子どもたちが「怪獣」と化し、後部座席でジュースをこぼそうが、シートを蹴り上げようが、今の車はすっかりファミリーの戦場……。
「ねえパパ、そろそろ本気でスライドドアのミニバンに買い替えない?」
「うーん、そうだな。ボーナスも出たし、検討するか。でも、問題はどうやって今の車を処分しつつ、新車を安く買うか、だ」
ママがそう切り出すと、すかさず理屈っぽいパパがスマホで何かを調べ始めます。
「ディーラーに行けば『下取り込みでいくら』って言われるんでしょ?なんかソレって、ごまかされてる気がしてイヤなのよね」
「ママ、いいところに気が付いた。まさにそこだ。新車の『値引き』と、今乗ってる車の『下取り価格』をごちゃ混ぜにされると、本当にお得かどうかなんて分かりっこない」
そう。私たちサルヂエファミリー、今回の「やってみる」企画は、「下取りなしで新車はどこまで値引きできるのか?」です。
ディーラーの常套句(じょうとうく)である「下取りさせていただくなら、新車も頑張れますよ」という“甘い罠”。これをバッサリ断ち切り、「下取りはしない、純粋に新車だけを安くしてくれ!」と伝えたら、一体どうなるのか?
「下取りなしだと値引きが渋くなる」なんていうのは、もしかしたらディーラー側の営業トークに過ぎないのかもしれません。
この記事では、理屈とデータ(と、うんちく)が大好きなパパが徹底的に調べ上げた「新車の値引き相場」と、直感と「ソンしたくない!」気持ちが強いママも納得の「交渉の基本戦略」について、2025年の最新情報(※)を踏まえながら、私たちなりに検証してみたいと思います。
(※一般的な市場データや傾向に基づいています!)
📈新車値引きの“相場感”を把握しよう
「よーし、パパ、さっそくディーラーに突撃よ!」
「まあ待て、ママ。何の準備もなしに戦場(ディーラー)へ行ったら、営業マンの巧みな話術に丸め込まれるのがオチだ」
「うっ……確かに、あの『今だけですよ』って言葉に弱いのよね……」
そう、何事もまずは「相手(市場)を知る」こと。パパが得意なデータ分析の時間です。
新車を安く買いたい!と思ったら、まずは「そもそも新車って、どれくらい値引きしてもらえる可能性があるのか?」という“相場感”を知っておくことが不可欠。この「モノサシ」がないと、提示された値引き額が高いのか安いのか、妥当なラインなのかすら判断できませんからね。
📊普通車・軽自動車・ミニバンごとの平均値引き額
「で?結局いくら安くなるのよ。ウチが狙ってるミニバンは?」
「焦るなママ。当然、車種や車のタイプによって値引き幅は変わってくる。パパが調べた一般的な傾向をまとめたぞ」
一般的に、新車の値引き額は「車両本体価格」に対してどれくらいの割合かで語られることが多いようです。
ミニバン/SUV
| 車両タイプ | 車両本体価格からの値引き目安 | サルヂエ的ひとこと(パパ分析) |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 5%〜10%前後 | 元々の価格が安いため、値引き「額」は小さくなりがち。ただし、薄利多売の激戦区なので、オプションサービスなどで柔軟に対応してくれるケースも。 |
| 普通車 (コンパクト/セダン) | 8%〜15%前後 | ライバル車種が多く、比較されやすいため、値引き競争も活発化しやすい。特にモデルチェンジが近いと狙い目。 |
| 10%〜18%前後 | 我々ファミリー層に人気のカテゴリ。車両価格自体が高額な分、値引き「額」も大きくなる傾向がある。ディーラーも主力商品として売りたいため、交渉の余地は十分。 |
「おお!ミニバンって結構イケるんじゃない?」
「ああ。ただし、これはあくまで“目安”だ。大人気の新型車種なんかは『値引きゼロ』なんてこともあるからな。逆に言えば、この目安を知っていれば『5万円引きが限界です』なんて言われても、『お、まだ交渉の余地がありそうだな?』と冷静になれるわけだ」
📅決算期・ボーナス時期・モデル末期は狙い目
「でもさ、同じ車なのに買う時期によって値段が変わるって、なんか納得いかなくない?」
「ママ、それは直感的すぎる。スーパーのタイムセールと同じだ。相手(ディーラー)にも『売りたい事情』があるタイミングを狙うのが、賢い消費者の戦略というものだ」
パパの言う通り、新車は「いつ買うか」が非常に重要です。
- 決算期(3月・9月)
- なぜ狙い目?: ディーラーにとって1年で最も重要な「販売台数(ノルマ)」が課せられる時期。あと1台売れれば目標達成!という状況なら、多少無理な値引き(赤字スレスレ)でも応じてくれる可能性が高まる。
- パパ的注意点: 営業マンも必死。ただし、その分「下取り」とセットで数字を作ろうとしてくる(=値引きの原資を下取り額で調整しようとする)可能性も高い時期。注意が必要だ。
- ボーナス時期(6月・12月)
- なぜ狙い目?: 世間的にお財布のヒモが緩む時期。メーカーやディーラーも「ボーナス商戦」として、特別なキャンペーンや値引き枠を用意していることが多い。
- モデル末期(モデルチェンジ前)
- なぜ狙い目?: これが一番の狙い目かもしれない。新型が出ると旧型(在庫)は一気に売れなくなる。ディーラーとしては、新型が発売される前に何としても在庫を売り切りたい。
- パパ的分析: 「最新モデルじゃなきゃイヤ!」という人でなければ、機能的にはほぼ完成されているモデル末期の車を、大幅値引きで手に入れるのは非常に合理的な選択だと言える。
「なるほどねー。決算期って、営業マンの“必死さ”を利用するわけね。ちょっと性格悪いけど、合理的だわ」
「フッ、交渉とはそういうものだ」
🎯値引きの限界は“本体価格10〜20%前後”が目安
「じゃあ、さっきの表(8%〜18%)より、もっとイケるってこと?」
「そうだ。あくまで理論上の“限界値”だがな。パパがさまざまな情報を分析した結果、オプション値引きや諸々のサービスを含めると、最大で車両本体価格の10%〜20%あたりが、現実的に狙えるかどうかのデッドライン、と言われているようだ」
「に、20%!? 400万円のミニバンなら80万円引き!?」
「落ち着けママ。それは『フルオプション』『在庫車』『決算期』『営業マンのノルマ未達』みたいな、あらゆる奇跡が重なった場合の話だ」
重要なのは、この「限界ライン」を知っておくことです。
何も知らずに交渉に臨み、「特別に10万円値引きします」と言われて「わーい、ラッキー!」と喜んでいては、ディーラーの思うツボ。
我々が目指すのは、「下取りなし」という不利(?)な条件を突きつけつつも、この限界ラインにどれだけ近づけるか、という理詰めの交渉です。
「うーん、パパ。なんか数字と理屈ばっかりでお腹いっぱいよ。要するに、『高い目標(10%〜20%)を知った上で、安くしてくれる時期(決算期)を狙え』ってことでしょ?」
「……まあ、ママの直感的な要約も、あながち間違ってはいないな」
🛡️下取りなしでも値引きできる!交渉時の基本戦略
「パパ、相場感はなんとなく分かったわ。決算期にミニバン狙いなら10%オフくらいを目指せばいいんでしょ?」
「うむ、理解が早くて助かる。だが問題はそこからだ。いざディーラーという“戦場”で、どう振る舞うか。ママ、君は『下取りはありません』と伝えたら、営業マンにどういう顔をされると思う?」
「えっ?そりゃあ、『えー、下取りないんですかぁ…じゃあ値引きもちょっと…』みたいな、あからさまに“やる気ない顔”をされそうじゃない?」
その感覚、すごくよく分かります。私たちもそう思っていました。
「下取り」はディーラーにとって、新車販売とセットで利益を調整できる“魔法のカード”。それをこちらから封じてしまうわけですから、交渉が不利になるんじゃないか…と不安になりますよね。
しかし、パパの理屈(うんちく)によれば、むしろ逆。
「下取りなし」こそが、我々消費者が「本当の値引き」を勝ち取るためのスタートラインなんだそうです。
🙅「下取りは使わない」と最初に伝えてOK
「いいか、ママ。ディーラーがなぜ『下取りさせてください!』と強く推してくるか。それは『値引き額を“ごまかす”ため』なんだ」
「ごまかす!?ひどいわね!」
パパが言うには、こういうカラクリだそうです。
例えば、本当は新車の値引き限界が20万円だったとします。
もし我々が今の車を下取りに出したら、ディーラーは「下取り価格30万円」のところを、あえて「下取り価格10万円です」と低く見積もります。
そして、その“消えた”20万円を新車の値引きに上乗せし、「ママさん!今回は特別に、新車を40万円も値引きします!その代わり、下取りは10万円で頑張らせてください!」と言うわけです。
「えっ!それって、トータルだと結局、値引き20万円+下取り30万円=合計50万円で変わらないじゃない!」
「そうだ。だがママは『40万円も値引きしてくれた!』という“インパクト”に騙されて、ハンコを押してしまう。これが彼らの狙う“下取りマジック”だ」
だからこそ、交渉の一番最初、なんなら席に着いた瞬間にキッパリとこう伝えるのが吉、とパパは言います。
「今回は、今乗っている車は別のところ(※親戚に譲る、買取専門店に売る、など)で処分する予定なので、純粋に、この新車本体でどれだけお安くできるか、で勝負してください」
「おー…なんかデキる客っぽい!」
「フッ。これで営業マンも『ああ、この人には小手先の調整は効かないな』と観念し、真剣な“本体値引き”の交渉テーブルに着かざるを得なくなるんだ」
💰「本体値引き」と「オプションサービス」で最大化を狙う
「下取りナシ」を宣言したら、次はいよいよ本丸の値引き交渉です。
ただ、やみくもに「安くしろ!」では、怪獣化した息子たちと変わりません。ここでも理屈が重要です。
「いいかママ、値引きには大きく分けて2種類あることを理解しろ」
- 車両本体価格からの値引き
- メーカー(トヨタ、ホンダなど)側で決められている「公式の値引き枠」と、ディーラー(○○トヨタ、ホンダカーズ△△など)の「裁量枠」で決まる。
- 人気車種や新型車ほど渋く、モデル末期や在庫車ほど緩くなる。
- オプションからの値引き(または無料サービス)
- フロアマット、カーナビ、ETC、ドライブレコーダー、ボディコーティング、延長保証など。
- これらはディーラーの「利益率が高い商品」であることが多い。
「つまり、どういうことよ?」
「営業マンが『本体値引きは、もうこれが限界です…(泣)』という顔をし始めたら、我々はこう切り替えるんだ」
「そうですか、本体価格は分かりました。じゃあ、もし今日ここで契約するとしたら、この純正ナビ(約20万円)と、子どもが汚すからフロアマット(約5万円)をサービス(無料)してくれたら、決めちゃおうかな」
「なるほど!お金(本体)がダメなら、モノ(オプション)で攻めるわけね!」
パパ曰く、営業マンも「本体値引きは店長決済が厳しいけど、オプションサービスなら自分の裁量でなんとか…!」となりやすいポイントなんだとか。
彼らも「売りたい」わけですから、本体がダメでも「じゃあ総額で得するようにサービスします」という着地点を見つけやすいんですね。
「本体値引き」で揺さぶりつつ、「オプションサービス」で実利を取る。この二段構えで「トータルでいくら得したか」を追求するのが、賢い戦略と言えそうです。
🚨下取りとセットにされがちな“囲い込み営業”に注意
「でもさ、パパ。正直、下取りもディーラーでやってもらえたら、納車日に今の車に乗って行って、新しい車に乗って帰れるから“楽”じゃない?面倒くさくなくていいかなって…」
「ママ!それだ!それこそがディーラーの狙う最強の営業トーク、『ワンストップの利便性』という名の“囲い込み”だ!」
確かに、手続きが1ヶ所で済むのは楽です。
でも、その“楽”と引き換えに、我々は「今の車が本当はいくらで売れたのか」を知る権利を放棄しているのかもしれません。
- ディーラー下取りの注意点(パパ分析)
- 価格が不透明: 上記の通り、新車値引きとごちゃ混ぜにされ、本当の価値が分からない。
- 相場より安い傾向: ディーラーは「新車販売」が本業。「買取」は専門外。あくまで次の車を買ってもらうための“手段”なので、買取専門店のような「高く買う」モチベーションが低い。
- 時間を拘束される: 「査定に30分ほどかかりますので、その間に新車のお話を…」と、考える時間を与えずに商談を進められがち。
「我々サルヂエファミリーのコンセプトを忘れたか?『なんでも自分達で調べてやってみる』だ。ここで『面倒だから』と思考停止しては、このブログの存在意義がなくなる!」
「うっ…確かに」
「ディーラーは『新車を安く買う場所』と割り切る。そして、今乗っている車は、『車を高く買い取ってくれる場所』で正当に評価してもらう。これが最も合理的だ」
それこそ、中古車情報サイトの『カーセンサー』などが運営しているような、専門の「一括査定サービス」を使えば、家にいながら複数の買取業者が競争して値段を付けてくれるわけです。
「なるほどね!ディーラーには新車交渉に集中。今の車は、一番高く買ってくれる業者を探す。役割分担ね!スッキリしたわ!」
「そういうことだ。下取りの“呪縛”から逃れることが、純粋な値引き交渉のスタートラインなんだ」
🚗主要メーカー別|値引き傾向と特徴(全8社)
「よし、パパ。これで理論武装は完璧ね!『下取りなし!』『オプションサービスしろ!』って言ってやればいいんでしょ!」
「待て待て、ママ。まだ早い。敵(ディーラー)の戦略を分析したなら、次は敵の“本拠地”(メーカー)ごとの特性を知らねばならん」
「えー、まだあるの…?トヨタもホンダも、売ってる人が違うだけでしょ?」
「甘い!」とパパのうんちくスイッチが再び入りました。
「メーカーの“ブランド戦略”によって、値引きに対する姿勢は全く違うんだ。例えば、ブランドイメージを大事にするメーカーで『安くしろ!』と叫んでも、塩を撒かれるのがオチだ。逆に、ライバルと常に競争しているメーカーなら、競合の存在をチラつかせるのが効果的。相手に合わせた“戦術”が必要なんだ」
というわけで、ここからはパパが徹底調査した「主要メーカー別・値引き傾向と交渉のヒント(サルヂエ調べ)」を分析していきます。
トヨタ|ディーラーが多く、競合戦略が効きやすい
「まずは王者トヨタだ。ママ、トヨタの強みは何だと思う?」
「そりゃ、アルファードとかヤリスとか、人気車種がいっぱいあることじゃない?」
「それも正解だが、我々“交渉する側”にとっての最大の強みは、ディーラーの数だ」
トヨタは「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」と、販売チャネル(系列)が非常に多いのが特徴です。(※最近は統合が進んでいますが、それでも運営会社が異なるケースは多い)
- パパ的分析:
同じ「ヴォクシー(例)」を買うにしても、「Aトヨタ」と「Bトヨペット」で見積もりを取ることができる。彼らは同じメーカーの車を売っていても、経営する会社が別であればライバル同士。 - 交渉ヒント:
「あっちのネッツ店では、下取りなしでも○○万円引きって言ってくれたんだけど、こっち(カローラ店)ではどう?」と、“トヨタ同士の競合”を仕掛けるのが非常に有効だと言われている。
「なるほど!店同士で競合させるのね。これは分かりやすいわ!」
ホンダ|モデル末期と在庫調整が狙い目
「次はホンダだ。N-BOXやフリード、ステップワゴンなど、ウチみたいなファミリー層の“ど真ん中”を突いてくるメーカーだな」
「そうそう!ウチの本命もホンダのミニバンなのよね」
- パパ的分析:
ホンダは人気車種が多い分、新型が出た直後や人気グレードは値引きが渋い傾向にある。特にN-BOXのような“絶対王者”は、「値引きしなくても売れる」状態なので厳しい戦いになりがちだ。 - 交渉ヒント:
狙い目は、ずばり「モデル末期」と「決算期の在庫車」。ホンダはモデルチェンジのサイクルが比較的ハッキリしているため、フルモデルチェンジの半年〜1年くらい前になると、大幅な値引き(在庫処分セール)が期待できる。
「最新じゃなくてもいいから、今のモデルを安く!」というスタンスが効きやすいメーカーだ。
日産|中堅モデルの大幅値引きにチャンスあり
「日産といえば、最近はe-POWER(イーパワー)が絶好調だな」
「あの、電気自動車みたいな走りのやつでしょ?セレナとかノートとか、人気よね」
- パパ的分析:
まさにその通り。セレナやノート、エクストレイルといったe-POWER搭載の人気車種は、指名買いも多く値引きは引き締め気味。 - 交渉ヒント:
逆に言えば、それ以外のガソリン車モデルや、e-POWERでも上位グレードではない中堅モデル、あるいは「デイズ」のような軽自動車は、販売台数を稼ぐために柔軟な値引きに応じてくれるケースがある。
トヨタやホンダのライバル車(例えば「フリード」と「シエンタ」を比較している客に「セレナ」をぶつけるなど)との競合を明確に伝えることが重要だ。
レクサス|値引きは少ないが実質値引きが存在
「ねえパパ、レクサスなんてウチには関係ないけど、一応聞いといてあげるわ」
「ふっ、ママもいつかは乗るかもしれないだろ?レクサスは“交渉”という概念が少し違うんだ」
- パパ的分析:
レクサスは「ブランド価値」を何よりも重視する。そのため、車両本体からの「値引き」は原則ゼロ、というのが公式スタンスだ。 - 交渉ヒント:
ここで「安くしろ」と言うのは野暮。狙うべきは「実質値引き」だ。「もし購入するなら、オプションの○○(例:ホイールやエアロパーツ)をサービスしてもらえませんか?」と相談ベースで持ち掛ける。
また、ディーラーでの納車費用(数万円)のカットや、下取り(※今回は使わないが)価格の上乗せなどで、実質的な満足度を高める交渉が主流と言われている。
マツダ|ブランド価値重視で値引き渋めだが交渉余地はある
「マツダも最近オシャレよね。CX-5とか、SUVがカッコいい」
「うむ。マツダもレクサスに近い戦略で、安売りを嫌い、ブランド価値を高める方向にシフトしている。だから、値引きは基本的に渋いぞ」
- パパ的分析:
マツダの営業マンは、車のデザインや走行性能(ディーゼルエンジンなど)への“愛”が強いことが多い。 - 交渉ヒント:
「値引き」よりも「車の魅力」で語り合いたいタイプ。だからこそ、交渉の際は「マツダのデザインは本当に素晴らしいと思う。ただ、正直、トヨタのハリアー(競合車)の実用性や値引き額とも迷っていて…」と、相手へのリスペクトと、他社との具体的な比較をぶつけるのが有効。
スズキ|軽自動車は競争激化で柔軟な対応が期待できる
「スズキ!スペーシアとかハスラーとか、ママ友にも乗ってる人多いわ」
「軽自動車の“巨人”だな。ここはダイハツという永遠のライバルがいる。常に“ガチンコ勝負”をしている市場だ」
- パパ的分析:
軽自動車は本体価格が安いため、「値引き額」そのものは大きくなりにくい。だが、販売台数のノルマは厳しい。 - 交渉ヒント:
「オプション交渉」が最も輝くメーカーだ。本体値引きが限界でも、「それなら、このナビを安くして」とか「ドラレコとETCをサービスしてくれたら、今日決めます!」という“あと一押し”が非常に効きやすい。
三菱|販路が狭いため店舗によって値引き幅に差
「三菱は…最近だとアウトランダーPHEVとか、デリカとか?ちょっとマニアック?」
「パパ的にはデリカは最高なんだがな…。三菱は、他のメーカーに比べて“販売店の数”が少ないのが特徴だ」
- パパ的分析:
販路が狭いということは、「トヨタ同士」のような競合がやりにくい。しかし、逆に言えば、各店舗が抱える「在庫事情」や「ノルマ達成状況」が、値引きにダイレクトに反映されやすい。 - 交渉ヒント:
A店では渋かったのに、B店では決算期でノルマ未達だったため、驚くような値引きが出た…という“当たり外れ”が起こり得る。アウトランダーやデリカのような人気車種以外は、交渉の余地が十分に残されている。
ダイハツ|価格勝負でオプション交渉が効果的
「最後はダイハツね。タントとかムーヴとか。スズキのライバル!」
「その通り。戦略もスズキとほぼ同じだ」
- パパ的分析:
スズキと常にシェアを争っているため、顧客の奪い合いが激しい。特に「価格」には非常にシビア。 - 交渉ヒント:
「スズキのスペーシアとタントで迷ってる」と正直に伝えるのが一番。「あちらは○○をサービスしてくれると言っていた」と伝えれば、「ウチも負けません!」となりやすい。スズキ同様、細かいオプションサービスでの「実利」を狙っていこう。
「ふぅー…パパ、お疲れ様。メーカーによって全然違うのね…。うんちく、役に立ったわ」
「だろ?これでようやく“戦場”の地図が手に入ったわけだ」
💡相場を超える値引きを狙う“ひと工夫”
「ふぅー…パパ、お疲れ様。相場もわかったし、メーカーごとの特徴もわかった。これでウチも『下取りなし』でガツンと値引きしてもらえそうね!」
「うむ。だがママ、ここまではあくまで“基本戦略”。いわば教科書通りだ。我々サルヂエファミリーが目指すのは、そのもう一歩先。『相場を超える値引き』だ」
「えっ、まだあるの!?もうお腹いっぱいよ…」
そう、基本を押さえた上で、さらに「もう一声」を引き出すための“ひと工夫”。
ここからは、パパが「これは使える…!」と唸った、ちょっと上級者向けの交渉テクニック(うんちく)を3つ、紹介しようと思います。
① 複数店舗+複数車種の比較交渉
「これは基本中の基本だが、最も効果的な戦術だ。ママ、家電を買う時どうする?」
「え?そりゃあ、A店とB店、両方行って安い方で買うわよ」
「車もまったく同じだ。だが、多くの人は車となると『いつも付き合いのあるディーラーだから』と、1店舗で決めてしまいがちだ」
これをやってしまうと、ディーラー側は「ウチで買ってくれるな」と安心しきって、値引きの“本気”を出してくれません。
【パパ的・交渉ステップ】
- 本命(例:ホンダのステップワゴン)を決める。
- ライバル車種(例:トヨタのヴォクシー、日産のセレナ)も必ず見に行き、見積もりをもらう。
- ポイント: この時、ライバル店にも「ステップワゴンと迷ってる」と本命の存在を伝える。
- 最後に本命のホンダへ行く。ただし、同じホンダでも「A店」と「B店」の2店舗を回る。
- ポイント: まずA店に行き、ライバル(ヴォクシー、セレナ)の見積もりを見せながら交渉。限界ラインの見積もりを引き出す。
- A店の見積もりを持って、B店へ行く。
- ポイント: 「A店ではここまで出た。もしB店がこれより安くなるなら、今日ここで決める」と切り出す。
「うわぁ…なんか性格悪い客みたいで緊張するわ…」
「ママ、これは心理戦だ。営業マンも、目の前でライバル店の見積もりを出されたら『他店に客を取られる』という焦りが生まれる。特に、同じメーカーの別会社(ホンダA店とB店)なら、その競争意識は強烈だ」
『下取りなし』というカードを切っている我々にとって、「他店と比較している」というカードは、値引きを引き出すための最強の武器になります。面倒くさがらずに店舗を回る“手間”こそが、数十万円の差を生むわけですね。
② 購入時期をズラして“決算セール”を狙う
「これはH2-1でも触れたが、もう少し深掘りするぞ」
「決算期(3月・9月)が安いって話でしょ?知ってるわよ」
「ああ。だが重要なのは『いつ契約するか』だ。ママ、3月の決算セールで買うなら、いつディーラーに行くのがベストだと思う?」
「え?3月に入ってからじゃないの?『決算セール開催中!』ってノボリが出てる時とか」
「ブブーッ!遅い!」
パパ曰く、そこが落とし穴。
ディーラーが「3月末までに欲しい数字」は、「販売台数」ではなく「登録台数(ナンバープレートが発行された台数)」であることが多いんだとか。
- パパ的分析:
車は契約してから納車(登録)まで、早くても数週間、人気車種なら数ヶ月かかります。 - つまり…:
3月末に登録を間に合わせるためには、遅くとも「3月上旬〜中旬」には契約が欲しい。 - ベストなタイミング:
本当の勝負は「2月中旬〜下旬」だ、とパパは分析します。
「今契約してくれれば、3月末の登録に間に合うので、店長決済で限界まで値引きします!」という、営業マンの“本気”を引き出しやすいのが、まさにこのタイミングなんだそうです。
「なるほど…。『今買ってくれたらウチの成績になる!』って時期を逆算して狙うのね。いやらしいわねー」
「フッ、合理的と言ってくれ」
③ 営業マンの“成績タイミング”を察知する
「これは、決算期以外でも使える上級テクニックだ」
「なにそれ?占い師みたい」
「違う。ディーラーの営業マンには、会社(お店)全体のノルマとは別に、『個人』の月間ノルマが存在する」
- パパ的分析:
多くの営業マンは、「月末」までにあと何台売るか、という数字に追われている。 - 交渉ヒント:
月末が近づいた週末(例えば、第4土曜日や日曜日)に商談に行き、交渉が煮詰まってきたら、こう切り出す。
> 「○○さん(営業マンの名前)、もし今日これで決めたら、今月の成績、厳しかったりします?もしそうなら、もう一声、キリよく○○万円にしてくれたらハンコ押しますよ」
「うわっ!それは生々しい…!そんなこと言って大丈夫なの?」
「もちろん、相手の表情や会話の流れを読む必要はある。だが、もし本当にノルマ達成間近の営業マンなら、『この客は分かっている…!』と、最後の最後で無理を通して(店長を説dtくして)くれる可能性がある」
これは、値引き額というより、最後の「数万円」の端数をカットしてもらったり、ガソリン満タン納車や希望ナンバー(数千円)といった細かいサービスを勝ち取るための“ダメ押しの一手”ですね。
「交渉はデータ(相場)とロジック(競合)が8割。だが、最後は人と人との心理戦だ」
「パパ…なんか今日はやけにカッコよく見えるわ…」
🤝まとめ|「下取りなしでも得する」買い方を
「パパ…もう頭がパンクしそうよ。決算期に、ライバル店の見積もり持って、月末に、オプション交渉しろって…全部やるの!?」
「フッ、ママ。全部やる必要はない。我々が今回調べたのは、あくまで“使える武器”だ。大事なのは、『何も知らずに丸め込まれない』ことだ」
そう、私たちサルヂエファミリーが今回の「やってみる」企画でたどり着いた結論は、とてもシンプルでした。
新車交渉は、ディーラーと我々が「いかにしてお互いが納得できる着地点を見つけるか」というコミュニケーション。その交渉の場で、「下取り」という“複雑な要素”を排除することが、いかに我々にとって有利に働くか、ということです。
値引き=心理戦。下取りがない分、条件を明確に
「結局、『下取りなしで』って宣言するのは、勇気がいるわよね。渋い顔されそうで…」
「ママ、逆だ。H2-2でも言ったが、『下取りなし』と宣言することは、『私たちは純粋な値引き額で勝負しますよ』という“明確な意思表示”なんだ」
これが最大のポイントだとパパは言います。
「下取り」という不透明な要素(=価格をごまかせる要素)がない分、営業マンは「本体価格」と「オプションサービス」で勝負するしかありません。
我々も、「A店は総額でいくら」「B店はオプションをこれだけ付けてくれた」と、非常にクリアに比較検討ができます。
下取りを切り離す = 交渉の土俵をシンプルにする
「確かに…!『下取り30万だけど値引き40万』とか言われるより、『値引き20万』ってハッキリ言われた方が、他と比べやすいもんね!」
「そういうことだ。心理戦を制するには、まずルールを単純化すること。これが鉄則だ」
メーカーの特徴を知れば交渉はスムーズに
「もう一つ、パパのうんちくで役に立ったのは、メーカーごとの違いね」
「うむ。トヨタで『オプションサービスしろ!』と粘るより、スズキやダイハツで粘る方が効果的かもしれない。逆に、マツダで『値引き額!』と叫ぶのは、関係性を悪くするだけかもしれない」
メーカーのブランド戦略(H2-3)を知っておけば、無駄な交渉(=相手が絶対に飲めない条件)をふっかける必要がなくなります。
- 競争が激しいメーカー(トヨタ、スズキ、ダイハツなど)
- → ライバルとの比較(競合)を材料に、値引き額やオプションサービスを積極的に交渉する。
- ブランド重視のメーカー(レクサス、マツダなど)
- → 値引き額に固執せず、「実質値引き(オプションや納車費用カット)」で満足度を高める交渉をする。
「相手の“イヤがること”と“応じやすいこと”を知っておけば、こっちも無駄な体力を使わなくて済むわね」
「その通り。スムーズな交渉こそ、お互いが笑顔でハンコを押すための近道だ」
最終的には“トータル満足”がベストな買い物の指標
「さて、パパ。これだけ武装して、結局ウチはいくら値引きを目指すのよ?」
「そうだな…。目標は高く、本体価格の15%…いや20%か…」
「もう、パパはすぐ数字に走るんだから」とママが呆れ顔。
「私が大事だと思うのはさ、『ああ、この営業さんから買ってよかったな』って思えるかどうかよ。いくら安くても、無理やり値切って、後味が悪いのはイヤじゃない?」
「うっ……それは、確かに…」
そう。値引き額(データ)を追求するのはパパの役割。
でも、これから何年も乗る車、そして、その後のメンテナンス(点検や車検)で長く付き合っていくディーラー(営業マン)との関係性(感情)も、同じくらい大切です。
- データ(パパ): 相場を知り、競合させ、限界の値引き額を引き出す。
- 感情(ママ): 営業マンの対応、お店の雰囲気、そして提案された「総額」に、自分が納得できるか。
「下取りなし」で価格の透明性を確保した上で、今回学んだ「交渉術」という武器をいくつか使い、最終的に営業マンが「ここまで頑張りました!」と提示してくれた額。
それが、我々ファミリーにとっての「トータルでの満足度」=「ベストな買い物」なんだと思います。
「よし、パパ!理論は分かった!さっそく今週末、怪獣たちを連れてホンダとトヨタの見積もり取りに行くわよ!」
「お、おう…!お手柔らかにな、ママ…」
(※この記事は、一般的な市場の傾向や情報をサルヂエファミリーが独自に分析・検証したものです。実際の値引き額は時期や店舗、条件によって大きく異なりますので、あくまで参考としてお楽しみください!)

