「ねえパパ、またガソリン価格上がってない?昨日入れたスタンド、先週より高かった気がするんだけど!」
「ふむ、ママ。いいところに気がついた。確かにここ最近、じわじわと家計に響くレベルで高止まりしているな」
我が家の怪獣二匹を乗せて走るファミリーカー。週末の買い出し、息子の習い事の送り迎え…。車がなければ生活が回らないサルヂエファミリーにとって、ガソリン価格の高騰は、パパのお小遣いより深刻な大問題だ。
「もうさ、2025年こそは流石にガソリン価格、いつ下がるのよ!?って、毎日思ってるんだけど!」
ママのその直感的な叫び、よく分かる。だが、理屈っぽいパパとしては、ただ「高い高い」と嘆いているだけでは性に合わない。
「いいだろう、ママ。そこまで言うなら、我が家の“やってみる”精神の見せ所だ。なぜガソリン価格は下がらないのか?いや、2025年、本当に下がるタイミングは来るのか? パパがその『仕組み』から徹底的に調べて、解説してやろうじゃないか!」
というわけで、今回のサルヂエファミリーの「やってみた」企画は、『2025年、ガソリン価格はいつ下がるのか?』。
家計を守りたいママの切実な願いと、うんちくを語りたいパパの知的好奇心(という名の自己満足)を燃料に、この複雑怪奇なガソリン価格の未来について、徹底的に調べてみることにした!
2023〜2025年のガソリン価格推移から見えるトレンド
「さてママ。まず『未来(いつ下がるか)』を知るためには、何から始めるべきか分かるか?」
「えー?…未来なんだから、占いとか?」
「違う(即答)。『過去と現在を知る』ことだ。物事には必ず傾向(トレンド)というものが存在するからな」
ということで、まずはパパが2023年から2024年にかけてのガソリン価格の推移を調べてみた。例の、あの「なんでもグラフにしたがる病」が発症したわけだ。
2023年〜2024年のガソリン価格変動グラフ(の傾向)
「ほら、これを見てみろ。グラフにするまでもなく、ここ2年ほどの推移を調べてみると、非常に分かりやすい傾向がある」
「うわ…なんか、ずっと右肩上がりじゃない? たまにちょっと下がっても、すぐまた上がって…」
ママの言う通り、2023年から2024年にかけてのガソリン価格(レギュラーガソリンの全国平均)は、まるでジェットコースター。いや、ロケットか?
- 2023年前半: じわじわと上昇傾向。
- 2023年夏〜秋: 補助金の拡充などで一時的に抑えられたかと思いきや、歴史的な高値水準に到達。「180円の壁」なんて言葉がニュースで踊ったのを覚えている人も多いはずだ。
- 2024年: 年が明けても、根本的な「高い」状況は変わらず。むしろ「170円台が当たり前」という感覚に麻痺してきている自分が怖い。
「そうなんだよ。グラフを眺めていると、『ちょっと下がった!』と喜んでも、それは“超高値”から“高値”になっただけで、一昔前の『140円台』なんか、もはや夢のまた夢…という状況が続いているのが分かる」
「なんか…データで見ると、余計へこむわね…」
現在の価格は“高騰”か“平常”か?相場の目安
「じゃあパパ、そもそも『ガソリン価格の相場』って、今いくらなの? 今のこの170円だ180円だっていうのは、やっぱり『高騰』で異常事態ってこと?」
「良い質問だ、ママ。結論から言えば、『紛れもない高騰状態が継続している』と言える」
パパがさらに調べてみると、過去10年(2015年~2024年)のレギュラーガソリン全国平均価格の“平均”は、大体140円台後半~150円台前半あたりだった。(※もちろん時期による変動は激しいが)
「つまりだ。今の価格帯(170円~180円)は、過去の平均的な相場よりも20円~30円も高い状態が“平常”になってしまっているということだ。これは家計にとって、ボディブローのように効いてくる」
「月50リットル入れるとしたら、それだけで1,000円~1,500円の差だもんね…。年間なら…うわ、考えたくない」
季節・政策・円相場との関係性
「でもさ、パパ。なんでこんなに上がったり下がったり(ほぼ上がりっぱなしだけど)するわけ? 夏休みだから? それとも、政府が何かしたから?」
「ふふ、ママ。核心に近づいてきたな。ガソリン価格というのは、実に様々な要因が複雑に絡み合って決まっているんだ」
パパが調べただけでも、価格変動に関わる主な要因はこんなにある。
- ① 原油価格(需要と供給): そもそも「ガソリンの素」である原油が、世界でどれだけ必要とされ、どれだけ作られているか。(これが一番デカい)
- ② 為替相場(円安・円高): 日本は原油をほぼ100%輸入に頼っている。そしてその決済は「ドル建て」だ。
- ③ 政府の政策(補助金): みんなご存知、「激変緩和措置」という名の補助金。これが価格を直接押し下げたり、終了すると跳ね上がったりする。
- ④ 税金: ガソリン価格の半分近くは税金、なんて話も有名だよな。
- ⑤ 季節要因: 夏のドライブシーズンや、冬の暖房需要で原油の需要が高まると、価格が上がりやすい傾向も(昔は)あった。
「うわ…なんか、小難しい話ばっかり…。私、頭痛くなってきたわ」
「まあ待て、ママ。ここからが本題だ。これら一つ一つの要因が、2025年にどう動くと予測されているのか。それを解き明かさなければ、『いつ下がるか』の答えには辿り着けないんだよ」
そう、次のセクションからは、いよいよパパのうんちくが火を噴く「ガソリン価格が決まる仕組み」の核心部分に迫っていく。ママ、置いていかれないよう、しっかりついてきてくれよな!
ガソリン価格が下がる要因①:原油価格の見通し
「よし、ママ。最初の関門だ。ガソリン価格の変動要因、その最大のボスキャラとも言えるのが、何を隠そう『原油価格』そのものだ」
「げ。出たわね、カタカナ。もうその時点で難しそうなんだけど…」
「大丈夫だ。パパが『サルでも分かる(?)』レベルで説明しよう。ガソリンスタンドで売られているガソリンは、元を辿れば『原油』というドロドロの油から作られている。この『原油』の値段が上がれば、当然、最終製品であるガソリンの値段も上がる。至極当然のロジックだ」
「それは分かるわよ。材料費が上がれば、商品の値段が上がる。スーパーの特売卵だって、ニワトリの餌代が上がれば高くなるのと同じでしょ」
「その通り!ママ、冴えてるじゃないか。問題は、『じゃあ、なんでその原油価格が上がるのか』だ。ここが2025年の見通しにも直結する」
WTI/ドバイ原油の動向(需給バランス)
「ニュースとか見てるとさ、『WTI原油先物』とか『ドバイ原油』とか、なんか色々聞くけど、あれって何が違うの?」
「おお、ママ。良いところに目をつけたな。それは原油の『銘柄』みたいなものだ。産地や品質で名前が分かれているんだが、大事なのはそこじゃない」
パパが強調したいのは、それらの価格が全て「需要と供給のバランス」で決まっているという事実だ。
- 需要(欲しい人): 世界中の工場、車、飛行機、暖房などが「石油(原油)が欲しい!」となれば、価格は上がる。
- 供給(作る人): 産油国が「よし、いっぱい掘るぞ!」となれば、価格は下がる(傾向にある)。
「で、だ。2025年の見通しだが、この『需要』が厄介なんだ。世界的に景気が回復してくれば(特にアメリカや、中国・インドなどのアジア諸国が元気になれば)、当然『石油が欲しい!』という需要は増える。そうなると、価格は下がるどころか、上がる圧力がかかるわけだ」
「え、ちょっと待って。景気が良くなるのは良いことだけど、ガソリン価格が上がるのは困るんだけど…」
「そう、そこがジレンマなんだよ」
OPEC+の減産動向が鍵を握る
「さらにだ、ママ。価格を左右するもう一つの大きな要因、『供給(作る人)』側にも注目しないといけない。ここで登場するのが、うんちくタイムだ。『OPECプラス(おぺっくぷらす)』という言葉を聞いたことがあるか?」
「おぺっく…? なんか、ピクニックみたいな名前ね」
「(無視して)OPECプラスというのは、サウジアラビアとかロシアとか、世界有数の産油国が集まったグループのことだ。彼らは、自分たちの利益を最大化するために、相談して『今月はこれくらい掘る(生産する)のをやめておこう(=減産)』とか、『もうちょっと掘ろう(=増産)』とかを決めている」
「何よそれ! 自分たちで値段をコントロールしてるってこと!? ずるくない?」
「まあ、そう怒るな。彼らにも言い分はあるんだろう。重要なのは、彼らが『減産』を続けると、市場に出回る原油の量が減る。すると、原油が“レア”になって、価格が上がるんだ」
「……」
「そして残念ながら、このOPECプラスは、ここ数年、原油価格を高く維持するために『協調減産』を続けている。2025年もこの姿勢が続くかどうか…ここが最大の焦点なんだよ」
中東情勢・中国需要・アメリカの生産増加など影響要因
「つまり、2025年にガソリン価格が下がるかどうかは、OPECプラスのさじ加減次第ってこと?」
「それも大きな要因だが、全てじゃない。パパが調べたところ、他にもこんな“爆弾”が転がっている」
【2025年の原油価格に影響を与えそうな要因】
| 影響要因 | 状況(パパ調べ) | 価格への影響(予測) |
|---|---|---|
| 中東などの地政学リスク | 紛争や対立が続くと、原油の輸送(タンカー)が脅かされたり、生産がストップする懸念が生まれる。 | (上がる) 供給が不安定になるかも、という不安だけで価格は上がる。 |
| 中国やインドの需要 | 「世界の工場」である中国や、急成長中のインドの景気が良くなると、石油消費量が爆増する。 | (上がる) 「欲しい人」が増えるため。 |
| アメリカのシェールオイル | OPECプラスとは別に、アメリカも「シェールオイル」という石油をガンガン生産している。 | (下がる) 「作る人」が増えるため。OPECプラスの減産を打ち消す効果が期待できる。 |
| 世界的な脱炭素の流れ | EV(電気自動車)へのシフトや、再生可能エネルギーへの投資が進むと、長期的には石油への依存度が下がる。 | (下がる) 長期的な「欲しい人」が減るため。(※ただし2025年単年では影響は限定的かも) |
「……なんか、パパ。聞いてると、『下がる要因』より『上がる要因』の方が多い気がするんだけど…」
「ママ…。鋭い。そうなんだ。残念ながら、原油価格そのものを見ると、2025年に『劇的に安くなる』と楽観視できる材料は、正直少ないんだよ」
「えー! じゃあもう2025年もガソリン代に怯えなきゃいけないの!?」
「いや、まだだ! まだ慌てる時間じゃない。ガソリン価格を決める要因は、原油だけじゃないと言っただろう? 次は、我々日本に固有の、あの忌まわしき『アレ』の話をしよう」
ガソリン価格が下がる要因②:為替(円安・円高)の影響
「ママ、さっき『原油価格そのものは、2025年も下がるか怪しい』という話をしたよな」
「そうよ! だから今、私はガックリきているところ」
「だが、ガソリン価格は『原油価格』だけで決まるわけじゃない。我々が住む日本には、もう一つの巨大な変動要因、そう、『為替(かわせ)』がある!」
「為替…? ああ、ニュースでよく見る『円安』とか『円高』ってやつね。あれもガソリン価格に関係あるの?」
「関係あるどころじゃない! むしろ、ここ数年のガソリン高騰の“主犯格”の一人と言っても過Gではないんだ!」
ガソリンは「ドル建て」で買っているという仕組み
「まず、大前提のうんちくだ。ママ、日本は原油をどこから買っている?」
「え? サウジとか、アラブの国とか…?」
「そう。中東の国々から多くを輸入している。だが、重要なのはその『決済方法』だ。日本が彼らから原油を買う時、日本円(YEN)では買えないんだ」
「え、そうなの!? じゃあ何で払ってるの?」
「『米ドル(USD)』だ。世界の原油取引のほとんどは、ドルで決済されている。これが鉄の掟だ」
つまり、日本(の石油会社)が原油を仕入れる流れはこうだ。
- まず、手持ちの「円」を「ドル」に両替する。
- その「ドル」で、産油国から原油を買う。
- 仕入れた原油(ドル価格)に、日本の税金やら精製コストやらを乗せて、ガソリンとして「円」で販売する。
「…なんか、面倒くさいわね。最初から円で買えればいいのに」
「それができれば苦労はしない! この『円をドルに両替する』という一手間が、我々の家計を直撃するんだ」
円安→価格高騰/円高→下落のロジック
「ここで本題の『円安・円高』だ。ママ、最近よく聞く『円安』って、どっちか分かるか?」
「えーっと、『円の価値が安い』ってことだから…1ドル=100円だったのが、1ドル=150円になる、とか?」
「その通り! 素晴らしいぞ、ママ!」
じゃあ、仮に「1バレル(原油の単位)=100ドル」の原油を買うとしよう。
- <円高の時代> 1ドル=100円だったら…
100ドル × 100円 = 10,000円 で原油が買えた。 - <円安の時代> 1ドル=150円だったら…
100ドル × 150円 = 15,000円 も払わないと買えない。
「…! ちょっと待って。原油そのものの値段(100ドル)は変わってないのに、日本円で払う金額が1.5倍になってるじゃない!」
「そうだ! それが『円安による輸入コストの上昇』だ! 原油価格が世界的に見て(ドル建てで)横ばい、あるいは少し下がっていたとしても、日本国内で『超円安』が進んでしまえば、我々が買うガソリン価格は高騰してしまうんだ!」
ここ数年のガソリン高騰は、OPECプラスの減産(原油高)と、この歴史的な円安(仕入れコスト増)のダブルパンチを受けている状態だった、というわけだ。
2025年の為替予測と政策見通し
「じゃあ、2025年はどうなのよ!? この円安、いつまで続くの!?」
「ママ、落ち着け。パパも専門家じゃないから断言はできないが、市場やエコノミストの見通しを調べてみると、色々な意見がある」
- (楽観シナリオ)アメリカの利下げ → 円高方向へ?
今の円安の大きな原因は、アメリカが金利を上げまくり(ドル高)、日本が金利を上げない(円安)という「金利差」にある。2025年、アメリカが景気後退などを懸念して金利を「下げる」局面に移れば、この金利差が縮小し、円安にブレーキがかかる(=円高方向に少し戻る)のではないか、という見方だ。 - (悲観シナリオ)日本の力が弱いまま → 円安継続?
いやいや、金利差だけじゃなく、日本の「稼ぐ力(経済成長率)」そのものが弱いから円が売られているんだ、という見方もある。その場合、アメリカが利下げしても、円安基調はそう簡単には変わらないかもしれない。
「…どっちなのよ、結局!」
「どっちの可能性もある、としか言えないのが現実だ。ただ、パパの分析では、『2024年までのような一方的な円安は、2025年には少し落ち着くのではないか』と見ている専門家が多いように感じる」
もし、OPECプラスが減産をやめて原油価格が少し下がり(要因①)、さらにアメリカの利下げで円高方向に少しでも振れれば(要因②)…ガソリン価格が下がる希望は、ゼロじゃない!
「お、ちょっと希望の光が見えてきた…?」
「うむ。だが、まだ安心するのは早い。我々には、第三の要因…あの『政府』の存在が残されているんだ」
ガソリン価格が下がる要因③:政府の補助金・政策動向
「ふぅ…原油(要因①)と為替(要因②)か。どっちも世界規模の話で、私たちにはどうしようもない感じがするわね…」
「ママ、その通りだ。だが、我々のガソリン価格を、もっと“直接的”に、そして“人為的”に動かしている要因があるのを忘れてないか?」
「え? 人為的…?」
「そう。我らが日本国の『政府』だ。特に、ここ数年ずっと続いている『ガソリン補助金』…正式名称『燃料油価格激変緩和措置』だ!」
「ああ! やっと身近な話が出てきたわ! アレでしょ? 『補助金のおかげで10円安くなってます』みたいなやつ。あれがあるから、まだ170円台で済んでるってことよね?」
「うむ。ママの理解は正しい。だがな、その『補助金』こそが、2025年のガソリン価格がいつ下がるかを予測する上で、最大の“トラップ”であり、最も読めない“時限爆弾”でもあるんだ」
「な、なに、時限爆弾って! 脅かさないでよ!」
「激変緩和措置」などの燃料補助制度の影響
「まず、パパのうんちくタイムだ。この『激変緩和措置』、どういう仕組みかママは知っているか?」
「え? なんか、ガソリンスタンドで払う時に、国がちょっとおまけしてくれる、みたいな?」
「ブブー(不正解)! 惜しいが、ちょっと違う。我々がスタンドで払う金額を直接安くしているわけじゃないんだ」
パパが調べたところ、仕組みはこうだ。
サルヂエ流「激変緩和措置」のざっくり解説
- 政府が「基準価格」(例:170円)を決める。
- 実際のガソリン平均価格が、その基準を超えそうになる(例:190円になりそう)。
- 政府は、その「差額(この場合20円)」の一部(または全部)を、我々消費者ではなく、石油元売り会社(エネオスとか出光とかの大元)に「補助金」として渡す。
- お金をもらった元売り会社は、その分、ガソリンスタンドへの「卸値」を安くする。
- 結果、我々が買うガソリンスタンドでの価格が、本来の190円ではなく、170円台に抑えられる。
「…ふーん。結局、安くなるならどっちでもいいけど」
「よくない! 大事なのは、この仕組みは『ガソリン価格の“本当の市場価格”』を、我々から“見えにくく”しているという点なんだ!」
補助金終了後の“値上がりリスク”も要注意
「ママのその『どっちでもいい』が危ないんだよ。さっきの例で言えば、我々は170円台でガソリンを入れているつもりだが、補助金がなければ、本当は『190円』の実力を持っているかもしれない、ということだ」
「え…? 190円…!?」
「そうだ。つまり、我々は『高値だ』と文句を言いながらも、実は税金という名の“麻酔”を打たれて、本当の痛みに気づいていないだけかもしれないんだ」
そして、ここからが本題の「値上がりリスク」だ。
「もし、政府が『もう財源も厳しいし、この補助金、来月で終わりにします!』と宣言したら、どうなる?」
「…! まさか…」
「そのまさかだ。原油価格も為替も何も変わっていなかったとしても、補助金で抑えられていた分の20円が、一気にガソリン価格に上乗せされる。170円台だったガソリンが、翌週には190円台に跳ね上がる…。これが『補助金終了リスク』だ」
2025年の新年度予算における燃料対策の可能性
「そ、そんな…。じゃあ2025年も補助金、絶対続けてもらわないと困るじゃない!」
「だが、ママ。その補助金の“原資”は、我々が納めた『税金』なんだ。未来からの借金(国債)かもしれない。いつまでもこの“麻酔”を打ち続けるわけにはいかない、と考えるのが普通だろう」
政府はこれまでも、「2024年春まで」「夏まで」と、何度も「出口戦略(=補助金終了)」を模索しては、国民の反発や経済状況を鑑みて延長を繰り返してきた。
「2025年の新年度予算(2025年4月~)で、この『激変緩和措置』がどう扱われるのか。これが、2025年のガソリン価格が下がるかどうかの“最後のカギ”になる」
パパの予測シナリオはこうだ。
- シナリオA(継続): 原油や円安が高止まりしたままなら、国民生活を守るために補助金は(規模を縮小しつつも)継続される。→ 価格は高止まりだが、“爆発”はしない。
- シナリオB(終了): もし、原油価格が下がり、円高も進んで、補助金なしでも価格が安定しそう(例:160円台)になれば、政府は「待ってました!」とばかりに補助金を終了する。
「…あれ、パパ? シナリオBって、つまり…」
「そうだ。我々が待ち望む『原油安』と『円高』が訪れたとしても、それが『補助金終了』の引き金になってしまったら…?」
「結局、ガソリン価格は『下がらない』ってこと!?」
「…そういうことだ。プラマイゼロ、いや、むしろ補助金がなくなった分、値上がりしたようにさえ感じるかもしれない。それほど、今のガソリン価格は“政府による管理相場”の色が濃くなってしまっているんだよ」
2025年はいつ下がる?専門家と市場の予測を整理
「もう、パパの話、わけわかんなくなってきたわよ!」
「…ママ、すまん。パパも調べてて頭が痛くなってきた」
「だってさ、
1. 原油価格(要因①): あまり下がらなさそう
2. 為替(要因②): 少し円高になるかも?(希望的観測)
3. 補助金(要因③): もし①と②で下がっても、補助金が終わってチャラになるかも
ってことでしょう? 結論、『2025年もガソリン価格は下がらない』って言いたいの!?」
「ま、待てママ、落ち着け。それがパパの『調べてみた』企画の結論だとしたら、あまりに夢も希望もないじゃないか」
「じゃあどうなのよ!」
「ここからが『サルヂエ』の本領発揮だ。これら複雑な要因を踏まえた上で、『じゃあ、専門家や市場は2025年のいつ頃を“節目”として見ているのか』を、パパなりに整理してみた」
年始・春先・秋以降…“下がりやすい時期”とは?
「まず、アノマリー(経験則)というか、時期的な要因から見てみよう。一般的に価格が動きやすいとされるタイミングだ」
「あ、そういうの、ママ好きよ。分かりやすいから」
- 年始(1〜3月): 冬の暖房需要(灯油など)がピークを迎える時期。原油全体の需要が高まり、価格は高止まりか、やや上昇しやすい傾向がある。
- 春先(4〜6月): 暖房需要が一段落し、夏のドライブシーズン(ガソリン需要)が本格化するまでの“谷間”の時期。比較的、需要が落ち着き、価格が下がりやすい(あるいは安定しやすい)とされる。
- 夏(7〜9月): アメリカやヨーロッパでのドライブシーズン本格化。ガソリン需要が高まり、価格は上がりやすいとされる。
- 秋以降(10〜12月): ドライブシーズンが終わり、再び冬の暖房需要に備える時期。比較的、価格が落ち着きやすい時期とされるが、OPECプラスの総会(減産を決める会議)などがこの時期に開かれることも多く、読みにくい。
「なるほど…。じゃあ、狙うとしたら『春先(4〜6月)』か『秋(10〜11月)』あたりが、少しは期待できるかもしれないってこと?」
「うむ。あくまで過去の傾向だが、『需要が落ち着く時期』というのは一つの目安になるだろうな」
各社(JOGMEC/民間シンタンク)の見解まとめ
「だが、ママ。それだけじゃ『うんちく好きのパパ』としては納得できない。もっと“理屈っぽい”データが欲しい」
「出たわね…」
「そこで、パパはJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構という、日本の資源を守るお堅い組織だ)や、民間のシンクタンク(経済研究所みたいなところ)が発表しているレポートを読み漁ってみた」
(※注:パパは専門家ではないので、あくまで公開情報を“サルヂエ流”にまとめたものだ)
【パパが読み解く】専門家の2025年見通しまとめ
- 強気派(価格は下がらない): 「OPECプラスの減産は続く」「中国やインドの需要は底堅い」「地政学リスクは消えない」といった理由から、原油価格は高止まり(あるいはジリジリ上昇)すると予測。
- 弱気派(価格は下がる): 「アメリカの利下げでドル安(=原油安)になる」「世界経済が思ったより減速し、需要が減る」「アメリカのシェールオイルが増産を続ける」といった理由から、原油価格は緩やかに下落すると予測。
- 日本国内の見方: 「原油価格」×「為替」×「補助金」の掛け算になるため、「世界的な原油価格が少し下がったとしても、円安や補助金終了で、国内のガソリン価格は高止まりする」という見方が、残念ながら多いように見受けられた…。
「…やっぱり、あんまり下がらないんじゃないの」
「ぐっ…ママ、核心を突くな。データを見ると、確かに『来年からリッター150円!』みたいなバラ色の予測は、どこにも見当たらなかった…」
現実的に「下がり始める」シナリオを想定する
「じゃあ、もう諦めるしかないの?」
「いや、まだだ。パパの『調べてみた』は、ここで終わらない。これらの情報をすべて統合し、サルヂエファミリーとしての『最も現実的なシナリオ』を想定してみよう」
パパが考える、2025年にガソリン価格が(少しでも)下がり始めるとしたら、こんなシナリオだ。
【パパの希望的観測シナリオ(2025年)】
- 春〜夏(4〜8月): アメリカが利下げを開始。日米の金利差が縮まり、じわじわと円高方向にシフトする。(例:1ドル150円 → 140円台前半へ)
- 秋口(9〜10月): 円高になった分、日本の輸入コストが下がる。また、OPECプラスも「そろそろ減産やめるか」となり、原油価格も少し落ち着く。
- 同時期(9〜10月): 政府が「価格も落ち着いてきたし」と、補助金の段階的な縮小・終了を宣言する。
- 結果(冬): ①円高(-10円)+ ②原油安(-10円)= -20円 の値下げ要因が発生するも、③補助金終了(+20円)のインパクトで相殺される。
→ 結論:ガソリン価格は、結局170円台の高止まりのまま…
「パパ…。それ、全然『下がるシナリオ』じゃないじゃない!!」
「……す、すまん。これが今の日本を取り巻く、最もあり得そうな『現実』なんだ…。だとしたら、我々はどうすべきか? 次の章で、その『結論と対策』を語ろうじゃないか!」
結論と対策:ガソリン価格が下がるまでどう備える?
「……パパ」
「なんだ、ママ」
「今回の『やってみた』企画、結論としては『2025年もガソリン価格はいつ下がるか分からん、むしろ高止まりだ!』ってことで、FA(ファイナルアンサー)?」
「ぐっ…そ、それは…身も蓋もないが、パパが調べた限りでは、そうなってしまうな…」
「じゃあ、この企画、大失敗じゃない! 私たちの家計は、2025年も火の車だってことが分かっただけじゃないの!」
「いや! ママ、まだだ!『なんでも自分達で調べてやってみる』の真価はここからだ!」
パパが言いたいのは、「未来の価格が読めない」という“現実”が分かったことこそが、最大の成果だということだ。
「いつか下がるかも」と淡い期待を抱いて“待ち”の姿勢でいるのが、一番の悪手。
「どうせ下がらない」という前提に立って、“今すぐできる行動”に移る。それこそが、サルヂエファミリーの進むべき道だ!
買い控え・まとめ買いの判断はどうすべき?
「まず、ママが一番気になっている『いつガソリンを入れるか』問題だ」
「そうよ! 『来週は下がるかも』って思って買い控えたり、『来週から上がる!』ってニュース見て慌てて満タンにしに行ったり、もう疲れちゃったのよ」
「ふむ。その行動、パパの分析によれば『ほとんど意味がない』可能性が高い」
- 「下がるかも」と買い控える
→ H2-5で見た通り、2025年に劇的に下がる要因は薄い。むしろ補助金終了などで突発的に上がるリスクもある。ギリギリまで待って、結局高い日に入れるハメになるのがオチだ。 - 「上がる前に」とまとめ買い(満タン給油)
→ 昔のように価格が乱高下していた時代なら有効だったが、今は「補助金」によって、ある程度「高止まりで安定」してしまっている。慌てて満タンにしても、次の週も値段が変わらない…なんてこともザラだ。
「じゃあ、どうしろと!」
「答えはシンプルだ、ママ。『価格の変動を追いかける』のを、やめるんだ」
「え?」
「我々が取るべき行動は、『給油するタイミング(例:メーターが半分になったら)を決めておき、その時に“一番安く入れられる方法”を淡々と実行する』。これに尽きる」
“いつ”入れるかではなく、“どう安く”入れるかに、家族の全リソースを集中させるべきなんだ。
セルフ/アプリ/クーポンの節約テクも併用を
「“どう安く”入れるか、ねぇ…。そんなの、セルフスタンドで入れるくらいしかやってないわよ」
「甘い! ママ、甘すぎる! そこからが『やってみる』精神の見せ所だろう!」
我が家で今すぐ実行すべき、ガソリン代節約の「行動リスト」をパパがまとめてみた。
【サルヂエ流】ガソリン代・行動リスト
- 給油場所の固定(会員化):
近所のセルフスタンドを2~3カ所ピックアップし、一番安くなりやすい場所(例:特定のクレジットカード連携、会員アプリ)を「ホーム」と決める。 - アプリ・クーポンの徹底活用:
そのスタンドの公式アプリは絶対に入れる。Tポイントや楽天ポイントが貯まるなら連携させる。LINEクーポンや、レシートに付いてくる「次回〇円引き」クーポンは、冷蔵庫じゃなく車検証入れに保管! - 支払方法の見直し:
「現金払いが一番安い」はもう古い。ガソリン代が割引になる特定のクレジットカード(元売り系カードなど)を使う方が、トータルで安くなる場合が多い。パパ、もう一度家計のカード構成を見直すぞ。 - 燃費運転の徹底:
「急発進・急ブレーキ」はガソリンを撒き散らしているのと同じだ! 怪獣たちを乗せている時のような「やさしい運転」を心がける。 - 不要な荷物はおろす:
キャンプ道具やベビーカーを積みっぱなしにするな、ママ! 車が重いと、それだけで燃費は悪化するんだ。
「…うわ。なんか、パパの理屈っぽさが全開ね。でも、確かにやってないことも多いわ…」
「だろう? さらに言えばだ。根本的な問題として、『今の我が家のファミリーカー、燃費悪すぎ問題』にも目を向けるべきかもしれない」
「え? まさか…買い替え?」
「いや、今すぐじゃない。だが、ガソリン価格が『下がらない』前提なら、『ガソリンを食わない車(低燃費車やハイブリッド)』に乗り換えることこそが、最強の節約術になる可能性もある。車の維持費全体を見直す、という視点だな」
「価格は読めない」時代に必要なのは“構え”と“情報収集力”
「ふぅ…。パパ、お疲れ様。なんか、壮大な『やってみた』企画だったわね」
「うむ。正直、パパも調べ疲れた…」
今回の我々の結論を、ママにも分かるようにシンプルにまとめよう。
サルヂエファミリーの結論
- 『2025年、ガソリン価格はいつ下がる?』 → A. 劇的には下がらない。高止まりを前提にしろ!
- 『じゃあ、どうする?』 → A. “未来(価格変動)”に期待するな。“今(節約テク)”を徹底しろ!
「…なんか、厳しいけど、スッキリしたわ」
「そうだろう? 結局、我々のような一般家庭にとって、原油価格だOPECだ円安だ、と一喜憂いするのは非生産的なんだ。それよりも、『どうせ下がらない』と“構え”を決め込み、日々の“情報収集力”と“実行力”を磨くほうが、よっぽど家計のためになる」
それこそ、さっきパパが言った「車の維持費全体」を見直す、みたいな情報収集もそうだ。
最近は、車検や修理、保険、さらには乗り換えまで、ガソリン代以外の“車のコスト”をトータルで診断してくれるようなサービスもあるらしい。(パパ、チラッと調べたぞ。『カードック』みたいな専門サイトだ)
「へぇ、そんなのもあるんだ。まぁ、パパのうんちくよりは、そういうプロに聞いたほうが早そうだけどね」
「(ムッ)…ともかくだ! ガソリン価格が下がるのを待つんじゃない。我々が、動くんだ! サルヂエファミリーの戦いは、2025年も続く!」