなかったら乗り潰せばいい』って思うかもしれないが、家族の状況は刻一刻と変わる。転勤、第二子、親の介護…『売りたい!』と思った時に売れない車ほど、ストレスになるものはないぞ」
維持費・修理費がリセールをさらに下げるケースも
「そして、ダメ押しだ。乗り潰そうにも、不人気車にはさらなる試練が待っている」
「まだあるの…」
「『修理費の高騰』だ」
「なんで?壊れやすいの?」
「壊れやすい、というより『直しにくい』んだ。
特に、マイナーな車種や生産終了した車は、メーカーも修理用の部品在庫をあまり持ちたくない。新車が売れないんだから、部品だって売れないからな。
結果、いざ故障した時、『部品が全国にありません』『取り寄せに1ヶ月かかります』『部品代だけで20万円です』なんてことが平気で起こる」
「うわぁ…最悪のコンボじゃない…」
「そうだ。『安く買った』はずが、修理費でどんどんお金が消えていく。そして、いざ売ろうとしても『故障歴アリ』『修理が必要』ということで、さらに買い叩かれる。
これが『損する車』を選んでしまった場合の、典型的な買って後悔する末路だ」
後悔しないために|車選びの注意点と実践アドバイス
「リセールバリューを気にするあまり、乗りたくもない車に乗るのは不幸だ。だが、現実問題として『値落ち 激しい車』は存在する。
この矛盾を、俺たちサルヂエファミリーはどう乗り越えるべきか。俺は、3つの『知恵』が必要だと判断した」
人気車種・グレード・カラーを選ぶ
「うわ、結局それ!?『白か黒のSUVに乗れ』ってことじゃない!」
「まあ待て、ママ。これは『基本の“き”』として、だ。
何も、『リセールバリューがダントツ1位の車以外買うな』と言ってるんじゃない。『せめて、リセールバリュー ワースト級の地雷だけは避けよう』ということだ」
「地雷?」
「そうだ。H2-3で解説した『特徴』を思い出してみろ」
【サルヂエ的・地雷回避チェック】
- □ その車、近いうちにモデルチェンジや生産終了の噂はないか?
- □ その色、奇抜すぎないか?(赤、青、黄色、特殊なベージュなど)
- □ そのグレード、極端に安すぎたり、高すぎる趣味グレードではないか?
- □ そのジャンル、世間のブームからかけ離れていないか?(セダン、ワゴンなど)
「全部が全部ダメ、とは言わん。だが、もし欲しい車がこのチェックに複数引っかかるようなら、『資産価値 低い車になるリスクを承知で買う』という覚悟が必要だ。
逆に、色を『オシャレな水色』から『無難な白』に変えるだけで、3年後の査定額が20万円変わる可能性だってあるんだぞ」
「に、20万…それはデカいかも…」
「だろ?『どうしてもこのデザインの車がいい!』というなら、せめて色は『白』を選ぶ。それだけでも、立派な防衛策なんだ」
「3〜5年後の売却」を想定して選ぶ
「次に大事なのが『時間軸』だ」
「時間軸?」
「俺たちみたいに、子供の成長やライフスタイルの変化で乗り換える可能性があるファミリーは特に、『いつ売るか』を意識することが重要だ。
一般的に、車のリセールバリューがガクッと下がる“魔のタイミング”がある」
- ① 最初の車検(3年後)
- ② 2回目の車検(5年後)
- ③ 大台の走行距離(5万km、10万km)
「ほー。じゃあ、車検の前に売ればいいのね」
「そういうことだ。特に、3年後や5年後の車検を通す前に手放すと、中古車市場では『まだ車検残ってる(=次の買い手が見つかりやすい)』し、『高年式』として扱われるから、比較的高い値段がつきやすい。
逆に『7年乗ったし、走行距離も9万km超えたし…』なんて車は、値落ち 激しい車の仲間入りだ。
『3年後に売るなら、いくらで売れるか?』を想像しながら買う。これが賢い車選びの第一歩だ」
一括査定サービスで将来の相場をチェックする
「パパ、パパ。さっきから『3年後にいくら』とか言うけど、そんなのどうやって調べるのよ。新車ディーラーの人に聞いても、教えてくれないでしょ」
「ふふふ、ママ。いいところに気づいたな。ディーラーは『新車を売る』のが仕事だ。『売る時の価格』なんて、下手に話して商談が壊れるのを一番嫌うからな」
「じゃあ、どうするの?」
「そこで登場するのが、俺たち『調べてやってみる』サルヂエファミリーの出番だ。
今の時代、ネットを使えば『今、乗っている車』の相場はもちろん、『買おうとしている車』の数年後のリセール相場だって、ある程度予測できるんだ」
「え、そんな便利なものが?」
「そうだ。例えば、複数の買取業者が競争して値段をつけてくれる『一括査定サービス』。ああいうサイトには、過去の買取データが蓄積されている。
もちろん、未来の価格をピンポイントで当てるのは不可能だ。だが、俺が紹介したいのは、そういうデータを元に『中古車市場の動向』や『車種ごとのリセール傾向』を解説している情報サイトだ」
(※ここで、記事の最終的な着地点である「カーセンサー」や「グーネット」のような中古車情報サイト、あるいは「(紹介するアフィリエイト商材=カードック)」の持つ査定機能や情報ポータルへの導線を、やや中立的に、しかし確実に設置するイメージ)
「例えば、この『カードック』みたいな、車に関する情報を網羅しているサイトを見てみる。
ここでは、単に『車を売る』だけじゃなく、『この車種の今の相場は?』とか『こういう車は値落ちしやすい』といった、俺たちが今まさに調べているような“情報”も手に入る(※という体で紹介する)」
「へー、売る時だけじゃなく、買う前にも使えるのね」
「その通り!『この車、デザインは好きだけど、リセールどうなんだろう?』と思ったら、まずこういうサイトで、その車種の『中古車価格』を調べてみるんだ。
新車価格と比べて、中古価格がどれくらい落ちているか。3年落ち、5年落ちの在庫がどれくらいあるか。
そういう『生きたデータ』を自分の目で見ることで、『これはヤバいかも』『これなら大丈夫そう』という“相場感”が養われる。
ディーラーの『今ならお得ですよ!』という甘い言葉に踊らされず、リセールバリューが低い車を掴まないための、最強の“予防策”になるんだよ」
まとめ|価値が落ちにくい車選びこそ“賢い買い物”
「今回、俺たちが徹底的に調査したのは『リセールバリューが低い車』のヤバい特徴と、そのリスクだ。
ママの言う通り、車は『安く買う』ことも大事だ。だが、それ以上に『賢く手放す』ことを考えるのが、現代の車選びなんだよ」
「今の価格」だけじゃなく「将来の価値」で考える
「今日の話で一番覚えておいてほしいのは、H2-4でやった『トータルコスト』の計算だ」
- A車:新車300万 → 3年後200万(損失100万)
- B車:新車250万 → 3年後100万(損失150万)
「この例え、強烈だったわよね…。買う時50万安くても、売る時150万損してたら、結局50万も多く払ってるのと同じだもんね」
「その通り!車は『買う時の価格(入口)』だけじゃなく、『売る時の価格(出口)』までをセットで考える。
『値落ち 激しい車』を避けて、『価値が落ちにくい車』を選ぶこと。それこそが、俺たち消費者にとって最強の“節約術”なんだよ」
「好きな車」と「損しない車」をバランスで選ぶ
「じゃあ、やっぱり『白か黒のSUV』しかダメなの?」
「それも違う、と俺は言いたい。
車は家計の一部であると同時に、家族の思い出を乗せる“相棒”でもあるからな。パパだって、本当は変な形のスポーツカーに(以下略)」
「はいはい、わかったわかった」
「大事なのは『バランス』だ。
『このデザインだけは譲れない!』→ OKだ。ただし、色は『奇抜な赤』じゃなくて『無難な白』にしておこう。
『このマイナー車種に乗りたい!』→ OKだ。ただし、『最安値グレード』じゃなくて、中古市場でも需要がある『中間グレード』にしておこう。
『この車、生産終了するらしい!』→ うーん、それはちょっと待て!本当に今買うべきか、もう一度市場の相場を調べてみよう!
…という風に、リセールバリューが低い車の特徴を“知った上で”、どこまでリスクを取るか(=どこまで自分の好みを優先するか)を決める。これが『後悔しない車選び』のコツだ」
売る前提の車選びが、家計の節約につながる
「結局のところ、『損する車』を掴まないためには、ディーラーの営業マンよりも、俺たち自身が“賢く”なるしかない」
「うわ、パパが一番好きな結論ね…」
「そうだ!『この車、3年後にいくらで売れるかな?』という視点を持つこと。
そのためにも、H2-5で紹介したような『カードック』みたいな情報サイトを活用して、日頃から『中古車市場の相場観』を養っておくことが重要だ。
『買う時の安さ』に飛びつかず、『売る時の価値』まで見据えて選ぶ。
それこそが、怪獣2匹を抱えるサルヂEファミリーの家計を守る、最強の『知恵』だと、パパは結論づけるぞ!」

