車検

【2025年最新】ブレーキフルード交換の費用相場とおすすめメーカー比較ガイド

(パパ)「お、ママ。ちょうどこの前、車検の見積もり取っただろ? あの項目にあった『ブレーキフルード交換』ってやつ、気になってないか?」

(ママ)「あ、それ! なんかよく分からないけど、2年ごとくらいに交換すすめられるわよね。『ブレーキ“オイル”』でしょ? エンジンオイルみたいに、本当にやらないとダメなの? 正直、ちょっと高いなーって思ってるんだけど。」

(パパ)「ふっふっふ。いいところに目を付けたな、ママ。まず厳密に言うと、あれは“オイル(油)”じゃなくて“フルード(液体)”なんだ。主成分はグリコールエーテル系で……」

(ママ)「はいはい、パパのうんちくはいいから。で、結局、交換しないとどうなるのよ?」

(パパ)「まあ待て。簡単に言うと、ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキに伝える『血液』みたいなものだ。これが劣化すると、ブレーキが効きにくくなる(※ベーパーロック現象)可能性がある、超重要な部品なんだぞ。」

(ママ)「え、そうなの!? それは怖い……。でも、気になるのはやっぱりお値段よ。あの見積もりって、本当に適正価格なの? もっと安くできる方法とかないわけ?」

(パパ)「だろうと思った。ディーラーの見積もりだけ見て『高い!』って即決するのはまだ早い。かといって、安ければ何でもいいわけでもないのが、このブレーキフルードの難しいところだ。」

(ママ)「もー、理屈っぽい! 結局どうすればいいのよ!」

(パパ)「よーし、わかった。それなら我が家(サルヂエファミリー)のコンセプト『なんでも自分達で調べてやってみる』の精神で、今回はこの『ブレーキフルード交換』にかかる費用相場から、メーカーごとの性能の違い、どこで交換するのが一番賢い選択なのか、徹底的に調べてみたぞ! これを読めば、ママも次の車検で見積もりをビシッと判断できるようになるはずだ!」

まずは押さえるべし!ブレーキフルード交換の費用相場

(パパ)「さて、まずは一番気になる『結局、いくらかかるの?』という疑問から解決していこう。この相場観を知らないと、提示された見積もりが“妥当”なのか“割高”なのか、判断のしようがないからな。」

(ママ)「そうなのよ。ディーラーで『1万5千円です』って言われたら、そんなものかなって思っちゃうもん。」

(パパ)「うむ。だが、ブレーキフルード交換の費用は、大きく分けて『①フルード本体の価格』『②交換工賃』の2つで決まる。そして、その総額は『どこで交換するか』で劇的に変わってくるんだ。」

軽自動車・コンパクトカー・ミニバン・輸入車の違い

(ママ)「うちみたいなミニバンと、お隣さんの軽自動車じゃ、やっぱり値段も違うんでしょ? 車体が大きいんだから、オイル(フルードだってば)もいっぱい使うんじゃない?」

(パパ)「それが面白いところでな。実は、ブレーキフルードの使用量自体は、軽自動車(約0.5L)でもミニバン(約1.0L)でも、そこまで劇的な差はないんだ。もちろん多少は違うが、それが価格を数千円も押し上げるほどの要因にはなりにくい。」

(ママ)「え、そうなの? 意外。」

(パパ)「ああ。だから『軽自動車だから安い』『ミニバンだから高い』とは一概に言えない。それよりも注意すべきは『輸入車』『一部のハイブリッド車・電気自動車』だな。」

パパのうんちくメモ:車種による価格差の真実

  • 使用量の差は小さい: ほとんどの乗用車(国産)は、1.0L缶1本あれば足りることが多い。
  • 工賃が変わるケース:
    • 輸入車: ブレーキの構造が特殊だったり、専用のフルード(DOT4 LVやDOT5.1など)が指定されていたりする場合、フルード本体代も工賃も高くなる傾向がある。
    • 先進安全装備搭載車: 電子制御ブレーキシステム(ハイブリッド車のアクティブブレーキなど)は、交換作業に専用の診断機(スキャンツール)が必要な場合があり、その分工賃が上乗せされることがあるんだ。

(パパ)「つまり、車種による違いは『フルードの量』より『作業の難易度や特殊性』で変わる、と覚えておくといい。」

ディーラー vs カー用品店 vs 民間整備工場の料金比較

(パパ)「さて、ここからが本題だ。車種の違いよりもっと直接的に費用に響くのが、『どこに作業を依頼するか』だ。これはもう、ハッキリ言って全然違うぞ。」

(ママ)「出た、パパの比較うんちく。で、結局どこが安いのよ?」

(パパ)「まあ待て。安さだけで選ぶと痛い目を見るのが整備の世界だ。『安心感』『価格』『手軽さ』のバランスを、俺なりに比較してみた。」

▼ 交換場所ごとの費用相場と特徴比較

交換場所 費用相場(工賃+本体代) メリット デメリット
正規ディーラー 10,000円 ~ 18,000円 圧倒的な安心感。その車種専用の作業ノウハウがあり、使用するフルードも間違いなく「純正指定品」 費用が最も高い。工賃設定が高めなのと、フルード本体も定価販売が基本。
カー用品店
(オートバックス、ジェームス等)
6,000円 ~ 12,000円 価格が比較的リーズナブルで明朗会計。使用するフルードを自分で選べる場合も多い。 作業の質は店舗やスタッフによる可能性もゼロではない。混雑時は待ち時間が長いことも。
民間整備工場
(街の整備工場)
5,000円 ~ 10,000円 最も安価になるケースが多い。地域密着型で融通が利くことも。 お店を探すのが手間。技術力や設備に差があるため、信頼できる工場を見極める必要がある。

(ママ)「うわっ、ディーラーやっぱり高い! 民間整備工場ってところなら、半額くらいになる可能性もあるってこと?」

(パパ)「その通り。ただし、民間整備工場はまさにピンキリだ。『安かろう悪かろう』ではブレーキという重要部品は任せられない。だからこそ、『安くて、かつ信頼できる整備工場』をどう見つけるかが鍵になるんだ。」

交換工賃とフルード本体価格の内訳

(パパ)「なぜこれほど価格差が出るのか、その『内訳』をもう少し掘り下げてみよう。総額費用は『工賃』と『フルード代』で構成されていると言ったな。」

  • ① 交換工賃の相場:
    • だいたい 4,000円〜7,000円あたりが一般的な相場だ。
    • ディーラーは、この基本工賃設定がそもそも高め(ブランドの安心料とも言える)なことが多い。
  • ② フルード本体代の相場:
    • 使用量は1.0L前後。フルード自体の価格は、後で詳しく説明するが 1,000円〜4,000円程度と幅がある。
    • ディーラーは「純正フルード」を使うから、これが2,000円〜3,000円程度。
    • カー用品店だと、1,000円台の安い「DOT3」規格のものから、4,000円近くする高性能な「DOT4」規格のものまで選べる。

(ママ)「なるほど…。ディーラーは『高い工賃+高い純正品』、カー用品店は『そこそこの工賃+選べるフルード代』、民間整備工場は『安い工賃+お店おまかせのフルード代』って感じね。」

(パパ)「その理解でほぼ間違いない。つまり、費用を抑えたいなら、ディーラー以外の選択肢、特にカー用品店や民間整備工場を検討すべきだ。だが、問題は『じゃあ、どのフルードを選べばいいの?』そして『信頼できる安い整備工場ってどう探すの?』ってことだろ?」

(ママ)「そうそう!そこなのよ!」

(パパ)「よし、次の章では、その『フルード本体』に焦点を当てる。ワコーズだのボッシュだの、いろんなメーカーがあるが、一体どれがコスパがいいのか。そこを理屈っぽく比較していくぞ。」

主要メーカー別|ブレーキフルードの価格と性能比較

(パパ)「さてママ。前の章で、交換費用を左右する要因の一つが『フルード本体の価格』だと話したな。カー用品店に行くと、いろんなメーカーの缶が並んでいて、値段もピンキリだ。」

(ママ)「そうなのよ。なんかカラフルな缶とか、英語ばっかり書いてある缶とか。ワコーズ?とかいうのは高いイメージあるし、かといって安すぎるのもブレーキだけに不安だし…。結局、ディーラーで言われるまま『純正』にしておくのが無難なのかなって思っちゃう。」

(パパ)「ふっふっふ。その思考停止こそ、節約の最大の敵だ。メーカーごとの特徴と、フルードの『規格』さえ理解すれば、何も怖くない。むしろ、我が家の使い方に最適な、コスパの良い選択ができるようになるぞ。」

ワコーズ/ボッシュ/カストロール/トヨタ・ホンダ純正など

(パパ)「まず、よく目にする代表的なメーカーの特徴を、価格帯と性能のイメージでざっくり比較してみよう。あくまで俺の主観も入るが、大きくは外れていないはずだ。」

▼ 主要ブレーキフルードメーカーの特徴比較(イメージ)

メーカー名 価格帯(1Lあたり) 特徴・性能イメージ こんな人におすすめ
自動車メーカー純正品
(トヨタ、ホンダ等)
2,000円 ~ 3,500円 ザ・標準。そのメーカーの車に最適化されており、品質は折り紙付き。良くも悪くも「普通」。 「とにかく純正じゃないと不安」という人。ディーラーでの交換がメインの人。
Wako's (ワコーズ) 3,000円 ~ 6,000円 高性能・高品質。レースやスポーツ走行向け製品も多く、品質への信頼が厚い。価格は高め。 性能にこだわりたい人。車のポテンシャルを最大限引き出したい(と思っている)人。
Bosch (ボッシュ) 1,800円 ~ 4,000円 欧州車に強い。ドイツのメーカーだけあり、輸入車向けの規格(DOT4 LVなど)も豊富。品質も安定。 輸入車オーナー。質実剛健なドイツ品質に魅力を感じる人。
Castrol (カストロール) 1,500円 ~ 3,000円 バランス型。エンジンオイルで有名だが、フルードも手堅い性能。比較的安価で手に入りやすい。 コスパとブランドの知名度を両立させたい人。
Kure (呉工業) 1,200円 ~ 2,500円 低価格・安定供給。「CRC5-56」でおなじみ。手頃な価格だが、もちろん規格(JIS/DOT)はクリアしている。 「とにかく安く、でも変なメーカーは嫌だ」という現実的なコスパ重視派。

(ママ)「なるほど…。ワコーズはやっぱり高いけど、Kureみたいにお手頃なのもあるのね。純正品って、別に性能が一番高いってわけでもないんだ。」

(パパ)「うむ。純正品は『その車にとっての“最適解”』ではあるが、『市場で一番高性能な製品』とは限らない。そして、重要なのはメーカー名よりも、次に話す『規格』なんだ。」

DOT3・DOT4のグレード差と選び方

(ママ)「出た! 缶に書いてある『DOT3(ドットスリー)』とか『DOT4(ドットフォー)』ってやつ。あれ、数字が大きい方がエライの?」

(パパ)「鋭いな。その理解でだいたい合っている。これはアメリカの運輸省(Department of Transportation)が定めた規格で、主に『沸点の高さ』でグレード分けされているんだ。」

(ママ)「沸点? お湯が沸騰する、あれ?」

(パパ)「そうだ。ブレーキフルードは、ブレーキを踏んだ時の摩擦熱で高温になる。さらに、フルードは空気中の水分を吸いやすい性質(吸湿性)があってな。水分を含んだフルードが高温になると、その水分が沸騰して気泡(ベーパー)が発生する。この気泡がペダルを踏んだ力を邪魔して、ブレーキがスカスカになる…これが『ベーパーロック現象』だ。」

(ママ)「こわっ! それを防ぐために、沸点が高い方がいいってことね。」

(パパ)「その通り。規格ごとの沸点の基準を見てみよう。」

▼ ブレーキフルード規格(DOT)の主な違い

規格 ドライ沸点 (新品時) ウェット沸点 (吸湿時※) 主な特徴・用途
DOT3 205℃ 以上 140℃ 以上 一般的な国産車(新車時)で最も多く使用されている。価格が安い。
DOT4 230℃ 以上 155℃ 以上 欧州車や高性能車、比較的新しい国産車で使用。DOT3より高性能だが、吸湿性がやや高いとも言われる。
DOT5.1 260℃ 以上 180℃ 以上 DOT3/4と同じグリコール系。レース用や一部の高性能車向け。非常に高性能だが高価。
DOT5 260℃ 以上 180℃ 以上 シリコン系。DOT3/4とは混ぜられず互換性なし。特殊(ハーレー等)なので今回は無視してOK。

※ウェット沸点:約3.7%の水分を含んだ状態での沸点。使用1~2年後を想定した数値。

(パパ)「注目すべきは『ウェット沸点』だ。新品時の性能(ドライ沸点)が高くても、水分を吸ったらガクンと沸点が下がる。いかに劣化時(吸湿時)に性能を維持できるかが重要なんだ。」

(ママ)「じゃあ、みんなDOT4とかDOT5.1にすればいいじゃない。」

(パパ)「それがそう単純でもない。DOT4や5.1は、DOT3に比べて高性能なぶん、価格が高い。さらに、一般的に高性能なフルードほど吸湿性が高く、劣化が早い(=交換サイクルが短くなる)傾向があると言われている。」

(ママ)「えー、高性能なのに劣化が早いって、どういうこと?」

(パパ)「沸点を上げるための添加剤(ホウ酸エステル等)が、水分と結びつきやすい性質を持つからだ。だから、DOT3指定の車にDOT4を入れるのは性能アップになるからOK(逆はNG)だが、その高性能を維持するには、やはり車検ごと(2年)の定期交換が必須になる。」

サーキット用途 vs 一般家庭向けの違い

(パパ)「つまり、こういうことだ。サーキットでコンマ1秒を争うような走り方をするなら、ブレーキに超高温の負荷がかかるから、DOT5.1のような高性能フルードが必須だ。だが……」

(ママ)「私たちが、子供を乗せてスーパーや実家に行くのに、そんな性能は要らないわよね。」

(パパ)「その通り! 我々サルヂエファミリーのような一般家庭の乗り方(街乗り、たまの高速、キャンプでの坂道)であれば、メーカー指定の規格(多くはDOT3かDOT4か)で十分すぎる性能なんだ。」

(ママ)「じゃあ、結論は?」

(パパ)「結論。メーカー名(ワコーズとか)やブランドイメージに踊らされる必要はない。まず『車の指定規格(DOT3かDOT4か)』を確認すること。その上で、『規格をクリアした、信頼できるメーカーの製品』(純正品、ボッシュ、カストロール、Kureなど)を選べば、安全性もコストも両立できる。無理して高いワコーズを選ぶ必要は、必ずしもないってことだ。」

(ママ)「なるほどねー。メーカー比較も大事だけど、まずは足元の『規格』を見ろ、と。ちょっと理屈っぽいけど、納得したわ。」


交換する場所でこんなに変わる!費用と安心のバランス

(パパ)「さて、ここまでの話を整理しよう。まずで、交換場所によって費用総額が大きく変わることを確認したな。そしてで、フルード本体はメーカーやブランドより『規格(DOT3/4)』が重要だと理解した。」

(ママ)「うんうん。ディーラーが高いのは『安心料』込みだって話と、フルード自体はKureみたいな安いのでも規格さえ合ってればOKって話だったわよね。」

(パパ)「その通り。だが、ここでもう一つの大きな問いが残る。『じゃあ、具体的にどこで交換するのが、我が家にとってベストバランスなのか?』だ。H2-1では費用相場だけを比較したが、今度は『安心感』や『技術力』といった、値段だけでは測れない部分も踏み込んで比較してみるぞ。」

ディーラー|高めだが純正指定で安心感

(パパ)「まずは王道、『正規ディーラー』だ。ママが言う通り、最大のメリットは『圧倒的な安心感』に尽きる。」

(ママ)「そりゃそうよね。自分のところの車なんだから、失敗されようがないっていうか。」

(パパ)「うむ。ディーラーは、そのメーカーの車を専門に扱っているプロ集団だ。うちの車(例えばホンダならホンダ)のブレーキシステムの構造、弱点、そして交換作業の正しい手順(特に電子制御ブレーキ搭載車)を熟知している。使うフルードも、もちろんメーカーがテストを重ねた『純正フルード(DOT4)』だ。」

パパのうんちくメモ:ディーラーの「安心」の内訳

  • ① 純正フルードの使用: 車両との相性テストをクリアしたフルードを使うため、まず間違いない。
  • ② 車種特化のノウハウ: ハイブリッド車のエア抜き作業など、特殊な手順が必要な車種でも確実に対応できる。
  • ③ 整備記録(カルテ)の管理: 「いつ、何キロで、どの部品を交換したか」が全てデータで残るため、次のメンテナンス時期も正確に把握できる。

(ママ)「うーん、聞けば聞くほど、やっぱりディーラーが無難な気がしてきちゃう…。高くても、ブレーキが効かなくなったら元も子もないし。」

(パパ)「その判断は間違っちゃいない。だが、『安心』と『過剰』は紙一重だという視点も必要だ。例えば、車検のついでに『予防整備』として、まだ交換しなくてもいい部品まで交換を勧められるケースもゼロじゃない。ディーラーは『安全マージン』を最大限に取るから、どうしてもコストは上がる。その『安心料』に1万5千円を払うか、どうかが論点だ。」

オートバックス・イエローハット|価格帯とキャンペーン活用術

(パパ)「次に、ディーラー以外の有力候補、『カー用品店(オートバックスやイエローハットなど)』だ。H2-1で見た通り、費用はディーラーより数千円安くなるのが魅力だな。」

(ママ)「そうそう! CMもよくやってるし、入りやすい雰囲気はあるわよね。フルードも自分で選べるって言ってたし。」

(パパ)「ああ。カー用品店の強みは、その『価格の透明性』『選択肢の多さ』だ。工賃も『ブレーキフルード交換:◯◯円〜』と明確に表示されていることが多いし、H2-2で比較したような各種メーカーのフルードが棚に並んでいる。」

(ママ)「でも、パパが言ってた『作業の質は店舗やスタッフによる』ってのが気になるんだけど。アルバイトの人とかがやる可能性もあるわけ?」

(パパ)「そこは心配ない。ブレーキは『特定整備(分解整備)』にあたる重要な作業だから、必ず国の認証を受けた整備工場(認証工場)であり、有資格者(整備士)が作業を行うことが法律で義務付けられている。オートバックスなども当然この認証を受けているから、無資格のスタッフが作業することはない。」

(ママ)「なら安心ね。じゃあ、なんでディーラーより安いの?」

(パパ)「理由はいくつかあるが、一つは『フルード本体の仕入れ価格』だ。大量仕入れで安く調達できるし、低価格なPB(プライベートブランド)製品も持っている。そして、俺たち消費者が活用すべきなのが『キャンペーン』『会員割引』だ。」

サルヂエ流・カー用品店活用術

  • 車検とのセット割を狙う: 「車検と同時申込みでブレーキフルード交換半額!」といったキャンペーンは定番だ。
  • 会員特典を活用: 年会費(数百円程度)を払うと、基本工賃が無料になったり、割引が適用されたりする店舗も多い。交換頻度を考えれば、十分元が取れる。
  • WEB予約を活用: 事前にWEBでピット作業を予約すると、待ち時間が短縮できるだけでなく、WEB限定の割引が適用されることもあるぞ。

(パパ)「つまり、カー用品店は『安心感はディーラーに一歩譲るかもしれないが、価格と手軽さ、選択肢の多さで勝負』という立ち位置だな。」

スタンド・民間整備工場|安さ重視?技術力とのバランス

(パパ)「最後が、穴場とも言える『ガソリンスタンド(GS)』『街の民間整備工場』だ。」

(ママ)「ガソリンスタンドでもやってくれるの? タイヤ交換とか洗車だけじゃないんだ。」

(パパ)「うむ。最近は『車検やります』『整備もOK』と掲げているGSも多い。ここもカー用品店と同じで、認証工場でなければブレーキ交換はできないから、看板を掲げている時点で一定の基準はクリアしている。」

(ママ)「で、費用は一番安い可能性が高い、と。」

(パパ)「傾向としてはそうだな。特に民間整備工場は、ディーラーのような立派なショールームもなければ、カー用品店のような大量の在庫もない。そのぶん、固定費が安いから工賃も安く設定できることが多いんだ。」

(ママ)「じゃあ、もうそこでいいじゃない!」

(パパ)「まあ待て。問題は『技術力と設備のバラツキ』だ。民間整備工場は、まさに『親父さんの腕一本』でやっているような所から、最新の診断機を揃えている所まで千差万別だ。特に、うちの車みたいなハイブリッド車や先進安全装備(ADAS)搭載車のブレーキフルード交換は、専用の診断機(スキャンツール)を繋いでブレーキシステム内のバルブを強制的に開閉しないと、古いフルードが完全に抜けきらない車種があるんだ。」

(ママ)「なにそれ、面倒くさい…。」

(パパ)「そうだ。その設備がない工場だと『ウチでは対応できません』と断られるか、最悪の場合、古いやり方で交換してしまってエアが噛む(ブレーキが効かなくなる)リスクすらある。GSも同様で、対応できる車種や整備士の熟練度に差がある可能性は否定できない。」

(パパ)「だから、安さだけを求めて飛び込むのは危険だ。もしGSや民間工場に頼むなら、『自分の車種(特にハイブリッドや輸入車)の交換実績があるか』を事前にしっかり確認する必要がある。それが面倒なら、やはりディーラーかカー用品店が無難、ということになるな。」

コスパ重視派におすすめ!価格と信頼性で選ぶ3メーカー

(パパ)「さてママ。ここまでの議論で、『ディーラーは安心だが高い』『カー用品店や民間工場は安いが、フルード選びや技術力の見極めが鍵』ということが分かったな。」

(ママ)「うん。で、結局、ディーラー以外で交換するとして、フルード本体はどれを選べばいいのよ? H2-2でメーカー比較は見たけど、いまいち決め手に欠けるというか…。『規格さえ合ってればKureでもいい』って言われても、やっぱりちょっと不安が残るのが主婦ゴコロなのよ。」

(パパ)「ふっふっふ、だろうと思った。安かろう悪かろうは誰だって避けたいからな。特にブレーキという命に関わる部品ならなおさらだ。」

(ママ)「そう! 安くしたいけど、ケチって事故ったら意味ないじゃない。」

(パパ)「そこでだ。ここでは『単に安い』だけではなく、『信頼性も担保しつつ、価格がリーズナブル』という、まさに“コスパ重視”なサルヂエファミリー向けのメーカー選びの視点を伝授しよう。俺なりに『これは無難だ』と判断したメーカーや製品をピックアップしてみたぞ。」

高性能だけど高すぎない「バランス型」メーカー

(パパ)「まず、俺が注目しているのが『高性能』と『価格』のバランスが取れたメーカーだ。H2-2で紹介した『Wako's(ワコーズ)』は、確かに高性能だが、我々ファミリーカーには明らかにオーバースペックで高価だ。」

(ママ)「そうね、F1カーじゃないんだから。」

(パパ)「そこで俺が推したいのが、『Bosch(ボッシュ)』『Castrol(カストロール)』といった、世界的な大手メーカーだ。」

  • Bosch (ボッシュ):
    • ドイツのメーカーで、世界中の自動車メーカーに部品を供給(OEM)している巨大企業だ。つまり、メーカー純正品を作っている“中の人”でもあるわけだ。
    • 品質管理は世界トップレベル。特に欧州車向けのDOT4規格や、最近の先進安全装備(ESP/ABS)に適した低粘度フルード(DOT4 LVなど)に強い。
    • 価格もワコーズほど高くなく、1L缶で2,000円〜3,000円程度。純正品と同等か、それより少し安いくらいで、純正品レベルの信頼性が手に入ると考えれば、非常にコスパが高い。
  • Castrol (カストロール):
    • エンジンオイルで世界的に有名だが、ブレーキフルードも手堅い。BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)グループの潤滑油ブランドだな。
    • モータースポーツでの実績も豊富で、品質は間違いない。それでいて、価格はボッシュよりさらに安価な傾向があり、1,000円台後半から手に入ることも多い。

(ママ)「なるほど。ボッシュとかカストロールなら、名前も聞いたことあるし安心ね。ディーラーの純正品と値段が変わらないか安いくらいなら、こっちを選ぶのも全然アリだわ。」

Amazon・楽天で手に入る評判の高コスパ製品

(パパ)「そうだろ? さらにコストを追求するなら、ネット通販(Amazonや楽天)を覗いてみるのも手だ。店舗(カー用品店)で買うより、フルード本体が安く買えることが多いからな。」

(ママ)「え、でもフルードだけネットで買ってどうするのよ。交換は自分じゃできないでしょ?」

(パパ)「もちろんそうだ。これは『フルード(部品)持ち込みOK』の整備工場を探すのが前提になる。さっき話した民間整備工場の中には、持ち込みでも工賃だけで作業してくれる所があるんだ。」

(ママ)「へえー、そんなのアリなんだ。」

(パパ)「ああ。その場合、フルード本体代を極限まで安くできる。そこでネットで評判がいい高コスパ製品が、H2-2でも出てきた『Kure(呉工業)』や、カー用品店の『PB(プライベートブランド)品』だ。」

パパのうんちくメモ:ネットの高コスパ品

  • Kure (呉工業): DOT3もDOT4も、1L缶が1,500円前後で手に入ることが多い。もちろん日本のJIS規格もDOT規格もクリアしているから、性能的な不安はまったくない。
  • カー用品店のPB品: 例えばオートバックスの「AQ.」シリーズや、ジェームスの「TACTI(タクティ)」ブランド(※これはトヨタ系部品共販)など。これらも大手メーカーが製造していることが多く、安価(1,000円台〜)だが品質は安定している。

(パパ)「ただし、この『持ち込み作戦』には注意点がある。整備工場によっては『持ち込み工賃』として通常より割高な工賃を設定していたり、そもそも持ち込みを断られたりするケースも多い。事前に電話で確認が必須だ。」

プロ整備士が選ぶ“実はこれが無難”なメーカー

(パパ)「最後に、俺が元整備士の友人にこっそり聞いた話なんだが…。『結局、色々あるけど何使ってる?』と。」

(ママ)「お、そういう裏話好きよ。」

(パパ)「彼が言うには、『正直、お客さんから強い指定がなければ、ウチは昔からコレって決まったメーカーのペール缶(業務用の20L缶)を使ってるよ』とのことだった。」

(ママ)「メーカーは?」

(パパ)「それが面白いんだが、ワコーズでもボッシュでもなく、『日産純正(PITWORK)』『ホンダ純正(ウルトラ)』、あるいは『CCI(シーシーアイ)』みたいな、一般にはあまり知られていない化学メーカーの製品だったりするそうだ。」

(ママ)「なんでまた?」

(パパ)「理由は単純明快。『(1)長年使っていてトラブルが一度もない信頼性』と『(2)ペール缶で仕入れた時のコストの安さ』だ。プロの現場は、この2点のバランスで選んでいる。」

(パパ)「つまりだ。我々が『ワコーズじゃなきゃ不安だ』とか『ボッシュが最高だ』とか悩んでいるのは、ある意味で贅沢な悩みなんだ。プロから見れば、『日本の規格(JIS K 2233)やDOT規格をクリアしているメジャーなメーカー品なら、ぶっちゃけ何を使っても一般道では全く問題ない』というのが本音らしい。」

(ママ)「なるほどねぇ…。結局、ディーラーで『純正です』って入れられてるのも、カー用品店で『おまかせで』って入れられてるのも、中身は信頼できるメーカー品ってことね。」

(パパ)「そういうことだ。だから、コスパを追求するなら『規格(DOT3 or 4)さえ合っていれば、メーカーには過度にこだわらない』というのが、一つの賢い結論だな。」

まとめ|性能と価格、どちらも妥協せず選ぶポイント

(パパ)「さてママ、長々とブレーキフルード交換の費用やメーカー比較について語ってきたが、どうだ? かなり“うんちく”が溜まったんじゃないか?」

(ママ)「もー、相変わらず理屈っぽいんだから。でも、正直助かったわ。今まではディーラーの言いなりに『はい、お願いします』だったけど、次からは『ちょっと待った!』って言えそう。」

(パパ)「うむ。それが大事なんだ。高い買い物を『なんとなく』で決めるのは、サルヂエファミリーの流儀に反するからな。最後に、今回の調査結果を我が家なりにまとめてみよう。」

(ママ)「結局、『安くて安心』が一番なのよ。で、どうすればいいの?」

(パパ)「焦るな。安さだけを追い求めると、重要なことを見失うぞ。」

安さだけで選ばない!安全部品だからこそ信頼性重視

(パパ)「まず、俺が一番言いたいのはこれだ。『ブレーキフルードは命を預ける最重要部品の一つである』ということ。エンジンオイルなら、仮に粗悪品を入れてもエンジン不調で済むかもしれんが、ブレーキは『効かなくなる』=『即事故』だからな。」

(ママ)「うっ…それは本当にそうね。いくらKureが安くて規格品だと言われても、やっぱり不安がゼロかって言われると…。」

(パパ)「ああ。H2-4で『規格さえ合えばメーカーは問わない』とは言ったが、それはあくまで『信頼できるメーカー(ボッシュ、カストロール、Kure、純正品など)』という大前提があっての話だ。出所不明の激安ノーブランド品などは論外だ。」

(パパ)「だから、我々が取るべきスタンスは『信頼性(=安心)を担保した上で、いかにコスト(=費用)を下げるか』だ。順番を間違えてはいけない。」

年間整備費用を見直すなら、まずは“賢い選択”から

(パパ)「では、どうやって『安心とコスト』を両立させるか。俺たちの選択肢はこうだ。」

▼ サルヂエ流・ブレーキフルード交換の賢い選択肢

  1. 『安心』最優先なら…
    • ディーラーに任せる。費用は1.2万〜1.8万と高いが、純正フルードと車種専門の技術力という安心が手に入る。特にハイブリッド車や輸入車は、これが無難。
  2. 『コストと安心のバランス』重視なら…
    • カー用品店(オートバックス等)を利用する。
    • フルードは、純正品と同等かそれ以上の信頼性がある『Bosch』『Castrol』のDOT4規格品を選ぶ。
    • これならフルード代(約2,000円)+工賃(約5,000円)で、総額7,000円〜10,000円程度に収まる可能性が高い。ディーラーより数千円安く、安心感も高い。
  3. 『コスト』最優先なら(※ただし手間はかかる)…
    • 民間整備工場を探す。
    • この時、H2-3で言ったように『ハイブリッド車の実績』などを確認するのが面倒だ。

(ママ)「なるほど…。ディーラーに丸投げするより、カー用品店で『ボッシュのDOT4でお願いします』って自分で指定するだけで、数千円浮く可能性があるってことね!」

(パパ)「そういうことだ! 年間の整備費用全体で見れば小さな差かもしれないが、こういう“賢い選択”の積み重ねが、家計の節約に繋がっていくんだ。」

次回交換時期も見越して「使い続けられる」メーカーを選ぶ

(パパ)「そして最後にもう一つ。ブレーキフルードは、車検ごと(=2年ごと)に定期交換が必要な『消耗品』だということだ。」

(ママ)「そうだった。今回だけ安くても、次また高かったら意味ないもんね。」

(パパ)「その通り。だから、今回たまたま安かったワコーズの特価品を使う、とかではなく、『2年後も安定して手に入る価格と品質の製品』を選ぶことが重要だ。そういう意味でも、純正品やボッシュ、カストロールといった大手メーカーのスタンダード品(DOT4)は、価格変動が少なく、どこでも手に入りやすいため『使い続けられる』選択肢として最適なんだ。」

(ママ)「なるほどねー。よく分かったわ。次の車検の見積もり、パパと一緒にチェックするからね!『ブレーキフルード、今回はボッシュ持ち込みで!』とか言っちゃおうかしら。」

(パパ)「おいおい、持ち込みは工賃を要確認だぞ。まずはカー用品店の見積もりと比較してからだ。何事も、調査と検証。それがサルヂエファミリーだからな!」

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