やあ、みんな。サルヂエファミリーの理屈派パパだ。
つい先日、我が家のポストに届いた一通の封筒。そう、年に一度の「自動車保険の更新」のお知らせだ。
「うわ、またこれ? なんかさ、ウチの保険料、高くない?」
横から覗き込んだママが、いつもの直感でそう呟く。
確かに、ここ数年、特に事故も起こしていないのに保険料はほぼ横ばい。いや、むしろちょっと上がってる気さえする。我が家が契約しているのは、言わずと知れた「東京海上日動」。安心のトップブランド…と信じて契約したわけだが。
「『なんか高い』じゃダメだろう。高いなら高いなりの理由があるはずだ。そもそも、本当に相場より高いのか? 俺たちの『なんとなく』で判断していい金額じゃないぞ」
そう、俺は理屈っぽい。だが、家計のこととなれば尚更だ。
怪獣二匹(息子たち)の将来のためにも、節約できるところは1円だって見直したい。
「でもさー、安くして事故った時に『これも対象外、あれも対象外』とか言われるのは絶対イヤよ? 安心はお金で買えるなら、そっちがいいじゃない」
ママの言うことも一理ある。直感だが、的を射ている。
自動車保険の見直しで一番やっちゃいけないのは、「安さ」だけを追い求めて、肝心な「補償」を削り落としてしまうことだ。
よし、決めた。
今回のサルヂエファミリー「やってみる」企画は、これだ。
「東京海上日動は本当に高いのか? 補償を減らさずに家計の納得感を高める、自動車保険の見直し術」
ただ安い保険に乗り換えるんじゃない。俺たち家族にとって「ちょうどいい」補償と「納得できる」保険料のバランスはどこにあるのか。
理屈(データ)と直感(安心感)を総動員して、徹底的に検証してみようじゃないか。
東京海上日動の自動車保険は本当に高いのか?相場比較で見える“価格の正体”
「パパ、まず何から調べるの? 難しい話はパスだからね」
「わかってる。まずは『事実確認』だ。俺たちが払っている保険料が、世間一般と比べて本当に高いのかどうか。そこからだろ」
ママは「高いに決まってる」と決めつけてるフシがあるが、まずは客観的なデータと比べてみないことには始まらない。
同条件で比較してみた平均保険料(年齢・等級・車種別)
「みんな、一体いくらくらい払ってるんだろうね?」
素朴な疑問だが、これが結構重要だ。
とはいえ、自動車保険料ってのは、本当に千差万別。運転する人の年齢、免許証の色、住んでる地域、車の種類、そして何より「等級」でガラッと変わる。だから「Aさんは5万円なのにウチは8万円!」と単純比較しても意味がない。
そこで、一般的に公開されている「平均保険料」のデータを調べてみた。
例えば、金融庁のデータや保険比較サイトが集計している統計を見ると、おおよその相場観が掴めてくる。
【参考】自動車保険料の年代別・等級別 平均相場(年間)
※車両保険の有無や車種(コンパクトカー/ミニバン等)で大きく変動します。あくまで目安です。
年齢 等級(ノンフリート) 車両保険なし(目安) 車両保険あり(目安) 30代 10等級 約30,000円~50,000円 約50,000円~80,000円 30代 20等級 約15,000円~25,000円 約30,000円~50,000円 40代 10等級 約28,000円~45,000円 約45,000円~75,000円 40代 20等級 約14,000円~23,000円 約28,000円~48,000円 (※各種保険比較サイトの公開データを元に作成したサルヂエファミリー独自の調査表)
「ふむ…こう見ると、ウチの等級(15等級)と年齢(40代前半)で、車両保険もつけてることを考えると…まぁ、平均の範囲内、いや、ちょっと高めか?」
「ほら!やっぱり高いんじゃない!」
「まぁ待て。これはあくまで『平均』だ。この平均には、次に話す『ダイレクト型』の安い保険料も全部含まれてる。だから、単純にこの表より高いから損、とは言えないんだ」
「高い」と言われる理由は補償とサポート体制にあり
じゃあ、なぜ東京海上日動をはじめとする「大手損保」の保険料は、高いと感じるのか。
答えはシンプルだ。俺たちは「保険そのもの」以外にも、色々な「サービス」の対価を払っているからだ。
「サービスって、事故の時の電話対応とか?」
「それもそうだが、もっと具体的にな。例えばこういうことだ」
- 手厚い事故対応ネットワーク:
事故はいつどこで起こるかわからない。東京海上日動のような大手は、全国各地に拠点や提携修理工場(それこそ、俺たちがいつもお世話になってる「カードック」みたいな専門家たちだ)のネットワークを張り巡らせている。どこで事故っても、迅速に専門スタッフが駆けつけたり、レッカーを手配したりできる体制を維持するには、莫大なコストがかかる。 - 充実したロードサービス:
バッテリー上がりやパンク、ガス欠。事故じゃなくても車は止まる。そういう時の24時間365日対応のロードサービスが、基本補償に手厚く組み込まれていることが多い。 - 「人」によるサポート:
俺たちが契約しているような「代理店」。彼らは保険のプロとして、俺たち家族構成や車の使い方に合わせたプランを提案してくれる。万が一の時も、保険会社との間に立って交渉や手続きのサポートをしてくれる(場合がある)。
「なるほど…。私たちが払ってる保険料には、そういう『万が一の時の安心料』や『プロの人件費』がしっかり含まれてるってわけね」
「その通り。その『安心料』にいくら払うか、が焦点なんだ」
ダイレクト型との価格差は?代理店型の強みとトレードオフ
ここで出てくるのが、最近CMでよく見る「ダイレクト型(ネット保険)」との比較だ。
「パパ、あの『ネットで契約するとこんなに安い!』ってやつ。あれじゃダメなの?」
ママの直感がまた冴える。まさにそこが、自動車保険の見直しにおける最大の分岐点だ。
俺たちが契約してる東京海上日動は「代理店型」。
CMで安いと謳っているのは「ダイレクト型」。
この2つは、ビジネスモデルが根本的に違う。
【代理店型 vs ダイレクト型】根本的な違いはココ!
比較項目 代理店型(例:東京海上日動) ダイレクト型(ネット保険) 保険料 高め 安め 販売窓口 地域の代理店(対面・電話) ネット・電話(コールセンター) 強み ・対面で相談できる安心感
・プランを提案してもらえる
・万が一の時、担当者がサポート・中間コストがなく保険料が安い
・ネットで24時間手続き可能注意点 ・人件費などが保険料に反映
・担当者によって力量が違うことも・補償は基本的に自己判断
・事故対応はコールセンターと直接
「つまり、ダイレクト型は代理店っていう『中間業者』を挟まないから、その分の人件費や店舗コストがかからない。だから保険料を安くできるんだ」
「へえー!じゃあ、ダイレクト型の方が絶対お得じゃない!」
「早まるな。トレードオフ、だ。ダイレクト型は安い代わりに、補償プランは基本的に『全部自分で選ぶ』必要がある。事故の時も、担当者が飛んでくるんじゃなくて、コールセンターと自分で直接やり取りするのが基本だ」
東京海上日動が「高い」のは事実だ。しかし、それはダイレクト型と比べての話。
俺たちは「対面での相談」や「手厚いサポート体制」というサービスも一緒に買っている。
問題は、そのサービスに、今の保険料が見合っているか。
そして、俺たち家族(特に事故時にテンパりそうなママ)が、ダイレクト型の「自己責任型」に対応できるか、だ。
「うーん…。安くなるのは魅力だけど、事故の時に電話口で『それは補償対象外です』とか言われたらパニックになりそう…」
「だろ? だから、まずは俺たちが今入ってる保険の中身をしっかり理解して、『無駄』がないかを確認するのが先決だ。安易に乗り換える前に、今の保険料を下げる工夫ができないか、次のステップで検証しよう」
保険料を下げるには?条件・割引・特約の見直しで変わる“年1万円差”の現実
「東京海上日動が高い理由はわかったわ。代理店の手厚いサポート代が含まれてるのね。でもさ、パパ。それを踏まえても、やっぱり安くできるなら安くしたいじゃない!」
「その通りだ。ここからが本題。今の『安心』をなるべく維持したまま、保険料という『コスト』をどうやって最適化するか。闇雲にダイレクト型へ乗り換える前に、今入っている保険証券を見ながら、保険料を安くするためのロジックを一つずつ検証していくぞ」
「うわ、また理屈っぽいの始まりそう…。手短にお願いね!」
「任せろ。この検証で、年間1万円、いやそれ以上変わる可能性だってあるんだからな」
等級・年齢・免許証色で変わる保険料の基礎ロジック
まずは基本のキだ。自動車保険料の根幹を決めている3つの要素がある。
- 等級(ノンフリート等級):
これは言わずと知れた「無事故割引」の指標だ。6等級からスタートし、1年間無事故なら1等級アップ。最大20等級まで上がる。割引率がものすごく高くて、6等級と20等級では、保険料が60%以上も変わってくる。
「これはもう、安全運転を続けるしかないわね」
「ああ。逆に一度事故(3等級ダウン事故)を起こすと、翌年から保険料が跳ね上がる。だからこそ『小さなキズなら保険を使わない』という判断も重要になってくるんだ」 - 年齢条件:
運転者の年齢だ。「全年齢」「21歳以上」「26歳以上」「30歳以上」といった区分が一般的だな。若いほど事故率が高いから保険料も高い。
「ウチはもう二人とも40代だし、ここは最安ね」
「油断するな。問題は息子たちが免許を取った時だ。その時、この年齢条件をどう見直すかが家計の分かれ道になるぞ」 - 免許証の色:
ご存知、ゴールド免許か、ブルーか、グリーンか。
「私、次でゴールドよ!」
「よし。ゴールド免許割引は割引率も高い(保険会社によるが5%~15%程度)。これは適用しない手はない。更新が近いなら、次の契約に反映できるか確認が必須だ」
走行距離・使用目的・運転者限定条件で節約するコツ
「基本ロジックはわかったけど、それって今すぐ変えられないものばっかりじゃない?」
鋭いな、ママ。ここからが「今すぐ見直せる」節約のコツだ。保険会社は「リスクが低い人」の保険料を安くする。つまり、「ウチはリスク低いですよ」と申告すればいいんだ。
- 走行距離(走行距離区分):
車にどれだけ乗るか、だ。「3,000km以下」「5,000km以下」「10,000km以下」といった区分で保険料が変わる(※東京海上日動など、一部の代理店型では走行距離区分がないプランもある)。
「最近、週末しか乗らないし、コロナ禍以降は遠出も減ったわよね?」
「ああ。年間走行距離を一度しっかり確認すべきだ。もし『10,000km以下』で契約してるのに実際は『5,000km』も走ってないなら、それは無駄な保険料を払ってることになる」 - 使用目的:
「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務使用」の3つだ。当然、毎日使う「通勤・通学」や「業務使用」はリスクが高いとみなされ、保険料も高くなる。
「ウチは完全に『日常・レジャー』よね?」
「そうだな。だが、例えばパパが会社を辞めて自営業になって、この車で荷物を運んだりしたら『業務使用』に変更必須だ。これを怠ると、いざという時に保険が下りない可能性もある」 - 運転者限定:
これが一番インパクトが大きいかもしれない。「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」「限定なし」だ。
「ウチは私とパパしか運転しないから『本人・配偶者限定』よね?」
「今はな。だが、もし『家族限定』になっていたら? 例えば、帰省してきた親戚が『ちょっと運転させて』なんて言う可能性があると思って、昔『家族限定』にしたまま放置してるとか」
「ありえる…!」
「『本人・配偶者限定』にするだけで、保険料はガクッと下がる。ここは絶対に見直すべきポイントだ」
意外と知らない「割引制度」と「特約の取捨選択」
「ふーむ。運転者限定は見直す価値ありそうね。他には?」
「まだあるぞ。割引制度と、保険のメインディッシュ『特約』だ」
あまり知られていないが、保険会社は色々な割引を用意している。
- 各種割引制度の確認:
- セカンドカー割引: 2台目の車を持つ場合、通常6等級からではなく7等級からスタートできる。
- エコカー割引: ハイブリッド車や電気自動車(EV)は保険料が割引になるケースがある。
- 早期契約割引: 満期日の〇〇日前までに契約更新すると割引、など。
「こういう細かい割引は、代理店の担当者が教えてくれるんじゃないの?」
「それが『良い担当者』ならな。だが、俺たち消費者側も『ウチはこれ使えますか?』と武装しとかないと損する可能性がある」
そして一番の難関が「特約」だ。
「特約」ってのは、メインの補償(対人・対物)にトッピングするオプションのことだ。
「なんか『弁護士費用特約』とか『個人賠償責任特約』とか、証券にいっぱい書いてあるやつね…」
「そう。その中には『本当にウチに必要か?』と疑うべきものもある。例えば…」
- 不要な特約の例(かもしれない):
- 『個人賠償責任特約』: 自転車で人にぶつかった時などに使える便利な特約だが、もし『火災保険』や『傷害保険』に既についていたら?
- 『弁護士費用特約』: もらい事故などで役立つが、車を2台持ってたら、2台ともにつける必要はない(1台についていれば家族全員カバーされることが多い)。
- 『入院時一時金』など: 医療保険が手厚いなら、自動車保険で備える必要性は低いかもしれない。
「うわ、重複してるかもなんて考えたこともなかった!」
「そうだろ? 『安心だから』と全部乗せにしてると、それだけで年間数千円の無駄払いになってる可能性があるんだ」
【まとめ】見直し前に整理すべきチェックリスト
「もうお腹いっぱい! ややこしい! パパ、結局、何を確認すればいいのよ!」
「はいはい、わかった。ママみたいな『理屈はいいから結論だけ教えて』派のために、今回検証した自動車保険の見直しチェックリストを作った。これを見ながら、今の保険証券を確認するんだ」
【サルヂエ流】自動車保険の見直し・節約チェックリスト
チェック項目 見直しの視点(こうなってないか?) ① 運転者限定 夫婦しか乗らないのに「家族限定」になっていないか? ② 年齢条件 子どもが独立したのに「26歳以上(同居の子もOK)」のまま? ③ 免許証の色 ゴールド免許になったのに「ブルー」のまま申告していないか? ④ 使用目的 通勤で使わなくなったのに「通勤・通学」のままか? ⑤ 走行距離 週末しか乗らないのに「年間15,000km」契約になっていないか? ⑥ 車両保険 車が古くなったのに、新車時と同じ手厚い補償のままか?(※免責金額=自己負担額を上げると保険料は安くなる) ⑦ 特約の重複 「個人賠償責任」や「弁護士費用」が他の保険とダブっていないか? ⑧ 不要な特約 正直、使わなさそうなオプション(一時金など)を外せないか?
「どうだ。これなら分かりやすいだろ?」
「お、これなら私でもできそう!」
「まずはこのリストを片手に、今の契約内容を確認する。そして、『ウチの家族構成と車の使い方なら、この条件に変えたい』というのを明確にするんだ。それを持って、初めて東京海上日動の代理店に『この条件ならいくら安くなる?』と交渉するなり、他のダイレクト型の自動車保険で見積もりを取るなりのスタートラインに立てるわけだ」
見積もり時に注意すべき“落とし穴”と、比較するならここを見ろ
「よし、パパ。さっきのチェックリスト、全部確認したわよ。どうやらウチ、『運転者限定』と『特約の重複』で、ちょっと損してるっぽい!」
「ほう、見直した甲斐があったな。これで『ウチの希望条件』が固まった。いよいよ、自動車保険の見積もりを取るステップだ」
「待ってました! 一番安くなるところを探せばいいのよね!」
「待て待て、ママ。そこが最大の『落とし穴』なんだ」
前のH2で「保険料を下げるコツ」を理屈っぽく解説したが、いざ見積もりを取る段階になると、今度は「安さ」という数字に目が眩んで、大事なことを見落としがちになる。
「え、安けりゃいいじゃない。節約するんでしょ?」
「もちろん安いに越したことはない。だが、俺たちの目的は『補償を減らさずに家計の納得感を高める』ことだろ? 安さだけで飛びつくと、ママが一番懸念してた『いざという時に役に立たない』保険になりかねないんだ」
「保険料」だけで決めると損する要注意パターン
保険の見積もりを取ると、各社からズラッと数字が並ぶ。A社は5万円、B社は4万5千円、C社は4万円…。
「ほら、C社が一番いいじゃない!」
「そう思うだろ? だが、そのC社の『4万円』が、どういう補償内容で成り立っているか、そこを見ないといけない。よくある失敗パターンはこれだ」
- パターン1:車両保険の「免責金額」がいつの間にか高額に
「免責」ってのは「自己負担額」のことだ。例えば「免責10万円」なら、修理代が30万円かかっても、10万円は自腹を切らないといけない。この免責額を高く設定すれば、保険料は当然安くなる。
「見積もりサイトで『一番安いプラン』を選ぶと、自動的にこの免責が『1回目10万円、2回目20万円』とかに設定されてることがあるんだ。それに気づかず契約して、いざ事故って『え、10万も払うの!?』と青ざめるわけだ」 - パターン2:必要な特約がゴッソリ抜けている
H2-2では「不要な特約は外せ」と言ったが、もちろん「必要な特約」もある。特に「弁護士費用特約」だ。もらい事故(自分に過失がない事故)では、保険会社は示談交渉をしてくれない。その時の弁護士費用を賄う重要な特約だ。
「安いプランだと、これがオプション(別料金)になってて、基本プランから外れてることがある。それに気づかず『安い!』と契約し、いざもらい事故に遭って途方に暮れる…なんてことになったら最悪だ」 - パターン3:ロードサービスの範囲が微妙に狭い
「ロードサービス無料!」と書いてあっても、よく見たら「レッカー移動は30kmまで」とか「ガス欠対応は年1回まで」とか、微妙な制限がついていることがある。
「東京海上日動みたいな大手代理店型は、この辺が『業界最高水準』で手厚いことが多い。その『安心料』を削って安さを取るわけだから、どこまで許容できるか、ちゃんと比較しないといけない」
「うわ…数字だけ見て決めると、あとで絶対後悔するやつだ…」
「そうだろ? だから、見積もりを取る時は『複数の会社を、必ず同じ補償条件で比較する』ことが鉄則なんだ」
見積もりサイトと代理店見積の違いを理解する
「じゃあ、パパ。見積もりってどうやって取るのが一番効率いいわけ? ダイレクト型も代理店型も、全部一社ずつ電話するの?」
「いい質問だ。今は便利なサービスが2種類ある。それを使い分けるのが『理屈派』のやり方だ」
- 一括見積もりサイト(ダイレクト型中心)
ネットで一度、自分の車の情報や希望条件(等級、年齢、運転者限定など)を入力すると、複数のダイレクト型保険会社の見積もりがバーッと一覧で出てくる。- メリット: とにかく早い。ダイレクト型の相場観(最安値)を知るのに最適。
- デメリット: 出てくるのは基本的にダイレクト型中心。東京海上日動のような「代理店型」は、ほぼ参加していない。
- 代理店への個別見積もり(代理店型)
これは、俺たちが今契約している東京海上日動の代理店に「H2-2のチェックリストで決めた、ウチの希望条件(運転者限定とか)に変えたら、来年の保険料はいくらになる?」と直接聞くやり方だ。- メリット: 今の契約をベースに、プロ(代理店)と相談しながら条件を詰められる。
- デメリット: 手間がかかる。その代理店が扱っている保険(基本は東京海上日動)しか提案されない。
「なるほど。つまり、まずは『一括見積もりサイト』で世の中の最安値(ダイレクト型)がいくらなのかを把握する。その上で、今の『東京海上日動の代理店』に、同じ条件で見積もりをし直してもらう。この両方を天秤にかけるってことね?」
「その通り! 完璧だ、ママ。そうすれば、『ダイレクト型の安さ』と『代理店型(東京海上日動)の安心感とサポート』の価格差が、具体的に『年間いくらなのか』がハッキリする」
東京海上日動の見積フォームで確認できる範囲と注意点
「でもさ、パパ。東京海上日動って、代理店を通さないと見積もりできないの? ネットでサクッとできない?」
「実は、東京海上日動も『ネット完結型』の自動車保険(トータルアシスト自動車保険)の見積もりや契約手続きをWebサイトで提供している。ただ、これは少し注意が必要だ」
- ネット見積もりは「参考」に:
ネットで見積もりはできる。ただし、代理店型保険の強みは、その家族に合わせたオーダーメイドの補償設計だ。ネットの自動見積もりでは、その細かいニュアンス(例えば、特約の重複の指摘とか)まではカバーしきれない可能性がある。 - あくまで「代理店」が主体:
ネットで見積もりや契約を進めても、多くの場合、最終的には地域の「代理店」が担当として割り当てられる(もしくは自分で選ぶ)ことになる。ダイレクト型のように、保険会社本社と直接やり取りするのとは少し仕組みが違うんだ。 - 『カードック』のような専門家との連携:
紹介する「カードック」のような修理工場は、保険修理のプロだ。彼らは、東京海上日動を含む様々な保険会社の事故対応や修理プロセスを熟知している。もし代理店選びに迷ったら、そういう「車の専門家」に、『どの代理店が信頼できるか』と相談してみるのも一つの手だ。彼らは保険の『実務』を知っているからな。
「ふむ。つまり、東京海上日動のネット見積もりは『目安』として使いつつ、本命は『今契約している代理店』か、もしくは『信頼できる別の代理店』に、H2-2の条件をぶつけて交渉するのが王道ってことね」
「そういうことだ。安易にネット見積もりの数字だけで『東京海上日動はやっぱり高い!』と結論を出すのは、まだ早いんだ」
まとめ|「安さ」より「納得感」で選ぶ、我が家の保険見直しの考え方
「ふぅー。パパ、お疲れ様。なんか、自動車保険のこと、すっごい詳しくなった気がする」
「ははは。俺の理屈っぽい検証によくぞ付き合ってくれた、ママ。おかげで、我が家がやるべきことが明確になっただろ?」
今回の「サルヂエ・やってみる企画」、東京海上日動は本当に高いのか?という疑問からスタートしたわけだが、俺たちなりの結論が見えてきた。
「高いか、高くないかで言えば、やっぱりダイレクト型と比べると『高い』のよね。でも、それは『サポート体制』とか『代理店の相談料』込みの値段だってことも分かった」
「そうだ。そして、その『高い』保険料も、俺たち自身の『見直し』次第で、まだまだ節約できる余地があった。それがH2-2のチェックリストだ」
「運転者限定とか、特約の重複とかね。あれはすぐに代理店さんに連絡しなきゃ!」
結局のところ、自動車保険の見直しっていうのは、「一番安い会社を探すゲーム」じゃないんだ。
「数字(保険料)ももちろん大事だけど、それ以上に『私たちが、この補償内容とサービスに、この金額を払うことに納得できるか?』が一番大事なのね」
「まさにその通りだ、ママ。直感派の君が、一番本質的な結論にたどり着いたな」
- 事故時にとにかく手厚いサポートが欲しい。安心をお金で買いたいと思うなら、東京海上日動のような代理店型は、価格差以上の価値があるだろう。
- 補償内容は自分で全部わかる。事故対応もコールセンターと冷静に話せる自信があるなら、ダイレクト型にして保険料をガッツリ節約するのも、合理的な選択だ。
「ウチはどうする? やっぱりダイレクト型に乗り換える?」
「いや、俺はこう考えてる。まずは、H2-2のチェックリストで洗い出した『ウチの希望条件』を、今の東京海上日動の代理店にぶつけてみる。それでどれだけ安くなるかを確認する」
「ふむふむ」
「それと同時に、H2-3で話した『一括見積もりサイト』を使って、同じ条件でダイレクト型がいくらになるかも調べておく。…その上で、最終的に『価格差』と『安心感』を天秤にかけて、家族会議だ」
「それが一番、理屈も直感も納得できる方法かもね!」
自動車保険は、家計にとっては大きな固定費だ。
でも、万が一の事故の時には、俺たち家族の生活を守ってくれる最後の砦でもある。
「高いからダメ」「安いからイイ」と短絡的に決めるんじゃなく、自分たち家族が何を一番大切にしたいのか。
それをハッキリさせてから見積もりを取るのが、家計が得する一番の近道だ。
「よし、パパ! 早速、保険証券とチェックリスト持ってきて! やるわよ!」
「おう! 理屈と直感、サルヂエファミリーの総力戦だな!」