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【2025年版】エンジンオイル交換の費用相場とおすすめメーカー比較

「うわ、また車のメーターに変なマーク出てる…」

「あ、それ? 多分オイル交換の時期じゃない? この前ガソリンスタンドで言われたわよ。『そろそろ交換ですねー』って」

「だよな…。このマーク見るたび、家計簿の『特別出費』欄が頭をよぎるんだよな。エンジンオイルの交換って、なんであんなに毎回値段が違う気がするんだ?」

「え、そう? 私は『あ、はい、じゃあお願いします』って言ってるだけだけど。言われた金額払ってるわよ」

「ママ、それだ! それが一番ダメなパターンだぞ! 『なんとなく』で選んで、実は損してるかもしれない。ディーラーでやるのがいいのか、いつものガソリンスタンドか、それともオートバックスみたいなカー用品店か…。そもそも、ウチのミニバンに一番『ちょうどいい』オイルって何なんだ?」

「またパパの面倒くさいうんちくが始まった…。じゃあ、どこが一番安いのよ?」

「安さも大事だ。だが『安かろう悪かろう』じゃ意味がない。車の心臓部、エンジンを守るためのオイルだからな。よし、分かった。こうなったら徹底的に調べてやる。」

「なんでも自分達で調べてやってみる」がモットーの我が家(主にオレ)が、今回は「エンジンオイル交換の費用相場」と「メーカー(種類)による違い」、そして「結局、どこで交換するのが一番賢いのか」を、理詰めで検証してみることにした。

この記事を読めば、もうオイル交換のたびに「これで合ってるのかな?」と不安になることはない。我が家の車と家計にとっての『最適解』を、バシッと見つけ出してやるぞ!

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エンジンオイル交換にかかる費用の「相場」って、結局いくらなの?

「さて、まずは『敵』を知ることからだ。いや、家計を守るためには『相場』を知る、だな。ママはさっき『言われた金額を払ってる』と言ったが、それが果たして適正価格だったのか、まずはそこから検証しよう。」

「うっ…。でも、お店の人が『これがオススメです!』って言うんだもん。」

「その『オススメ』が、本当に我が家に必要なのか、それともお店が『売りたい』だけなのか。それを見極めるためにも、まずは基準となる『費用相場』を把握する必要がある。一口にオイル交換と言っても、実は様々な要因で値段が変動するんだ。」

軽自動車・普通車・ミニバン・輸入車… 車の大きさでこんなに違う!

まず、大前提として「車のサイズ(排気量)」によって、必要なオイルの量が変わる。当然、量が増えれば値段も上がる。

「ウチはミニバンだけど、ママ友の軽自動車と交換費用が違って当たり前ってことね。」

「その通りだ。ざっくりとした目安だが、まずはこの表を見てくれ。」

車種区分 エンジンオイル使用量(目安) 費用相場(工賃・税込)
軽自動車 約 2.5 L 〜 3.5 L 3,000円 〜 7,000円
普通車(コンパクト) 約 3.0 L 〜 4.5 L 4,000円 〜 10,000円
普通車(セダン・SUV) 約 4.0 L 〜 5.0 L 5,000円 〜 12,000円
ミニバン(我が家) 約 4.0 L 〜 6.0 L 6,000円 〜 15,000円
輸入車 約 4.5 L 〜 8.0 L 10,000円 〜 25,000円

「うわっ、同じミニバンでも6,000円から15,000円って、倍以上違うじゃない! この『幅』は何なのよ!?」

「いい質問だ。その『価格の幅』こそが、今回の最大のテーマだ。そして、その答えが次の『内訳』にある。」

費用は「オイル本体代」+「交換工賃」で決まる

「同じミニバンでも値段が倍違う…そのカラクリは、交換費用が『①オイル本体の代金』と『②交換工賃』の2つ(+α)で構成されているからだ。」

「要するに、選ぶオイルと、やってもらう手間賃ってことね。」

「そうだ。まず『①オイル本体代金』。これがピンキリだ。安い『鉱物油』と、高性能な『全合成油』では、同じ1Lでも価格が倍以上違うことも珍しくない。どのグレードのオイルを選ぶかで、総額が大きく変動する最大の要因だ。」

「そして『②交換工賃』。これは大体500円~2,000円程度が相場だな。だが、ここにも罠がある。例えば、カー用品店だと『会員は工賃無料』とか『オイルとセットで〇〇円』というキャンペーンをやっている。逆に、ネットで安く買ったオイルを持ち込むと『持ち込み工賃』として3,000円以上取られることもあるんだ。」

「え、じゃあ工賃無料のところが一番いいじゃない!」

「早まるな。工賃が無料でも、オイル本体の価格が割高に設定されていたら意味がないだろう? トータルでいくらか、が重要だ。
さらに、忘れてはならないのが『③オイルフィルター(エレメント)代』だ。これはオイルの不純物を取り除くフィルターで、オイル交換2回に1回の交換が推奨されている。これが部品代+追加工賃で1,500円~3,000円程度かかる。『あれ?前回よりやけに高いな』と思ったら、大体このフィルター交換のタイミングだった、というケースが多いぞ。」

ディーラー vs スタンド vs カー用品店、どこでやるのが正解?

「じゃあ、結局どこでやればいいのよ? 安全なのはディーラー? 手軽なのはスタンド?」

「ふむ。交換『場所』による違いも、相場を左右する大きな要因だ。それぞれのメリットとデメリットを、オレなりにまとめてみた。」

交換場所 費用相場(工賃込) メリット(特徴) デメリット(注意点)
ディーラー やや高め (8,000円〜) ・メーカー純正オイルで絶対安心。
・車の状態を把握してくれている。
・オイルの種類を選べないことが多い。
・工賃、オイル代ともに割高な傾向。
カー用品店 標準〜安め (4,000円〜) ・オイルの種類が圧倒的に豊富。
・セールや会員特典で工賃無料も。
・混雑時は待ち時間が長い。
・知識のない店員もおり、不要な高額オイルを勧められることも。
ガソリンスタンド 標準〜高め (5,000円〜) ・給油ついでに頼めて手軽。
・営業時間が長く、夜でも対応可能な場合も。
・オイルの種類が少ない。
・「キャンペーン中」などと言われ、割高なオイルや不要な水抜き剤を勧められがち。
地域の整備工場 店による (5,000円〜) ・プロの目でしっかり見てくれる。
・ディーラーより安価な場合が多い。
・(例:カー・ドック)
・店によって技術や価格に差がある。
・初めてだと入りにくい雰囲気も。

「こう見ると、それぞれ一長(いっちょう)一短(いったん)だな。『安さ』だけならセールのカー用品店、『安心感』ならディーラー、『手軽さ』ならスタンド、といったところか。だが、カー用品店やスタンドでありがちな『よく分からないけど、高いのを勧められた』という事態を避けるためには、次のステップ…『オイルの種類』について、オレたちが賢くなる必要があるんだ。」

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エンジンオイルの「種類」と「価格の違い」を知れば、もうカモられない!

「よし、ここからが本番だ。オレのうんちくが火を噴くぞ。」

「うわ、出た…。要するに『高いオイル』と『安いオイル』があるってことでしょ? シンプルに教えてよ。」

「ママ、そう単純じゃないんだ! H2-1で見た『価格の幅』…あの6,000円と15,000円の違いを生み出す最大の理由、それがこの『オイルの種類』だ。ここを理解せずに『安いから』という理由だけで選ぶと、最悪の場合、車の寿命を縮めることにもなりかねん。」

「え、そんなに違うの? それはちょっと困るかも…。」

「そうだろ? 逆に、我が家のように『週末の買い物』や『子供の送迎』がメインなのに、F1レーサーが使うような超高級オイルを入れても、それはただの『オーバースペック』で無駄金だ。だからこそ、『何が違うのか』を理屈で知っておく必要があるんだ。」

価格差の根源!「鉱物油」「部分合成油」「全合成油」の違いとは?

「まず、エンジンオイルには大きく分けて3つの『ベースオイル』の種類がある。これが価格と性能を決定づける根本だ。ママにも分かるように、料理の『油』で例えてみようか。」

「料理?」

「そうだ。『鉱物油』は、例えるなら『一般的なサラダ油』だ。原油を精製(ろ過)して作られる。一方、『全合成油』は、原油を化学的に分解・再合成して、不純物を徹底的に取り除く『高級なオリーブオイル』みたいなもんだ。」

「じゃあ、『部分合成油』は?」

「それは、『サラダ油にオリーブオイルをブレンドした調合油』だな。それぞれのイイトコ取りを狙ったものだ。この違いを表にまとめてみたぞ。」

種類 ベース(例え) 価格帯 メリット デメリット
鉱物油 (ミネラル) 一般的なサラダ油 安い ・価格が圧倒的に安い。
・基本的な性能は満たしている。
・不純物が残りやすい。
・高温や低温に弱く、劣化が早い(=交換サイクルが短い)。
全合成油 (化学合成油) 高級オリーブオイル 高い ・不純物がほぼゼロ。
・高温/低温に非常に強く、性能が長持ち。
・エンジン洗浄能力も高い。
・価格が最も高い。
・古い車(低年式車)だと、オイルがサラサラすぎて漏れの原因になる場合も。
部分合成油 (セミシンセティック) ブレンド油 中間 ・鉱物油の弱点を補いつつ、価格を抑えている。
・性能と価格のバランスが良い。
・全合成油ほどの高性能・耐久性はない。
・『部分』の定義が曖G5:G29(化学合成油が20%でも部分合成油と呼ばれる)。

「なるほど…。『鉱物油』は安いけどすぐダメになって、『全合成油』は高いけど長持ち、ってことね。」

「そういうことだ。昔の車や、とにかくコストを抑えたいなら『鉱物油』。ターボ車やスポーツカー、ハイブリッド車、そして車を大切に長く乗りたいなら『全合成油』。そして、その中間…『そこそこの性能で、値段もそこそこ』を狙うなら『部分合成油』が現実的な選択肢になるな。」

『5W-30』って何? グレード(粘度)が高いと高くなる?

「待ってパパ。よくお店で『5W-30』とか『0W-20』とか書いてあるアレは何なの? アレが高い原因じゃないの?」

「鋭いな、ママ。それも価格に影響するぞ。それはオイルの『粘度(ねばりけ)』を示す『SAE粘度グレード』という規格だ。」

「ね、粘度?」

「簡単に言えば、オイルの『硬さ』だ。

  • 0W (左の数字):『W』はWinterの略。数字が小さいほど、低温でも固まりにくく、寒い朝でもエンジンがかかりやすい。(例:0W, 5W, 10W)
  • 30 (右の数字):数字が大きいほど、高温でも粘度を保ち、エンジンを保護する力が強い。(例:20, 30, 40, 50)

「つまり、『0W-20』みたいなオイルは『すごく寒い所でもサラサラで、高温にはそこそこ』って感じ?」

「そうだ! 最近の低燃費車(ハイブリッドやアイドリングストップ車)は、燃費を稼ぐために『0W-20』や『5W-30』といった『低粘度(サラサラ系)オイル』が主流だ。サラサラだから抵抗が少なく、燃費が良くなる。」

「じゃあ、みんなサラサラ系でいいじゃない。」

「ところがそうもいかん。スポーツカーやターボ車、あとは長距離をガンガン走る車は、エンジンが高温になる。サラサラすぎると油膜が切れてエンジンを保護できない。だから『10W-40』みたいな『高粘度(ネバネバ系)オイル』が必要になるんだ。」

「それで、値段はどうなのよ?」

「一般的に、対応できる温度の幅が広い(例:0W-40など)オイルや、高性能な『全合成油』の低粘度オイルは、開発コストがかかるため価格が高くなる傾向にある。逆に『10W-30』の『鉱物油』なんかは一番安価な部類だな。

重要なのは、車のメーカーが指定した粘度(推奨粘度)を守ることだ。 これは車の説明書(メンテナンスノート)に必ず書いてある。指定より柔らかすぎても硬すぎても、エンジンの不調や燃費の悪化につながるぞ。」

耐久性と燃費性能の「コスパ」で選ぶポイント

「ふぅ…。なんか理屈は分かったけど、結局、我が家はどうすればいいのよ? 『ちょい乗り』ばっかりのミニバンは?」

「よし、そこが結論だ。我が家のような『週末メインのミニバン』『ちょい乗り多め』という、エンジンにとって実は過酷な(シビアコンディション)使い方の場合、どう考えるか。」

「え、ちょい乗りってエンジンに悪いの?」

「悪いんだ。エンジンが十分に温まる前に目的地に着くことが多いだろう? そうすると、オイルに水分やガソリンが混じりやすくなり、オイルの劣化が早まるんだ。」

「じゃあ、やっぱり高い『全合成油』じゃないとダメ?」

「そこが悩みどころだ。オレの結論はこうだ。」

【サルヂエ的 オイル選びの結論】

  • パターンA:『安さ』重視なら…
    • 鉱物油」または「部分合成油」の「メーカー推奨粘度」を選ぶ。
    • ただし、交換サイクルを早めること!(通常5,000kmのところを3,000km~4,000kmで交換)
    • これなら1回あたりの費用は安いが、交換回数が増えるので、トータルコストはあまり変わらないかも…。
  • パターンB:『手間』と『安心』重視なら…
    • 全合成油」の「メーカー推奨粘度」を選ぶ。
    • 1回あたりの費用は高くなるが、オイルの寿命が長い(10,000kmOKという製品も)ため、交換サイクルを標準(5,000km~7,000km)にできる。
    • ちょい乗りが多い我が家でも、高性能オイルならエンジンをしっかり保護してくれる安心感がある。

「なるほど…。安いオイルをこまめに替えるか、高いオイルで交換回数を減らす(でも安心)か、の二択ね。」

「そういうことだ。燃費性能についても、最近の『全合成油』は燃費向上を謳ったものが多い。1回の給油で数十円の違いかもしれないが、年間で考えれば無視できない。安易に『一番安い鉱物油』を選ぶのは、長い目で見ると『安物買いの銭失い』になる可能性が高い、とオレは結論づけるぞ。」

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【メーカー別】結局どのオイルを選べばいい? 人気メーカーの特徴と価格帯

「よし、相場とオイルの種類(ベースオイル、粘度)は理解した。だがママ、ここからが沼だ。」

「沼?」

「そうだ。カー用品店に行ってみろ。棚一面に『カストロール』だの『モービル』だの、カタカナの缶がズラリと並んでいる。結局『どのメーカー』を選べばいいのか、ここでみんな迷うんだ。」

「あー、分かる! パッケージがカッコいいやつとか、F1のスポンサーになってるやつとか、そういうので選びそうになるわ。」

「直感的なママらしい選び方だな…。だが、オレたち『理屈派』はそうはいかん。メーカーごとの『得意分野』や『価格帯』をしっかり比較・検討してこそ、我が家のミニバンに最適な『聖杯』…いや、『聖オイル』を見つけられるというものだ。」

「また大げさな…。じゃあ、その『メーカー』とやらを、分かりやすく教えてよ。」

定番の海外ブランド|カストロール(Castrol)・モービル(Mobil)・ワコーズ(WAKO’S)

「まずは、車に詳しくない人でも一度は聞いたことがあるだろう、メジャーな海外(+国内高性能)ブランドだ。このあたりは『全合成油』のラインナップが豊富で、性能にこだわる人からの指名買いが多いな。」

「F1とかでよく見るロゴのところね。高いんでしょ?」

「うむ。高性能な分、価格帯は上がる傾向にあるが、そのぶん『安心感』は絶大だ。特にこの3強は個性が分かれているぞ。」

メーカー名 特徴とイメージ 価格帯(4L缶 / 全合成油) こんな人におすすめ
カストロール (Castrol) ・欧州車との相性◎
・高性能「EDGE」シリーズが有名。
・昔からの『オイルといえばカストロール』というファンが多い。
6,000円 〜 12,000円 ・BMW、ベンツなどの欧州車。
・ブランドの信頼性を重視する人。
モービル (Mobil) ・F1などで技術をアピール。
・最高峰「Mobil 1」は長寿命と高性能を両立。
・省燃費性能が高い。
5,000円 〜 10,000円 ・スポーツ走行、長距離運転が多い人。
・燃費とパワーを両立させたい人。
ワコーズ (WAKO’S) ・国内の高性能ブランド。
・添加剤(後から入れる性能向上剤)が超有名。
・『知る人ぞ知る』信頼性で、整備工場からの支持が厚い。
8,000円 〜 15,000円 ・古い車を大切に乗りたい人。
・エンジンの『フィーリング』にこだわりたい人。

「ワコーズって、ちょっとお高いのね…。」

「ワコーズは『プロ御用達』のイメージが強いな。性能はピカイチだが、そのぶん価格も張る。我が家のような『ちょい乗りミニバン』にカストロールの『EDGE』や『Mobil 1』は、正直オーバースペックな気もするが…『最高の安心』を買うという意味ならアリだ。」

安心の『純正』|トヨタ純正、ホンダ純正、日産純正オイル

「じゃあ、やっぱり買ったお店…ディーラーで入れてくれる『純正オイル』が一番間違いないんじゃないの?」

「ママ、それは『半分正解』で『半分不正解』だ。」

「何よ、それ!」

「『純正オイル』というのは、その自動車メーカー(トヨタやホンダ)が『ウチの車のエンジンに一番合うように開発しました』という専用オイルだ。だから、適合性や安心感は100%だ。特にホンダの低粘度オイル(0W-20)などは、ホンダのエンジン特性に合わせて作られているからな。」

「じゃあ、それが一番いいじゃない。」

「だが、待て。純正オイルは一般的に『可もなくC22:D22もない』性能であることが多い。つまり、『80点』を狙ったオイルだ。そして、製造しているのは結局、カストロールやENEOS(新日本石油)などのオイルメーカーだったりする。」

【純正オイルのメリット】

  • とにかく安心。迷ったらコレで間違いない。
  • 特に新車保証期間中や、ハイブリッド車、ターボ車は純正指定を選ぶのが無難。

【純正オイルのデメリット】

  • ディーラーで交換すると、工賃込みで「割高」になるケースが多い。
  • 『もっと高性能を』『もっと安く』という個別のニーズには応えにくい。
  • 価格は、ディーラー価格だと6,000円~10,000円(工賃込)程度だが、ネットやカー用品店で『純正缶』を買えば、もう少し安く(4Lで4,000円~)手に入ることもあるぞ。

「なるほど…。『安心料』込みの価格って感じね。でも、ネットで安く買って持ち込むのは…?」

「H2-1で言った通り、『持ち込み工賃』が高くついて、結局トータルで損する可能性もある。そこが難しいところだ。」

コスパ最強はコレ? カー用品店・GSの「PB(プライベートブランド)」

「高いのも、ディーラーも微妙…。じゃあ、ウチの家計に一番優しいのはどれなのよ!」

「焦るな。そこで登場するのが、オートバックスやイエローハット、カインズホーム、そしてガソリンスタンド(ENEOSや出光)などが独自に販売している『PB(プライベートブランド)オイル』だ。」

「あ、見たことある! すごい安い缶のやつ!」

「そうだ。あれは、オイルメーカーに『ウチのブランド名で、このくらいの性能のやつを安く作って』とOEM(委託製造)しているものだ。中身はしっかりしたメーカー(例えばENEOS)が作っていることも多く、品質は必要十分だ。」

【PBオイルの特徴】

  • 価格:圧倒的に安い。特売日なら「鉱物油」で4L缶が2,000円台、「全合成油」でも4,000円台で買えることも。
  • 品質:ちゃんと「API規格(SN, SPなど)」という国際的な品質基準をクリアしているものがほとんどなので、粗悪品というわけではない。
  • 狙い目:「オートバックス」や「イエローハット」のPBは、会員なら交換工賃が無料(または数百円)になることが多い。
  • 懸念点:『ブランドの安心感』が薄い。また、ラインナップが「0W-20」や「5W-30」など『売れ筋』に絞られていることが多い。

「4Lで4,000円で工賃無料…!? 今までのカストロールとかの半額じゃない!」

「そうだ。H2-2で学んだ『安いオイル(鉱物油・部分合成油)を、こまめに替える』というパターンAを実践するなら、このPBオイル戦略は最強の『コスパ』を発揮する。我が家のように『ちょい乗り』が多くてオイルが汚れやすいなら、高級な全合成油を1年使うより、安いPBオイルを3,000kmごと(半年に1回とか)に交換する方が、エンジン内部をクリーンに保てる、という考え方もできるんだ。」

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交換する場所でここまで変わる!結局どこが「安くて安心」なんだ?

「よし、相場、オイルの種類、そしてメーカーまで、オレの理屈はほぼ固まった。」

「長かったわね…。で? 結局、ウチは『どのメーカー』のオイルを『どこ』で交換すればいいのよ? H2-3で『PB(プライベートブランド)オイル』が安いのは分かったけど。」

「うむ。だが、話はそう単純ではない。『安さ』だけでカー用品店のPBオイルに飛びつくと、思わぬ落とし穴にはまることもある。」

「え、どういうこと? 安くて工賃無料なんでしょ?」

「例えばだ。カー用品店のピット(作業場)が激混みで、オイル交換ごときに2時間待ちとか…怪獣(息子たち)を連れていたら地獄だろ? それに、慣れないアルバイトスタッフが作業して、万が一オイル漏れなんてことになったら…。」

「うわ、それは絶対イヤ! やっぱり高くても安心なディーラーがいいのかしら…?」

「だからこそ、H2-1で軽く触れた『交換場所』ごとのメリット・デメリットを、もっと深く掘り下げて『我が家にとっての最適解』を見つける必要があるんだ。ただ安い、ただ安心、じゃダメなんだ。」

【ディーラー】|絶対的な安心感。でも本当に「割高」なのか?

「まず、王道の『ディーラー』だ。ママが言うように『安心感』は最強だな。なんといっても、ウチの車を新車で売ってくれた張本人たちだからな。」

「そうよ。変なオイル入れられる心配もないし、他のところもついでに見てくれるかもしれないじゃない。」

「その通りだ。『メーカー純正オイル』という絶対的な保証と、その車種を知り尽くした整備士が作業してくれる安心感。これが最大のメリットだ。
だが、やはり工賃やオイル代(定価)は割高に設定されている。H2-3で見た『純正オイル』も、ディーラーで交換すると1万円近くすることがある。」

【ディーラーまとめ】

  • こんな人向け:新車(特に保証期間中)に乗っている人。お金を払ってでも『絶対の安心』を買いたい人。
  • パパ的視点:『オイル交換パック』みたいなメンテナンスプランに入っていれば割安になることもあるが、単発で頼むとやはり高い。ただ、輸入車や特殊なエンジン(ハイブリッドやターボ)に乗っているなら、ディーラー一択の安心感はあるな。

【カー用品店】|安さと品揃えの宝庫。ただし「待ち時間」と「勧誘」に注意

「じゃあ、やっぱり『安さ』の代表、オートバックスやイエローハットはどうなのよ?」

「H2-3で見たように、PBオイルの安さと工賃無料(会員特典)は魅力だ。オイルの種類(メーカー)も圧倒的に豊富だから、オレみたいに『カストロールの全合成油を試したい!』なんて思った時にも対応できる。」

「でも、さっき『落とし穴』があるって言ってたじゃない。」

「そうだ。まず『待ち時間』。土日なんかは激混みだ。それから『勧誘』だな。
『お客様、オイルがかなり汚れてますね…今回はこちらの高性能タイプはいかがですか?』
『ついでに、こちらのエンジン洗浄剤も入れると効果倍増ですよ!』
…と、知識がないと、結局『一番安いPBオイル』のつもりが、よく分からないオプションを付けられて、ディーラーと変わらない金額になる可能性もある。」

【カー用品店まとめ】

  • こんな人向け:自分で『このオイルを入れたい』と決めている人。セールや特売日を狙って、安く交換したい人。
  • パパ的視点:『今日は時間があるから、待ってもいいや』という日限定だな。そして『すみません、一番安いPBの部分合成油で、粘度は5W-30でお願いします。フィルター交換は不要です』と、理詰めで『NO』と言える強い意志が必要だ。」

【ガソリンスタンド】|『手軽さ』が魅力。でも一番『割高』になる危険性?

「じゃあ、私がいつもやっちゃう『ガソリンスタンド』は?」

「ああ、『給油ついで』に『すぐやってもらえる』…その手軽さは最強だ。だが、ママ。そこが一番の『カモられスポット』かもしれないぞ。」

「カモ!?」

「スタンドはオイルの種類が少ない上に、価格設定が曖昧なことが多い。H2-1の表でも『標準~高め』と書いただろう?
『キャンペーン中で、今ならこの最高級オイルが安くなってますよ!』
と言われて入れたら、実はカー用品店の倍近い値段だった…なんて話はザラだ。彼らも商売だからな、水抜き剤やタイヤ交換など、色々と勧めてくるぞ。」

【ガソリンスタンドまとめ】

  • こんな人向け:時間がない人。交換時期を忘れがちで、言われたタイミングでやりたい人。
  • パパ的視
    :よほど信頼できる『行きつけ』のスタンドで、かつ『価格と種類をちゃんと確認できる』ならアリだ。だが、基本的には『緊急避難』用と考えた方が家計には優しいな。」

【地域の整備工場(カー・ドックなど)】|安さと安心の「いいとこ取り」?

「ディーラーは高い、カー用品店は待つ、スタンドは怖い…。もうどうすればいいのよ!」

「そこで、第4の選択肢…『地域の整備工場』だ。例えば、今回オレが調べているキッカケになった『カー・ドック(CAR-DOC)』さんみたいな、街の車屋さんだな。」

「あ、近所にある『〇〇モータース』みたいなところ?」

「そうだ。ああいうところは、ディーラー出身の整備士さんがやっていたりして、技術はディーラー並みに確かなのに、料金はディーラーよりずっと良心的、というケースが多い。」

「でも、なんか入りにくくない? 常連さんばっかりで。」

「それがネックだな。だが、『カー・ドック』さんのサイトを見る限り、価格設定も明瞭で(例:軽自動車オイル交換 〇〇円~)、使っているオイル(ワコーズなど)にもこだわりがあるようだ。こういう『信頼できるプロ』を見つけておけば、オイル交換だけでなく、車検や急なトラブルの時も安心だ。」

「なるほど…。『かかりつけのお医者さん』みたいな車屋さんを見つけるのがベスト、ってことね。」

「その通りだ! 安いカー用品店や手軽なスタンドもいいが、『安さ』と『プロの安心感』を両立できる可能性がある、この『地域の整備工場』という選択肢は、理屈派のオレとしては非常に魅力的に映るぞ。」

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【まとめ】我が家の「最適解」は? コスパと安心で選ぶオイル交換術

「ふぅ…。長かったオレの検証も、ついに最終結論だ。」

「お疲れ様。で、結局、ウチのミニバンは『どのオイルを』『どこで』交換するのが一番賢いの? 私でも分かるように、結論だけお願い!」

「まあ、そう焦るな。ここまで理詰めで考えてきた結果、残念ながら『万人にとっての唯一の正解はない』ということが分かった。」

「えー! あれだけうんちく垂れといて、それ!? 結局『人による』ってこと?」

「いや、そうじゃない。『我が家の正解』は見つかった、ということだ。大切なのは『価格』『性能』『手間』『安心感』の何を優先するか。その家族の『車の使い方』によって、最適解は変わってくる。それをオレなりに整理してみたぞ。」

【結論】メーカー×交換場所×使用状況で「最適解」は変わる

「まず、我が家のような『ちょい乗りメインのミニバン』だが、たまに『長距離の帰省』もする、というパターン。これはH2-2でも言った通り、オイルにとっては過酷な状況(シビアコンディション)だ。」

「そうだったわね。安すぎるオイル(鉱物油)だと、すぐ劣化しちゃうんでしょ?」

「その通り。だから、オレが出した結論はこうだ。」

【サルヂエ家(ちょい乗りミニバン)の最適解】

  • 選ぶオイル:『部分合成油』または『PBの全合成油』(粘度はメーカー推奨の5W-30)
  • 選ぶ場所:『地域の整備工場(カー・ドックなど)』または『セールのカー用品店
  • 理由:「鉱物油」では心もとないが、「高級全合成油(Mobil 1など)」はオーバースペック。間の「部分合成油」か、安い「PB全合成油」で性能と価格のバランスを取る。
  • 場所の理由:「カー用品店」で工賃無料を狙うか、H2-4で見つけた『カー・ドック』のような、プロに安心してお任せできて、かつディーラーより安い『かかりつけ医』を見つけるのが、長い目で見て一番の『コスパ(安心感込み)』になる、とオレは判断した!

「なるほど! 『安いPBオイル』と『プロの安心感』のイイトコ取りを狙うわけね!」

価格だけで選ぶな! 車の状態や使用頻度こそが判断基準

「ママも分かってきたじゃないか。結局、一番ダメなのは、H2-1で言った『よく分からないまま、お店のオススメ(割高品)を買う』ことだ。」

「うっ…耳が痛いわ。」

「価格が安い『鉱物油』を選んでも、交換サイクル(3,000kmごと)をしっかり守れるなら、それは立派な節約術だ。逆に、オレみたいにズボラで交換を忘れがちなら、あえて高性能な『全合成油』を選んで、交換サイクルを標準(5,000km~7,000km)に戻す、というのも理にかなっている。」

「要は、自分の車の使い方と、自分の性格に合わせて選びなさいってことね。」

「そうだ! 車が『軽自動車』なのか『輸入車』なのか、『毎日長距離』乗るのか『週末のちょい乗り』だけなのか。その『使用状況』こそが、オイル選びの最大の判断基準なんだ。」

年間維持費を見直すなら、まずは「オイル選び」から

「それにしても、オイル交換一つでこんなに奥が深いとはな…。オイル交換って、車に乗る限り、半年に1回、少なくとも年に1回は必ず発生する『固定費』みたいなもんだ。」

「確かに。車検みたいにドカンと来ないけど、ジワジワ家計を圧迫してるわよね。」

「だろ? 1回の交換で2,000円違えば、年に2回で4,000円。10年乗れば40,000円だ。この『小さな差額』を意識するかどうかが、年間の『車両維持費』トータルで見ると大きな節約につながる。」

「4万円! それなら息子たちの新しい靴が何足買えることか…。」

「そういうことだ。だからこそ、ディーラーに『お任せ』にし続けるんじゃなく、今回オレがやったように、一度理詰めで『我が家の最適解』を考えてみる。それこそが、『なんでも自分達で調べてやってみる』我が家のコンセプトにも合致する、賢い節約術だとオレは思うぞ! よし、まずは近所の『カー・ドック』に電話して、ワコーズのオイルがいくらか聞いてみるか!」

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