車の買い替え

高いのは理由がある?認定中古車の“信頼性”をデータで読み解く

(サルヂエママ)「ねえパパ、次の車どうするのよ。ステップワゴンもだいぶガタがきてるし、怪獣たち(息子)がドンドン跳ねるから、もう限界よ…」

(サルヂエパパ)「フム。確かに、そろそろ本気で考えないとな。節約も大事だが、安全には代えられない。とはいえ、新車は高い…。そこでだ、ママ。『中古車』という選択肢も合理的に検討すべきだと思うんだが」

(サルヂエママ)「えー、中古車?なんかヤダ。安いのはいいけど、前の時みたいに『なんか変な音する…』とか、買ってすぐ壊れたりしたら最悪じゃない?子ども乗せてる時に止まったりしたら、私パニックよ!」

(サルヂエパパ)「ママのその懸念、つまり『安かろう悪かろう』というリスクだな。だがな、最近の“中古車”は、我々が若かった頃とは事情が違う。『認定中古車』というカテゴリーが存在するのをママは知っているか?」

(サルヂエママ)「あー、なんか聞いたことある。ディーラーのショールームの隅っこに置いてある、ちょっとキレイだけど割高なやつでしょ?どうせ『安心ですよ~』って口実で、高いお金取ろうとしてるだけじゃないの?」

(サルヂエパパ)「(カチン)…ママ、その『高いだけ』という先入観だけで本質を見誤ってはいけない。その“価格差”が、我々ファミリーにとって合理的な『安心』への対価たり得るのかどうか。そこを論理的に比較・検証せずして、どうする!」

(サルヂエママ)「うわ、出た…。パパのうんちくタイム…。もういいわよ、どうせ難しい話なんでしょ…」

(サルヂエパパ)「いや、よくない!これは我が家の家計と安全に関わる重大マターだ!というわけで、サルヂエファミリー恒例『なんでも自分達で調べてみる』企画、今回は【認定中古車は本当に“安心”を買う価値があるのか?】を、この私が徹底的に検証してみることにした!ママにも分かるように、ゼロから解説していこう!」

(サルヂエママ)「はいはい…。お手並み拝見ね…」

認定中古車とは?|“普通の中古車”との違いを知ろう

(サルヂエママ)「で?そもそも、その『認定中古車』って、何がどう『認定』されてるわけ?お偉いさんがハンコでも押してるの?」

(サルヂエパパ)「フム。良い質問だ、ママ。まずは言葉の定義からハッキリさせよう。そこが曖昧なままでは、議論が成り立たないからな。簡単に言えば、『認定中古車』とは、我々がよく知るトヨタやホンダ、日産といった自動車メーカー(またはその正規ディーラー)が、独自に設定した厳しい品質基準をクリアした中古車のことだ」

(サルヂエママ)「ふーん。ディーラーがOK出したってことね。でも、近所の中古車屋さんの『店長オススメ!特選車!』と、具体的に何が違うのよ」

(サルヂエパパ)「そこが核心だ。大きな違いは『基準の明確さ』と『整備の質』、そして『保証の手厚さ』にある。順を追って解説しよう」

ディーラー認定とはどういう意味?メーカーの看板を背負う重み

(サルヂエパパ)「まず、一般の中古車販売店が独自に『優良車』と言うのと、メーカーが『認定車』と言うのとでは、その“重み”が全く違う。考えてもみろ、ママ。トヨタが『トヨタ認定中古車』として売る車が、もしすぐに壊れたらどうなる?」

(サルヂエママ)「え?そりゃ『トヨタ、しっかりしろ!』ってクレーム言うでしょ。なんならSNSで愚痴っちゃうかも」

(サルヂエパパ)「その通り!つまり、メーカーは自社のブランドイメージ、看板(・・)を背負ってその車を販売しているわけだ。生半可な状態の車を『認定』して市場に出せば、自社の新車の評判にも傷がつく。だからこそ、その『認定』には一定の信頼性が担保されている、と論理的に推測できるわけだ」

どんな整備がされているの?「現状渡し」との決定的違い

(サルヂエママ)「看板の重みは分かったけど、具体的に何をしてくれるわけ?『認定』って言うくらいだから、ピカピカに磨いてくれるとか?」

(サルヂエパパ)「(フッ…)ママ、本質はそこじゃない。見た目のクリーニング(もちろんそれもやるが)以上に重要なのが、納車前の『点検・整備』だ。メーカーによって基準や項目数は異なるが、一般的に数十項目から、多いところでは100項目以上にも及ぶ厳しいチェックが行われる」

(サルヂエママ)「100項目!?」

(サルヂエパパ)「そうだ。エンジンやブレーキといった重要部品はもちろん、エアコン、カーナビ、パワーウィンドウといった電装品まで。そして、ただ『動く』だけではダメだ。メーカーが定めた基準に満たない消耗品、例えばバッテリーやエンジンオイル、ワイパーのゴム、タイヤなども、必要に応じて交換(または整備)された上で納車されることが多い」

(サルヂエママ)「へえー。普通の中古車だと、『タイヤはまだ溝ありますよ~』くらいで、交換は別料金だったりするもんね」

(サルヂエパパ)「その通り。一般の中古車には『現状渡し』といって、文字通り『今の状態のまま渡します』という車も少なくない。その点、認定中古車は、メーカー基準での『安心』がある程度整備された状態で手に入る。これが大きなメリットの一つだ」

認定中古車の審査基準|「修復歴なし」は当たり前?

(サルヂエママ)「でもさ、パパ。いくら整備しても、元が“事故車”だったらイヤじゃない?そういうのも『認定』されちゃうの?」

(サルヂエパパ)「鋭い指摘だ、ママ。そこも重要なポイントだ。結論から言うと、多くのメーカーで『修復歴なし』を認定中古車の絶対条件にしている」

(サルヂエママ)「しゅうふくれき?」

(サルヂエパパ)「ああ。車の“骨格”にあたるフレーム部分などを損傷し、修理した経歴のことだ。これが『修復歴あり』だと、いくらキレイに直っていても、走行安定性や耐久性に不安が残る場合がある。認定中古車は、まずこの最大の不安要素を排除しているケースがほとんどだ」

(サルヂエママ)「なるほど。それはちょっと安心かも」

(サルヂエパパ)「さらに、『初年度登録から〇年以内』『走行距離〇万km以内』といった、年式や走行距離にも基準を設け ているメーカーが多い。つまり、ある程度“素性”が良く、コンディションの良い車だけを厳選している傾向が強いんだ」

【比較表】一般中古車との最大の違いは「品質の最低保証ライン」

(サルヂエママ)「うーん…。わかったような、わからないような…。結局、一言でいうと何が違うのよ!」

(サルヂエパパ)「(やれやれ…)一言でまとめるぞ、ママ。一般の中古車と認定中古車の最大の違いは、『品質の“最低保証ライン”が、メーカーによって明確に定められているか否か』だ!」

(サルヂエママ)「最低保証ライン?」

(サルヂエパパ)「そうだ。一般の中古車は、良くも悪くも“一点モノ”。その品質は、販売店の目利きや整備力、良心に大きく依存する。もちろん素晴らしい店も多いが、中には…(ゴニョゴニョ)。だが、認定中古車は、メーカーという“共通の物差し”で品質が担保されている。この『安心』の基準が明確なことこそ、認定中古車を選ぶ最大のメリットと言えるだろう。

分かりやすく表にまとめてみたぞ」

比較項目 認定中古車(一般的な傾向) 一般中古車(販売店による)
品質基準 メーカー毎に統一基準あり 販売店独自の基準(バラツキあり)
修復歴 なし(必須の場合が多い) 「あり」も「なし」も混在(表示義務あり)
点検・整備 数十~100項目以上の点検整備 販売店による(簡易な点検~手厚い整備まで様々)
消耗品交換 基準に基づき交換されることが多い 別途費用の場合や現状渡しの場合も多い
保証 手厚い保証が付帯(後述) なし~短期保証、有償保証など様々
価格 高めの傾向 安めの傾向

(サルヂエパパ)「どうだ、ママ。この表を見れば、認定中古車が『安心』と言われる理由が、少しは論理的に理解できたんじゃないか?」

(サルヂエママ)「ふーん…。確かに、基準がハッキリしてるのは分かりやすいわね。でもさ…パパ。結局、問題は『お値段』なのよ!その『安心』に、一体いくら余分に払わなきゃいけないわけ?」

(サルヂエパパ)「フム…。いいだろう。次の章では、そのママが最も気にする『価格差』と『安心』のバランスについて、徹底的に検証していこうじゃないか」

価格差はどれくらい?|認定中古車の「安心料」を可視化する

(サルヂエママ)「で、パパ!肝心なのはそこよ!その『安心』ってやつは、結局いくらなの?同じ年式、同じ走行距離の車と比べて、どれくらい高いわけ?まさか50万とか100万とか言わないでしょうね!」

(サルヂエパパ)「フム…。ママの直球な疑問、まさに核心だ。確かに、認定中古車が一般の中古車(※ここではディーラー認定ではない、一般的な中古車販売店の同等クラスの車両を指す)と比較して、価格設定が高めなのは事実だ」

(サルヂエママ)「ほら、やっぱり!『安心料』って名のつくものは、だいたい割高なのよ!」

(サルヂエパパ)「落ち着け、ママ。その価格差を『割高』と即断するのは早計だ。まずは、その『価格差』が一体どの程度なのか、そしてその『中身』が何なのかを論理的に分解して検証する必要がある」

一般中古車との価格差シミュレーション(車種別)

(サルヂエパパ)「まず、実際の価格差を見てみよう。例えば、ファミリーカーの定番、そうだな…仮に『トヨタのヴォクシー』で比べてみようか」

(サルヂエママ)「お、いいわね。次の候補の一つよ」

(サルヂエパパ)「(カチカチ…)フム。例えば『3年落ち(初度登録から3年経過)』『走行距離3万km』『修復歴なし』の同条件で検索してみると…(※これはあくまで一般的な傾向の例示だぞ)」

  • 一般の中古車販売店A:本体価格 230万円
  • トヨタの認定中古車B:本体価格 250万円

(サルヂエママ)「ほら!やっぱり20万円も高いじゃない!20万あったら、怪獣たちと旅行に行けるわよ!」

(サルヂエパパ)「(カカッ…!)ママ、まだ慌てるな!確かにこのケースでは20万円の差がある。だが、この20万円を『高い』と切り捨てる前に、なぜこの差が生まれているのかを考えるんだ」

その価格差、何が含まれている?「安心料」の内訳を分解

(サルヂエパパ)「H2-1で説明したことを思い出してみろ。認定中古車には何が標準装備されていたかな?」

(サルヂエママ)「えーっと…なんか、すごいいっぱい点検(100項目とか)してくれて、タイヤとかも替えてくれるかもって話と…あとは『保証』?」

(サルヂエパパ)「そうだ!その『手厚い整備』と『手厚い保証』こそが、価格差の正体である可能性が高い。
例えば、一般の中古車A(230万円)が、最低限の『現状渡し』に近い状態だったとしよう。一方、認定中古車B(250万円)は、以下が含まれていると仮定する」

  1. 納車前整備費用:100項目点検、エンジンオイル・バッテリー・ワイパーゴム等の交換費用(仮に5万円相当)
  2. 手厚い保証費用:1年間の走行距離無制限保証(電装品含む)が付帯(仮に10万円相当)
  3. 内外装クリーニング費用:専門業者レベルの清掃費用(仮に3万円相当)
  4. メーカーの看板代(信頼性):(仮に2万円相当)

(サルヂエパパ)「どうだ?こうして分解してみると、20万円の価格差のうち、実に18万円分は、購入後にどうせ必要になったり、安心のために別途加入したりする可能性のある『実費』や『保険料』に近いものだと考えられないか?」

(サルヂエママ)「うーん…。でも、一般の中古車屋さんだって『保証付けますよ』って言うじゃない?」

(サルヂエパパ)「フム。良いツコミだ。だが、その保証が『別途有料オプション』だったり、『保証期間が3ヶ月だけ』だったり、『保証範囲がエンジンとミッションだけ』だったりするケースも少なくない。認定中古車の価格には、それらの安心が『最初からコミコミ』になっている場合が多いんだ」

「初期費用」か「ランニングコスト(故障リスク)」か

(サルヂエパパ)「つまり、こういうことだ。中古車選びは、『初期費用(車両価格)』と『ランニングコスト(維持費+故障リスク)』のトータルで判断すべきなんだ」

  • 一般中古車:初期費用は安い。しかし、購入直後に消耗品交換が必要になったり(+数万円)、保証が切れた直後にエアコンが壊れたり(+十数万円)するリスクを抱える。
  • 認定中古車:初期費用は高い。しかし、その価格には整備費用と手厚い保証費用が含まれているため、購入後の突発的な出費(故障リスク)を大幅に低減できる。

(サルヂエママ)「なるほど…。『今20万安く買う』か、『将来の安心のために今20万払っておく』か、ってことね…。うーん、悩ましいわね…」

(サルヂエパパ)「そうだ。特に我々のような子育てファミリーは、急な車の故障で『週末の予定が台無し!』とか『修理費で今月の家計が火の車!』といった事態は避けたいだろう。この『安心』を、先行投資として合理的に買うかどうかが、認定中古車選びのキモなんだ」

(サルヂエママ)「確かに、怪獣たちを乗せてる時にJAF呼ぶハメになるのは、想像するだけでゾッとするわ…」

(サルヂエパパ)「だろう?では、その価格差の最大の根拠とも言える『保証』の中身について、次の章でさらに深く、理屈っぽく(!)掘り下げてみようじゃないか」

徹底比較!「保証・整備」の中身こそが本丸だった

(サルヂエパパ)「断言しよう、ママ。認定中古車を選ぶ最大のメリットは、その『保証』にある!一般の中古車販売店が提供する保証と、ディーラーが提供する認定中古車の保証とでは、その“質”と“範囲”が根本的に異なる場合が多いんだ」

(サルヂエママ)「またまた大げさな…。『1年間保証します!』って書いてあれば、どっちも同じじゃないの?」

(サルヂエパパ)「(フッ…)甘いな、ママ。その『1年』という“期間”だけに目を奪われてはいけない。重要なのは『期間』『項目』そして『修理対応』の3つだ。そこには大きな落とし穴が潜んでいる…!」

「保証期間」比較|半年?1年?それとも無制限?

(サルヂエパパ)「まず、分かりやすい『期間』から見てみよう」

  • 一般の中古車店(例)
    • 保証なし(現状渡し)
    • 1ヶ月または1,000kmまで
    • 3ヶ月または3,000kmまで
    • (有償オプションで)1年保証
  • ディーラー認定中古車(例)
    • 最低でも1年間・走行距離無制限(メーカー・ブランドにより異なる)
    • 有償でさらに1年~2年の延長保証に加入可能

(サルヂエママ)「え?『走行距離無制限』!?ウチみたいに、週末ごとにおじいちゃんちまで長距離走る家には、ちょっと良くない?」

(サルヂエパパ)「そうだ。一般の中古車保証が『期間』か『距離』のどちらか短い方を適用するのに対し、認定中古車の多くは『1年間』という期間中なら、たとえ地球半周分の距離(約2万km)を走ろうが保証が続く。この差はデカい」

「保証項目」の落とし穴|“エンジン・ミッションだけ”にご用心

(サルヂエパパ)「だがな、ママ。期間よりもっと重要なのが、この『保証項目』だ。これこそが最大の落とし穴だ!」

(サルヂエママ)「落とし穴?」

(サルヂエパパ)「ああ。例えば、一般の中古車店でよく見る『安心の1年保証付き!』という謳い文句。その保証書を(虫眼鏡で見る勢いで)よーく読んでみると、『保証対象はエンジン、トランスミッション、デファレンシャルギアのみ』と小さく書いてあったりする」

(サルヂエママ)「え、それってどういうこと?車が動くための大事なところなんでしょ?」

(サルヂエパパ)「その通り。だがな、ママ。今の車で、走行3万km程度でいきなりエンジンが壊れる(焼き付く)リスクは、昔に比べて格段に低い。むしろ、ファミリーカーで本当に壊れやすくて、修理費が高額になりがちなのは、別の部品なんだ」

(サルヂエママ)「別の部品?」

(サルヂエパパ)「例えば、だ。怪獣たちが『あつーい!』と叫ぶ真夏に『エアコン』が壊れたら?修理費5万~10万円。あるいは、ママが毎日使う『電動スライドドア』が動かなくなったら?修理費10万円コースだ。『カーナビ』『パワーウィンドウ』も同様だ」

(サルヂエママ)「(ゾッ…)やめてよ、想像するだけで悪夢だわ…!」

(サルヂエパパ)「だが、多くのディーラー認定中古車の保証は、これらの『電装品』や『快適装備』まで、新車保証に準ずるレベルで幅広くカバーしていることが多い。エンジンが壊れないのは(ある意味)当たり前。壊れやすい“周辺機器”まできっちり保証してくれることこそ、認定中古車の保証の真価なんだ」

もしもの時の修理対応|「無料修理」の範囲はどこまでか

(サルヂエパパ)「そして三つ目、『修理対応』だ。もし、旅先で車が故障したらどうする?」

(サルヂエママ)「え?そりゃJAF呼んで、近くの修理工場に…」

(サルヂエパパ)「その修理工場が、その車の保証に対応していなかったら?結局、地元の販売店までレッカーで運び直し、なんてことにもなりかねない。だが、ディーラー認定中古車の場合、そのメーカーの正規ディーラーであれば、基本的に全国どこでも(・・・・・)保証修理が受けられる

(サルヂエママ)「あ、それ便利!お盆の帰省先で壊れても、近くのトヨタやホンダに駆け込めばいいってことね!」

(サルヂエパパ)「その通り。この『全国ネットワークによる均一なサービス』という安心感。これもメーカー直系ならではの強みだ」

保証の価値を金額換算してみると…?

(サルヂエママ)「うーん…。理屈は分かったわよ。期間も長くて、項目も広くて、どこでも直せる、と。で、結局それって、前の章でパパが言ってた『20万円の価格差』に見合うわけ?」

(サルヂエパパ)「フム。いいだろう、試算してみよう。もし、一般の中古車(保証なし)を買って、ディーラー認定中古車と“同等”の安心を手に入れようとしたら、いくらかかるか?」

  1. 専門業者による納車前整備(100項目点検+消耗品交換):約5万円~
  2. 別途加入の有償保証(電装品までカバーするプラン/1年):約5万円~10万円(車種・年式による)

(サルヂエパパ)「どうだ?これだけで最低でも10万~15万円はかかる。さらに、『修復歴なし』という厳選された“素性”の良さ、そして『全国ディーラー対応』という利便性を加味すれば、先の例の20万円の価格差は、決して『割高』ではなく、むしろ『合理的な安心パッケージ費用』だとは考えられないか?」

(サルヂエママ)「…パパがそこまで言うなら、そうなのかもね…。でもさ、トヨタとかホンダとか、メーカーによってその『保証』も違うんじゃないの?全部一緒?」

(サルヂエパパ)「(ニヤリ)…ママ、ついに核心に迫ってきたな。その通りだ!メーカーごとに、その『安心』の基準と中身は全く違う。次の章では、そのメーカー別の違いを、この私がネチネチと(!)比較・分析してやろう!」

メーカー別|認定中古車の「安心度」はこんなに違う!

(サルヂエママ)「で、どうなのよパパ。『認定』って言っても、トヨタもホンダも日産も、結局やってることは同じなんでしょ?安くて保証がマシなら、どこのメーカーでもいいんじゃない?」

(サルヂエパパ)「(カカッ…!)ママ、それが早計だと言っているんだ!『認定中古車』と一口に言っても、そのブランド名、整備基準、そして何より“保証内容”は、メーカーによって全く(・・)異なる。『どこも同じ』という考えは、中古車選びで失敗する典型的なパターンだぞ」

(サルヂエママ)「うわ、また始まった…。じゃあ、どう違うっていうのよ」

(サルヂエパパ)「フム。では、我々ファミリーカー選びでも候補に挙がる主要メーカーを例に、それぞれの『安心』の特徴を比較・分析してみよう。今回は、この検証記事の読者も気になっているであろう、紹介するサービス『カーセンサー』でもよく見かける主要なブランドをピックアップしてみたぞ」

トヨタ「T-Value(ティーバリュー)」:3つの“まるごと”とロングラン保証の強み

(サルヂエパパ)「まずは最大手、トヨタだ。トヨタの認定中古車は『T-Value』というブランド名で展開されている。ここの強みは、何と言ってもその“分かりやすさ”と“網羅性”だ」

(サルヂエママ)「分かりやすい?」

(サルヂエパパ)「そうだ。トヨタは『3つの安心』を掲げている。

  1. まるごとクリーニング:外装・内装を徹底的に洗浄する。シートを外して掃除するなど、かなり本格的だ。
  2. 車両検査証明書:トヨタ認定の検査員が、修復歴はもちろん、わずかな傷までチェックし、その結果を『証明書』として開示してくれる。透明性が高い。
  3. ロングラン保証:これがキモだ」

(サルヂエママ)「ロングラン保証?」

(サルヂエパパ)「ああ。メーカー・年式を問わず(・・・・・)、トヨタの販売店で購入した中古車すべてに『1年間・走行距離無制限』の保証が無料で付いてくる。さらに有償で最長3年まで延長可能だ。約60項目、5,000部品が対象で、もちろん全国のトヨタテクノショップで対応可能。この“守備範囲の広さ”は、さすが王者トヨタ、といったところだな」

ホンダ「U-Select(ユーセレクト)」:「ホッと保証」の実力と延長オプション

(サルヂエパパ)「次に、我が家のステップワゴンの故郷、ホンダだ。ホンダは『U-Select』というブランドで展開している。ここにも『ホッと保証』という強力な武器がある」

(サルヂエママ)「ホッと?」

(サルヂエパパ)「ああ。こちらも『1年間・走行距離無制限』の無料保証が付く。トヨタと違うのは、新車登録から5年未満の『U-Select Premium(プレミアム)』認定車は、保証内容がさらに手厚く、新車保証に迫る内容になる点だ。もちろん、エアコンやナビ、電動スライドドアも対象だ」

(サルヂエパパ)「さらに面白いのが、有償の延長保証『ホッと保証プラス』だ。なんと最長で“7年”まで延長できるプランもある(※諸条件あり)。長く安心して乗りたい、というニーズにはピッタリだな」

日産「NISSAN INTELLIGENT CHOICE」:ワイド保証と品質基準

(サルヂエパパ)「日産も負けてはいない。『NISSAN INTELLIGENT CHOICE(ニッサン インテリジェント チョイス)』という、ちょっと長い名前だが(笑)、内容は堅実だ」

(サルヂエママ)「セレナとかね。で、保証は?」

(サルヂエパパ)「『ワイド保証』というものが付く。これも『1年間・走行距離無制限』が基本だ。トヨタやホンダと同様に、エンジンやミッションから、エアコン、ナビ、電動機構まで幅広くカバーしている。こちらも全国の日産ディーラーで対応可能だ」

(サルヂエパパ)「特徴的なのは、基準の明確さだ。『修復歴なし』『走行距離10万km以内』『初度登録から8年未満』など、認定中古車としての基準(・・)をハッキリと公開している点だな。理屈っぽい私としては、こういう透明性は好感が持てる」

レクサス「CPO」:別格の基準と“おもてなし”

(サルヂエママ)「…ねえパパ。ウチには縁がないけど、あの高い『レクサス』の中古車ってどうなの?」

(サルヂエパパ)「フム…いいところに目を付けたな、ママ。レクサスの認定中古車は『CPO(Certified Pre-Owned)』と呼ばれ、これはもう“別格”だ」

(サルヂエママ)「別格?」

(サルヂエパパ)「ああ。まず基準が違う。納車前点検は12品目(!)の消耗品交換を含む、90項目以上の点検・整備。保証は『2年間・走行距離無制限』が無料付帯だ。さらに、新車同様の『レクサスオーナーズデスク』などの“おもてなし”サービスまで付いてくる」

(サルヂエママ)「に、2年無料!?すごいわね…まあ、元が高いんだろうけど…」

(サルヂエパパ)「その通り。価格は高いが、その分、新車に限りなく近い『安心』と『体験』を提供するという、明確な意志を感じるな」

結局、どこのメーカーが一番「安心」なの?

(サルヂエママ)「色々あるのは分かったけど、結局どこがいいわけよ!」

(サルヂエパパ)「(やれやれ…)ママはすぐに結論を求める。いいか、これは『どこが一番』というより、『自分のニーズにどこが合っているか』で選ぶべきなんだ。
分かりやすくまとめてみよう」

メーカー ブランド名 無料保証(基本) 特徴
トヨタ T-Value 1年間・走行無制限 検査の透明性◎。保証の網羅性◎。
ホンダ U-Select 1年間・走行無制限 延長保証が最長7年(有償)と長い。
日産 Intelligent Choice 1年間・走行無制限 認定基準が明確。保証も堅実。
レクサス CPO 2年間・走行無制限 基準・保証・サービス全てが別格。

(サルヂエパパ)「どうだ?『安さ』よりも『安心』を重視するなら、どのメーカーも最低1年・走行無制限の保証を付けている。だが、その基準や延長保証のオプションは様々だ。この違いを理解せずに『認定中古車』とひとくくりにするのは、非常に危険だということが、論理的に理解できたかな?」

(サルヂエママ)「ふーん…。確かに、メーカーによって結構違うのね…。じゃあ、このメーカーの中から選べば、もう安心ね!」

(サルヂエパパ)「(ピシッ!)待てママ!まだだ!『認定中古車だから安心』と、思考停止してはいけない!認定中古車の中にも、『当たり』と、そうでない『ハズレ』に近いものは存在する!次の章では、その“見極め方”を伝授しよう!」

【チェックリスト】失敗しない認定中古車選び|確認すべき3つのポイント

(サルヂエママ)「うーん…。理屈は分かるけど、じゃあ具体的に、素人の私たちが何を見ればいいわけ?『100項目点検済みです』なんて言われたら、『はぁ、そうですか』って言うしかないじゃない…」

(サルヂエパパ)「フム。ママの言う通り、エンジンの中身まで我々が見抜くのは不可能だ。だがな、専門知識がなくても、いや、ないからこそ確認すべき『失敗しないための最低限のポイント』が3つある。これを怠ると、『こんなはずじゃなかった…』と後悔することになるぞ!」

Point 1:「保証書」を必ず確認!免責事項を見逃すな

(サルヂエママ)「え?『1年・走行無制限』って、あれだけパパが言ってたじゃない。それ見ればOKでしょ?」

(サルヂエパパ)「甘い!『何が保証されるか』と同じくらい、『何が保証されないか(免責事項)』を確認することが重要なのだよ、ママ」

(サルヂエママ)「めんせきじこう?」

(サルヂエパパ)「そうだ。例えば、いくら手厚い保証でも、タイヤ、バッテリー、ブレーキパッドといった、走れば必ず減る『純粋な消耗品』は、基本的に保証対象外だ。また、『天災(地震や洪水)による故障』や、『使用者(つまり我々だ)の過失や改造による故障』も当然ながら保証されない」

(サルヂエママ)「あ、なるほど。じゃあ、『買ってすぐバッテリー上がった!保証で替えて!』はダメってことね」

(サルヂエパパ)「その通り。納車前に交換済みの場合も多いが、保証の範囲はどこまでなのかを、契約前に『保証書(の見本)』でしっかり読み合わせる。これは理屈っぽい私の担当分野だが、ママも『エアコンは?』『スライドドアは?』と、気になる箇所は必ず質問するんだ。この一手間が、後々のトラブルを防ぐんだ」

Point 2:「整備記録簿(メンテナンスノート)」で過去の履歴をチェック

(サルヂエパパ)「次に確認すべきは、その車の“履歴書”、すなわち『整備記録簿(メンテナンスノート)』だ」

(サルヂエママ)「なにそれ?なんか難しそう…」

(サルヂエパパ)「いや、見るのは簡単だ。『いつ』『どこで』『どんな点検・整備を受けたか』が記録されているだけだ。これがしっかり残っている車は、『過去のオーナーが、どれだけ車を大事に扱ってきたか』の論理的な証拠になる」

(サルヂエママ)「あー、なるほど。『車検だけ通してました』っていう車より、『毎年ディーラーで点検してました』っていう車の方が安心、ってことね」

(サルヂエパパ)「その通り!たとえ走行距離が少なくても、オイル交換などの基本的なメンテナンスをサボってきた車は、将来的にトラブルを起こす可能性が高い。認定中古車は『ワンオーナー車』や『ディーラー整備車』が多い傾向にあるが、それでも必ずこの“履歴書”を確認し、素性の良さを自分の目で裏付けるんだ」

Point 3:「認定」されていても「現車確認」は必須!

(サルヂエパパ)「そして最後。これが最も重要だ。トヨタの『車両検査証明書』などで傷が開示されていたとしても、最終的には自分たちの『目』と『鼻』と『直感』で現車を確認すること!

(サルヂエママ)「『鼻』と『直感』!?パパがそんな非論理的なことを言うなんて!」

(サルヂエパパ)「フッ…こういう時こそ、ママの直感が役立つのだ。いいか、いくら『まるごとクリーニング』済みでも、『匂い』だけはどうにもならない場合がある」

(サルヂエママ)「(!)…まさか、タバコとかペット!?」

(サルヂエパパ)「その通り!前のオーナーが喫煙者だった場合、いくら清掃してもエアコンをつけた瞬間にヤニの匂いが甦ることがある。ペットの毛や匂いも同様だ。これは、怪獣たち(息子)を乗せる我々ファミリーにとっては、修復歴と同じくらい重大な問題だろう?」

(サルヂエママ)「絶対ムリ!それだけは絶対イヤ!いくら安くても安心でもダメ!」

(サルヂエパパ)「だろう?さらに、シートのヘタリ具合、内装の細かな傷、スイッチ類の操作感…。こういった『データでは表せない使用感』は、ネットの写真では決して分からない。論理(整備記録や保証書)で安心を担保しつつ、最後は直感(現車確認)で納得する。これが、認定中古車選びで失敗しないための鉄則だ!」

結論|結局、認定中古車は“買い”なのか?サルヂエ的・判断基準

(サルヂエママ)「…ふう。なんか、パパのうんちく聞いてたらお腹いっぱいよ…。で?結局のところ、ウチは(・・)どうするの?『認定中古車』は“買い”なの?“見送り”なの?ハッキリしてよ!」

(サルヂエパパ)「フム…。ママらしい、直球の質問だな。ここまで長々と『認定中古車とは何か』『価格差の理由』『保証の中身』『メーカーの違い』そして『チェックポイント』と、論理的に検証してきた。その上で、我々サルヂエファミリーとしての結論、そしてこの記事を読んでくれている読者への判断基準を示そう」

(サルヂエママ)「(ゴクリ…)」

(サルヂエパパ)「結論から言えば、『中古車購入の“失敗”というリスクを、合理的なコストで最大限回避したい人』にとって、認定中古車は間違いなく“買い”だ。特に、我々のような子育てファミリーにとっては、非常に有力な選択肢になると言える」

こんな人には「認定中古車」がおすすめ

(サルヂエパパ)「今回の検証を経て、認定中古車が向いているのは、以下のようなタイプの人々だと私は分析した」

  • 車にあまり詳しくない、整備の知識がない人
    • (サルヂエママ)「はーい、私です!」
    • (サルヂエパパ)「フム。そういう人が、一般の中古車店で“素性”を見抜くのは至難の業だ。メーカー基準という“お墨付き”があるだけで、そのハードルは劇的に下がる」
  • 購入後の突発的な出費(故障・修理)を絶対に避けたい人
    • (サルヂエママ)「家計を預かる身としては、これも切実よね…。『エアコン修理で10万』とか、悪夢だわ」
    • (サルヂエパパ)「手厚い保証は、そのリスクを回避するための『掛け捨て保険』として機能する。安心をカネで買う、と割り切れる人だな」
  • 子どもや家族を乗せる機会が圧倒的に多い人
    • (サルヂエママ)「まさにウチね。怪獣たち乗せてる時に止まったら…」
    • (サルヂエパパ)「そうだ。『修復歴なし』『ディーラー整備』という最低条件が担保されている安心感は、価格差以上の価値があるだろう」
  • 近所の中古車店よりも、信頼できる『メーカーの看板』を信じたい人
    • (サルヂエパパ)「全国均一の保証とサービス。これも大きな魅力だ」

価格差を重視するなら「一般中古車」もアリ

(サルヂエママ)「じゃあ、認定中古車以外はダメってこと?」

(サルヂエパパ)「いや、そんなことは言っていない。物事には必ずトレードオフ(一長一短)がある。以下のようなタイプなら、あえて認定中古車を選ばず、一般の中古車や、今回紹介した『カーセンサー』のようなポータルサイトで、条件の良い掘り出し物を探すのも合理的な選択だ」

  • 自分である程度の整備やトラブル対応ができる人
    • (サルヂエパパ)「保証が薄くても、自分で直せる、あるいはリスクを楽しめるなら、その分安い方がいいだろう」
  • 『安さ』こそが最優先事項!という人
    • (サルヂエママ)「とにかく初期費用を抑えたい、ってことね」
    • (サルヂエパパ)「そうだ。その代わり、『保証なし・現状渡し』のリスクも自分で引き受ける覚悟が必要だ」
  • 特定の車種やグレードに強いこだわりがあり、根気強く探せる人
    • (サルヂエパパ)「認定中古車は、良くも悪くも“厳選”されているため、タマ数(在庫)は限られる。マニアックな車は、一般の中古車市場の方が見つかりやすいからな」

我が家の結論:「安心」はストレスフリーへの投資だ

(サルヂエママ)「…なるほどね。パパの理屈はよーく分かったわ。で、結局、ウチはどうするのよ?」

(サルヂエパパ)「フム。(メガネをクイッ)…我が家は、次の車を買うなら『認定中古車』を最優先で検討すべきだ、と私は結論付けた」

(サルヂエママ)「お!珍しく意見が一致したわね!」

(サルヂエパパ)「ああ。理由は明確だ。第一に、私(パパ)はうんちくは好きだが、整備のスキルはない。第二に、ママは直感的で、車のトラブルという『万が一』の事態に極端に弱い」

(サルヂエママ)「うっ…否定できない…」

(サルヂエパパ)「そして何より、あの怪獣二匹(息子たち)の安全を預ける車だ。一般中古車との価格差が仮に20万円あったとしても、その20万円で『万が一の故障リスク』『トラブル時のストレス』『修理費の突発的支出』の不安から解放されるなら…それは我が家にとって、非常に合理的な『投資』だと判断した!」

(サルヂエママ)「『節約』じゃなくて『投資』ね。ふーん、パパにしては良いこと言うじゃない!」

(サルヂエパパ)「だろう?もちろん、認定中古車だからと油断せず、Point 5で挙げたチェックリスト(保証書、整備記録簿、現車確認、特に匂い!)は、ママの直感も借りて徹底的に実行するがな。
…というわけで、今回のサルヂエ的検証はここまでだ!『安心』と『価格』のバランス、読者の皆さんの車選びの参考になれば幸いだ!」

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