カーリース

個人事業主がカルモを経費計上する方法|仕訳・税区分・注意点を完全解説

サルヂエ家の皆さん、こんにちは! 理屈っぽくてうんちく好きなパパです。そして、そんなパパの解説を「要するに?」とバッサリ斬る、直感的なママです。

いやぁ、今年もまたあの季節が近づいてきましたね…そう、確定申告です。
フリーランスや個人事業主にとって、この時期はまさに戦い。特にウチみたいに仕事で車を使う人間にとって、一番の頭痛のタネが「車の経費処理」じゃないですか?

「今年の減価償却費はいくらだっけ…?」
「ガソリン代はいいとして、自動車税と保険料の仕訳は…」
「そもそも、この中古車、耐用年数って何年で計算すりゃいいんだ!?」

なんて、会計ソフトとにらめっこしながら、毎年うんざりしてるんです。

ママ: 「えー、まだやってたの? 車なんて仕事で使ってるんだから、かかった費用ぜーんぶ『経費』って書いとけばいいんじゃないの?(笑)」

パパ: 「こらこら、ママ。それがそうもいかないのが個人事業主の辛いところなんだよ! 車両を『購入』すると、それは『資産』として扱われる。だから、買った年に全額経費にできず、『減価償却』っていう面倒な計算を何年にもわたって…」

ママ: 「はいはい、ストーップ! もういいよ、その『うんちく』は! 聞きたいのはそこじゃなくて、『どうやったらラクに経費にできるの?』ってこと!」

パパ: 「ふむ。…実は、パパも毎年面倒すぎて、ついに重い腰を上げたんだ。最近よく聞く『カーリース』なら、その面倒な経費処理が劇的にシンプルになるらしい。特に『カルモ』っていうサービスが、個人事業主にも良さそうなんだ」

ママ: 「カーリース? サブスクみたいなやつ? でも、それって本当にウチみたいな零細フリーランスでも、ちゃんと経費として認められるわけ? 税務署に怒られたりしない?」

パパ: 「いいところに目を付けたな、ママ。そこが一番大事なポイントだ。だから今回は、その『カーリースが経費になる仕組み』から、ウチみたいな個人事業主が『カルモ』を使う場合の仕訳や注意点まで、徹底的に調べてみたぞ! パパの調査結果、ママにも分かるように解説しようじゃないか!」

というわけで、今回のサルヂエ家「やってみた」企画は、「個人事業主の車の経費処理、カーリースで本当にラクになるのか?」を、税務の基本から徹底検証していきます!


カーリースを経費にできる仕組みとは?【基本の税務構造】

ママ: 「じゃあ早速だけど、パパ。なんで『買う』んじゃなくて『リース』だと、経費の計算がラクになるわけ? 結局、車に乗ってるのは同じじゃないの?」

パパ: 「その疑問は当然だ。パパも最初はそう思っていたからな。結論から言うと、『会計上の扱い』が根本的に違うんだ。車を『買う』のと『借りる』のでは、税務上のルールが全く異なる。まずはその基本構造から解説しよう」

カーリース=「賃借料」として損金算入できる理由

多くの人が「車=資産」って考えてるから、話がややこしくなるんだ。
だけど、カーリース(カルモを含む)は、会計上は「資産の購入」ではなく、「賃貸借契約」に分類される。

もっと分かりやすく言えば、「車を買ってる」んじゃなくて、「車をレンタルしてる」のと同じ扱いなんだ。

ママ: 「え、レンタル? でも何年も乗るんでしょ?」

パパ: 「そう。長期のレンタル契約だと思えばいい。例えば、ウチが借りてるこの事務所の家賃。毎月『地代家賃』として全額経費にしてるだろ? あれと同じロジックだ」

個人事業主が経費(専門用語で「損金」)にできるのは、「事業を行うためにかかった費用」だ。
カーリースの場合、毎月支払うリース料は「事業のために車を借りる費用」とみなされる。だから、その全額を「賃借料」や「リース料」という勘定科目で、そのまま経費として計上できるんだ。

購入した時のように「これは資産だから減価償却して…」なんて考える必要が一切ない。これが最大のポイントだ。

購入(減価償却)との違いを図で理解

ママ: 「うーん…言ってることは分かるけど、ピンとこないなぁ。その『ゲソンカショウキャク?』が、どれだけ面倒くさいのかが分からないと、リースの有り難みも分かんないよ」

パパ: 「…ゲカショウキャク(減価償却)な。よし、そんなママのために、購入した場合の面倒くささと、リースの場合のシンプルさを比較する表を作ってみたぞ」

【比較表】車両購入 vs カーリースの会計処理

比較項目 車両購入(現金・ローン) カーリース(カルモなど)
会計上の扱い 資産(車両運搬具) 費用(賃借料・リース料)
経費計上の方法 減価償却(※) 全額損金算入(月々)
購入時の仕訳 借方:車両運搬具 200万
貸方:現金預金 200万
仕訳なし(契約のみ)
月々の仕訳 (ローン返済の場合、元本部分は経費にならない。利息のみ経費) 借方:リース料 5万
貸方:現金預金 5万
確定申告 減価償却費の計算が必須。
(新車か中古か、耐用年数は何年かで計算が変わる)
月々のリース料を合計するだけ。
メリット 最終的に自分の資産になる。 経費計算が圧倒的にシンプル。
(いつ、いくら経費になるか明確)
デメリット 経費計算が複雑。
買った年に全額経費にできない。
所有権はリース会社。
(契約終了後は原則返却)

パパ: 「(※)減価償却っていうのは、例えば200万円の新車(普通車)を買った場合、法律で定められた『耐用年数』、つまり『その資産が使える期間』(新車なら6年)に分割して、ちょっとずつ経費にしていくルールのことだ」

ママ: 「うわっ、めんどくさ! 200万払っても、その年は30万ちょっとしか経費にならないとかあるわけ? なのにリースなら、月5万払ったら、年間60万きっちり経費になるんだ。シンプル!」

パパ: 「その通り! しかも中古車を買ったりすると、耐用年数の計算がさらに複雑になる…。その点、リースは『払った額=経費』。この分かりやすさが、帳簿付けが苦手なフリーランスにとっては、ものすごいメリットになるんだ」

カルモ契約の名義と所有権の関係

ママ: 「でもさ、ちょっと待って。リースが『借り物』っていうのは分かったけど、車検証とかはどうなるの? 自分が乗ってる車なのに、自分の名前(屋号)じゃないの?」

パパ: 「そこも重要なポイントだ。カーリースを契約した場合、車検証の記載はこうなる」

  • 所有者: リース会社(例:オリックス自動車株式会社 ※カルモの提携先)
  • 使用者: 契約者(例:サルヂエ パパ)

パパ: 「つまり、法律上の『持ち主』はリース会社であり、ウチらは『使わせてもらってる人』という立場になる。だからこそ、この車はウチの『資産』ではなく、リース会社の『資産』なんだ」

ママ: 「なるほどねー。だからウチは減価償却する必要がなくて、リース会社側が(内部的に)減価償却をやってる、と。ウチはただ『レンタル料』を払うだけ。そういう仕組みか!」

パパ: 「理解が早くて助かるぞ、ママ。ただし、ここには注意点もある。所有権がリース会社にあるということは、契約期間中に『やっぱりこの車、売っちゃおう』とか『勝手に改造しよう』ってことは原則できない

ママ: 「あ、そりゃそうか。借り物だもんね」

パパ: 「うむ。あくまで『経費処理をシンプルにするための契約』として割り切る必要がある。カルモには最後に車がもらえるオプションもあるが、それはまた会計処理が変わってくる可能性があるから、今回は『一般的なリース契約』として話を進めるぞ」


カルモを経費計上する場合の仕訳・勘定科目を解説

ママ: 「そうそう、そこ! 結局、ソフトの入力画面で『勘定科目』ってやつを選ぶんでしょ? 言ってた『賃借料』ってのを選べばいいの?」

パパ: 「うむ、それが基本線だ。だが、車関連の費用はそれだけじゃない。ガソリン代、駐車場代、任意保険…。これらをどう仕訳(しわけ)するかが、税務署に『ちゃんと事業で使ってますね』と認めてもらうために重要なんだ」

ママ: 「うわ、やっぱり面倒くさそう…」

パパ: 「大丈夫だ。購入に比べれば天国だぞ。一つずつ整理していこう!」

毎月のリース料の仕訳(借方/貸方の具体例)

まず、カルモから毎月引き落とされるリース料だ。
これは解説した通り、全額を経費(損金)にできる。

会計ソフトで入力する際の仕訳例はこうだ。

【例】カルモのリース料 月額40,000円が口座から引き落tとされた場合

借方(かりかた) 金額 貸方(かしかた) 金額
リース料 (または 賃借料) 40,000円 普通預金 40,000円
(摘要:カルモ 11月分など)

ママ: 「お、なんか簿記っぽい。要するに『リース料』っていう経費が4万円発生して、『普通預金』が4万円減りましたよ、ってことね」

パパ: 「その通り! 簿記アレルギーのママにしては上出来だ(笑)。勘定科目は『リース料』が一番分かりやすいが、もしソフトになければ『賃借料』でも問題ない。とにかく『費用』の区分で処理することが重要だ」

購入した場合、ここが「借方:車両運搬具(資産)」になったり、ローン返済だと「借方:借入金(負債の減少)」と「借方:支払利息(費用)」に分けたりと、非常に面倒くさい。
リースなら、毎月この仕訳を繰り返すだけ。どうだ、シンプルだろう?

自動車保険・ガソリン代・駐車場との仕訳区分

ママ: 「確かにリース料はシンプルね。でも、カルモのサイト見たら『自動車保険(任意保険)は含まれていません』って書いてあったよ。あと、ガソリン代とか駐車場代は、当たり前だけど別払いよね?」

パパ: 「その通り。リース料に何が含まれているかを把握するのは超重要だ。カルモの基本プランの場合、任意保険料、ガソリン代、駐車場代は『別途』自分で支払う必要がある」

ママ: 「じゃあ、それらはどう入力するの? それも『リース料』にまとめちゃダメ?」

パパ: 「ダメだ! それは税務上、よろしくない。『何の費用か』を明確に分ける必要がある」

【仕訳例】リース料とは別に支払う経費

支払った費用 勘定科目(例) 摘要(メモ)
ガソリン代 車両費 (または 旅費交通費) 〇〇GS給油(業務使用分)
駐車場代(月極) 地代家賃 (または 車両費) △△パーキング(事務所用)
コインパーキング代 旅費交通費 (または 車両費) ××訪問時(打合せ)
任意保険料(年払) 損害保険料 自動車保険(年払い)

パパ: 「このように、リース料とは明確に分けて入力するんだ。特に個人事業主の場合、これらの費用をまとめて管理できる『車両費』という勘定科目を新しく作ってしまうのも手だ。そうすれば、『車両費』の内訳を見れば、車関連の経費がひと目で分かるからな」

メンテナンス込みプランの場合の会計処理の違い

ママ: 「なるほどね。でも、カルモって『メンテナンスプラン』みたいなオプションがあったじゃない? 車検とかオイル交換も全部コミコミになるやつ。あれに入ったら、また仕訳が変わるの?」

パパ: 「鋭いな、ママ! まさにそこがカルモを選ぶメリットの一つだ。
もし『ゴールドメンテプラン』のような、車検代や法定点検、消耗品交換(オイル、タイヤ等)が全部含まれるプランを契約したとする」

その場合、それらの費用はすべて月々のリース料に含まれることになる。

ママ: 「え、ってことは…さっきの『車両費』とか『損害保険料』みたいな仕訳が、全部『リース料』一本になるってこと!?」

パパ: 「(※任意保険は別だが)車検代やオイル交換代については、その通りだ!」

  • メンテプランなし: 車検時にドカンと10万円払い、「車両費 10万 / 現金 10万」と仕訳する。
  • メンテプランあり: 車検費用はリース料に含まれているため、車検時の追加仕訳は不要。いつも通り「リース料 / 普通預金」の仕訳を続けるだけ。

パパ: 「つまり、メンテナンスプランに加入すればするほど、自分で仕訳する手間が減り、経費が毎月フラット(平準化)になる。これは『いつ車検だっけ?』『オイル交換代の領収書どこいった?』となりがちな我々ズボラ(?)なフリーランスにとって、計り知れないメリットだ」

ママ: 「うわー、それ、めちゃくちゃラクじゃない…。お金の管理もそうだけど、経費処理の手間が減るのが一番デカいかも…」

パパ: 「だろう? 『経費処理のシンプルさ』を追求するなら、メンテナンスプランは強力な選択肢になる。ただし、もちろんその分リース料は上がるから、コストとの天秤にはなるがな」


カルモ契約で注意すべき税務ポイント

ママ: 「そうそう、ここからが本番よ! 理屈や仕訳が分かっても、税務署に『ダメです』って言われたら元も子もないじゃない。ウチみたいな個人事業主が、カルモみたいなリースを契約する時、何を一番気をつけなきゃいけないわけ?」

パパ: 「うむ。ママの言う通り、ここは一番シビアに見るべきポイントだ。パパも徹底的に調べたが、特にフリーランスが陥りやすい『落とし穴』がいくつかある。カルモに限らず、カーリース全般に言えることだから、しっかり聞いてくれ」

契約名義が「個人名」でも経費にできる?

ママ: 「まずこれよ! ウチって『合同会社サルヂエ』みたいな法人じゃないじゃない? ただの『サルヂエ パパ(個人)』で仕事してる。カルモの契約も『個人名』になると思うんだけど、それでもちゃんと『事業の経費』として認められるの?」

パパ: 「結論から言うと、まったく問題ない

ママ: 「え、そうなの? 『屋号』とかじゃなくていいんだ」

パパ: 「ああ。個人事業主(フリーランス)の場合、法人と違って『個人』と『事業』の区別が法律上あいまいなんだ。だから、契約名義が本名(個人名)であっても、その支払いが『事業を遂行するために必要な支出』であると合理的に説明できれば、経費として計上できるんだ」

カルモの公式サイトでも、個人事業主の契約は「個人向け」の区分で申し込むよう案内されている。
重要なのは「名義」よりも「実態」だ。

  • NGな例: 契約は個人名。でも、実際は100%ママの買い物と子供の送り迎えにしか使っていない。→ これは事業経費とは言えない。
  • OKな例: 契約は個人名。でも、平日はデザイナーの仕事でクライアント訪問や機材運搬に使い、土日は家族で使う。→ この場合、仕事で使った割合(按分)だけを経費にできる。(※按分の話はあとで詳しくやるぞ)

パパ: 「つまり、『個人名だから経費にできない』なんてことはないから安心しろ。ただし、その車を『本当に仕事で使っている証拠』は、常に示せるようにしておく必要があるんだ」

途中解約・残価清算時の処理はどうなる?

ママ: 「なるほど、実態が大事、ね。…あと、気になるのが『解約』。カルモって、確か『原則、途中解約できない』って書いてなかった?」

パパ: 「その通り! これがカーリースの最大のデメリットと言ってもいい。カルモは基本的に、契約時に決めた期間(例えば7年とか11年とか)は、乗り続けることが前提だ」

ママ: 「えー、でもフリーランスなんて水物よ? 5年後に今の仕事続けてるか分からないのに、解約できないの?」

パパ: 「もし、やむを得ない事情で解約する場合、『違約金(中途解約金)』が発生する。これは、残りのリース期間分のリース料や、車の査定額との差額などを一括で支払うもので、かなり高額になるケースが多い」

ママ: 「うわぁ…それは怖い。で、その『違약金』は…経費になるの?」

パパ: 「ここが重要だ。もし、そのリース契約が明らかに事業用(例えば100%仕事用)として契約していたものなら、その違約金も『雑損失』や『支払手数料』といった勘定科目で経費(損金)にできる可能性が高い」

ただし、これはあくまで「事業を継続するためのやむを得ない損失」としての扱いだ。
リース契約は「経費が固定化できる」のがメリットである反面、「キャッシュフローも固定化(拘束)される」というリスクも孕(はら)んでいる。ここは契約前に、自分の事業計画と照らし合わせて、本当にその期間乗り続けられるか、真剣に考える必要があるな。

インボイス制度との関係(課税事業者/免税事業者別)

ママ: 「出た! 去年から大騒ぎになってる『インボイス』! アレはどうなの? ウチはまだ免税事業者(売上1000万以下)だけど…」

パパ: 「うむ、パパもここは気になって調べたぞ。結論から言うと、カルモ(提携先のオリックス自動車)は、もちろんインボイス(適格請求書)発行事業者だ」

ママ: 「じゃあ、ウチが将来、課税事業者(インボイス登録業者)になったら、カルモに払ったリース料の消費税分は、ちゃんと『仕入税額控除』ができるってことね?」

パパ: 「その通り! 課税事業者になったら、リース料(例えば月44,000円(税込))のうち、消費税分の4,000円は、自分が納める消費税から差し引く(控除する)ことができる。カルモ側がインボイス対応しているので、ここは全く心配ない」

ママ: 「じゃあ、今のウチみたいな『免税事業者』の場合は?」

パパ: 「免税事業者の場合は、そもそも消費税を納める義務がないから、『仕入税額控除』という概念自体がない。だから、インボイスがあろうがなかろうが、会計処理は変わらない」

仕訳としては、リース料44,000円(税込)を、そのまま「税込経理」で処理するだけだ。
(例: 借方:リース料 44,000円 / 貸方:普通預金 44,000円)

パパ: 「つまり、インボイス制度に関して、カルモを選ぶ上でのデメリットや不安要素は特に見当たらないな。将来、課税事業者になった時のことも、ちゃんと対応されているから安心だ」


個人事業主がカルモを使うメリット・デメリット

ママ: 「そうよ! 『解約リスク』とか聞いた後だと、本当にリースでいいのか不安になってきたわ。ウチみたいに、いつ仕事がなくなるか分からないフリーランスが、7年とか11年とか、そんなに長く縛られちゃって大丈夫なの?」

パパ: 「いい指摘だ、ママ。それこそが、まさにフリーランスがリース契約を結ぶ上での最大の『デメリット』だ。だが、それを上回る『メリット』があるからこそ、検討する価値がある。両方を天秤にかけて判断しよう」

【メリット】減価償却不要・経費処理がシンプル

ママ: 「これはさっきからパパが力説してるやつね。『ゲソンカショウキャク? がない』ってやつ」

パパ: 「ゲカショウキャク(減価償却)だ(笑)。これは何度でも言いたい。個人事業主にとって、最大のメリットは『会計処理の手間がゼロに近くなる』ことだ」

確定申告の時期、ウチらフリーランスがやるべきことは山ほどある。売上の集計、経費の領収書整理、そして帳簿付け…。ただでさえ時間がないのに、車両購入の「減価償却費計算」というラスボスまで出てくる。

  • 「あれ、この中古車、耐用年数何年だっけ?」
  • 「定額法と定率法、どっちで計算したっけ?」
  • 「期中に買ったから、月割り計算が必要か…」

パパ: 「こんな面倒なことを考える時間が、リースなら丸ごとゼロになる。毎月『リース料』として引き落とされた金額を、そのまま経費として入力するだけ。メンテプランに入れば、車検代やオイル交換代の仕訳すら不要だ」

ママ: 「なるほど…。『時は金なり』のフリーランスにとって、その『手間(時間)』を買うって考え方か」

パパ: 「その通り! 年に一度の面倒な計算業務を『アウトソース(外注)』する感覚に近い。その浮いた時間で、デザインの仕事を1件でも多く受けた方が、よっぽど合理的だろ? これが最大のメリットだ」

【デメリット】契約期間が長く、途中解約不可

パパ: 「そして、ママが懸念していた最大のデメリットがこれだ。『原則、途中解約不可』であり、もし解約すれば高額な違約金が発生する」

ママ: 「これよね…。ウチが5年後に引っ越すかもしれないし、仕事が激減して車が不要になるかもしれない。そのリスクが怖い」

パパ: 「うむ。特にカルモは『7年・9年・11年』といった長期契約をメインにしている傾向がある。月額料金を安く見せるための仕組みだが、これは個人事業主にとって『諸刃の剣』だ」

もし事業が傾いてリース料の支払いが厳しくなっても、リース契約は待ってくれない。最悪の場合、高額な違約金を払って車を手放すことになる。
この『キャッシュフローの硬直化』リスクは、購入(ローン)の場合でも同じだが、リースは『自分の物にならない』分、よりシビアに考える必要がある。

ママ: 「うーん、やっぱり悩ましいわね…」

他社カーリース(オリックス・SOMPOなど)との比較表

ママ: 「じゃあさ、他のリース会社はどうなの? 『カルモは長期契約がメイン』って言うけど、もっと短いプラン(3年とか5年)をやってる会社もあるんじゃない?」

パパ: 「もちろんあるぞ。リース業界も競争だからな。例えば、法人向けに強い『オリックス』や、中古車リースに強い『SOMPOで乗ーる(ポチモ)』など、特徴は様々だ。ウチみたいな個人事業主目線で、主要なサービスをざっくり比較してみた」

【個人事業主向けカーリース比較(サルヂエ家調べ)】

サービス名 カルモ オリックス カーリース SOMPOで乗ーる(ポチモ)
契約期間 長期に強い
(7年〜11年が主流)
柔軟
(5年〜9年など選択肢多)
中古車に強い
(1年〜8年など)
特徴 ネット完結。
月額料金が安い傾向。
(特に長期契約)
法人ノウハウ豊富。
プランの柔軟性が高い。
中古車がメイン。
短期契約も可能。
メンテプラン 充実(3段階) 充実(複数あり) 充実
走行距離制限 比較的ゆるめ
(プランによる)
標準的
(月1,000km〜)
標準的
契約終了時 返却
(※「もらえる」オプション有)
プランによる
(返却 or もらえる)
プランによる
(返却 or もらえる)

パパ: 「こうしてみると、各社特徴があるのが分かるだろ?」

ママ: 「ホントだ。カルモは『ネットで手軽に・長期契約で安く』って感じだけど、オリックスは『しっかり相談して決めたい』人向け、SOMPOは『中古でいいから短期で』ってニーズにも応えてるわけね」

パパ: 「そういうことだ。だから、『リース=カルモ一択』では決してない。自分たちの事業スタイル…『どれくらいの期間、車が必要か?』『新車がいいか、中古でもいいか?』『ネットだけで決めるのに抵抗はないか?』を自問自答する必要がある」

パパ: 「ただ、ウチみたいに『どうせ買うなら新車がいい』『面倒な手続きは全部ネットで済ませたい』『7年くらいは乗り潰すつもり』というタイプには、カルモの『長期契約による月額の安さ』と『経費処理のシンプルさ』は、非常に魅力的な選択肢になる、というわけだ」


経費として有効活用するためのポイント

ママ: 「メリット・デメリットは分かったわ。じゃあ、いよいよ本題よ。ウチみたいなフリーランスって、平日はパパが仕事で使うけど、週末は私が子供たちの送り迎えや買い物で使うじゃない? これ、どうやって分けるの? 税務署に『全部経費にしてる!』って怒られないための、具体的な方法を教えてよ!」

パパ: 「その通り! それこそが、個人事業主が車を経費にする上で、リースだろうが購入だろうが絶対に避けて通れない『家事按分(かじあんぶん)』という関門だ」

ママ: 「カジアンブン…?」

パパ: 「難しく考えることはない。『家事』つまりプライベートと、『事業』で使った費用を、『合理的な基準で按(あん)じて分ける(ぶんける)』ことだ。これをやらないと、税務署から『プライベートで使った分まで経費にしてますよね?』と指摘され、追徴課税…なんてことになりかねない。リース料がシンプルになる分、ここだけはしっかりやらんとな」

仕事用と私用の按分比率をどう決めるか

ママ: 「合理的って言われてもねぇ…。『今日は仕事!』『今日は買い物!』って、どうやって分ければいいのよ」

パパ: 「フリーランスの誰もが悩むポイントだ。だが、税務署を納得させる『合理的な基準』は、実はそんなに難しくない。いくつか方法がある」

【家事按分の主な基準】

  1. 使用日数(曜日)で分ける:
    • 一番シンプルで分かりやすい方法だ。
    • (例)月〜金(週5日)は仕事で使用、土日(週2日)はプライベートで使用。
    • → この場合、「5日 / 7日 ≒ 71%」を事業経費の割合とする。
    • 月額40,000円のリース料なら、40,000円 × 71% = 28,400円 を経費(リース料)として計上するんだ。(残りの11,600円は『事業主貸』として経費にしない)
  2. 走行距離で分ける:
    • これが最も合理的で、税務署への説明力が高い方法だ。
    • (例)年間の総走行距離が10,000km。そのうち、仕事での移動(運転日報などで記録)が7,000kmだった。
    • → この場合、「7,000km / 10,000km = 70%」を事業経費の割合とする。
  3. 使用時間で分ける:
    • (例)平日は9時〜18時まで仕事で使い、それ以外や土日はプライベート。
    • → ただし、これは計算が複雑で証明も難しいため、あまり現実的ではないな。

パパ: 「ウチみたいな『平日=仕事、土日=家族』とキッチリ分かれているタイプなら、『週5日 / 7日』(約71%)か、もし週末も少し仕事で使うなら『週6日 / 7日』(約86%)あたりを基準にするのが、現実的かつ合理的だろう」

ママ: 「なるほど! 71%ね。それなら計算も分かりやすい。で、その割合はリース料だけじゃなくて、ガソリン代とか、任意保険料にも使えるの?」

パパ: 「もちろん! 一度『事業割合 71%』と決めたら、リース料、ガソリン代、駐車場代、任意保険料…車にかかるすべての経費に、同じ割合(71%)を掛けて経費計上するんだ。これで帳簿もスッキリする」

年間走行距離や用途記録で税務調査対策

ママ: 「ふーん、じゃあ『ウチは71%です!』って決めちゃえば、それで終わり?」

パパ: 「と、思うだろ? それだけじゃ甘いんだな、ママ。税務調査で調査官にこう言われたらどうする? 『本当に週5日も仕事で使ってるんですか? その根拠(証拠)を見せてください』

ママ: 「うっ…! た、確かに…。『使ってます!』って言っても、証拠がない…」

パパ: 「そうだろ。だから、按分比率を決めることと、その根拠を記録することはワンセットなんだ。特に『走行距離』で按分する場合は、記録が必須になる」

【税務調査対策のための記録(証拠)例】

  • 運転日報(走行記録)をつける:
    • 「〇月〇日、A社訪問(〇〇km)」「〇月×日、機材搬入(△△km)」
    • …というのが理想だが、毎日つけるのは正直、面倒くさい。
  • カレンダーアプリや手帳に記録する:
    • これが一番現実的だ。Googleカレンダーなどに「A社打合せ」「B社納品」といった仕事の予定を記録しておく。
    • これが「この日は仕事で車を使いました」という何よりの証拠になる。
  • 会計ソフトの連携機能を使う:
    • 最近の会計ソフトは、カレンダーやGPSと連携して移動記録を自動化できるものもある。
  • (最低限)毎年の走行距離メーターを写真に撮る:
    • 年末(12/31)時点でのオドメーター(総走行距離)をスマホで撮影しておくだけでも、「年間でこれだけ走った」という客観的な証拠になる。

パパ: 「ウチなら、普段からGoogleカレンダーでパパの仕事スケジュールは管理してるだろ? あれを『運転記録』の代わりにするのが一番効率的だ。『平日は毎日アポか作業で外出』という実態があれば、『週5日 / 7日』という按分比率にも、しっかりとした説明責任が果たせる」

節税とキャッシュフローを両立するリース期間設定

パパ: 「最後に、『デメリット』で触れた『契約期間』の話だ。これは『節税』と『キャッシュフロー(お金の流れ)』のバランス感覚が問われるぞ」

ママ: 「カルモは7年とか11年とかの長期契約が安いんでしょ? なら、個人事業主も、一番安くなる11年契約とかにすれば、一番『節税』になるんじゃないの?」

パパ: 「一見そう見えるが、それは危険な考えだ。さっきも言ったが、フリーランスの事業が11年後も同じ状況とは限らない。もし5年で事業が急拡大して、もっと大きなバンが必要になったら? 逆に縮小して車が不要になったら?」

長期契約で月額を安く抑えるのは「節税」ではなく、あくまで「経費を薄く延ばして固定化」しているに過ぎない。

パパ: 「本当に考えるべきは、『自分の事業計画と、リースの解約リスクをどうバランスさせるか』だ」

例えば、カルモには『もらえるオプション』という、7年以上の契約で、最後に車がそのままもらえるプランがある。
もし「どうせ7年以上は絶対に乗る」という覚悟があるなら、違約金リスクを承知の上でこのプランを選び、経費処理をシンプルにするメリットを享受する、というのはアリだ。

ママ: 「うーん、難しいわね…」

パパ: 「だから、パパの結論としてはこうだ。『安さ(月額)』だけで契約期間を決めるな。自分の事業の『最低継続年数』を見極め、解約リスクを許容できる範囲の期間で契約するべし』。節税を急ぐあまり、キャッシュフローを悪化させては本末転倒だからな」


まとめ:リースは「経費を固定化」する経営戦略のひとつ

ママ: 「長かったわね、パパの『うんちく』解説(笑)。でも、おかげでカーリース、特にカルモがどういうものかはよく分かったわ。で、結局、パパはどう結論づけたの? 『買い』なの? 『借り(リース)』なの?」

パパ: 「ふむ。それは『どっちが得か?』という単純な話ではない、というのがパパの結論だ。これは『どちらの経営スタイルが、自分の事業に合っているか』という戦略の選択なんだ」

購入とリース、どちらが事業に合うかを見極める基準

ママ: 「経営スタイル、ねぇ。ウチみたいな零細フリーランスに『経営』なんて大げさよ」

パパ: 「いや、零細だからこそ『経営感覚』が大事なんだ。今回の調査で分かった、『購入』と『リース(カルモなど)』の決定的な違いを、もう一度整理しよう」

【購入 vs リース】フリーランスはどちらを選ぶべきか?

選択肢 車両購入(現金・ローン) カーリース(カルモなど)
会計処理 複雑(減価償却、資産計上、各種税金・保険の個別仕訳) シンプル(月額リース料の仕訳のみ ※メンテプラン加入時)
経費計上 変動的(減価償却費は年々変わる。車検時に大きな経費発生) 固定的(毎月定額。数年先までの経費予測が容易)
所有権 自分(自由に売却・改造が可能) リース会社(売却・改造不可。原則返却)
初期費用 必要(頭金、諸費用など) 不要(月額料金にコミコミ)
リスク ローン返済のプレッシャー。 途中解約不可(高額な違約金リスク)。
こんな人向け ◯ 帳簿付け(減価償却)が苦にならない。
◯ 車を資産として持ちたい(売却したい)。
◯ 走行距離が多い、または改造したい。
とにかく確定申告の手間を減らしたい。
◯ 初期費用ゼロで新車に乗りたい。
◯ 毎月の経費を平準化・固定化したい。

パパ: 「どうだ? こう見ると、両者の性格がハッキリ分かるだろ」

実際の損益分岐点をシミュレーション(5年利用例)

ママ: 「理屈は分かったけど、結局『お金』よ! 5年間乗るとして、どっちが安く済むのよ?!」

パパ: 「(…ママは本当に直感的だな)よし、それも超ざっくり計算してみたぞ。同じ車種(例えば新車のコンパクトカー200万円クラス)を5年間利用した場合の、トータルの『支出』イメージだ」

【5年間のトータル支出イメージ(※税金・メンテ代込)】

  • ① 車両購入(現金)の場合:
    • 車両代:200万円
    • 税金(5年分):約15万円
    • 車検・メンテ代(5年分):約25万円
    • 合計支出:約240万円
    • → 5年後に車を売却(下取り)できる(例:70万円で売却)
    • 実質負担:240万 - 70万 = 170万円
  • ② カーリース(カルモなど)の場合:
    • 月額リース料:40,000円(※税金・メンテ代込のプランと仮定)
    • 合計支出:40,000円 × 60ヶ月(5年) = 240万円
    • → 5年後に車は返却(自分の物にはならない)
    • 実質負担:240万円

ママ: 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! パパの計算だと、リースの方が70万円も高いじゃない! 全然ダメじゃん、カルモ!」

パパ: 「早まるな、ママ! これはあくまで『単純な支出額』の比較だ。この計算には、個人事業主にとって一番大事な『2つのコスト』が反映されていない」

  1. 『減価償却』という複雑な会計処理にかかる『手間(時間)コスト』
  2. 『購入』時に必要な200万円という『初期キャッシュ(現金)』

パパ: 「①の購入プランは、『5年後に70万で売れる』というメリットはあるが、その代わり、5年間の面倒な『減価償却』の手間と、最初に200万円の現金を失うというリスクを背負っている」

パパ: 「一方、②のリースプランは、一見『割高』に見えるが、その差額(この例では70万)は、『会計処理の手間ゼロ』『初期費用ゼロ』という価値を買うための『手数料』だと考えるべきなんだ」

サルヂエ家フリーランスパパの結論:「リースは“帳簿がシンプル”という最大の価値」

ママ: 「…なるほど。リース料が高いのは、『手間賃』と『初期費用ゼロの安心料』が上乗せされてるから、ってことね」

パパ: 「その通り! そして、サルヂエ家フリーランスパパとしての結論はこうだ」

『我々フリーランスが、本業で稼ぐ時間を捻出するためなら、その「手数料(リース料)」は支払う価値がある』

パパ: 「ウチみたいな、デザインや記事制作っていう『自分の時間』を切り売りして稼いでいる人間にとって、『時間』は命だ。年に一度の確定申告で、減価償却の計算方法を調べて、会計ソフトと格闘する『5時間』があったら、ウチは新しいデザイン案を1本作れる」

その5時間で生み出す売上と、リースで支払う『割高』な手数料。
これを天秤にかけた時、パパは『時間を買う』方を選ぶ。

ママ: 「…確かに。パパが毎年『うぉー!減価償却わからん!』って叫んでる時間、はっきり言って無駄だもんね(笑)」

パパ: 「だろ?(苦笑)
カーリース、特にカルモのようなサービスは、単なる『車のサブスク』じゃない。
これは、『面倒な車両経費の管理・会計業務』を丸ごとアウトソース(外注)し、経費を固定化・平準化するための、個人事業主にとっての『経営戦略ツール』なんだ」

もちろん、『解約リスク』や、『家事按分』の手間がゼロになるわけじゃない。
だが、あの悪夢のような「減価償却」から解放されるだけでも、その価値は計り知れない。

ママ: 「よし、分かった! 要するにパパは『ラクしたい』ってことね! でも、それでパパがイライラしなくなって、本業の稼ぎが増えるなら、ママは大賛成よ!」

パパ: 「(…まぁ、そう単純化されると癪だが)そういうことだ! よし、サルヂE家、次の車は『経費処理がシンプルなリース』を本気で検討するぞ!」


-カーリース