「なあママ、最近よく聞く『カーシェア』って、どう思う?」
いきなりリビングでパパが言い出しました。
あー、また始まった。理屈っぽいパパの「調べてみた」シリーズ。
「カーシェア? ああ、あの駅前にある黄色い看板のやつでしょ? タイムズの」
「そう、それだ! 最近、ネットのニュースや雑誌でも『マイカーを手放してカーシェアにしたら、年間〇〇万円浮いた!』みたいな記事、やたらと見ないか?」
「ふーん。でも、ウチみたいに怪獣(息子2人)がいて、週末にドカッと買い物したり、たまに実家に帰ったりするのに、本当に使えるわけ?」
ママの言う通り。
ネットで「カーシェア」と検索してみると、「めちゃくちゃ便利!」「維持費ゼロで最高!」という絶賛の声もあれば、「予約が全然取れない」「車内が汚い」「結局高くついたからやめとけ」なんて、真逆の口コミも出てくる…。
どっちが本当なんだ?
「ふっふっふ。ママ、そこが問題なんだ」
(でた、パパの得意げな顔…)
「情報が錯綜している時こそ、我々サルヂエファミリーの出番だろう? コンセプトは『なんでも自分達で調べてやってみる』だ」
「またパパがスッキリしたいだけでしょ…」
「違う! これは、近い将来やってくる“車の買い替え”問題にも直結する、我が家の家計防衛プロジェクトの一環だ!」
…と、まあパパの口上はいつものことですが、確かに「車」って、家計に占める割合がめちゃくちゃ大きいんですよね。ガソリン代、駐車場代、保険料、税金、車検…。考えただけで頭が痛い。
もし、カーシェアが本当にウチのライフスタイルに合うなら、「マイカーを持つ」以外の選択肢もアリなんじゃないか?
よし、こうなったら徹底的に調べてやろうじゃないの。
今回のサルヂエ企画は、「カーシェアって、結局ウチみたいな家族に“アリ”なの?“ナシ”なの?」をテーマに、特にステーション数が多い「タイムズカー」を例にとって、マイカーとの違い、メリット、そして気になるデメリットまで、冷静に整理・比較していこうと思います!
🚗 カーシェアの“基本構造”をまず理解しよう(タイムズカーを例に)
「よし、ママ。まずは敵を知ることからだ。カーシェアの基本構造を理解するぞ」
「はいはい。で、パパ、そもそもカーシェアって、昔からある『レンタカー』と何が違うの? どっちも“借りる”って意味では同じじゃない?」
ママの素朴な疑問。これ、めちゃくちゃ大事なポイントですよね。
僕(パパ)も最初は混同していました。でも、調べてみるとこの2つ、似ているようで全くの別物だったんです。
カーシェアとレンタカーの違い
ざっくり言うと、こんな違いがあります。
| 比較項目 | カーシェア(例:タイムズカー) | レンタカー(例:一般的なレンタカー) |
|---|---|---|
| 利用時間 | 15分〜の短時間OK | 6時間〜、1日〜が基本 |
| 利用・返却 | 24時間OK(無人) | 店舗の営業時間内(有人) |
| 手続き | スマホ・PCで完結(対面なし) | 店舗カウンターで対面手続き |
| 料金に含まれるもの | ガソリン代、保険料込み | ガソリン代は別(満タン返し) |
| 設置場所 | 街中の無人ステーション(多い) | 駅前などの有人の店舗(少ない) |
「へえー! 全然違うんだ」
「そうなんだ。レンタカーが『店舗で半日〜数日借りる』という“イベント的”な使い方なら、カーシェアは『近所の駐車場から1時間だけ借りる』みたいな“日常的”な使い方を想定しているわけだ」
ママも納得した様子。
要するに、カーシェアは「もっと手軽で、短時間から使える、セルフサービスのレンタカー」といったイメージですね。
タイムズカーの料金体系と仕組み(時間制+距離制の理解)
じゃあ、具体的にどうやって使うのか?
国内で圧倒的にステーション数(拠点)が多い「タイムズカー」を例に見てみましょう。
「パパ、料金が一番気になるんだけど」
「もちろん調べた。タイムズカーの料金は、非常に合理的だ。基本は『①時間料金』と『②距離料金』の2つの組み合わせで決まる」
タイムズカーの基本料金体系
- 時間料金(利用料):
- 借りる車のクラス(ベーシック、ミドル、プレミアム)で料金が変わる。
- 一番安い「ベーシック」なら、15分単位で220円〜とか。(※2024年時点)
- 「6時間パック」「12時間パック」など、長時間利用向けのパック料金もある。
- 距離料金(走行料):
- ここが重要! 走った距離に応じて、1kmあたり〇〇円(例:20円)が加算される。
- ただし、6時間以上のパック利用の場合は、この距離料金はかからないことが多い。(※プランによる)
【例】ベーシッククラスを3時間利用し、30km走行した場合
- 時間料金:220円/15分 × 12 (3時間) = 2,640円
- 距離料金:20円/km × 30km = 600円
- 合計:3,240円
「なるほど…。『時間』と『距離』の両方で計算するのね。あれ? でもガソリン代は?」
「それがカーシェアのすごいところで、ガソリン代も保険料も、基本の時間料金に含まれているんだ。自分で給油や洗車をする必要もナシ!」
「え、それは楽かも!」
ただし、裏を返せば、利用時間が短くても、走行距離がめちゃくちゃ長い(例えば2時間で100km走るような)使い方をすると、距離料金がかさんで割高になる可能性もある、ということです。この「時間制+距離制」の仕組みは、カーシェアの使い勝手を考える上でキモになりますね。
登録〜利用までの流れを簡潔に紹介
「でも、使うまでの手続きが面倒なんでしょ? パパ、そういうの苦手じゃない」
「失礼な! だが安心しろ。イマドキのサービスはそこもスマートだ」
タイムズカーの場合、大まかな流れはこんな感じ。
- Webで会員登録:
- 免許証やクレジットカード情報を登録。
- 審査が終わると、専用のカードが送られてくるか、スマホアプリで完結できる。
- 予約:
- スマホアプリやPCから、使いたいステーションと車、時間を選ぶ。
- 最短で3分後とかでも予約できる。
- 利用開始:
- 予約したステーションに行き、会員カードかスマホを車にかざして解錠。(無人!)
- キーは車内のダッシュボードに入ってる。
- 利用・返却:
- 運転が終わったら、元のステーションに戻す。
- キーを元の場所に戻し、カードかスマホで施錠して利用終了。
- 支払い:
- 利用料金は、登録したクレジットカードに自動で請求される。
「え、めっちゃ簡単じゃない? 誰とも会わずに借りて返せるってこと?」
「その通り。この『24時間、スマホひとつで完結する手軽さ』こそ、カーシェアがレンタカーと根本的に違う点だな」
ふむ。まずは基本の「キ」を整理しただけで、カーシェアが「ちょっとそこまで」の利用を想定した、かなり合理的な仕組みだってことが見えてきました。
💰 カーシェアのメリット5選──マイカーにはない自由さと合理性
「さてママ、基本がわかったところで、いよいよ本題だ。なぜ今、カーシェアがこれほど注目されているのか。その“メリット”を俺(パパ)の視点で5つに整理した!」
「出た、パパの『整理した』。まあ、聞いてあげるわ」
(ちょっとイラっとするが、構わずプレゼンを続けよう…)
カーシェアの仕組みは、マイカーの「当たり前」を覆す、かなり合理的なものなんです。
必要な時だけ使える(維持費ゼロの合理性)
これが最大のメリットですよね。
マイカーって、ぶっちゃけ「乗ってない時間」が圧倒的に長い。平日の日中や夜間、車は駐車場でじっと待ってるだけ。それなのに、
- 駐車場代(月々数千円〜数万円)
- 自動車税(年1回)
- 自動車保険料(年1回または月々)
- 車検代(2年に1回)
これらの「固定費(維持費)」が、容赦無くかかってきます。
「うっ…、パパ、それは言わない約束…」
「いや、言う! だがカーシェアなら、これらの維持費は一切かからない。タイムズカーなら月額基本料(個人プランなら1,000円弱 ※2024年時点。ただし利用料金に充当可)はかかるが、マイカーの維持費と比べたら微々たるものだ」
つまり、「使った分だけ」の費用しか発生しない。これは、特に都市部で駐車場代が高い地域に住んでいる人ほど、大きなメリットになります。
24時間いつでも利用可・アプリで完結
「でもさ、レンタカー屋さんもそうだけど、結局お店が開いてる時間しか借りられないんでしょ? 夜中に子どもが熱出した!とか、早朝に出発したい!って時には使えないんじゃ…」
ママの直感的な疑問。
「それが、さっき説明した『レンタカーとの違い』だ。カーシェアは基本的に24時間365日、無人のステーションから借りられる」
「え、夜中でも?」
「そう。スマホアプリで『今から借りたい』と予約して、ステーションに行けばすぐ使える。店舗の営業時間を気にする必要も、カウンターで並ぶ必要もない。この手軽さが、マイカーの『鍵さえあればいつでも乗れる』感覚に近いんだ」
給油・保険・車検いらず
これは、特にママに刺さるメリットかもしれません。
「ああー、あれね! レンタカー借りた時の『ガソリン満タン返し』。あれ、地味に面倒なんだよね。どこのガソスタが安いか探したり…」
「だろ? カーシェア(タイムズカーなど)は、ガソリン代も利用料に含まれてる。だから満タン返しは不要だ」
車内に備え付けの給油カードがあって、もしガソリンが減ってきたら、それを使って給油します。(むしろ給油すると割引が適用されたりする)
もちろん、面倒な車検や、万が一の時のための自動車保険の手続きも、すべてカーシェアの運営会社がやってくれます。僕たち利用者は、ただ「予約して乗る」だけ。このシンプルさは、忙しい共働き家庭にとって見逃せないポイントです。
車種選びの自由度(軽〜ミニバン)
ウチは今、5人乗りのミニバンですが、正直「デカすぎない?」と思うことも。
「そうそう! 近所のスーパーに牛乳買いに行くだけなのに、あのデカい車出すの、ちょっと億劫なのよね」
「かといって、たまにジジババ(両親)を乗せて出かける時は、ミニバンじゃないと無理だ。だが、カーシェアなら!」
- 平日の買い物:小回りのきくコンパクトカー(軽自動車など)
- 週末のレジャー:荷物が積めるSUV
- 家族で実家へ帰省:みんながゆったり乗れるミニバン
こんな風に、用途に合わせて車を「使い分ける」ことができます。
タイムズカーはステーションによって置いてある車種が違いますが、車種ラインナップが豊富なのも強み。「今日はどの車にする?」なんて選ぶ楽しさも、マイカーにはないメリットですね。
短時間利用のコスパが高い
料金体系でも触れましたが、カーシェアは「15分単位」など、非常に短い時間から利用できます。
「例えば、『子どもを駅まで送るだけ』とか『雨の日に、スーパーまで往復1時間だけ使いたい』とか。そういう時、タクシー呼ぶほどでもないし…って悩むじゃない?」
「あー、悩む。結局、雨の中自転車でビショビショになるやつだ」
「そういう『ちょっと乗り』に、カーシェアは圧倒的に強い。ベーシックな車なら1時間使っても1,000円以下(+距離料金)で済む場合が多い。これはマイカーの『ちょっと乗り』の手軽さと、タクシーの利便性をイイトコどりした感じだな」
ふむ。こうして整理すると、カーシェア、特にタイムズカーの「使い勝手」は、かなり“合理的”に設計されていることがわかります。
😫 カーシェアのデメリット・不便な点も“正直に”整理
「…と、メリットを並べると、今すぐにでもマイカーを手放したほうがいいように聞こえるだろ?」
「うーん、確かにパパのプレゼンだと良さそうに聞こえるけど…。でもさ、そんなウマい話ばかりじゃないでしょ? ネットの口コミで見た『やめとけ』って意見は、どう説明するわけ?」
鋭い。ママの直感、侮れない。
そう、メリットだけを見て飛びつくと「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。光があれば影がある。僕(パパ)は、その“影”の部分、つまりカーシェアのリアルなデメリットや不便な点も徹底的に洗い出しました。
予約が集中する時間帯は取りづらい
「まず、ママが一番心配してた『使いたい時に使えない』問題だ」
「そうよ! 週末の午前中とか、みんなが使いたい時間って決まってrじゃない。いざ『買い物行こう!』と思ったら、近所のステーションが全部“空車ナシ”だったら、どうするの?」
これはカーシェア最大の弱点かもしれません。
マイカーなら「自分の物」なので100%使えますが、カーシェアはあくまで「共有物」。
特に「土日・祝日の午前〜日中」や、「雨の日」は、利用したい人が集中します。
パパの分析メモ:
都市部の駅近ステーションや、人気車種(ミニバンなど)は、週末の予約争奪戦になりがち。
「来週の土曜に絶対使う!」と分かっていれば事前予約できますが、「あ、今から1時間だけ使いたい」という“突然のニーズ”には、マイカーと比べて確実性が劣ります。
「うわー、やっぱり。それじゃあ、ウチの週末プランが全部崩れちゃう」
「まあ待て。タイムズカーはステーション数(拠点)が圧倒的に多いから、A地点がダメでもB地点、C地点…と探せる強みはある。ただ、『家から徒歩1分のステーションじゃないと嫌だ』という人には、ストレスになる可能性は高いな」
車内の清掃・マナーは利用者次第
「次、これ。ママ、潔癖なとこあるから気になるだろ?」
「…パパに言われたくないけど、まあね。前の人が使った車ってことでしょ? 汚かったらイヤじゃない」
これもネットの口コミでよく見る「デメリット」です。
レンタカーは利用ごとにスタッフが清掃しますが、カーシェアは無人。基本的な清掃は定期的に入るものの、基本は「利用者のマナー」に依存します。
- 髪の毛や、お菓子の食べカスが落ちている
- 謎のニオイがする(タバコ臭、芳香剤、ペット臭など ※基本禁煙・ペット禁止の会社が多いが)
- シートやダッシュボードが汚れている
「うげっ! 怪獣2人が乗るからウチも汚す側かもしれないけど、他人の汚れはちょっと…」
「もちろん、大多数の人はキレイに使っているはずだ。だが、『とんでもない使い方』をする人が稀にいるのも事実。こればっかりは“ガチャ”要素というか、直前の利用者のモラル次第な部分がある」
タイムズカーなどは、利用後に車内清掃をすると料金が割引になる「お掃除インセンティブ」みたいな仕組みもありますが、100%の清潔さを求めるなら、マイカー管理には敵いません。
距離が長いとコスパが悪化する
「メリットのところで『コスパが高い』って言ってたじゃない!」
「ママ、落ち着け。それは“短時間利用”の場合だ。思い出してほしい、上で説明した料金体系を」
カーシェアの料金は「時間料金+距離料金」でした。
これがクセモノで、例えば「週末に片道100kmの実家に日帰り帰省する」みたいな使い方を想像してみましょう。
パパの試算(例):
- 利用:12時間パック(時間料金:8,000円とする)
- 走行距離:往復200km
- 距離料金:20円/km × 200km = 4,000円
- 合計:8,000円 + 4,000円 = 12,000円
「あれ? 12時間パックなら距離料金はかからないんじゃなかった?」
「それがプランの罠だ。タイムズカーの場合、6時間以上のパック利用だと距離料金は“無料”になるが、18km/hを超える速度(※これは例え)で走行した場合は、その超えた分に距離料金がかかる…みたいな複雑なルール(※現在は6時間超は一律距離料金がかかるプランが主流)だったりする」
「(※2024年5月時点のタイムズカーの料金体系だと、6時間を超える利用は、一律で距離料金1km/20円が全走行距離にかかります)…パパ、情報が古い!」
…失礼。ママのツッコミ通り、最新の情報を調べ直したところ、タイムズカーは6時間を超える利用(パック含む)の場合、走行した全距離に対して1km/20円(※車種クラスによる)の距離料金がかかるようです。
つまり、先の例だと12,000円で確定。
「け、結構するわね…。これならレンタカー借りた方が安くない?」
「その通り! 長時間・長距離の利用(例:6時間を超え、かつ100km以上走るなど)の場合、カーシェアはレンタカーやマイカー(ガソリン代+高速代)より割高になるケースが確実に出てくる。これはデメリットとして認識すべきだ」
突然の利用には向かない(子どもの発熱・雨天など)
「最後は、H3-1の『予約』問題とも繋がるが、『突発的なニーズ』への対応力だ」
「突発的…?」
「例えば、夜中に子どもが熱を出した時。マイカーならすぐに病院に連れて行ける。でもカーシェアは、『まずアプリで予約して』『近所が空いてるか確認して』『ステーションまで歩いて行って』…というタイムラグが発生する」
「あ…、それは確かに。雨が降ってきたから駅まで迎えに来て!って言われても、『ごめん、今カーシェア予約取れないから無理』ってなるわけだ」
「そういうことだ。マイカーの持つ『いつでもそこにあり、100%自分が使える』という“絶対的な安心感”は、カーシェアでは代替できない。この『安心感』に維持費を払っている、とも言えるな」
うーん、こうしてデメリットを整理すると、カーシェアも万能じゃないことがよくわかりますね…。
📊 マイカーとカーシェア、どっちが得?コスト・利便性・心理面で徹底比較
「メリットとデメリットが、だいたいわかったわ。で、パパ。結局のところ、ウチみたいに“週末利用が中心”の家庭だと、どっちが『得』なのよ?」
ママが核心を突いてきました。
そう、結局知りたいのは「自分たちにとって、どっちが正解か」ですよね。
「ふっふっふ。ママ、その『得』には、お金(コスト)の『得』と、使いやすさ(利便性・心理)の『得』、2種類あると思わないか?」
「な、なんか面倒なこと言い出した…」
いいから聞け。サルヂエファミリーとしては、ここを徹底的に比較せずにはいられない!
「コスト」「利便性」「心理面」の3つの軸で、マイカーとカーシェア(タイムズカー)を比較・整理してみましょう。
年間維持費比較(表で視覚的に)
まずは、一番わかりやすい「お金」の比較。
マイカーを「持つだけ」でかかる固定費と、カーシェアを「使う分だけ」かかる変動費。これを比べないと始まりません。
仮に、ウチ(サルヂエ家)が今乗っているミニバン(車両価格300万円)を維持した場合と、カーシェア(タイムズカー)を月額利用した場合で試算してみます。
▼マイカー vs カーシェア 年間コスト比較(パパ試算)
※あくまで一例であり、地域や利用状況によって大きく変動します。
| 比較項目 | マイカー(ミニバン所有) | カーシェア(タイムズカー) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 【固定費】 | |||
| 駐車場代 | 120,000円 | 0円 | (月1万円と仮定) |
| 自動車税 | 39,500円 | 0円 | (2000ccクラス) |
| 任意保険料 | 60,000円 | 0円 | (等級・条件による) |
| 車検代 | 50,000円 | 0円 | (2年で10万円と仮定) |
| 固定費 合計 | 約 269,500円 | 0円 (※1) | (※1)月額基本料(約1万円/年)は利用料に充当可 |
| 【変動費】 | |||
| ガソリン代 | (利用による) | 利用料金に含む | |
| 利用料金 | 0円 | (利用による) |
「うわっ…! パパ、こうして見ると、マイカーって駐車場代と保険代がエグい…。年間約27万円が、乗らなくても消えていってるわけ!?」
「その通り。これが『維持費』の恐ろしさだ。対してカーシェアは、この固定費がほぼゼロ。この約27万円の“差額”が、カーシェアでいくら分使えるか、という基準になる」
使う頻度別の損得ライン
「じゃあ、年間27万円をカーシェア代に回せるとして、どれくらい乗れるの?」
「いい質問だ。そこが損得ライン(分岐点)だな」
仮に、試算した「実家への日帰り帰省(1回12,000円)」や、「週末の買い物(1回3,500円と仮定)」で考えてみよう。
カーシェア利用シミュレーション:
- A:日帰り帰省(12,000円/回) × 年6回 = 72,000円
- B:週末の買い物(3,500円/回) × 月4回 × 12ヶ月 = 168,000円
- A + B 合計利用額 = 240,000円
「あれ? パパの試算だと、結構使っても年間24万円…。さっきのマイカー維持費(約27万円)より、まだ安いんだけど!」
「そうなんだ。あくまでこのシミュレーション通りなら、だが。つまり、『利用頻度が週末+α程度』で、かつ『年間利用額がマイカーの固定維持費(ウチなら約27万円)を下回る』なら、カーシェアのほうが金銭的な『得』は大きい、と言える」
逆に言えば、これ以上(週4〜5日使う、毎日通勤で使うなど)のヘビーユーザーになると、カーシェアの利用料が維持費を上回り、「マイカーの方が安かった」となるわけです。
「手間・自由度・安心感」など非金銭的価値の比較
「お金の計算はわかった。でもさ、さっきデメリットで出た『予約取れないかも』とか『車内が汚いかも』っていう、お金じゃ測れないストレス(=非金銭的価値)はどう比較するのよ?」
ママ、核心を突きすぎだ。
そこが一番難しい。これは、もう「価値観」の問題になってきます。
▼利便性・心理面の比較
| 比較軸 | マイカー | カーシェア |
|---|---|---|
| ① 手間 | △ (車検・給油・清掃が面倒) | ◎ (上記一切不要) |
| ② 確実性 | ◎ (100%いつでも使える) | △ (予約が取れない可能性) |
| ③ 清潔感 | ◯ (自分で管理できる) | △ (利用者マナー次第) |
| ④ 安心感 | ◎ (突発的ニーズに対応可) | △ (利用までにタイムラグ) |
| ⑤ 自由度 | △ (車種は固定) | ◯ (車種を選べる) |
「うーん、こう見ると一長一短ね…」
「そうだろ? 『手間』を金で買うのがマイカー(維持費)なら、『手間を省いて合理化』するのがカーシェア(利用料)とも言える」
マイカーの「いつでも100%使える安心感」や「自分だけの空間(清潔感)」に、年間27万円(ウチの場合)を払う価値があると考えるか。
それとも、その安心感を少し手放して、「予約が取れないかも」というリスクを受け入れつつ、年間数万円〜十数万円の節約(=合理化)を選ぶか。
「……パパ。これ、どっちが『得』かって、結論出ないじゃない」
「その通り。結論は、『何を一番重視するか』で変わってくるんだ」
🙋♀️ カーシェアが“向いている人・向かない人”の特徴まとめ
「結局、『何を重視するか』で変わるって…パパ、それじゃあ結論になってないじゃない! 結局ウチは、どっちなのよ!」
ママがしびれを切らしました。
確かに、比較で「一長一短」と言ったまま終わらせては、サルヂエの企画倒れ。
「まあ待て。ここまでのメリット・デメリット、そしてコスト比較を踏まえて、僕(パパ)なりに『カーシェア(タイムズカー)が合理的な選択肢になる人』と『やっぱりマイカーを持ち続けたほうが幸せな人』の特徴を整理した。これを見れば、自分がどっち側か判断できるはずだ」
「…またパパの『整理』ね。まあ、聞きましょう」
向いている人(週末利用/駅近/共働き家庭)
まず、カーシェアのメリット(合理性)を最大限に活かせるのは、こんな人たちです。
- 車の利用頻度が低い人(週1〜2回程度)
- まさに「週末ドライバー」な人。
- コスト比較の通り、利用頻度が低いほど「使った分だけ払う」カーシェアのほうが金銭的メリットは爆発的に大きくなります。
- 「短時間・短距離」の利用がメインの人
- 「雨の日の送り迎え」「週1のまとめ買い」など。
- 逆に、長距離(片道100km超)の利用が多い人は、デメリットで見た通り割高になるので向いていません。
- 都市部・駅近に住んでいて、駐車場代が高い人
- マイカー維持費の大部分を占める「駐車場代」が浮くだけで、カーシェアの利用料を余裕でペイできる可能性があります。
- 近所にカーシェアステーションがたくさんある人
- 「予約が取れない」という最大のデメリットを、「A地点がダメならB地点」というステーション数の多さでカバーできる人。タイムズカーが強いのはこの点ですね。
- 合理性を重視し、「手間」を省きたい人
- 「車検や保険の手続きが面倒」「ガソリンを入れるのすら嫌」という、僕(パパ)のような合理主義者。
「うーん…。ウチ、結構当てはまってるかも。利用は週末メインだし、駐車場代もバカにならないし…。パパは合理主義者っていうか、ただの面倒くさがりだけど」
「(スルーして)…特に、ウチみたいな共働き家庭で、『平日は電車通勤だけど、週末は車が欲しい』っていうニーズには、かなりフィットすると思うんだ」
向かない人(通勤・通学で毎日使用/車好き/長距離多い)
逆に、口コミで「カーシェアはやめとけ」と言っている人たちは、もしかしたらカーシェアが“向かない”使い方をしていたのかもしれません。
- 通勤・通学などで「毎日」車が必要な人
- これはもう、マイカー一択です。毎日カーシェアを長時間利用したら、維持費より圧倒的に高くつきます。
- 「今すぐ乗りたい」という突発的な利用が多い人
- デメリットの通り。子どもの急な発熱対応や、突然の雨での送り迎えなど、「確実性」や「安心感」を最優先するなら、マイカーのほうがストレスがありません。
- 利用したい時間が「土日の人気時間帯」に集中する人
- 予約が取れず、「使いたい時に使えない」ストレスを最も感じやすい人たちです。
- 車内の清潔さやニオイに敏感な人
- 「前の人のゴミが許せない」「芳香剤のニオイが無理」というママのようなタイプ。利用者のマナー次第という“ガチャ”要素が許容できない人にはキツいでしょう。
- 車を「所有する喜び」を感じる人(車好き)
- 「自分の好きな車をカスタマイズしたい」「いつでもピカピカにしておきたい」という人。カーシェアはあくまで“移動手段”なので、趣味の領域には踏み込めません。
判断チェックリスト(Yes/No形式で自己診断)
「よし、ママ。これで最後だ。自分たちがカーシェアに向いているか、この『サルヂエ式・カーシェア向き不向き診断』でチェックしてみよう」
「なにそれ…」
以下の質問に「Yes」「No」で答えてみてください。
【サルヂエ式】カーシェア向き不向き 診断
- 車の運転は「週に2日」以下だ。 (Yes / No)
- 1回の運転は「短時間(3時間以内)」が多い。 (Yes / No)
- 利用は「週末の買い物」や「近所の送迎」がメインだ。 (Yes / No)
- 今の駐車場代や車検代を「高い」と感じている。 (Yes / No)
- 自宅から徒歩5分以内にカーシェアステーション(タイムズカーなど)がある。 (Yes / No)
- 車検や保険の手続きは、正直「面倒くさい」 (Yes / No)
- 多少、車内が汚れていても「まあ仕方ない」と割り切れる。 (Yes / No)
- 車は「趣味」ではなく、単なる「移動手段」だ。 (Yes / No)
- 「今すぐ使いたい!」と思っても、予約が取れなければ「次の機会でいいや」と諦められる。 (Yes / No)
「…どうだ、ママ?」
「うーん…。ウチの場合、Yesが6個、Noが3個(⑦⑨は怪しい)ってとこかな」
「判定しよう。Yesが6個以上なら、カーシェア(タイムズカー)を試してみる価値は十分にある。マイカーを手放しても、生活の質が下がらない可能性が高い」
「Yesが3〜5個なら、今のマイカーと『併用』するか、慎重に検討する段階。まだカーシェアに完全移行するのは不安が残るかも」
「Yesが2個以下なら、あなたは『マイカー絶対必要派』。無理にカーシェアにせず、マイカーの維持費を節約する方法を考えたほうが幸せだろうな」
こうして見ると、僕たち家族は「カーシェアを試す価値アリ」の領域にいることが、はっきりしましたね。
🤔 まとめ──タイムズカーは“マイカーと共存できる選択肢”
「ふー、疲れた。パパの理屈っぽい『整理』に付き合うのも大変よ」
「こら。でも、これで頭の中がスッキリ整理できたろ?」
今回のサルヂエ企画、「カーシェアって結局“アリ”か“ナシ”か」。
タイムズカーを中心に、マイカーの使い勝手と比較しながら徹底的に調べてきました。
診断で「Yesが6個」だったウチ(サルヂエ家)が出した結論。それは、
「カーシェアは、マイカーと“二者択一”で考えるものじゃない。“共存できる第三の選択肢”だ」
ということです。
手放すだけでなく、“必要なときだけ持つ”という柔軟な発想へ
「『手放す』か『持つ』かの0か100かで考えると、ウチみたいに“週末利用”と“いざという時の安心感”が両方欲しい家族は、結論が出ないのよ」
「そうなんだ、ママ。だが、考え方を変えてみてはどうだろう?」
例えば、
「普段の“ちょっと乗り”や“雨の日の買い物”は、カーシェアで合理的に済ませる」
「でも、マイカーは手放さず、子どもの急な病気や、予約が取れない時の“保険”として、維持費の安い中古の軽自動車に買い替える」
あるいは、
「思い切ってマイカーは手放す! でも、その代わり、週末の予約が取れないストレスを避けるために、タイムズカーだけじゃなく、他のカーシェア会社(カレコとかdカーシェアとか)にも複数登録しておく」
こんな風に、カーシェアの『合理性』と、マイカーの『安心感』を、自分たちの家族構成やライフスタイルに合わせて“ブレンド”する発想が、これからは大事なんじゃないかと。
「『所有する』のが当たり前だった時代から、『必要なときだけ利用する』が当たり前になる時代への過渡期、ってことね」
「(パパのセリF取られた…)そ、その通りだ!」
「まずは試してみる」軽い一歩を推奨
「とはいえ、パパ。結局、今日パパが話したことって、全部『調べただけ』の“うんちく”でしょ? デメリットの『車内が汚い』とか『予約が取れない』って、本当にウチの近所でも起きるの?」
「……(痛いところを突かれた)……」
ママの言う通り、僕たちサルヂエファミリーのコンセプトは「なんでも自分達で調べて“やってみる”」でした。
いくら理屈(データ)をこねくり回しても、自分たちの生活圏で実際に使ってみないと、本当の「使い勝手」はわかりません。
「じゃあ、決まりね」
「え?」
「『まず、パパが登録して、今度の週末にでも使ってみる』。これが今回の企画の結論よ。パパのお小遣いでね」
「(ええー!?)」
…ということで、サルヂエ家、まずは「お試し」でカーシェア(タイムズカー)に登録してみることに(強制的に)なりました。
この記事を読んで、「ウチもYesが多かったかも」と思ったあなた。
幸い、タイムズカーなどのカーシェアは、入会金や初期費用がキャンペーンで無料になっていることも多く、月額基本料も(使えば)利用料に充当されるので、登録するだけならリスクはほぼゼロ。
「マイカーを手放す」という重い決断の前に、まずは「ちょっと使ってみる」という軽い一歩を踏み出してみて、自分たちの生活にフィットするかどうか、試してみるのが一番の近道かもしれませんね。